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笹本 洋一 院長の独自取材記事

ささもと眼科クリニック

(札幌市北区/麻生駅)

最終更新日:2021/10/12

笹本洋一院長 ささもと眼科クリニック main

麻生駅から徒歩1分と、アクセスの良い場所にある「ささもと眼科クリニック」。院長の笹本洋一先生は、北海道大学病院にて長年診療を行ってきた豊富な経験をもつ医師。これまで、他眼科疾患などと併発して起こる白内障の手術や、症例数が少ない眼科疾患の治療にも携わってきた。また、アメリカ国立眼病研究所に在籍し、ぶどう膜炎の研究を深めていたことも現在の診療の基盤となっているという。2020年には北海道眼科医会の会長に就任し、治療だけでなく、目の健康増進をめざした活動にも注力。「患者さんの訴えにしっかりと耳を傾け、症状を伺うことでわかることは多いです」と親しみやすい語り口で話す笹本院長に、クリニックの特徴やこれからの展望について話を聞いた。

(取材日2021年8月24日)

長年の経験を生かし、適切な道筋を示す眼科クリニック

開業した経緯についてお聞かせください。

笹本洋一院長 ささもと眼科クリニック1

地域に根差した医療を提供していきたいという思いからです。この地域を選んだのは、長年勤務してきた北海道大学病院からも近いため、これまでの患者さんも来院しやすい場所であったことも理由の一つです。今でも大学病院へは週1回診療に行くなど、つながりをもっています。通いやすいアクセスの良さも重要と思い、駅から近い場所を選びましたが、開業してみると近隣から歩いて通ってくださる患者さんも多いですね。

どのような患者さんが来院されますか?

麻生地域は古くから住まれている方が多い場所ですので、親子3代でいらっしゃる方も少なくありません。1ヵ月の赤ちゃんから高齢の患者さんまで幅広い年齢層の方が来院されています。お子さんの場合は、斜視や流行性の眼科疾患などのご相談ですね。高齢の方だと、白内障が多く、最近は緑内障の患者さんも増えています。目が見えにくくなる、かすむ、まぶしい、涙が出るといった不調がきっかけで来院される患者さんが多いですね。あとは、年齢による目の不調が心配で相談にいらっしゃる方もいます。

クリニックの特徴について教えてください。

笹本洋一院長 ささもと眼科クリニック2

身近なかかりつけ医として、「目に出ている症状の原因は何か」、「治るのか治りにくいのか」などを早期に判断できるよう心がけています。早くに原因がわかれば、治療方針も決めやすいですしね。こうした診断には、大学病院で勤務していたときから数多くの症例を診療し、症例数の少ない疾患の治療にもあたってきた経験が生きています。診察を行った上で、専門的な治療や検査が必要であれば、大学病院などと連携をとって治療を進めるようにしていますね。患者さんの症状に適した検査や治療を提供できるように、適切な判断を大事にしています。

患者と丁寧に向き合う対話が治療の鍵

白内障の患者さんも多いとのことですが、どのような治療を行っていますか?

笹本洋一院長 ささもと眼科クリニック3

薬を使った治療をはじめ、白内障では日帰りの手術も行っています。ただし日帰り手術の場合は、ご自宅に看病できる家族や身近な人がいて、安静にできることを前提としています。せっかく手術を行うのですから、その目的を果たすために安静にすることが難しいと思われる場合は入院して手術を受けたほうが良いと考えています。ですので、必要に応じて連携している病院を紹介しています。また、手術にも適した時期があります。個人差もありますが、見えなくても困らないという患者さんに対して積極的に勧めることはありませんね。白内障の手術は年々機器も進歩していて安全面に配慮して行いますが、やはり患者さんにかかる負担は大きいもの。そういったことも考慮して、治療において手術が必要かどうかを判断しています。

