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安藤 由明 院長の独自取材記事

あんどう乳腺クリニック

(名古屋市中区/金山駅)

最終更新日:2021/10/12

安藤由明院長 あんどう乳腺クリニック main

「専門の医師として、あいまいな診断はしない」。インタビューの中で自身の信条をそう口にしたのは、日本乳癌学会乳腺専門医の資格を持つ安藤由明院長だ。そんな安藤先生が院長を務める「あんどう乳腺クリニック」は金山駅から徒歩5分ほどの立地にあり、乳腺専門のクリニックとして2010年に開業した。医院の各所に見られるラウンド型のフォルムは、不安な気持ちを抱えて来院する女性患者の心を解きほぐすようで、どこか落ち着くつくりになっている。個人開業医では珍しくマンモグラフィーも導入しているため、乳がんの早期診断も可能だ。結果をしっかり診断し、安心して患者を帰すことが大事だと語る院長に、女性なら誰もが気になる乳がんについてや、クリニックの方針などを聞いた。

(取材日2016年10月31日)

専門クリニックならでは、マンモグラフィーを導入

これまでの経歴を教えてください。

安藤由明院長 あんどう乳腺クリニック1

医師になろうと明確に思ったのは、高校生の時でした。大学では外科を選択し、胃や肝臓、大腸の手術など幅広く知識や実践を得て、その後も多くの病院で勤務医として腕を磨きました。外科の中でも、乳腺科は診断から治療までを一貫して行えるため、乳腺科を志望しました。主に外科のシステムは、診断を内科がし、手術は外科がします。予後の経過観察は内科だったり外科だったりいろいろですね。ですが乳腺科だけは診断も治療も外科がするんです。ひとりの患者さんを最初から最後まで診られるところに魅力を感じました。

開院に至ったきっかけはなんですか?

それまでがんセンターで勤務をしていて、どちらかといえばアカデミックなことを行っていたんです。できれば患者さんのそばで、患者さんに寄り添うような医療をしたいという思いが強かったので、開院することにしました。院内の雰囲気は、全て設計士さんにお任せですね。僕からの希望は、女性が安心できるような感じに、と漠然としたものでしたが、シンプルでホテルのロビーのような感じにしてくれたので満足しています。外観が特徴的で丸いフォルムですので、椅子もまっすぐではなくS字に配置し、お手洗いもそれに沿ったつくりになっています。設備面では、マンモグラフィーという、乳がんを発見するためのレントゲンを導入したところがこだわりですね。開業医でこの機械を導入しているところはまだ少ないと思います。

こちらではどんな診察を行っているのでしょうか?

安藤由明院長 あんどう乳腺クリニック2

乳がん検診で異常があった患者さんや、乳がんの手術を受けた後の治療の経過観察が必要な患者さんを多く診ています。ご自身でチェックしていて乳房にしこりを見つけた、という方もいらっしゃいます。診察の流れは、問診、マンモグラフィー、エコー検査を行い、その結果を見て総合的に判断、という流れです。患者さんの年齢層で言いますと、ここ1年ほどは20~30代の方が多いですね。去年は40~50代が多かったように思います。近年、芸能人の方が乳がんをカミングアウトされていますので、その影響も大きいのかもしれませんね。早期発見のためにも乳がん検診は30代から受けてほしいですが、実際乳がん患者さんが日本で一番多いのは、40~50代と言われています。

患者を不安にさせずはっきりと伝える

先生が診察で心がけていることはなんですか?

安藤由明院長 あんどう乳腺クリニック3

患者さんを不安にさせない、驚かすようなことは言わない、ということですね。ここへ来られる患者さんは、皆さんそれぞれ不安を抱えていらっしゃいます。がんかもしれないと思っても、がんではなかったという方もいますし、がんかどうか今の状態ではわからないという方もいます。そういう方には徹底的に検査をし、きちんとがんかどうかの診断ができるまでは、あやふやな判断はしません。「かもしれないですね」という予想ではなく、はっきりとした事実を伝えるようにしています。「まだよくわからないけど、とりあえず来月また来てください」なんて言ってしまったら、その間患者さんは不安な気持ちで過ごさなくてはなりませんよね。専門家として、そういう気持ちで患者さんを帰すようなことはしたくないと思っています。

