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庄 隆宏 院長の独自取材記事

庄整形外科

(岡山市中区/東山駅)

最終更新日:2023/03/24

庄隆宏院長 庄整形外科 main

岡山市の中心街から車で約20分ほどの住宅街の中にある「庄整形外科」。2005年に開業した院長の庄隆宏先生は、地域のかかりつけ医として長年にわたり活躍してきた。2階建てのクリニックはバリアフリーでエレベーターも完備され、待合も広々として落ち着いた雰囲気。リハビリテーションルームには理学療法士のスタッフが常駐し動的ストレッチなど運動指導も行う。整形外科の検査において触診を重視し、患者の体にしっかりと触れることで問題点を注意深く探る庄院長。生活習慣の見直しで症状の改善を図るなど、痛み止めや湿布に頼らず、できるだけ患者の体に負担の少ない治療を提供することをモットーとしている。将来的にはトップアスリートの支援もしていきたいという庄院長に、地域医療にかける思いなどについて聞いた。

(取材日2023年1月27日)

故郷で開業。患者一人ひとりを自分の家族のように思う

まず、医師を志したきっかけから教えてください。

庄隆宏院長 庄整形外科1

小学生の頃は消防士になりたかったんです。国民的特撮テレビドラマに出てくる隊員服のような出で立ちに憧れを覚えましたし、大勢の人を助けたいという気持ちがあったのを覚えています。その次は天才外科医が活躍する人気漫画にはまって、医師という職業に魅力を感じるようになりました。そのうち、「両親とも医師という環境に生まれた自分は、医療の道が天命かもしれない」などと、おこがましく考えるようになって、医師という将来に向けて勉強する中高時代を送りました。

なぜ専門に整形外科を選んだのですか?

いろいろな理由がありましたね。まず、大学時代にバドミントンをしていたこと。時々けがをしては整形外科のお世話になっていたのがきっかけでしょうか。また、バドミントンが強かった大学の先輩方が整形外科に進まれたので、卒業後もつながりを持ちたいという思いもありました。父が外科医で、母は内科医なのですが、親と同じ科に進むのはあえて避けました。後輩になってしまっては、いろいろと無用な心配をかけてしまうことにもなりかねないと思ったからです。また、学生時代に各科を回った時に最も親近感を覚えて、さらに開業後のビジョンを一番想像しやすかったのが整形外科だったというわけです。開業後は、手術は必要がなくとも、痛み止めや湿布だけではなかなか良くならない症状に対して積極的に介入していく医療をめざそうと志していました。

開業しようと思ったのはいつでしょうか。

庄隆宏院長 庄整形外科2

医師になろうと思った時から、自分を育ててくれたこの場所で開業しようという思いはありました。母が当院の北側にある庄医院を開業した1974年当時、周囲には遠くまで視界を遮る建物がほとんどありませんでしたが、その後住宅建設が進みました。だからこの辺りの家々が土台から建っていく様子をそばで見てきましたし、子どもの頃は建築途中の土地にある木くずで遊んだりしていました。そんな故郷への愛着は強く、いつかこの地の役に立ちたいという思いがずっとありました。いざ開業してみると、患者さんの年齢層は幅広く、同級生、同級生の親、同級生の子……なども珍しくありません。自分の小さい頃をよく知っている方もいらっしゃるので、絶対にいい加減なことはできないですし、良い意味で緊張感がありますね。ですので、一人ひとりの患者さんを自分の家族だと思って診ている感覚はあります。

患者とじっくりと向き合い生活習慣に問題がないか探る

開業して、診療スタイルなどに変化はありましたか?

庄隆宏院長 庄整形外科3

勤務医時代よりも、1人の患者さんと向き合う時間が長く取れるようになったのは良かったです。まずは病気やけがについて詳しく伺い、検査もしますが、それらの背景となっている間違った生活習慣がないかどうかも注意深く聞き、思い巡らすようになりましたね。例えば、水分摂取に問題がないか。必要所要量を満たせていないだけでなく、水分を取っているつもりになっていても、それが利尿作用のある飲み物ばかりでは慢性的な脱水状態を招くことがあります。そういう場合、筋肉のコンディションにも悪影響を及ぼして整形外科の病気を引き起こしてしまう可能性があるので、たかが水分不足とおろそかにはできません。

