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西村 賢司 院長の独自取材記事

西村内科クリニック

(名古屋市瑞穂区/瑞穂運動場東駅)

最終更新日:2021/10/12

西村賢司院長 西村内科クリニック main

地下鉄瑞穂運動場駅東から徒歩6分、閑静な住宅地の一角に「西村内科クリニック」はある。西村賢司院長は消化器内科が専門で、特に経鼻内視鏡については、先駆けて先進の機器を取り入れ、病変の早期発見を実現。インターネットで検索した人が遠方から訪れるなど評判が高い。「地域の人々にとって相談しやすい医師でいたい」と西村院長。穏やかで物静かな雰囲気は、本当に何でも話せそうでこちらの気持ちを落ち着かせてくれる。高校時代の一念発起から医師になるまで、また日々の心がけや院外の活動などさまざまな話を聞くことができた。

(取材日2016年9月12日)

質の高い医療を提供するため、内視鏡の先進機器を導入

まず開業の経緯について教えてください。

西村賢司院長 西村内科クリニック1

この場所は、妻の父が1972年から1998年まで「放射線科」という名で、基本的には一般内科のクリニックを経営していました。2002年に私が開業するときに建物の耐震補強と改装を行い外観もきれいにしました。先代の閉院から私が開業するまで4年ほど空いたのですが、昔の患者さんも徐々に戻ってきてくださりました。先代は、割と恰幅がよかったのですが、患者さんには「太ったらだめだよ、やせなさい」と言っていたなど楽しいエピソードを患者さんから聞くこともあります(笑)。皆さんに慕われていたようです。この地域は古くからお住まいの方も多く、お付き合いしやすい患者さんばかりだと感じます。私も父のように患者さんから愛される存在でありたいですね。

先生のご専門は消化器ですが、どのような患者が多いですか?

多いのは生活習慣病の方ですね。来院される患者さんのうち、高血圧、糖尿病、高脂血症の方が半分以上になり、治療とともに食事や運動についてのアドバイスもしています。私の専門は消化器ですが、勤務医時代に、専門領域だけでなく内科全般を勉強し、実際に多くの患者さんを診ていましたので、その経験を生かせています。患者さんからも「先生にはからだのことを何でも相談できます。」とおっしゃっていただけることもありますよ。とてもうれしいですね。ちなみに、私が消化器の道に進もうと決めた理由は、私が学生の頃、ちょうど胃カメラが普及しはじめた時期でした。手術をせずに治療ができるというのは私の理想でもあり、「やりがいがある」と思い、この分野に進もうと決めました。消化器が専門ですから当院では内視鏡検査に力を入れています。最近はより質の高い医療を提供するため内視鏡の先進機器を導入しました。

こちらのクリニックでは外来診療のほか、高齢者施設への訪問診療を行っているそうですね。

西村賢司院長 西村内科クリニック2

毎週2〜3回、昼休みの時間を利用して3ヵ所の施設に行っています。開業したばかりの頃、昼休みに意外と時間があって、訪問診療を始めた後輩の医師に「先輩もやりませんか」と声をかけられたんです。これが思っていた以上に非常にやりがいがあるんですよ。勤務医時代の、外来と入院の両方の患者さんを診ていたときに近いような感覚もあるし、施設のスタッフさんや薬剤師の先生たちとコミュニケーションしながら人間関係を広げていくことも楽しいんです。以前、100歳になった方がいらして、お酒が好きと聞いたのでお祝いにお酒をプレゼントしたことがあります。来週も100歳になる方があり、今度は女性なので何を贈ろうかなと迷っているんですよ(笑)。

対話が大切。「ここにきてよかった」と思われる診療を

同院では内視鏡検査で使用する先進機器を導入されたそうですね、従来のものとは違いますか?

