藤井伊織院長の独自取材記事

藤井ファミリー歯科

(芦屋市／芦屋駅)

最終更新日：2024/04/15

虫歯や歯周病などの一般治療から、インプラント治療や歯列矯正、審美歯科まで幅広く手がける「藤井ファミリー歯科」。大阪府済生会中津病院で口腔外科の技術を磨いてきた藤井伊織（ふじい・いおり）院長が、2014年11月に地元である芦屋市に開業。勤務医時代には舌痛症やビスフォスフォネート製剤について研究し、論文発表も行ってきた。早稲田大学の理工学部を卒業後に歯科医師の道に進むことを選んだという興味深い経歴を持つ藤井院長に、歯科医師をめざすことになったきっかけをはじめ、同クリニックならではの特色や、力を注いでいる治療などについて、詳しく話を聞いてみた。

（取材日2019年9月19日／情報更新日2024月2月27日）

学生時代・勤務医時代は、口腔外科の技術を習熟
歯だけではなく口内の病気を見逃さないよう努める
一つの治療に対し複数の提案ができる歯科医院をめざす

学生時代・勤務医時代は、口腔外科の技術を習熟

早稲田大学の理工学部を卒業されていますが、何をきっかけに歯科医師になられたのですか？

理工学部を卒業した後、一般の企業に就職をしました。ですが、心の片隅には「手に職をつけれたらいいな」という考えを持っていました。そのような漠然とした思いを抱えている時、父が病気で亡くなったのです。会社員だった父はとてもよく働き、私たちを育ててくれました。そんな父の仕事に対する姿を尊敬しつつも、自分は会社員としてではなく、自らの技術と知識を積むことでやっていける仕事に就こうと、この時強く感じたのです。そこから、自分の手腕を磨くことでやっていけ、なおかつ人々の役に立つことのできる歯科医師という職業をめざし始めました。

大学の歯学部を卒業後、勤務先に大阪府済生会中津病院を選ばれた理由は？

鹿児島大学の歯学部は、口腔外科の研究を非常に熱心に行うところでした。手術などの勉強は私にはとても興味深く、歯科医師になる際は、口腔外科のある病院にと考えるようになりました。そうして勤務した大阪府済生会中津病院では、上司がお正月以外は休みなく働く仕事熱心な歯科医師だったこともあり、私も毎日多くの患者さんを治療してきました。病院で扱うのは、口腔がんや口唇裂といった、手術を必要とする大きな病気ばかりです。病気を見極める目や知識、手術の技術など、ここでの勤務医時代に口腔外科の医師として多くの大切なことを身につけることができました。

その後は、一般歯科を扱う個人の歯科クリニックに移られたのですね？

一生を歯科医師としてやっていくのなら、一般歯科の知識が必要となります。もちろん、それらはきちんと勉強してきましたが、それまで口腔外科を中心にやってきたものですから臨床の経験を積む必要がありました。そこであらためて個人の歯科クリニックに勤務し、一般歯科をはじめ詰め物やインプラント治療の技術を習得することにしたのです。勤務5年目には分院長を任され、そこからさらに数年がたった頃、知り合いの歯科医師が、この場所が空いているから開業してみてはどうか、と勧めてくれました。それまで特に開業を考えたことはなかったのですが、タイミングとはこういうものかなと、自分のクリニックを開く決意をしたのです。

歯だけではなく口内の病気を見逃さないよう努める

どのような症状で来られる患者さんが多いですか？

当院を訪れる患者さんの多くはご近所にお住まいの方たちで、虫歯や歯周病などの一般的な病状、そして定期検診の方がほとんどです。小児歯科も手がけていますので、親子連れの患者さんも多くいらっしゃいます。当院では緊急性がない限り、嫌がる子どもを無理やり治療することは避けています。だんだんと慣れてもらい、恐怖感を取り除き、納得ができた上で治療を始めます。そうすることで、虫歯ができたときでも怖がらずに早い段階で治療ができるようになります。このようなことをはじめ、地域の方たちの歯の健康のために、より良いと思える方法で治療をしていくことで、患者さんのお役に立てて長いお付き合いができればと考えています。

クリニックの特徴はありますか？

口腔外科の研修医時代から、多くの外科的な症例を目にしてきたため、口内の病気を見つけるという点に長けてるとは思います。以前、歯の治療で訪れた患者さんの舌に異常を感じ、ご本人に違和感がないかなど質問したのですが、いつもと変わらないとの回答でした。しかしどうしても気になるため、大きな病院をご紹介し、「安心を得るためにも一度検査に行ってください」とお願いしたところ、がんが見つかったのです。この時はさまざまな症例を見てきたことが、一人の患者さんの命を救う手助けになれたと実感しました。こういったケースもあるため、定期検診の際には歯の状態はもちろん、口内全体を見て異常を見逃さないようしっかりと診察しています。

得意な治療を教えてください。

やはり、親知らずの抜歯やインプラントなどの外科的な治療は得意ですね。多少困難と思えるような親知らずでも、当院で対応できますし、インプラント治療も数多く手がけてきました。その他、詰め物、かぶせ物などの補綴にも自信があります。これら補綴物は、噛み合わせの高さが非常に重要となってきます。噛み合わせをしっかりと合わせなければ、顎にゆがみなどが生じ、別の病気になる可能性も出てきます。このようなことも考え、噛み合わせの調整をしっかりと行っています。

一つの治療に対し複数の提案ができる歯科医院をめざす

藤井院長は休日をどのように過ごしていらっしゃいますか？

子どもの頃から体を動かすことが好きでした。水泳は定期的に通っており、小学生の息子と一緒にプールに出かけ楽しんでいます。休日の息抜きとしても体力づくりの一環としてもいい運動になっています。また、本が好きなので昔から読書も続けています。さまざまな種類の本を読みますが、それが自己研鑽につながっているように感じます。

クリニックの今後の展望を教えてください。

とてもありがたいことに、2014年の開業から徐々に患者さんが増え、2021年5月にチェアを3台から4台に増やしました。より多くの患者さんに通っていただきやすい環境となっています。特に当院に来てくださる患者さんは、虫歯の予防についても理解のある方が多く、この先もっと予防歯科を進めていきたいと思っています。そのためには、歯科衛生士とも連携して定期検診の予約を取りやすくし、患者さんをお待たせすることなく治療ができるようファシリティー面の充実を図っていきたいと考えています。

では最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

開業を決めた時、「一つの治療に対して複数の提案ができるクリニックにしよう」と考えました。それは今も変わっておらず、何らかの治療や処置が必要になった際には、仕上がりはもちろん、治療の進め方など、可能な限り患者さんの希望に沿って行えるようにしています。どのような治療に対してでも、そのように提案できるよう、歯科医師としての知識を積むことにもまい進しています。また子どもさんの場合、見た目だけでなく、将来的な歯の健康を考えると歯列矯正をしたほうが良い場合もあります。当院では矯正専門の歯科医師に来てもらい、矯正歯科を行っていますので、ぜひご相談にお越しください。