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足のむくみやだるさは相談を
外科の知識を生かして血管疾患も診断

弥富通クリニック

(名古屋市瑞穂区/瑞穂運動場東駅)

最終更新日:2023/09/04

弥富通クリニック 足のむくみやだるさは相談を 外科の知識を生かして血管疾患も診断 弥富通クリニック 足のむくみやだるさは相談を 外科の知識を生かして血管疾患も診断
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主に生活習慣病がもととなる動脈硬化。進行すると心臓や脳に重大なリスクを及ぼすことが知られているが、そうなる以前にも体のさまざまな部位の血管に動脈瘤が生じたり、足の血流が滞って閉塞性動脈硬化症を引き起こしたりと、動脈硬化によって足に影響が出る病態もある。「弥富通クリニック」の中西賢一院長はもともと血管外科が専門で、勤務医時代は数多くの外科手術に携わるとともに一般内科の経験も重ねてきた。現在は経験を生かし、一般内科から外科にわたる幅広い領域に対応。病気の早期発見にも努めている。高血圧や高脂血症で通う患者の中には、動脈瘤や閉塞性動脈硬化症、静脈の病気である下肢静脈瘤が疑われる人もいるという。足の血管の触診を行うなど、血管外科専門の医師ならではの視点を持つ中西院長に、血管の病気や治療について聞いた。

(取材日2022年10月3日)

日頃の診療を通じて、動脈瘤や閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤など血管の病気の早期発見に努める

Q血管外科の病気にはどんなものがありますか?
A
弥富通クリニック 足のむくみや痛みを感じたら気軽に相談してほしいと話す中西先生

▲足のむくみや痛みを感じたら気軽に相談してほしいと話す中西先生

重い疾患では、胸部や腹部に生じる大動脈瘤があります。また、閉塞性動脈硬化症は動脈硬化によって血管が狭くなったり詰まったりして血流が悪くなることが主な原因で起こり、60~70代以降の男性で喫煙者に多く、下肢に痛みやだるさ、冷えを感じ、皮膚の色が紫色を帯びてきます。悪化すれば小さな傷から潰瘍が生じ、壊死して切断になることもあります。下肢静脈瘤は静脈に備わる逆流防止弁の機能が落ちて心臓に戻る血流が停滞し、表面の血管が浮き出てボコボコした外観が特徴で、産後の女性や調理、美容関係で立ち仕事の方がなりやすい傾向があります。下肢深部静脈血栓症は下肢に腫れ・痛み・熱感などを生じ、早急な治療を要します。

Q動脈硬化はなぜ起こるのでしょうか?
A
弥富通クリニック ABPI・PWV検査で血流と動脈硬化をチェックしている

▲ABPI・PWV検査で血流と動脈硬化をチェックしている

原因はさまざまですが、やはり高血圧、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病からつながっているケースが多いといえるでしょう。喫煙もリスクの一つです。動脈壁が弾性を失って硬くなり、狭窄や閉塞を起こすといろいろな症状が出てきます。動脈硬化は全身の血管に起こり得るもので、先に述べた閉塞性動脈硬化症などのほか、動脈瘤や心筋梗塞、脳梗塞を起こす原因にもなり、予防が必要です。早期発見のために定期的な検査を受けることや食生活の改善、適度な運動が望まれます。

Qこちらではどのような診察、検査をするのですか?
A
弥富通クリニック 足の甲やくるぶし横で触診も行う

▲足の甲やくるぶし横で触診も行う

問診して「足が痛い、だるい」「腫れている」などのお話が出たら、血管外科の医師としてはまず足を診察します。足の甲の真ん中にある足背動脈や、くるぶしの少し内側にある後脛骨動脈に触れて脈拍の強さを診るだけで、かなりの情報が得られます。こうした診察方法が一般内科や整形外科の医院とは違うかもしれません。検査としては両腕と両足首の血圧を同時に測定するABPI検査や脈波の伝播速度を測るPWV検査があります。検査機器が出す数値のみではなく、視診、触診を含めて総合的に診断できることが専門の医師の強みでしょう。また超音波検査では下肢深部静脈の流れを確認できます。他の医院からの検査依頼の患者さんも受け入れています。

Qどのような治療をするのですか?
A
弥富通クリニック 患者に寄り添った診療を心がけていると中西先生

▲患者に寄り添った診療を心がけていると中西先生

閉塞性動脈硬化症に対する第一選択となるのは保存的治療です。運動療法に加え、血液をサラサラにして血栓をできにくくするための薬や血管を広げるための薬などがあり、各自に適した薬を服用して血流の改善をめざします。血管造影による画像診断が必要なときは対応可能な病院に紹介し、検査結果によってはカテーテル治療やバイパス手術が必要となる場合があります。下肢静脈瘤の治療の一つは弾性ストッキングの着用です。サイズを測ってサンプルを試着していただき、その方に合ったものをお勧めします。ストッキングは毎日使用するものです。必ず先に試着をお願いします。レーザー手術が必要な場合は信頼できる専門の医療機関をご紹介しています。

Q閉塞性動脈硬化症を悪化させないためには?
A
弥富通クリニック 医療の窓口としての役割を担っている

▲医療の窓口としての役割を担っている

まず禁煙すること、そして十分に水分補給しながら適度な歩行をすることが治療の一環であり、再発予防にもなります。歩いて痛くなったら少し休んでまた歩くという繰り返しで、自然に体の中に新しい血管である側副血行路(そくふくけっこうろ)、いわば「バイパス」ができてくるのです。細くもやもやとした血管ですが、たくさんできることで血流の改善を促していきます。足が冷えると血管が収縮して血行が悪くなってしまいます。寒い季節には夜間も靴下を履いて寝るなど、保温することを心がけてください。特に糖尿病の患者さんは足の清潔を保ち、感染症やけがにも注意しましょう。

ドクターからのメッセージ

中西 賢一院長

動脈瘤に関しては自覚症状がなく、偶然発見されることも少なくありません。足のだるさやむくみも病気とは気づかないこともあります。当院は町中の小さなクリニックですが、高血圧・高脂血症などの生活習慣病の患者さんを定期的に診察しているため、何げないお話をしているときやちょっとした体調の変化から大きな病変に気づくこともあります。患者さんとのお話はとても大切にしており、ふと思い立ったときに気軽に相談できる雰囲気が、いわゆる“町医者”には必要だと考えています。高齢の方だけでなく、若い方々も何か体に違和感を覚えたり異常を感じたりしたときに相談できるホームドクターをもっているといいですね。

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