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今泉 正仁 院長の独自取材記事

いまいずみ眼科クリニック

(枚方市/樟葉駅)

最終更新日:2023/04/20

今泉正仁院長 いまいずみ眼科クリニック main

樟葉駅から徒歩5分。マンションや戸建ての多い住宅地のビル4階にある「いまいずみ眼科クリニック」。シンボルマークは院長の今泉正仁先生が童謡からヒントを得たというトンボだ。トンボは単眼と複眼の両方を持っていて、物の形を正確にとらえ、動くものに対しても敏感。院長自らがデザインの原案を作ったという。「開業前にこのトンボのマークを考えている時間が、一番楽しかったですね」とおどける今泉院長だが、診療のことになるといつでも真剣そのもの。口調も表情も引き締まる。そんな今泉院長に、コンクトレンズによるトラブルから、クリニックの診療内容、左利きを克服した自身のエピソードまでたっぷりと話を聞いた。

(取材日2018年9月28日)

コンタクトレンズによるトラブルには重度なものも

どのような症状で来院される方が多いですか?

今泉正仁院長 いまいずみ眼科クリニック1

患者さんは若いファミリーから高齢の方まで、全世代満遍なくいらっしゃいます。お子さんの場合は、結膜炎や学校の視力検査で引っかかったケース、10代後半から20代ぐらいになるとコンタクトレンズによるトラブルが多いですね。高齢者の場合は、視力が弱くなっている方や、白内障、緑内障などで来院される方が多いでしょうか。コンタクトレンズによるトラブルでは、角膜感染を起こしていることもありますので、注意が必要です。ご本人は「目がちょっと痛い」「目がちょっと赤い」と気軽に来院されるのですが、ぱっと見ただけでかなり重症だとわかるケースも珍しくありません。角膜感染を起こしていてもたいていは治療が可能ですが、治らないこともあるので厄介ですね。

角膜感染というのは、角膜がコンタクトレンズに付着している菌に感染するということでしょうか。

そうです。角膜は血管のない組織で、普段は涙で防御しているのですが、表面がコンタクトで覆われると防御機能が弱くなります。そこへ何かの拍子に感染を起こすと、角膜が細菌にとってちょうどいい住処になり、感染が広がってしまうんです。角膜感染を起こすと、視力が低下する危険性も上がります。もちろん大半が治療可能ですが、中には治らないケースもあるので楽観視はできません。症状としては「見えにくい」「痛い」「目の中がごろごろする」「目が充血している」という訴えが多いですね。ハードレンズとソフトレンズなら、ソフトレンズを使用されている患者さんのほうが多いです。ソフトレンズは、つけていても痛みを感じにくいので、だいぶ症状が進まないと、角膜の異常を自覚しにくいという特徴があります。

学校での視力検査のお話が出ましたが、近視の子どもは増えていますか?

今泉正仁院長 いまいずみ眼科クリニック2

昔よりも圧倒的に多いですね。最近は、小学校の高学年でコンタクトレンズを希望されるお子さんも増えています。とはいえ、コンタクトレンズは目にトラブルが起こったり、学校で外す必要が出たりしたとき、自分で外せなければいけません。そのため、身の回りのことが一人でできて、自分で着脱できる子でないと処方できません。もちろん当院でも、コンタクトレンズをつけたり外したりする練習はしてもらいますが、中には指を近づけることすらできないお子さんもいて、そういう場合は残念ですが諦めてもらいます。私は、コンタクトレンズの安易な使用は危険だと考えていますので、理解していただければと思います。

左利きによる不利を克服して手術の腕を磨いた

高齢で視力が落ちてしまったという患者さんには手術もされるのですか?

今泉正仁院長 いまいずみ眼科クリニック3

白内障のことですね。白内障の方の場合、ご本人は白内障が原因で視力が落ちたと思っていらっしゃいますが、実は他に病気が潜んでいることが少なくないんです。白内障は診察をすれば判明しますので、この程度の白内障でこれぐらいの視力であるということに私が納得できなければ、他の病気が潜んでいないかどうかを調べるための検査をご提案します。他に病気がなければ手術で視力が回復も期待できます。しかし他の病気がある場合は白内障の手術をしたところで病気は残りますので、「他に病気があるから手術をしても視力は改善しないかもしれません」とお話しします。実際に手術をするかどうかは、患者さんに納得していただけるか次第です。私としては、患者さんが抱えている症状の裏に潜んでいる病気を発見することに力を入れています。