診療にあたって大切にしていることをお聞かせください。

恩師の教えでもあるのですが、触診を大事にしています。もちろん、患者さんとお話しし、エックス線やMRIなど検査の結果も参考にしますが、患者さんの体に触らなければわからないことは非常に多いと思っています。特に初診の方は、少しでも長く触れるように心がけています。そして、患者さんがお困りの症状がなぜ発現したのか、その原因を深く探る。治療法についても、生活習慣の見直しや運動指導などで改善を図れないか、理学療法士のスタッフと一丸となって最大限の努力をします。その一方で、最も心がけているのは常に自分の診断を疑うことです。多分こうだと思っていても、いくらかは見立てに間違いがないかを探っている状態です。患者さんにはできるだけ複数回の通院をお願いして、経過を慎重に見守るよう心がけています。

理学療法士との連携はどのように行っていますか?

庄隆宏院長 庄整形外科4

当院で働いてもらうことが決まった理学療法士には、私が作成した小冊子を最初に渡しています。これは、私の経験に基づいた知識と理論をまとめた物ですが、その内容は必ずしも教科書どおりではありません。それをしっかりと理解してもらった上で、診療をそばで見学してもらい、どのような運動指導を行うのか学んでもらいます。現場に出てからも、任せっぱなしにすることはありません。常に私が効果を期待できると考えている施術を彼らにお願いしていますが、それで改善が見られなかった場合は、再度原因について考え直します。フィードバックの過程で何か他の原因を発見できるかもしれないので、これからも理学療法士とはしっかりと連携していきたいと思っています。

痛み止めや湿布に頼らない治療を行いたい

今後、近隣に住まわれている方にどのような医療を提供していきたいですか。

庄隆宏院長 庄整形外科5

一言でいえば痛み止めや湿布に頼らない治療を今後も提供していきたいと考えています。当院では患者さんに痛み止めを内服することや湿布を貼ることを、あまりお勧めしていません。なぜなら、そのような治療は症状の難治化、長期化を招く恐れがあるからです。人体が発する警報としての痛みを不用意に取り除いてしまうことは、必ずしも良い結果をもたらしません。けがをしたときは安静に過ごすのが一番で、痛みはどの程度動いて良いのかを自らが知る指標でもあるのです。こういう考え方はアスリートのけがの治療だけでなく、手術に至ってしまう可能性のある慢性的な関節症状の悪化を防ぐことにも役立ちます。ただ、痛み止めや湿布をまったく使わないというわけではなく、症例や病期に応じて慎重に痛み止めを使い分け、用いるタイミングを見計らっているということです。

今後の展望についてお聞かせください。

長年、診療を続ける中で型どおりの治療が症状を悪化させてしまう症例を見てきただけでなく、必ずしも型どおりではない治療が役立つ症例もたくさん経験しました。そうした日常診療で培った知恵をもとに、できるだけ患者さんの体に負担の少ない医療を提供したいと思っています。世の中には医師から手術を勧められても、絶対に手術をしたくない方々も一定数おられます。そういう方々のご要望にも、ある程度応える医療をめざしていて、ご来院の方々に喜んでいただけているようでしたら、うれしいですね。整形外科は最終的には外科手術で治療することを検討しますが、その前段階で手術に至らずとも治す方法はないのか、今後も積極的に追究していきたいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

庄隆宏院長 庄整形外科6

どんなに些細なお困り事でも、お気軽にご相談ください。発症から早ければ早いほど、症状は軽ければ軽いほど、適切に介入することで重症化や将来の大けがを未然に防ぐことが望めるからです。例えば「少しだけ足が痛いが、試合前なので念のために診てほしい」と、陸上部のお子さんが来た場合には、ケガをしている箇所の治療に努めるだけではなく、再発予防の観点から体の使い方や疲労回復のテクニックなども教えることができます。競技能力向上のお役にも立てると思いますので、ご縁があれば将来的にはトップアスリートも積極的にサポートしていきたいですね。5年、10年と続く慢性的な肩こりや腰痛を治らないものと諦めている方や、痛み止めや湿布を貼って済ませるだけの医療に疑問を感じておられる方もぜひ、一度当院の治療を試していただきたいです。

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