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市川 晃治郎 院長の独自取材記事

福津内科クリニック

(福津市/福間駅)

最終更新日:2023/10/19

市川晃治郎院長 福津内科クリニック main

JR鹿児島本線福間駅から徒歩13分の位置にある「福津内科クリニック」。周辺には住宅や飲食店などが集まっていて、人や車通りが多い場所だ。2007年に糖尿病と甲状腺疾患を専門とするクリニックを開業したのは、院長である市川晃治郎先生。 2023年で開業16年を迎える同院は、長年にわたり地域のかかりつけ医として医療を提供してきた。「まずは薬に頼らない治療」を念頭に置き、患者には生活習慣の改善を指導している。また禁煙の治療もしており、喫煙歴のある市川院長が禁煙に成功した例などを聞きながら禁煙に取り組めるとのこと。このように患者に寄り添いながら診療を行っている市川院長に、クリニックの特徴や診療スタンスについて詳しく聞いた。

(取材日2023年1月26日/情報更新日2023年10月17日)

専門性を生かし地域に貢献していく

まずは先生のご経歴や医師になったきっかけからお伺いします。

市川晃治郎院長 福津内科クリニック1

福岡県立東筑高校卒業後、九州大学医学部に進学しました。大学卒業後は大学院に進み、糖尿病や甲状腺についての研究に没頭します。大学院卒業後は第二内科に入局して3年間さまざまな患者さんを診てきました。その後、九州厚生年金病院(現:JCHO九州病院)や福岡大学医学部で研鑽を積むことになります。そして再び九州大学に戻って勤務した後、開業しました。医師になったきっかけは、小さい頃から医学や生物学に興味があり、医師という仕事の内容が面白そうだなと感じていたことです。両親は医師ではありませんが、親族に医師がおりますので、話を聞いているうちにますます興味を持ったのかもしれません。子どもの頃から勉強は好きでしたから、楽しみながらいろんなことを学んでいたと思います。

糖尿病や甲状腺の疾患に特化したクリニックとして福津市に開業した理由をお聞かせください。

福津市に開業した理由は、昔この地域の病院に月1回アルバイトに来ていて、その当時からこの場所は良いなと思っていたからです。土地勘もありましたしね。住宅や店が立ち並んでいて人が集まってくる場所なので、当院を知ってもらいやすいのではないかと思います。糖尿病は代表的な生活習慣病なので、誰にでも発症するリスクがあります。また、甲状腺疾患などの合併症なども引き起こす可能性があることから、いろいろな病気について広くたくさんの知識が必要になるんですね。そのようなところにとてもやりがいを感じたため、糖尿病や甲状腺の疾患に特化したクリニックにしました。

開業して16年目になるクリニックの患者層や主訴を教えてください。

市川晃治郎院長 福津内科クリニック2

中高年の患者さんが多いですが、子どもの糖尿病などもありますので、中には若い人もいらっしゃいます。当院から近い場所に住んでいる人が8割くらいですかね。あとは、周りに糖尿病を専門に診てくれる病院がない人などがいらっしゃることもありますよ。患者さんの主訴はやはり糖尿病と甲状腺に疾患のある人が8割くらいです。残りの2割は高血圧や高脂血症などの生活習慣病が原因で来られるといった感じでしょうか。糖尿病や高血圧・高脂血症に関しては健康診断で再検査や精密検査が必要になった人が来られるパターンが多いと思います。甲状腺の疾患に関しては健康診断のほか、体重減少や動悸などの自覚症状があって来院される人が多いです。

患者の立場に立った診療を心がける

クリニックの特徴や、患者さんへの接し方で気をつけている点を教えてください。

市川晃治郎院長 福津内科クリニック3

主に糖尿病や甲状腺の疾患を中心に診療しているところが特徴です。福津市内で糖尿病に特化したクリニックは少ないと思います。患者さんへはいつも優しく接するように心がけています。昔、福岡大学で勤務している時にいた隣の診察室の先生が、患者さんに非常に優しかったんですね。その先生の対応を見て感銘を受け、私も見習おうと思ったのがきっかけです。どの患者さんも緊張したり不安を感じたりして来院されますから、できるだけ優しく接すると少しは安心してもらえるのではないでしょうか。また、「話を聞いてもらいたい」という患者さんもいらっしゃるので、時間の許す限り対応していますね。

糖尿病や甲状腺の病気の患者さんがドロップアウトしないよう工夫していることはありますか?

