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小野 利夫 院長の独自取材記事

芦屋・小野レディスクリニック

(芦屋市/甲南山手駅)

最終更新日:2024/02/08

小野利夫院長 芦屋・小野レディスクリニック main

甲南山手駅より徒歩8分の閑静な住宅街に建つ「芦屋・小野レディスクリニック」。院長である小野利夫先生が2003年に開業して以来、産婦人科医療に長く携わるベテラン医師や看護師が、数々の生命誕生の現場を支えてきた。院内は優しい色合いで統一され、ヨーロッパ調の家具やインテリアが優雅な雰囲気を演出。患者の不安な気持ちを少しでも楽にできるようにと、ほのかにアロマの香りも漂う。同院で大事にしているのは、独自の腹式呼吸法による静かで穏やかな自然分娩。「出産に不安が強い方こそ来てほしい」と話す小野院長。長年の経験とデータをもとにして生み出した呼吸法について話を聞いた。

(取材日2023年10月23日)

母体にも胎児にも優しい「自然分娩」をめざして

産婦人科医となった経緯を教えてください。

小野利夫院長 芦屋・小野レディスクリニック1

実は大学時代には物理学を専攻し、その後は社会人として働いていたのです。でも30歳を過ぎた頃に一念発起し、働きながら勉強して35歳で医学部に入学しました。産婦人科医になったのは、体のどこか一部ではなく患者の全身を診る医師になりたかったというのが理由ですが、当時から産婦人科医はなり手が少なかったので、どこか使命感のようなものもあったのかもしれません。はっきりと志したのは、大学病院での勤務医時代です。分娩に立ち会っていた時、妊婦さんが痛みで叫び声を上げて阿鼻叫喚だった現場に、一瞬の静けさの後で赤ちゃんの泣き声が響き、その瞬間に分娩室が幸せな雰囲気に一変したんです。空気や空間の色がガラリと変わったのを目の当たりにして、産婦人科医というのはこの光景を見られる仕事なんだと実感しました。

開業に際してはどのような思いがありましたか?

大学病院や関連病院で勤務していた頃は、お産自体は助産師が主体となって動き、医師は主に切開や縫合などを行うというものでした。しかし「どうすれば妊婦さんの痛みを軽減できるか」「苦しむことなく出産できるのか」という自分なりの疑問にしっかりと向き合える環境をつくりたいと、2003年に開業しました。当初は東灘区で場所を探していたのですが、なかなか希望にかなう物件に出合えず、知り合いが芦屋市に住んでいたという縁で現在の場所にクリニックを開業しました。開業当初は助産師がおらず、私自身がお産をとる体制でした。その中で「呼吸の仕方で、痛みのコントロールができるのでは?」と考えたのです。

クリニックでは自然分娩をとても大切にされていますね。

小野利夫院長 芦屋・小野レディスクリニック2

自然に対する最高の敬意を払っているのが、自然分娩だと考えています。当院では、痛みをできる限り軽減した静かで穏やかなお産に努めていますので、妊婦さんが痛みで叫んだり取り乱したりする分娩ではなく、とても静かに進む分娩をめざしています。そのため、兄姉のお子さんの立ち合いもできますし、基本的に初産であっても会陰切開をしませんので、妊婦さんと赤ちゃんへの負担が少ないのも特徴です。当院のホームページに分娩の様子を動画で掲載していますが、出産に抱くイメージと違うと驚かれるのではと思います。お産の痛みが軽減できれば、母乳への移行もスムーズに進められるなどメリットも多いと考えています。

出産に対して強い不安がある人こそ来てほしい

痛みの少ない分娩について教えてください。

小野利夫院長 芦屋・小野レディスクリニック3

痛みを軽減するために大切なのは、まず腹式呼吸です。お産の現場では昔から腹式呼吸を取り入れてきました。ただそれは陣痛の痛みと痛みの間、つまり少し落ち着いているときに、妊婦や赤ちゃんの心音が乱れるのを防ぐために「腹式呼吸をして整えましょう」というものでした。しかし、私が日頃からお伝えしているのは、痛いときにこそ腹式呼吸が重要ということです。出産のときに呼吸のタイミングがずれないよう、私が妊婦さんをリードしながら吐くことに集中して呼吸を促していきます。その際にはしっかり目を合わせて、呼吸のタイミングがずれたり、目が泳いだりして意識がそれないようにします。その現場にいる全員が心を合わせて呼吸をそろえ、声をかけながら出産に臨むというスタイルです。

無痛分娩との違いはどのようなところでしょうか?

