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菅野 哲平 院長の独自取材記事

東海大学前駅クリニック

(秦野市/東海大学前駅)

最終更新日:2023/05/02

菅野哲平院長 東海大学前駅クリニック main

小田急線東海大学前駅より徒歩3分にある「東海大学前駅クリニック」は、2022年8月に前身となるクリニックを承継し、開業したばかりだ。院長の菅野哲平先生は、大学病院や呼吸器専門の病院での豊富な経験を持つ呼吸器と総合内科の医師であるだけでなく、アレルギー科・皮膚科・小児科まで幅広い診療もカバー。そのため、不調があってもどこの診療科へ行けばいいかわからない人も気軽に相談できる。また院内にCTがあり、精密検査も可能。「呼吸器の疾患で苦しんでいる方を救いたい」という菅野院長に、承継開業に至った経緯、診療に懸ける想いなどさまざまなことを聞いた。

(取材日2022年10月4日)

専門の呼吸器だけでなく幅広い診療科目をカバー

どうしてクリニックを承継することになったのですか?

菅野哲平院長 東海大学前駅クリニック1

いずれは、呼吸器のクリニックを開業をしたいと以前から準備をしていました。患者さんに必要とされている地域に開業したいと考えている時に、前身のクリニックであった「柿崎クリニック」の院長先生が体調を崩され、継続困難になったため、呼吸器内科の先生を探していると承継のお話をいただきました。突然の閉院となったので患者さんが困っているということと、柿崎徹先生が肺がんの患者さんをよく診てきた先生であるという共通点、CTがあり自分のコンセプトにも合っているクリニックだったなどの理由から、承継することに決めました。地域医療に情熱を懸けていた柿崎先生の想いに心を打たれた点も大きかったです。

柿崎クリニックから引き継いだこと、変わったことはどんなことですか?

柿崎先生が行ってきた検査データは全部引き継いでます。しっかり検査をされる先生でしたので、今の診察の参考になっていますね。例えば胸が痛いと来院された際などは、心電図を測定し以前のデータと比較して異常がないかを調べるのですが、微妙な変化で心筋梗塞に気がつけるということもあり得るのです。これまでと変わらない点は、以前の検査データがあり、CTなどの機材もあり、また呼吸器を専門にしてきた医師が診察することですね。これまで柿崎クリニックにかかっていた患者さんにも安心して通ってほしいと思っています。これまでと変えたことは、まずオンライン予約をできるようにしたことで待ち時間の短縮ができるようになりました。

呼吸器、総合内科の専門性に加え、幅広い診療科目をカバーしているとお聞きしました。

菅野哲平院長 東海大学前駅クリニック2

これまでは肺がんや呼吸器の専門病院に長く勤めてました。そのまま専門を追い続ける道もありましたが、自分が勉強してきたことを多くの方に届けたい、大学病院以外の患者さんに自分のスキルを届けたいと思い、開業の準備を始めていました。その一環で呼吸器専門のクリニックに勤めたのですが、そこで感じたのが、「呼吸器の診療だけで解決に向かう方というのは、それほど多くない」ということ。患者さんが息苦しさを訴えて、いろいろな検査をしても原因がわからない。その場合、精神面に起因する領域の疾患である可能性もあり、自分でもある程度判断できたほうがと考えて心療内科も学びました。その結果、患者さんの中には心療内科的なアプローチで徐々に改善が期待できる方もいらっしゃいます。

CTでの精密検査が可能

クリニックにCTがあるメリットはなんですか?

菅野哲平院長 東海大学前駅クリニック3

検診で肺に影が見つかったとして、大きな病院でCTの検査を受けるためには、待ち時間が長く、検査結果を聞くのにもさらに待つ……と時間がかかることが多いです。当院は予約していただければそこまでお待たせすることなくCTの撮影をし、その時にすぐ結果まで説明することもできます。また、現在は新型コロナウイルス感染後に長引く咳で悩まれている方も多いですが、そういった方に対してもしっかりとした検査ができ、肺炎になっていないかの確認もできます。何よりも精密な検査を気軽に行えるという点が患者さんにとっての一番のメリットではないでしょうか。

