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早期対処で合併症リスク低減へ
適切なBMIで管理する糖尿病治療

亀岡内科

(枚方市/枚方市駅)

最終更新日:2023/01/16

亀岡内科 早期対処で合併症リスク低減へ 適切なBMIで管理する糖尿病治療 亀岡内科 早期対処で合併症リスク低減へ 適切なBMIで管理する糖尿病治療
  • 保険診療

日本人の多くが気にかけているであろう、生活習慣病の代表格・糖尿病。進行すれば網膜や神経などに障害を及ぼす三大合併症の他にも、脳梗塞や心筋梗塞など大血管障害のリスクが高まるため、早期受診・治療が必要だ。しかし、糖尿病の症状は初期では感じにくいといわれる。適切な治療を受けず放置してしまうケースは減ってきたものの、いまだ少なくはないという。連日多くの患者が訪れる「亀岡内科」の亀岡慶一院長は、長年糖尿病治療に携わるエキスパート。適切な通院・治療の継続により合併症リスクの低減を図り、患者の年齢に適したBMIをもとにした生活指導で「がん・寝たきり・認知症」予防にも取り組む。「当院の糖尿病患者さんで、減量の必要な方は少ないと考えています」と語る亀岡院長に、糖尿病や合併症の種類、同院での治療について聞いた。

(取材日2022年12月4日)

早期受診・治療で合併症のリスク低減へ。「減量」ではなく適切なBMI管理で健康寿命延伸を図る糖尿病治療

Q糖尿病にはどのような種類があるのでしょうか。
A
亀岡内科 院長は糖尿病治療のエキスパート

▲院長は糖尿病治療のエキスパート

自己免疫疾患の一種である「1型糖尿病」、生活習慣病の代表格である「2型糖尿病」の他、「妊娠糖尿病」や「その他特定の機序、疾患によるもの」に分類されます。そのうち最も多いのは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが肥満などにより十分に作用しなくなる2型糖尿病。これが全体の90~95%といわれています。血糖値が上昇する要因は2つ考えられます。一つはインスリンを分泌する力の低下。もう一つは、肥満度が上がり、血糖値を下げる働きが低下する「インスリン抵抗性」の増大です。日本人の2型糖尿病の主要因は「インスリンの分泌が悪いこと」。つまり血糖値を下げる力が低いことが日本人の2型糖尿病の特徴と考えています。

Q糖尿病の合併症には、どんなものがありますか?
A
亀岡内科 同院では8~9割の人が糖尿病を理由に受診

▲同院では8~9割の人が糖尿病を理由に受診

三大合併症の糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症・糖尿病性神経障害があります。これらは早期の通院と血糖コントロールで抑えていくことが可能と考えています。糖尿病性腎症の検査には尿中微量アルブミン検査があり、糖尿病性網膜症は眼底検査により早期発見をめざすことが重要です。また他にも大血管障害という合併症があります。これは肉眼的に見ることのできる動脈障害で、脳梗塞や心筋梗塞、足の動脈硬化症である閉塞性動脈硬化症が該当します。大血管障害を抑えるには血糖に加え、血圧や脂質のコントロールも大切。近年はABI/PWV検査で動脈硬化の程度を数値で表すことや、頚動脈エコー検査で視覚的に動脈硬化を診断することも可能です。

Qどのような症状のときに受診すれば良いのでしょうか。
A
亀岡内科 早い段階での健診・受診が大事

▲早い段階での健診・受診が大事

血糖値がどんどん上がっていくと、口渇などになることがあります。ただ、症状が出る前に発見することが重要ですので、定期的に健診を受けていただくと良いでしょう。症状のないうちに発見し、その後継続通院をしていけば、さほど怖い病気ではないと私は考えています。また、生活習慣病予防のために行う特定健診は40歳から始まりますが、近年は若年発症の糖尿病も増えていますので、特に肥満の方は25歳・30歳・35歳など早い段階で一度受診しておくと良いのではないでしょうか。万が一、若くして糖尿病をはじめとした生活習慣病を患ったとしても、医療レベルの向上により長生きできる時代になってきていると感じています。

Qこちらのクリニックではどのように治療をしていきますか。
A
亀岡内科 BMI値をもとに生活習慣の改善を指導

▲BMI値をもとに生活習慣の改善を指導

「なるべく長生きして、人の世話になりたくない」とご希望の方には、私の考える年齢ごとの理想のBMI値をもとに治療します。ただ、インスリン注射などの注射治療がどうしても苦手という方も多いので、先に延ばせるよう投薬を工夫することもあります。また、どの薬も金額が同じなら、より良い順番に使えばいいのですが、中には高価な薬もあり、すべての方が負担を感じずに使用できるわけではありません。重い医療費負担が逆に予後を悪くすることも考えられるので、患者さんの生活力とともに日常全般を見て使い分けることが大切です。服薬治療やインスリン注射などは、複数の側面から考えた上で患者さんのニーズにより合うものをご提案します。

Q糖尿病専門クリニックを受診するメリットはどこにありますか。
A
亀岡内科 院長は「糖尿病になったら必ず減量が必要なわけではない」と語る

▲院長は「糖尿病になったら必ず減量が必要なわけではない」と語る

糖尿病の専門医師であれば、薬の副作用や他の疾患を悪化させるような禁忌について詳細に理解しています。また、かなり先の将来まで見通せれば、治療を受ける人にとっても安心でしょう。一方で、療養方針や治療方法は同じ糖尿病専門でも医師ごとに異なるのが現状。私も他の先生方がどういった方針で、どんな治療をしているのかはわからないことも多いため、メリット・デメリットをお伝えするのは難しいですね。まずはご自身が受診してみて「気持ち良く受診できた」と感じたところに通院するのが正解ではないでしょうか。医師にはそれぞれ個性があるということを念頭に置いた上で、相性が悪いと思ったら別の医療機関を受診することをお勧めします。

ドクターからのメッセージ

亀岡 慶一院長

糖尿病は「怖い病気」と認識されがちですが、それはかなり症状が進んだ段階で通院を始めた方、通院を中断するなど治療継続ができなかった方の場合の話です。なるべく早期に診断を受け、医師の提案する受診・検査頻度に沿って継続的に通院することが大切で、きちんと治療を続ければそこまで怖い病気ではありません。一方で糖尿病は年齢が若いほど、また血糖コントロールが悪いほど合併症が進みます。若い患者さんの中には「通院しなくても問題ない」と考える方もいらっしゃると思いますが注意しましょう。早期に受診・治療を始めれば医療費負担も軽く、節制すべき点も少なくなることが期待できるので、早い段階でご相談いただきたいですね。

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