患者さん側が、診察を受ける前に準備しておくことはありますか

診察の性質上、ワンピースを着用での来院はご遠慮いただいています。当院はレディスクリニックではなく乳腺専門のクリニックなので、上下分かれている服で来ていただかないと診察が難しいので。電話予約の時にスタッフからもお話しするようにしています。あとは、聞きたいことをまとめてきてくれるとありがたいですね。自分の症状や、自分は何を聞きたいのか、何を疑問に思っているかなどを紙に書いてきていただきたいです。それら一つ一つにお答えしていくと、診察もスムーズにいきますので、患者さんにもそのような心づもりでいてくださるといいかと思いますね。

忘れられないエピソードなどはありますか?

安藤由明院長 あんどう乳腺クリニック4

忘れられない患者さんは、たくさんいますね。大袈裟かもしれませんが、今まで行ってきたことや経験したこと、出会った患者さん全てです。乳腺外科の医師をしていてうれしかったのは、乳がんの患者さんが自分の子どもを産んで、見せに来てくれたことです。乳がんがわかったときはご結婚されていたのですが、そこからしっかりと治療をして、回復し、その後お子さんを産んでお母さんになりました。そうしてまた命がつながれていくのだと思うと、感慨深いものがありましたね。

「いつもと違う」を見つけるためのセルフチェック

乳がんの原因というのは、何なのでしょうか。

安藤由明院長 あんどう乳腺クリニック5

高脂肪、高カロリーの食事、アルコールが乳がんの原因といわれています。もともと、乳がんは欧米で多い病気だったんです。ですが、食べ物が欧米化してくるにつれ、高脂肪かつ高カロリー、アルコールを摂るようになったため、日本での乳がん患者数は増えているとの統計があります。食の欧米化に伴い、病気も欧米化しているのかもしれませんね。先ほど、日本では40~50代の乳がん患者さんが多いとお話ししましたが、その年代の患者さんは、まだ働いていたり、お子さんがいらっしゃったりされる方も多いと思いますので、お子さんのためにも、きちんと検診を受けて、早期発見に努めてほしいと思います。

そのためには、日頃のセルフチェックが大切ですね。しこりを探そうと思っても、難しいように思うのですが。

女性はほとんどの方が誤解されているようなのですが、セルフチェックがなぜ大事かというと、「しこりを見つけるため」ではなく、「自分の乳房に意識を持つため」なんです。自分の乳房の状態に気を配っていてほしいんです。セルフチェックをしていて、触ってもしこりなんてよくわからないという人がいますよね。わからなくていいんです。いつもと違うところをみつける、という感覚が大切なんです。いつもの乳房の状態を把握しておいて、なにかあった時に「これはいつもと違うな」という状況に気づくために、セルフチェックは行うものなのです。もっと言えば、検診は「何も症状が出ていない人が異常がないか見つけるために行うこと」で、診察は「異常があった人が診断を受けるためにすること」です。そのあたりを意識して、自分はどちらを受けるべきか考えていただければと思います。

読者の方にメッセージをお願いします。

安藤由明院長 あんどう乳腺クリニック6

乳房の悩みは、デリケートなことでもあるので、誰にも相談できずに不安に思ってみえる方も多いと思います。ですが一歩踏み出して、心配なら診てもらってください。不安に思う前に、どうしようと悩む前に診察を受けましょう。当院では僕をはじめスタッフ全員で、患者さんに不安を与えない診察を心がけています。看護師も、患者さんのおっしゃることはどんな些細なことでも電子カルテに書きとめていますし、心配な事や気になることがあれば何でも伝えてください。ホームページにQ&Aのコーナーもありますので、そちらでもさまざまなご質問にお答えしていますよ。それが、僕の信条でもある「専門の医師として、あいまいな診断はしない」というところにも通じます。乳がんは女性にとっては身近な問題ですが、早期に治療を行えば怖い病気ではありません。日頃から、自分の乳房に意識を向けて生活してみてくださいね。

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