西村賢司院長 西村内科クリニック3

当院では胃カメラはほぼ経鼻から行っているのですが、レーザー光源搭載内視鏡を2015年1月に導入しました。業者さんによると、この機種の経口内視鏡は大きな病院で少しずつ導入されていたようですが、経鼻内視鏡は名古屋のクリニックでは当院が先駆けだったそうです。実際使用してみると、従来のものと比べ、画質が非常によくなり、きれいに見えますよ。よく見えるので、以前のものと比べて検査の時間も短くなり、患者さんの負担も減ったと思いますし、早期のがんも見つけやすくなりました。実際にこの機器に変えてから、食道の約3mmの早期がんを発見しましたよ。私はこのクリニックを地域の方々にとって、「何でも相談できるクリニック」としてあり続けたいですが、私自身の専門分野も存分に生かして地域の方に還元できるよう努めていきたいですね。

内視鏡検査というと痛い、怖いというイメージがありますが。

そうですね、内視鏡の検査は、痛いとか苦しいと思っている方がまだ多いと感じますが、そう感じさせないよう当院では、さきほど申し上げた先進機器導入を含め、スタッフ全員でサポートをしています。内視鏡検査において、不安に感じる方も多いので、検査後の説明では、患者さんにわかりやすく理解しやすいよう丁寧な説明を日々心がけています。また、スタッフも検査中には緊張されている患者さんに対して、やさしく声掛けをしたり、体をさすってあげたりと検査中の負担を軽減できるようサポートしてくれていますね。患者さんからも安心できました、とのお声をいただくこともあります。

西村先生は普段、診察の中で心がけていることがございますか?

西村賢司院長 西村内科クリニック4

とにかく、患者さんが診察で「伝えたい」「話したい」ことに耳を傾けるということです。私は患者さんから何でも相談されるような医師でありたいと思っています。ですので、外来ではお話をよく聞くようにしています。また患者さんは、言いたいことを全部言えていない場合があるのではないかと思うんです。「こんなことを聞いてもいいかな」とか「専門外かな」などと考えて聞けないことってありませんか? それを、こちらが気づかず「じゃあお大事に」と切り上げてしまってはいけないと思っています。ですから、診察が終わるときには「他に何かありますか」「他は大丈夫ですか」と一言お尋ねするようにしています。患者さんの訴えを全部聞いて、わかることはお答えする、そうした積み重ねで信頼関係ができていくかなと思います。ですからどんなことでも相談していただきたいですね。

これからも地域に密着し、訪問診療も視野に

医師をめざしたきっかけを教えてください。

西村賢司院長 西村内科クリニック5

私は小学校の頃は文集に「国家公務員になりたい」と書いているんです(笑)。父が政治に興味があり、家族団らんの場でもテレビはニュースや政治の特集番組などでしたから、その影響があったんですね。でも父は薬剤師でしたので、私も高校2年の進路の面談では「薬学部に行こうと思います」と話しました。そうしたら担任の女性の先生が「医療の道に進むのだったら、お医者さんのほうがいいんじゃない?」と。その一言で、よし、やってみようかと奮起しました。実は父は長く難病を患っており、そのことも医師の道に進む後押しになったかもしれません。先生のあの一言がなかったら医学部に進んでいなかったと思います。本当にあの先生のおかげで今の私があるんです。先生は今もお元気で年賀状をやりとりしていて、数年前の同窓会では直接報告もできました。私の母も先生には感謝していて、手紙を送ったりしてつながっているんですよ。

その後、国立福井医科大学へ進まれたのですね。

1年浪人して、そのときに予備校で友人ができました。私は若い頃、割と人見知りをするほうで、彼のほうから声をかけてきてくれて、一緒に勉強し、一緒の大学に進みました(笑)。彼は現在、岐阜で開業しており、付き合いは続いています。学生時代は、下宿に10人ぐらいの学生が住んでいて、お風呂やキッチンは共同でした。医学部は100人ほどですから、みんな仲がよかったですよ。越前海岸に行って、防波堤から釣糸を垂らしてアジやグレ(メジナ)、すごく小さなタイなどを釣って食べたり、山へ山菜採りに行ったりしていました。自然に恵まれた環境でしたね。

最後にこれからの展望、またリフレッシュのことなど教えてください。

西村賢司院長 西村内科クリニック6

2017年で開院15年になります。これまで地域に密着してきたように、これからも地域の皆さんに寄り添い、信頼されるクリニックでありたいと思います。今後ますます高齢の患者さんが増えてくると思いますので、施設だけでなく、ご自宅へ伺う訪問診療にも力を入れていきたいですね。今もときどき訪問しているのですが、患者さんたちが通院できなくなったとき、身近な開業医として、最後まで責任持って診ていきたいと考えています。休診日は、書類やデータの整理など事務仕事をしていることが多いです。その分、年に2~3回は家族で国内外に旅行してリフレッシュしています。

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