大学病院などでがん患者の方と接されていたご経験から、思うことがあれば教えてください。

私ががん治療に携わりたいと思ったのは、初めて自分の患者さんが肺がんで亡くなった時です。その時の無力感から、“がんの患者さんを支えたい”と思いがん治療に取り組んできました。今や肺がんの治療法はどんどん進化しており、学問的にもすごくやりがいがあります。免疫の薬などが近年出てきて、肺がんとわかってから長生きすることも望めるようになってきました。治療法の進化はたいへんうれしいことですが、それよりも肺がんにならないように予防することと、早期発見することが最も大事なことだということも実感しました。当院にはCTがあるので、患者さんの異変や不調を見逃さず早期発見に努められたらという想いがあります。

予防と早期発見のためには何が大事なのでしょうか。

菅野哲平院長 東海大学前駅クリニック4

若い方でも長引く咳を放置していた結果、実は咳喘息だったという方もおられます。大丈夫だろうと受診を先延ばしにしていると悪化してしまうこともあるので注意が必要です。また、もともと肺気腫があるなど、がんになりやすいタイプの方もいますから、そういう方に対しては、定期的にしっかり検査して早く見つけるように心がけています。私が大学病院にいた時、まだ40代の男性が肺の扁平上皮がんで闘病され亡くなりました。扁平上皮がんの最大の発症要因と考えられているのはタバコです。その方もご家族もタバコをやめなかったことをたいへん後悔されていました。やはり病気にならないためにも禁煙はとても大事かなと思います。診察に来られた方には禁煙指導はもちろんしますので、まずは気軽に受診していただきたいと思います。

呼吸器内科の専門として地域医療に貢献

こちらの理念である「トリプルA」について教えてください。

菅野哲平院長 東海大学前駅クリニック5

当院は「あんしん」「あんぜん」「あたたかい」の「トリプルA」をめざしています。「三方良し」という言葉がありますけれど、医療従事者と患者さんがともに満足し、社会貢献もできる医療を提供できるのが理想だと思っています。患者さんにとってニーズを満たせる、不安を解消できるというメリットがあって、私たちスタッフにとっても働きやすい環境である、あとは地域の方々も幸せになれるような三者のためのクリニックでありたいですね。

患者さんとコミュニケーションで気をつけていることはありますか?

やはり「聞くこと」です。聞くことはシンプルですがとても難しいです。患者さんは症状を治したいとクリニックへ来ますが、現状を変えたくて、という気持ちでも来ているのではないかな、と。例えば、風邪症状の患者さんに薬を処方し帰宅され、次の日もいらっしゃったとします。軽症の場合は、昨日薬を処方しているので来院する必要はありませんが、それでも来院されるのは不安だったり、心配だったり、何か気持ちを変えたいという思いで来ているのだと思います。ただ単に「医療的に必要か、必要ではないか」ということや、表立った症状だけでなく、一歩進んで、「その人はどんな人で、何を変えたくて、何を求めて来ているのか」についてもくみ取れるようにしていきたいと思います。

呼吸器専門としてどのように貢献してきたいですか?

菅野哲平院長 東海大学前駅クリニック6

呼吸器疾患で悩む方、悲しい想いをする方を地域で一人でも減らせるように尽力していきたいと思ってます。先ほども申し上げましたが、若い方でも咳喘息だったという方もいらっしゃいます。中年層からご高齢の方には、長引く咳に隠れて肺がんがみつかるケースもあります。風邪は治ったのに咳が止まらない場合や、いつもの風邪の咳とはちょっと違うと感じる場合は要注意です。咳が2週間以上続くようでしたら、早めに受診することがお勧めです。当院では、病院と同じレベルで検査できるように努めており、CTに関しても予約していただければ検査することが可能です。私が培ってきた経験や知識を地域の皆さまに還元できればと思っています。

今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いします。

柿崎クリニックに通院されていた方から「またここにクリニックができて安心できます」という声をいただいて、うれしく思っています。柿崎先生の想いを引き継いで同じような体制で診療を行っていますので、これまでかかっていた方も安心して来てほしいですね。また、近隣には呼吸器を診ている医療機関が少ないと感じているので、当クリニックが呼吸器で悩んでいる方の助けになれればと思っています。いずれはこの地域で「息苦しさや咳がある時は東海大学前駅クリニック」「あそこに行けば大丈夫」というような認識を持っていただけるよう、まい進したいと思っています。

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