谷村将光院長の独自取材記事

谷村歯科医院

(世田谷区／祖師ヶ谷大蔵駅)

最終更新日：2023/03/24

小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩10秒、にぎやかな駅前商店街の入り口に構えるビルの2階の「谷村歯科医院」を訪ねた。谷村将光院長の得意分野である審美歯科とインプラント治療を柱に、痛みに配慮した丁寧な治療を行うことを大切に、20年以上地域に根差した診療を続けるクリニックだ。近隣住民が患者層の中心ではあるが、中には転居先から定期検診に通い続ける人もおり、患者の将来の健康までを見据えた診療を行っている。長年のキャリアに甘んじることなく、常に新しい歯科治療を学び続けたいと、診療の傍ら現在でもさまざまなセミナーや勉強会に足しげく通う谷村院長に、クリニックの特徴やこれまでの歩み、自身が追求する「人生を豊かにする診療」についてなど、たっぷり話を聞いた。

（取材日2020年12月1日）

生涯を見据えながら、じっくり丁寧に治療をする
新しい治療技術を学び続けることも歯科医師の使命
歯は体の一部だからこそ、治療で妥協してほしくない

生涯を見据えながら、じっくり丁寧に治療をする

こちらは開業からもうすぐ22年だそうですね。

この場所で新規に開院した当初は何もかも手探りで大変でしたが、徐々にご紹介や定期検診で通ってくださる患者さんが増えて、かれこれ20年以上の付き合いになる患者さんもいらっしゃいます。地域の患者さんのニーズも考えつつ一人ひとりに合った治療を追求していきました。さらに、私の得意分野である審美歯科とインプラントの技術をさらに磨いて当院の柱に据えたところ、インターネットで検索し「ここなら任せられそう」「ここに相談してみたい」と選んでくださる患者さんが増えていきました。幸い、駅の改札を出たらすぐ見える場所ですから、アクセスの良さでも患者さんに喜んでいただけていますね。

どんなクリニックづくりをめざしてこられたのでしょうか？

私の診療に対する理念はいたってシンプルなものです。患者さんがきれいな歯でしっかり噛めるようになることによって、大きく口を開けて笑えるようになってほしい、ご自分に自信を持てるようになってほしい、そして、治療を経てより豊かな人生を送っていただきたい。そうした思いで診療にあたらせていただいています。私としましては、ただ短期間でスピーディーに治療することがベストだとは思っていません。ある程度のスピード感は意識しつつも、患者さんの5年後、10年後、一生涯まで見据えて健康な口腔環境を長持ちさせていくという視点に立って、じっくり丁寧にしっかり治していくというスタンスでやってきました。駅前という便利さにとどまらず、口腔内の現状や治療の見通しなどを丁寧に説明しながら、常により上質な治療をご提案できるように努めてきたつもりです。

痛みの少ない治療にもこだわりがあるそうですね。

当院では歯科治療で患者さんが感じやすい苦痛を最小限に抑えられたらと思い、電動注射器や振動式注射器などを使うほか、レーザーによる治療も行っています。歯周病や根管治療などの外科手術用、歯を削るためのもの、そして痛みを和らげる用途で使用するものなど計4種類のレーザーを取り入れ、必要に応じて使い分けています。レーザー治療の利点は痛みを感じにくいこと、そして出血しにくいなどです。以前、治療の経過で痛みや腫れがなかなか引かない症例を手がける中で歯科治療の限界を感じていた時に、偶然受けたセミナーでレーザーのことを知って興味が高まり、アメリカの大学の勉強会にも頻繁に出かけて徹底的に学んできました。そういう意味では、レーザーを駆使した痛みに配慮した治療という領域は私にとって、当院の主軸である審美歯科やインプラントに次ぐライフワークと言えるかもしれませんね。

新しい治療技術を学び続けることも歯科医師の使命

先生が歯科医師になったきっかけについて教えてください。

高校生の頃、青少年赤十字に所属して、盲導犬や点字について学んだ経験があります。そのあたりから、何か人の役に立てるようなことをしたいと意識し始めたように思います。進学に際していったんは明治大学経営学部に入学したのですが、やはり直接人の健康に関われるような仕事に就きたいという思いを強くし、両親の後押しもあって一念発起して歯科医師をめざす決意をしました。その後、伝統ある東京歯科大学に新たに入学して歯科について学びました。昔から手先が器用だったこともあり、歯科の技術を学ぶことは想像以上に面白く、充実感を得られました。歯科医師として働き出してからは、自分が手がけた治療で患者さんが喜んでくださる姿を目にし、言葉では言い尽くせない達成感とやりがいを感じる日々です。