視力低下の原因が違う病気にもあるのなら、白内障手術をしても視力は戻らないのですね。

白内障が原因で視力が落ちている分だけは、手術での回復も期待できますが、こればかりは、実際に手術をやってみないとわからないことですね。「こういうことが考えられますが、手術をやってみないとわかりません」の一言を患者さんに伝えるのと伝えないのとでは、手術後の患者さんの満足度が違うんです。思わしい結果が得られなかった方は、もし何の説明も受けていなければ、手術で何かあったのではないかと疑ってしまいますよね。手術前にあらかじめお話ししておけば、先生が説明してくれたことだなと思って、納得し受け止めてくださいます。

手術は大学病院に勤務している中で経験を積まれてきたそうですね。

今泉正仁院長 いまいずみ眼科クリニック4

はい。特に最後に勤務した関西医科大学附属男山病院では、かなりの症例を手がけました。実は私はもともと左利きなんです。手術はほぼ右利きの人用にシステムが組まれていますので、チームの中に左利きが一人いると、手術をサポートするスタッフも勝手が変わってしまうんですね。そこで、みんながスムーズに作業できる方法をいろいろ考えました。左利き用の器具もあるにはあるのですが、他の病院でも手術をする必要があったので、右利きの器具を使いこなすことが大事だったのです。なので人の手術をよく観察して、頭の中で反すうし、シミュレーションして、実際に使いながら試行錯誤しましたね。当時は苦しかったのですが、今思えばこうした経験がスキルアップにつながったのかもしれません。

症状を順序立てて捉えればストーリーが見える

スタッフについて教えてください。

今泉正仁院長 いまいずみ眼科クリニック5

眼科医師は私だけで、他に助手を務めているスタッフが13人ほどいます。スタッフはローテーション勤務なので、実際には常時6人体制です。私からの指示は最低限にとどめ、できるだけみんなに任せて、自分たちで決めて、動きやすいシステムをつくりあげてほしいなと思っています。なので、最初のうちこそ私がスタッフの勤務シフトを組んでいたんですが、途中からシフトを組むのもスタッフに任せているんです。役割を自覚して、自ら考えて行動してくれますし、皆気のいい人ばかりで、いつも助けられていますね。

診療で心がけていらっしゃることは何ですか?

患者さんにきちんと説明することですね。そして、患者さんの症状からストーリーを理解しようと努めながらお話を聞くようにしています。例えばいつから目が見えにくくなっていて、さらに悪くなったのはいつなのかを知ることで、この病気はもともとあって、そこへこの病気が出てきたからこんな症状が出てきたのではないか……というストーリーが見えてくるんですね。そうすると、症状は5つだけれども本筋は2つだな、という目星がつけられ、本当に必要な目薬の種類を減らすことができます。ビタミン剤や白内障の目薬のように、時々点眼を忘れてもあまり支障のない目薬もありますが、緑内障の目薬はそれでは困りますので、必ず続けないといけない目薬か、少しサボっても支障のない目薬か、その区別だけはきっちり押さえて処方しています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今泉正仁院長 いまいずみ眼科クリニック6

当院で行っている日帰り白内障手術は、一般的な単焦点眼内レンズだけでなく、多焦点眼内レンズや乱視矯正できる眼内レンズも扱っています。ただ、特に多焦点眼内レンズは万人が満足できるとは思えませんし、多焦点眼内レンズ手術を求めて来院される方もそう多くはありません。逆に単焦点眼内レンズのほうが満足度が高いだろうと思われる症例もあり、さまざまです。今後はご満足していただける方の数を増やし、患者さんのお役に立ちたいと思っています。また、患者さんには受診される際、いくつかのポイントを押さえてお話しいただけるとありがたいです。左右の目のどちらなのか、発症した順番、時期、どんな症状があるのかがわかると私としても系統立てて考えられるので、正しい診断につながりやすいと思います。今後も診療全般を通して、症状の裏に隠れている病気の見落としがないように、説明で言いそびれがないように心がけて診療を続けていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

多焦点眼内レンズ(選定療養)/16万円~ ※保険診療以外の自己負担額
乱視用多焦点眼内レンズ/18万円~

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