目の手術は怖いように感じるのですが、実際はどうなのでしょうか。

目の手術というと「手術の様子が見えるのでは?」という質問もありますが、実は患者さんからは見えません。これは、目の疾患がある眼科の先生が、実際に手術を受けて確認した論文によって証明されています。見えていないので、手術中に恐怖感を抱くことはないでしょう。さすがに、見えていたら怖いですよね。ただ、手術に向けたお話をしていく中で、不安や恐怖を感じる患者さんはいます。そういう方には、日帰りよりも入院してゆっくり休むことができる治療方法を提案していますよ。

先生が診療する上で大切にしていることを教えてください。

笹本洋一院長 ささもと眼科クリニック4

患者さんの訴えにしっかりと耳を傾けることです。話をしっかり聞くことで、だいたいのことはわかるものです。しっかり症状を把握するために、患者さんが「目が痛い」と言ったら、「朝なのか、昼なのか、いつ痛いのか?」、「その場所は目の内側なのか、外側なのか」などを伺って見極めていきます。中には、白内障だと思っていたけれど緑内障だったということもあります。白内障は自己判断している人も多いですが、早めに医療機関を受診して検査を行うことが大切です。また、目の症状で受診された患者さんであっても、糖尿病や甲状腺疾患など別の病気が見つかることもありますので、まずは受診することをお勧めします。全身疾患の症状として目の不調が現れている場合もありますしね。より詳しい検査が必要になったときには大学病院と連携して対応しています。

100歳まで自分の目で見られる生活をサポートしたい

さまざまな大学病院で指導もされているそうですね。後進の指導では、どのようなことを大切にしていますか?

笹本洋一院長 ささもと眼科クリニック5

主に大学病院で行う診療に立ち合って指導を行っています。大学病院は合併症や特殊な疾患の患者さんも多いため、その症状の判断方法や治療方針などの相談に乗っていますね。私も大学病院に20年近く勤務していましたので、非常に多くの症例を診てきていますし、そうした経験を伝えています。また、後進の指導でも「患者さんをよく診ることが大切」と伝えています。今はAIを活用するなどさまざまな検査機器の進歩もあり、医師がしっかり診ていなくてもその症状がわかってしまうこともありますが、機器が出した結果がすべてだと思わないことが大切です。目の前の患者さんと丁寧に向き合いながら診療していくことが、力を育むための何よりの経験ですね。デジタル技術の進歩を活用しながら、これからの時代は各分野を横断していくような世界になっていくと思いますので、先の先を見据えながら、今何ができるのかを私も考えながら進んでいきたいと思っています。

今後の展望についてお聞かせください。

患者さんの負担を考えると、今後は薬を使った治療法が発展していくのが理想です。外傷の場合は手術は避けられませんが、そうではない場合に手術せずに薬での治療ができれば、患者さんの負担は少なくなります。私はアメリカの大学で目の炎症を起こすぶどう膜炎の研究をしていましたが、最近はこの分野の新薬や機器の開発も進んでいます。こうした進歩は眼科全体に見られる傾向で、この30年間でスピードも上がってきていますね。そうした進歩に期待しながら、これからもベストは何かを求めて診療していきたいと思います。また、人は自然治癒力をもっているため、何もしないほうが良い場合もあります。あくまで薬や治療は治癒をサポートするものですから。もちろん、緑内障など自分の力で治せない症状には必要な医療を行いますが、人生100年時代を見据えて、100歳まで自分の目で見て生活していけるようにサポートをしていきたいと思います。

最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

笹本洋一院長 ささもと眼科クリニック6

若い世代の患者さんで多いのが、コンタクトレンズによるトラブルです。特に、サークルレンズなどのカラーコンタクトレンズは使用法を守ることが大切です。まつげエクステや化粧品など、目に触れるものには気をつけていただきたいですね。また、何か目のトラブルがあったときには、まずは片目を確認してみてください。人の目は両目で見ているときには症状が薄れてしまうこともありますので、「変な感じがするな」と感じたら片目で見て確認してみましょう。トラブルがあったら、なるべく早めに眼科を受診していただきたいですね。

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