全国のドクター9,253人の想いを取材
クリニック・病院 158,515件の情報を掲載(2024年6月03日現在)

  1. TOP
  2. 千葉県
  3. 船橋市
  4. 船橋日大前駅
  5. たいようこどもクリニック
  6. 今井 大洋 院長

今井 大洋 院長の独自取材記事

たいようこどもクリニック

(船橋市/船橋日大前駅)

最終更新日:2024/01/18

今井大洋院長 たいようこどもクリニック main

東葉高速線・船橋日大前駅から徒歩約3分。駅前通りに面した「たいようこどもクリニック」は、くじらをモチーフにしたロゴマークが目印の小児科クリニック。三角屋根の洋館風の建物が印象的で2007年の開院以来、元気に育つ地域の子どもたちを見守るのは今井大洋院長。「子どもたちの自然治癒力を最大限に生かせるような診療」を心がけているという。新型コロナウイルス感染症の流行を経て、医療の分野においても従来の診療体制に戻りつつある今、オンライン診療などにも目を向けているという同院。温かい眼差しで、子どもの成長と保護者をサポートし続けてきた今井院長にクリニックの診療方針や心がけていること、小児科医としてのやりがいなど多岐にわたる話を聞いた。

(取材日2023年5月17日)

子どもに備わる自然治癒力を最大限に生かした治療を

こちらの診療方針を教えてください。

今井大洋院長 たいようこどもクリニック1

まず第一には適切な診断を確実にということですね。そして標準的な治療を前提に余計なことや特殊なことはせず、一方で必要なことはしっかり行いたいと考えています。例えば子どもの場合、体温が40℃ぐらいあっても次の日にはすっかり元気になっている、といったことがありますが、大人ではあまり考えられないですよね。具体的には、解熱剤の使い方一つにおいても、「熱が何度以上になったら使ってください」と言うのではなく、お子さんの様子を見て「元気そうだったら急いで熱を下げようとしなくてもいいですよ」とか、「それほど高い熱でなくても、つらそうだったら解熱剤を使って少し楽にしてあげましょう」と提案するなど、本来、子どもたちが持っている自然治癒力をなるべく邪魔しないような治療を心がけています。

どのような症状で来院される子どもが多いのですか?

やはり発熱、咳や鼻水、腹痛や下痢嘔吐などを訴えて来院する子どもが多いですね。先般の新型コロナウイルス感染症の流行下においては空間的な分離が困難だったので、時間的に分けて診療していました。当院では開院当初から、事前に感染症の疑いのある人を隔離できる専用の待合室を備えていますので、そちらで診療をお待ちいただきます。また、アレルギーに関しては、花粉症の患者さんの中でも舌下免疫療法をご希望し来院される方が増えています。大人の方も、何か不安な症状があればお子さんとのつながりでご相談いただいて大丈夫ですよ。

診療で何か工夫されていることなどはありますか?

今井大洋院長 たいようこどもクリニック2

そうですね。当院では錠剤を標本のように並べて患者さんに見せるようにしていて、「この大きさなら飲み込めますか?」と確認します。やはり実物を見るとイメージが湧きやすいので、大人の方にも同じものを使って説明します。薬に関しては薬剤師さんが専門ですから、あまり詳しい説明まではしませんが、一つの参考資料として活用しています。

診療で大事にしていることは何でしょう。

子どもの年齢にもよりますが、「幼稚園は楽しい?」、「学校のお友達と仲良くしてるの?」など病気とは直接関係ないような話をしたり、小さいお子さんなら頭や手に触れたりを通して、なるべくコミュニケーションを取るようにしています。「今、どんな遊びが流行っているの?」とか、他愛もないことですが、診療以外にそういうやり取りが少しでもあれば、気持ちを和らげてもらえるのかなと思いますし、こちらとしても子どもたちの興味がどのようなところにあるのかを知ることができます。決して特別なことではありませんが、そうしたやり取りによってお子さんのバックグラウンドがわかり、ひいては全体像を知ることができるということですね。

