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根本治療をめざす舌下免疫療法
花粉の季節の悩みをコントロール

耳鼻咽喉科はしもとクリニック

(大阪市城東区/鴫野駅)

最終更新日:2023/11/13

耳鼻咽喉科はしもとクリニック 根本治療をめざす舌下免疫療法 花粉の季節の悩みをコントロール 耳鼻咽喉科はしもとクリニック 根本治療をめざす舌下免疫療法 花粉の季節の悩みをコントロール
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毎年、春になると目がかゆい、鼻水が止まらないといった花粉の症状に悩む人は少なくない。これらの症状で集中力が低下して、勉強や仕事にまで影響が及ぶ人も増えているとか。そこで最近、注目を集めている治療が、舌下免疫療法だ。「体質に働きかけることで、スギ花粉やダニアレルギーの症状の緩和を図る治療法です」と説明してくれたのは「耳鼻咽喉科はしもとクリニック」の橋本喜輝院長。子どもにも適応範囲が広がり、親子で始める人も増えているという。そこで今回は治療の開始時期や進め方について、さらに気になる副作用に至るまで幅広く教えてもらった。

(取材日2023年7月26日)

小さい子どもも受けられる、舌下免疫療法。続けることでゆっくりと体質改善を図り、生活の質の向上をめざす

Q最近よく耳にしますが、舌下免疫療法とはどんな治療でしょうか?
A
耳鼻咽喉科はしもとクリニック アレルゲンを少しずつ体に取り込み、体質にアプローチする治療法

▲アレルゲンを少しずつ体に取り込み、体質にアプローチする治療法

体質そのものにアプローチする治療法で、アレルゲンを少しずつ体に取り込むことで、体を慣らし、くしゃみや鼻詰まりなどのつらいアレルギー症状の緩和を図ります。これまでアレルギー性鼻炎の治療は、基本的に対症療法の枠を出ませんでした。また、通常の薬物療法の場合は薬をやめれば治療開始前の状態に戻ってしまいますが、舌下免疫療法は、減薬や長期間にわたるアレルギー症状の抑制を図り、新しいアレルギーの発症を避けることが期待できます。花粉症の症状が強くてお薬だけでは抑制が図れない方、注射が苦手な方、お薬の使用をやめたい方など、どうしても花粉症やダニアレルギーの症状を改善したい方にお勧めです。

Q治療はどのような流れで進めていくのですか?
A
耳鼻咽喉科はしもとクリニック アレルギー検査の結果をもと、舌下免疫療法が適応かどうかを判断

▲アレルギー検査の結果をもと、舌下免疫療法が適応かどうかを判断

血液採取によるアレルギー検査を行い、その結果をもとに舌下免疫療法が適応かどうかを判断します。アレルギー症状の原因がスギ花粉またはダニと診断されて、結果に問題がなければ治療開始です。院内で1回目のお薬を服用してもらって30分ほどそのまま待機してもらい、鼻やお口の中を診察して副作用が出ていないか確認をして、異常がないようであれば2回目以降はご自宅で毎日服薬していただきます。最初の1週間はアレルゲン量の少ない薬を服用し、翌週から14日目まではアレルゲンの量を増やして、体を慣れさせていきます。15日目以降は毎日、同量のアレルゲンを含む治療薬を服用して再診察後は、1ヵ月ごとの通院が原則となります。

Q花粉の飛散量が多い年だけ治療しても良いのでしょうか?
A
耳鼻咽喉科はしもとクリニック 治療を検討している場合は早めの相談を

▲治療を検討している場合は早めの相談を

年間を通して継続することが必要な治療ですから、花粉の飛散が多い時期だけ行っても効果は期待できません。期間は最短でも2年以上で、3年から5年の継続服用が推奨されていますが、症状の変化には個人差がありますので、当院では5年の治療継続をお勧めしています。治療が開始できるのは、花粉症の治療はスギ花粉の飛散が少ない6〜10月に限られますので、ご留意ください。また今年のように飛散が多い年は、製薬会社からお薬の出荷制限がかかる場合もありますので、治療を検討されている方は早めに医師に伝えることをお勧めします。ダニの治療については季節を問わず、いつからでも始められますので気軽にご相談ください。

Q舌下免疫療法による副作用はありますか?
A
耳鼻咽喉科はしもとクリニック 一人ひとりに合わせて慎重に治療を進める

▲一人ひとりに合わせて慎重に治療を進める

アレルゲンを投与するので口や鼻のかゆみ、唇の腫れや喉の不快感、喘息発作やじんましんなどのアレルギー反応が出ることもあります。ごくまれにアナフィラキシーショックなどの重篤な副作用も考えられるため、検査結果や初回投与での様子を加味して治療を行います。もしも不安や心配事が出てきた場合は、継続できるかどうか、こちらでも慎重に判断させていただきますので、いつでもご相談ください。どうしてもかゆみなどが気になって、治療を断念するというケースもあります。アレルゲンによっては治療の年齢制限はありませんが、舌下で薬を1分間飲み込まずに待つ必要があるため、5歳頃からが望ましいと思います。

Q子どもにも適応が広がったそうですね。
A
耳鼻咽喉科はしもとクリニック 5歳の子どもから治療が適用

▲5歳の子どもから治療が適用

今までは12歳以上が適応とされていましたが、2018年から5歳以上に適応年齢が拡大されました。ゆっくりと時間をかけて体質改善を図るという治療ですから「小さいうちに始めておいてあげよう」という親御さんも増えてきたように思います。大人になると仕事などの関係もあって、毎月通院する時間が取りづらくなったり、面倒に感じたりする方も多いです。そういう意味では、親御さんが時間を管理してあげやすい子どものうちに始めるほうが、ストレスが少ないかもしれないですね。小さい子はお母さんのまねをしたがる傾向がありますから、親子で始めるのも良いでしょう。

ドクターからのメッセージ

橋本 喜輝院長

舌下免疫療法の結果は、人によって個人差があります。ですが、体質改善を図るには治療を継続することが何よりも重要ですので、根気強く続けていただければと思います。2、3年がたって以前との違いを感じることができたら、それが治療継続の意欲となって、5年間継続するモチベーションとなるはずです。せっかく続けてきたのに3年でやめて、2年後に再発してしまうともったいないですし、お子さんは飲み忘れることもありますから、ご両親も気にかけていただいて、ちょっと声をかけるなどのサポートをしてあげてほしいですね。

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