糖尿病は自覚症状がないのでドロップアウトしやすいんです。継続的に通ってもらうためには、まず糖尿病の治療の重要性や、治療をしないことで生じるリスクなどをお伝えしています。治療を中断するとどのようなデメリットがあるのかというのを知ってもらいたいんですね。あとは生活習慣の改善の目標を高く掲げないようにしています。生活習慣を変えるのは簡単ではありませんから、達成しやすい目標を設定して患者さんがなるべく苦痛に感じないようにしています。「次までにこれをやってみよう」などとポイントを絞ることで、患者さんの印象に残りやすいと思うんです。そうすると実践してもらいやすいですね。一方で、甲状腺に関しては自覚症状があり、薬を飲んでいる人は薬が切れると症状が出てしまうので、あまりドロップアウトしないかもしれません。症状が軽い人は年に1度の検査で大丈夫です。

禁煙の指導もされているとお伺いしました。

市川晃治郎院長 福津内科クリニック4

はい、「禁煙したい」とダイレクトに来られる人が結構いらっしゃるんです。基本的には、禁煙するための薬を使って12週間(3ヵ月)を1コースとして実施します。12週間で禁煙できなかったら、1年間空けたら再チャレンジできますよ。私はもともと喫煙者だったので、禁煙する時のつらい気持ちがわかるんです。そのような気持ちを考慮しながら、禁煙した時の体験談をもとに指導しています。ただ「禁煙してください」と言ってもほとんど効果がなく、続けられないんです。私は患者さんの立場に立って具体的なアドバイスをお伝えできると自負しています。例えば、タバコが吸いたくなったら深呼吸すると良いとか、氷水などの冷たい飲み物を飲むと気が紛れるとか。あとは、私が実行して有用だったものをお伝えすることもありますね。

糖尿病について適切な知識を持ってほしい

今後やってみたいことや改善したい点などありますか?

市川晃治郎院長 福津内科クリニック5

2023年12月より「糖尿病教室」を再開する予定です。以前は定期的に患者さんやそのご家族を集めて糖尿病の勉強会をしていたんです。勉強会では、一般的な糖尿病に対する知識をお伝えしたり、栄養士が食事指導をしたりします。その時に質疑応答の時間も設けますので、皆さんで情報共有する場といった感じですね。あとは、体組成計を入れて、しっかり患者さんの体脂肪率や内臓脂肪などを管理し、治療のモチベーションを維持できるようにしたいです。そして患者さんからの要望が多い「待ち時間の短縮」を実現したいですね。数年前からウェブ予約を導入してずいぶん改善されたのですが、まだまだ患者さんをお待たせすることがあります。事前に看護師が患者さんに状況をヒアリングすることで、診察がスムーズに進むので効率化のために取り入れています。

生活習慣を変えるためにどのような指導をされているか教えてください。

糖尿病においては食事が一番重要になりますので、新患の方にはまずは当院にいる栄養士の食事指導を受けてもらっています。何度か指導を受けているうちに徐々に食事が改善していけば、なるべく薬を使わずに状況を良くしていくということに力を入れます。まずは治療目標を設定して、そこに到達するように頑張ってもらいます。到達すればそれを維持していき、到達しなければ薬を使って治療をしていくという流れですね。いきなり高い目標は設定せず、できる範囲から指導して継続することに重きを置いています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

市川晃治郎院長 福津内科クリニック6

糖尿病と聞くと、食生活が厳しく制限されたり規則正しい生活を強いられたりと、非常に不自由な生活になるのではないかと心配する人がいます。しかしそんなことはなく、適切な食事と運動をすればそこまで恐れる病気ではありません。おいしいものも食べられます。なので、健康診断で指摘を受けた人などは躊躇せずに受診してほしいです。特に初めて来られる患者さんは不安をお持ちだと思います。できるだけその不安を解消できるように努めますので、糖尿病に限らずどんな小さなことでもいいのでお話ししてください。ウェブ予約を基本としていますが、予約していない人でも診察できます。どうぞお気軽に相談に来てください。

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