子どもの純粋さに真摯に向き合うことを大切に

先生が小児科医をめざしたきっかけを教えてください。

今井大洋院長 たいようこどもクリニック3

大学で病院実習生として各科を回った時、小児科で私の担当だったドクターが誰とでも気さくに接し、子どもたちからたいへん慕われている姿を見ました。とても面倒見の良い先生で、実習後も何かとお世話になったことが一つのきっかけであったと思います。また、私の父は戦後に苦学して産婦人科の医師になったのですが、私が畑違いの小児科医をめざそうと相談した時、何も言わず「自分のやりたいことをやれ」と背中を押してくれました。子どもたちはとても純粋で、こちらが言ったことを素直に聞いてくれます。好奇心や理解力がとても強いですから、それに応えるべく小児科医として真摯にしっかりと向き合わなくてはいけないですね。

実際、小児科医になられてからはいかがですか?

小児科以外の科は、診療する範囲がより専門的ですよね。眼科や耳鼻科は目や耳を専門に診ますし、内科にしても現在は循環器、呼吸器、消化器内科などに分かれています。小児科はお子さん全般を診るので、いろいろな分野との関わりがあるのが特徴ですね。そして大人と大きく違う点は、成長するということです。年齢に応じて、疾病の背景も変わってきますから、そういった視点を常に持って考えなくてはいけません。赤ちゃん、乳児、幼児、学童と、同じ発熱症状であっても推測される病気や考えるべきことが変わってくるということです。そこが難しさであり、小児科医としての面白さとも言えると思います。

診療でやりがいを感じられるのはどのようなときですか?

今井大洋院長 たいようこどもクリニック4

小児科は基本的に15歳までの診療となりますが、時には高校生くらいまで来られる患者さんもいます。卒業する頃になって、「これまでありがとうございました」とあいさつに来られると、いよいよ巣立っていくのだなと寂しさを感じる一方、大きくなったなという感慨もひとしおです。地域のお子さんたちが健やかに成長し、元気に巣立つ日までしっかりと見守っていくことが何よりの務めであり、また誇りであると思っています。

病気にならないための予防の啓発にも注力していきたい

くじらのロゴマークがとても印象的ですね。何か由来があるのですか?

今井大洋院長 たいようこどもクリニック5

自身の名前から海にまつわる事象が良いと考えました。クジラは地球上で一番大きい生き物ですし、ゆったりした感じが好きですね。子どもたちに対して大きく育ってほしいという願いも込めています。今ではそれほど珍しくありませんが、かつて海外でホエールウオッチングのツアーに参加しクジラを見たことがあり、非常に感動しました。その時の気持ちがクジラをロゴマークに選んだ理由の一つでもあります。

小児科を受診する際のアドバイスがあれば教えてください。

新型コロナウイルス感染症の流行下では、リモートで自宅で仕事をするお父さんが増えて、お子さんを連れて診療に来られることも多かったですね。昔は父親は平日ほとんど家にいませんでしたから、そこは今とは大きな違いです。ただお父さんであれお母さんであれ、普段からしっかりと子どもと関わっているかどうかは、お話を伺えば大体わかります。「いつもと何か変わったことはないですか?」と聞かれても、日頃からお子さんを見ていなければ答えられませんから。もちろん、ほとんどの親御さんはしっかりと見ていらっしゃいますから、特別意識することではありませんが、お子さんの普段の様子を把握しておくことは、病気の原因を見つけることやスムーズな診察につながると思います。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今井大洋院長 たいようこどもクリニック6

今後は遠隔診療が一つの転換点になりそうですね。当院でも近いうちに遠隔診療の体制を整える予定です。診療方針に関しては、開院以来子どもの自然治癒力を妨げないような診療をと心がけてきましたが、これからは病気にならない予防にも啓発していきたいと思います。予防接種や定期健診を受けることで、病気を回避し何か異常があれば早めに見つけることができます。一方で新型コロナウイルス感染症の流行によって、手洗いうがいが徹底されて病気の数が減ってきているとも言われています。もちろん、人との接触が減ったことも理由の一つかも知れませんが、予防への意識が高まれば病気になるリスクも減らせるでしょう。先日、一部の地域で麻しんの小流行が報告されましたが、予防接種率の低下も一因と考えられます。この先いつ新型の感染症が流行するかわかりませんが、日頃の衛生管理習慣やワクチン、健診などでしっかり予防することが大切だと思います。

Access