無痛分娩は陣痛自体を感じにくくさせるために薬を使用します。そのためタイミングがつかみにくく、お産がなかなか進まないケースがあります。当院で行っている腹式呼吸では、痛みを逃すことを図りながらお産を進めていくので、薬は使わずあくまで自然の流れに沿って行います。この腹式呼吸の方法は、私が長年積み上げてきた経験とデータをもとにした方法です。腹式呼吸を取り入れたお産の流れは妊婦さん向けの説明会などでもきちんとお伝えし、リラックスした中で行えるように環境を整えています。

高齢出産の方や過去の出産がトラウマになっている方でも大丈夫でしょうか。

小野利夫院長 芦屋・小野レディスクリニック4

過去の出産で壮絶な痛みを味わってしまったせいで「もう一人欲しいけど、あのような痛みはもう経験したくない」と出産を諦めてしまう女性がいらっしゃいます。また高齢初産だからと出産そのものに不安を感じる方もいるでしょう。当院ではそういった方々にこそ、腹式呼吸で行う自然分娩をお勧めしたいと思っています。陣痛には痛みに段階があり、それぞれに応じた呼吸法があります。当院式の腹式呼吸ではそれを意識的に行うことで痛みが強くなりにくくなるように図っているので、陣痛全体が楽になるのではと思います。

出産や育児はもちろん、女性特有の悩みに寄り添いたい

こちらのクリニックは産後ケアのための入院もできるのですね。

小野利夫院長 芦屋・小野レディスクリニック5

芦屋市の取り組みとして、市民を対象に出産後4ヵ月以内で家族からの家事や育児のサポートを受けることが難しく、母子ともに医療の必要性はない方を対象として、入院していただくことが可能です。当院では助産師を中心に受け入れ体制を整えていますが、産後の体の回復や育児について不安がある方のサポートができればと考えております。院内はどなたでもリラックスして過ごせるようにと、落ち着いたインテリアと心地良いアロマの香りで皆さまをお迎えしています。出産や育児に不安はつきものですので、そういったお悩みのある方を心を込めてサポートします。また母乳育児に関しては、随時相談をお受けしています。

出産だけでなく、婦人科の検診や診療に来られる方も多いそうですね。

がん検診やブライダルチェック、更年期障害、月経のお悩みなど、さまざまな理由で来院されています。女性ならではの悩みや、年齢とともに訪れる変化など、患者さんそれぞれに不調や不安を持たれていますので、気持ちに寄り添えるように心がけながら丁寧に向き合っています。当院がある地域は、クリニックや病院の連携が非常によく取れているエリアです。もし検診の結果で気になることがあれば、専門医師への紹介なども行っておりますので、ご安心ください。

最後に読者にメッセージをお願いします。

小野利夫院長 芦屋・小野レディスクリニック6

自然分娩に対しての「痛い、怖い」という先入観を払拭できるような方法があることを、まずは広く知ってもらいたいと思っています。妊婦さんや赤ちゃんへの負担をできるだけ抑える分娩が、腹式呼吸の仕方によってめざせますので、過去の出産でつらい経験をした方や、高齢出産に不安がある方にこそお勧めしたいと思っています。静かで穏やかに出産に臨めるということは、妊婦さんだけでなくそのご家族も生命誕生の場に立ち会えるということ。不安があれば些細なことでもご相談に乗りますので、ぜひ一度ご来院ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ブライダルチェック/2万3650円

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