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芦塚 修一 院長の独自取材記事

緑が丘小児科

(八千代市/八千代緑が丘駅)

最終更新日:2024/03/22

芦塚修一院長 緑が丘小児科 main

八千代緑が丘駅から徒歩3分、子育て世代が多い新しい住宅街にある「緑が丘小児科」。2023年4月に前院長の間崎亮介先生から院長職を引き継いだ芦塚修一先生は、小児外科を専門とする医師だ。長崎大学医学部を卒業後、国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)や東京慈恵会医科大学附属病院で、先天性疾患や小児がんの治療などに携わってきた。同院は小児科・小児外科・小児泌尿器科を標榜し、子どもの日常的な疾患に幅広く対応するとともに、専門である小児外科疾患の診療も展開する。「この地域のお子さんたちをできるだけ適切な治療に導いてあげたい」と真摯に語る芦塚院長に診療への想いをじっくり聞いた。

(取材日2024年2月7日)

重症化する小児疾患を見落とさず適切な治療に導きたい

先生は重い病気を抱える子どもを多く診られてきたと伺っています。

芦塚修一院長 緑が丘小児科1

大学卒業後に、病気を持つ子どもたちを自分の手で治したいと思い小児外科医を志しました。多くの患者さんの治療に携わり最先端の医療を学びたいという思いで国立成育医療研究センターで働き、そこで学校にも行けない子どもたちの姿を多く目にしました。その後、東京慈恵会医科大学附属病院で25年間勤務しました。この勤務医時代には、先天性疾患や小児がんの治療、小児疾患の術後管理などに従事しました。そこで、最初は風邪や胃腸炎と診断されても、最終的には小児の悪性疾患や治療が難しい難病であったこともあり中には治療が遅れた場合もありました。大学病院ではやりがいは感じていたものの、管理職として働くようになってから患者さんと接する機会も減り、直接向き合う時間を大切にしたいと思うこともありました。そんな矢先、縁あってこちらのクリニックの前院長より継承の話をいただき、2023年4月から院長を務めることになりました。

継承された時には、どんな想いを抱かれましたか。

これまで先天性疾患や小児がんなどの重い病気を多く診てきた経験から、重症化する可能性のある病気を見落としたくないという想いが根底にあります。当院では自分の専門性を生かして適切な診断をして、より良い治療に導いて差し上げたいと思っています。大きな病気は大きな病院へと考える方が多いと思いますが、いきなり病院を受診するのは多くの患者さんにとってハードルが高いと思います。私がこの地域にいることで、当院で手術までは行わないにしても、大きな病気であるか否かの診断ができるようなワンクッションとなれたらと考えています。引き継いだばかりの現在は、日常的な疾患の対応に追われる毎日ですが、今後はもっと気軽に小児外科疾患の相談もしていただけるよう、専門性の周知とともに体制も整えていきたいと思っています。

一般診療はどのような状況でしょうか。

芦塚修一院長 緑が丘小児科2

一般診療は、発熱、咳、腹痛、嘔吐、下痢、軽い皮膚疾患、アレルギー疾患など、幅広く対応しています。新型コロナウイルスやインフルエンザ、ノロウイルス、溶連菌などの感染症の対応も多く、診察室を分けるなどして院内感染を予防しています。いらっしゃる患者さんをなるべく断りたくないものの、すべて対応すると患者さんの待ち時間が増えてしまうため予約制を採用しています。短い時間内で簡潔な説明をめざしていますが、現実的には難しい場面も多いですね。また、学校を早退せずに子宮頸がんワクチンを受けられるよう遅い時間帯の枠を設けたり、お子さんと同時に罹患した親御さんの風邪などは一緒に診療したりと、利用しやすい体制づくりに努めています。キッズスペースには絵本を、予防接種時の小さなお子さんへはちょっとしたご褒美を用意しています。今は前院長ご夫妻が診療サポートをしてくださり、より多くの患者さんを対応できる体制をとっています。