こちらで開院されるまでの歩みをお聞かせいただけますか？

東京歯科大学を卒業後、大学の歯科放射線学講座に入局して、診療の傍ら、研修で外科治療とレントゲンやCTの撮影技術などを学びました。その後は都内にあるインプラント治療に特化した歯科医院に勤務し、インプラントについて研鑽を積ませていただきました。当時はまだそれほどインプラントが世間に知られておらず、大学で学ぶチャンスもありませんでしたから、とても貴重な経験でした。それから相模原にある比較的規模の大きい歯科医院や目黒区の歯科医院で分院長、副院長として幅広い診療経験を積ませてもらい、実家に近く行き来しやすい場所で開業したいと考え、世田谷区のこの場所に開業することを決めました。

先生は歯科治療についてさまざまな勉強を積み重ねてこられたのですね。

歯科治療は学べば学ぶほど本当に奥が深くて、歯の内部、長期保存、顎の構造や親知らずといった口腔外科領域に関すること、患者さんの全身状態との関連など、真に健康な口腔環境を整えていくには本当にさまざまな知識、技術、経験が要求される仕事だと痛感させられます。だからこそ、難しい治療がうまくいったというような成功体験によって凝り固まってしまうのでなく、日々進化する治療技術、先端機器や素材のことを常に学び続ける姿勢が欠かせないと思っています。とりわけ私の得意な審美歯科も技術の進展がめざましい分野です。これからも診療と並行して、時間の許す限りセミナーや勉強会に参加して、技術や知識をアップデートしていきたいですね。そうした努力も歯科医師としての使命だと思っています。

歯は体の一部だからこそ、治療で妥協してほしくない

診療では口腔内カメラを活用されているそうですね。

読者の皆さんの中にも、過去に歯科医院で「口の中で何をされているのかわからない」「本当に今この歯を削る必要があるのか」、そんな疑念を抱きながら治療を受けた経験のある方がいらっしゃるのではないでしょうか？　そうした不安を解消するために、当院が重きを置いているのが「見せる治療」。治療に入る前と治療の途中経過を口腔内カメラで撮影し、その画像を患者さんにお見せして、理解と納得をしていただきながら治療を進めていく手法を取っています。また初回はカウンセリングをじっくり行い、口の中だけにとどまらず、心理的なものや全身状態を含めて患者さんが本当に訴えたいことを見極めた上で、ケアしていきたいと考えています。

こちらのクリニックの特徴についてもお聞かせいただけますか？

一つは専門の先生との治療面での連携が密であるという事です。10年以上も長く、お付き合いいただいている口腔外科の専門の先生がいらっしゃるので、難しい抜歯も最小限の痛みや傷で抜くことができます。大学病院の先生が来ていただけることは、なかなかないのではないでしょうか。もう一つは、専門的な歯科衛生士が多数在籍していることも挙げられます。当院では4人の歯科衛生士が患者さんの口腔ケアを担っており、患者さん一人ひとりに対して丁寧な治療とこまやかな気配りを心がけています。スタッフの努力もあり、患者さんからも信頼のお声をいただいています。

最後になりますが、今後の展望と読者に向けて一言メッセージをお願いします。

歯は患者さんが生涯使い続ける「体の一部」です。だからこそ歯科医院を選ぶとき、「コンビニ感覚ですぐに治せる」といった便利さだけを見て、妥協してほしくないという思いがあります。当院は20年以上、この地に腰を据えて診療を続けてきました。一人ひとりの患者さんと向き合い、じっくりと時間をかけて診るスタイルを貫いてきたからこそ、かかりつけ患者さんの口腔環境や健康については私が誰よりもよくわかっていると自負しています。年を重ねても健康な口腔環境で笑顔あふれる豊かな人生を送れるよう、スタッフ一同全力でサポートします。