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24時間体制の在宅療養
福祉との連携で患者の豊かな人生を支える

Dr.盛次診療所

(伊予郡松前町/松前駅)

最終更新日:2021/10/12

Dr.盛次診療所 24時間体制の在宅療養 福祉との連携で患者の豊かな人生を支える Dr.盛次診療所 24時間体制の在宅療養 福祉との連携で患者の豊かな人生を支える

社会の高齢化が進み、最期まで住み慣れた家で暮らしたいという人が増えている。在宅医療や介護サービスの充実は喫緊の課題だが、伊予郡松前町でこの問題に正面から取り組んでいるのが「Dr.盛次診療所」。一般の外来診療のほか、在宅療養支援診療所として24時間体制で往診にも対応し、高齢患者の在宅での治療や療養を行いながら、母体である「医療法人きらり」運営のデイケア施設やデイサーピスセンターとも密に連携。グループのチーム力を生かして、地域の高齢者が最期の瞬間まで自分らしく生きるためのシームレスなサポートを行っている。同法人の理事長でもある盛次義隆院長に、診療所が行っている在宅医療と、その延長線にあるデイケア・デイサービスとの連携、医療と福祉の今後の課題について話を聞いた。

(取材日2020年6月25日)

患者もその家族もチームとなり、最期までその人らしく尊厳を持って生きていけるようサポート

Q診療所が行っている医療の土台には法人の理念があるそうですね。
A
Dr.盛次診療所 家族のような温かさを持ち、信頼関係を築くことを大切にしている

▲家族のような温かさを持ち、信頼関係を築くことを大切にしている

地域の人たちが楽しい人生を送れるようその努力を惜しまない。それが私たち法人の理念です。高齢の方々は、独居の人、家族と暮らしている人、家族と暮らしていても孤立している人など、一人ひとり生活状況や事情が異なります。しかしどんな人でも好きな場所で自分らしく最期を迎えられる、尊厳を持って生き抜いてもらうことが肝心。医療や介護が必要となった患者さんに、本当に必要な医療や福祉を受けてもらえるよう施策を立て、その環境を整備するため、診療所では訪問診療に注力しながら、法人グループ内のデイケア施設やデイサービスセンターとも連携し、その人にとって必要な医療を届け、福祉サービスの提案に努めています。

Qこちらで提供している在宅医療とはどのようなものですか?
A
Dr.盛次診療所 デイケアでは作業療法士による個別リハビリテーションを実施

▲デイケアでは作業療法士による個別リハビリテーションを実施

当診療所では在宅で可能な医療にほぼ対応し、急変時も電話1本で医師と看護師が駆けつけられるよう、24時間365日、夜間や休診の時も連絡が取れる体制をとっています。また在宅医療ではご家族のサポートも重要です。皆さん日々手探り状態で家族を介護し、たくさんの不安を抱えておられますから、そういった不安や悩みをなんでも相談できるような関係性をつくらなくてはなりません。患者さんの中には認知症でも特に重度の方が数多くいらっしゃいます。こうした場合、介護するご家族が疲労困憊してしまうのですが、認知症の患者さんが求めているのは私たちよりもご家族です。そのご家族をフォローしていくことも私たちの使命だと考えています。

Q家で過ごしたいという要望がかなわないケースもあるのですか?
A
Dr.盛次診療所 訪問診療の際に、患者や家族の不安や悩みにも耳を傾ける盛次院長

▲訪問診療の際に、患者や家族の不安や悩みにも耳を傾ける盛次院長

場合によっては、患者さんご本人が最期まで家にいたいと希望されていても、ご家族の介護負担や不安から入院や施設に入所というかたちをとらざるを得ない現実があります。しかし、看護や介護など、ご家族が支えられない部分を、看護や介護のサポートを通して支えて、ご家族の負担を少なくすることで在宅医療が実現できることは少なくありません。そのような道筋をつけることも、私たちの大きな役割となっています。診療所では、患者さんやご家族のご希望に沿うための支えになりたいと考え、往診や訪問診療を通じ在宅療養の支援に特に力を入れ、例えば、体が不自由な患者さんへの医療的なケアや人生の最期を支える看取りまで行っています。

Qこちらでは医療と福祉の連携はどのように行われていますか?
A
Dr.盛次診療所 併設施設では診療所の看護師が早急に対応し、医療面の連携を図る

▲併設施設では診療所の看護師が早急に対応し、医療面の連携を図る

診療所の隣に併設のデイケアと、道路を挟んですぐの場所にあるデイサービスには、主に重度認知症の方が通っているのですが、何か体調に異変があれば診療所の看護師がすぐ対応していますし、私自身も昼食は利用者さんたちと一緒に食べるようにしていますので、体調の変化に気づけたり突発的症状へ早急に対応することができます。一方、訪問診療に伺って、介護するご家族に十分休んでもらう必要を感じた場合は、ケアマネジャーやヘルパーと連携しながら、法人のデイケアやデイサービスをはじめ、さまざまな福祉サービスの導入をスムーズに提案するなどして、スムーズな医療と福祉の連携を図っています。

Qますます高齢化する社会。これからの課題は何だと思いますか?
A
Dr.盛次診療所 利用可能な制度を駆使し充実した人生のサポートを続けていく

▲利用可能な制度を駆使し充実した人生のサポートを続けていく

人としての尊厳を守れるような医療や福祉サービスを提供するための方法を常に考え続け、提供していくことだと思います。ご本人は在宅で療養したいのに、金銭的問題や家庭環境などさまざまな理由でできなかったとしても、「助けてください」「私はこうしたい」とはっきり意思表示がある方に対しては本人の権利を守らなければなりません。そして今必要なのは、そういう方々の味方になりサポートできる、システムであり人材です。私たちは行政や地域のケアマネジャーに対して、介護を家族に押しつけないよう早め早めのサービス導入を働きかけるとともに、法人としてもスタッフの教育と育成に力を入れています。

ドクターからのメッセージ

盛次 義隆院長

かつて北欧を訪ねた時、自分が年を取ったらこんな住居でこんなスタッフに囲まれ生活したいと感じました。今、日本の医療と福祉は多くの制限に縛られていますが、それでも利用可能な制度を上手に駆使して皆さんの充実した人生のサポートをしたい。そして患者さんや利用者さんの豊かな表情、言葉をスタッフに実感してもらい文化として広めていきたいです。実は北欧も70年ほど前は福祉の貧困国といわれ、そこから変化して今があります。患者さん自身が自立し、人生の主役となれる幸せな生活が実現できるよう、診療所やデイケア、デイサービスのスタッフ皆が同じ志を持ち「チームきらり」として今後も地域に貢献していく。それが私たちの使命です。

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