子どもの身近な疾患から小児外科疾患まで幅広く対応

こちらで受診できる小児外科疾患の例を教えてください。

芦塚修一院長 緑が丘小児科3

例えば、便秘による切れ痔(裂肛)があります。子どもの切れ痔は身近にみられますが専門の医師が少ない上に適切な治療が行われていないケースが散見されます。排便痛があると我慢して便秘がひどくなりますし、長く放置すると浣腸ができなくなったり腸が伸びてしまったりと管理が大変になります。下剤の処方のみの治療もありますが、当院ではその前段階のトイレトレーニングから関わるなど、その子に適した排便管理をします。また、いわゆるでべそと呼ばれる臍ヘルニアの治療も対応しています。生後半年以内に診られれば、圧迫療法で比較的きれいな治癒がめざせますが、2~3歳になると手術を要し形も悪くなってしまいます。当院では親御さんへ、圧迫の方法や皮膚のケアまでお伝えします。その他、男の子の包茎や女の子の陰唇癒合などもご相談いただけます。これらの診療には十分な説明が必要なので、一般の診療とは別に時間を設けて対応したいと思っています。

切り傷や熱傷の対応はいかがでしょうか。

切り傷などの創傷に関しては新しい処置法を推奨しています。消毒をしないできれいに患部を洗うなどの、ご自宅でのケアもお伝えしますのでご相談ください。また大きな傷に関しては縫合もできるように準備をしています。しかし現状では、一般診療の時間内で即時の対応は難しいため、まずは応急処置をして、別途時間を設けて縫合をする方針で治療を進めます。また、2~3歳以上で処置中に動いてしまう可能性があるお子さんや、傷の程度によっては専門の病院をご紹介したいと考えています。やけどに関しては、軽度であれば当院でも対応が可能ですので、十分に傷を冷やしながらお越しいただければと思います。水泡ができた場合などは、軽い圧迫固定をするなどの処置を行います。切り傷や熱傷を負って、どこにかかるべきか判断に迷われる場合には、お電話をいただければアドバイスもしますよ。

その他、クリニックで診断が可能な疾患には、どのようなものがあるでしょうか。

芦塚修一院長 緑が丘小児科4

精巣が陰嚢内に降りてこない停留精巣があります。その場合、疾患のガイドラインの目安からも、1歳までに病気か否かの診断をするようにして、病気の場合には手術ができる病院を紹介します。足の付け根の辺りに腸が飛び出して膨らむといった症状の鼠経ヘルニアは、超音波検査で手術を要するかどうかの診断ができます。これらの疾患に関しては、当院では外科手術までは行っていないものの、専門的見地から治療が必要な病態かどうかの診断が可能です。少しでも気になる症状がある場合には、ぜひお気軽に受診し相談していただければと思います。

病院との連携で、患者負担を減らしながら先進の治療を

疾患によっては大学病院の専門の外来と連携ができるそうですね。

芦塚修一院長 緑が丘小児科5

ええ。胸部がへこむ漏斗胸や、舌の裏側にある膜様の組織が舌の裏から歯茎まで伸びている舌小帯短縮症などの治療は、大学病院との連携をしています。東京慈恵会医科大学附属病院に専門の外来があり、勤務医時代から現在も非常勤の医師として関わっています。漏斗胸は研究会の世話人も務めていて、多くの症例を診てきました。当院でも手術を要する症状かどうかの判断はできます。いきなり大学病院にかかるより精神的・経済的なご負担も少なくなるかと思いますので、お気軽にご相談ください。手術を要する場合にも、大学病院と連携しながら先進の治療につなげられるように努めていきます。

お忙しいとは思いますが、どのようにリフレッシュされていますか。

最近、ゴルフの練習を始めました。大学病院で勤務していた時は、緊急時に最終的な対応をするのが自分の役目だったために、ゴルフを楽しむのは難しかったのですが、こちらではおかげさまで休日が確保できています。すぐ近くに練習場もあるので通いやすいんですよ。定期的な運動は大切だと思いますし、週に1回は続けていきたいですね。他には、現在飼っている今年15歳になる老犬のお散歩をしたり健康状態に気を配りながらお世話をするのも日課で癒されています。

最後に地域の方へメッセージをお願いします。

芦塚修一院長 緑が丘小児科6

ようやくこの地域に慣れてきたところではありますが、今後も診療を通して地域のお子さんの重い病気を見逃さないように努めるとともに、より多くのお子さんに適切な治療を提供していきたいと身を引き締めています。この地域の子どもたちがより健康で元気になっていく姿を見られたらうれしいですね。また、お伝えした私の専門の疾患に関しては、今まで培ってきた経験を、この地域のより多くの方々に還元していきたいと考えています。大きな病院の受診を迷われている方などがいらっしゃいましたら、一般のクリニックに行く感覚で、ぜひご相談いただきたいと思います。

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