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亀田 博 院長の独自取材記事

さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック

(札幌市北区/麻生駅)

最終更新日:2021/10/12

亀田博院長 さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック main

札幌市営地下鉄麻生駅、JR新琴似駅からそれぞれ徒歩7分。20年の歴史を誇るのは「さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック 」だ。検査機器から手術設備、入院設備まで幅広く備えた同クリニックには、地域患者が多く通う。院長の亀田博先生が同院を開業したのは2001年のこと。北海道大学医学部を卒業したのちは同大学第一外科に入局し、小児外科・乳腺甲状腺外科の診療と研究に従事したベテランだ。「検診はとても大切ですから、ぜひ定期的にいらしてください。他にも喫煙や飲酒も乳がんに影響を与えることもあります。ご自身の生活を見直しながら治療を行うのも良いでしょう」と話す院長に、クリニックの特徴や歴史などについて語ってもらった。

(取材日2021年7月2日)

診察から手術、乳房再建術まで、院内で一貫対応

開業されてもう20年ほどたつと伺いました。

亀田博院長 さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック1

開業したのは2001年のことです。開業当時は、確率的に乳がんになるのは18人に一人の割合です、とお伝えしていたものですが、今では9人に一人くらいまで増えました。おおまかに数えても約2倍と、この20年で確実に増えていると感じています。その背景に考えられるものの一つとして、食生活の変化が挙げられるでしょう。高齢の方や、昔の人はほとんど肉ではなく魚を食べていましたね。しかし戦後になり、バターなどの高脂肪食が西洋から入ってくるようになりました。牛乳という栄養価が高いものを積極的に取るようになったことも、大きな変化の一つでしょう。

貴院では病気の発見から手術まで、一貫した対応が可能ですね。

まさにそれが私が乳腺外科を選んだ理由でもあります。消化器外科なども経験しましたが、消化器でのがんなどは、内科から回ってくるものですが、乳腺外科は、乳がんの疑いがあれば、診察から関わることができます。触診や視診、そして針を使って組織を採り、必要があれば全身の転移がないかなどを調べます。もちろん手術も行いますし、その後の抗がん剤治療、ホルモン剤での治療、放射線治療なども、一部は他の大学病院などと連携しながら行っていきます。最初から最後まで一貫して患者さんとお付き合いができ、治療の経過をしっかり診ることができると思い、乳腺外科の道に進みました。

クリニックの設備にもかなりこだわられていますね。

亀田博院長 さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック2

当院は有床診療所ですので、2階に全17床の病室があります。有床であることの大きなメリットとしては、やはり術後の急な体調不良などに対しても迅速に対応ができる点でしょう。全身麻酔・局所麻酔に対応した手術は毎週水曜に行っており、洗面所や談話コーナーなども設けています。また基本的な検査での一つもあるマンモグラフィでは、マンモグラフィ撮影の研鑽を積んだ女性の診療放射線技師が担当しますので、患者さんにも安心して検査を受けていただけると思います。できる限り痛みの少ない、かつ高画質の画像で判断できるようにと努めています。

治療は日進月歩。勉強しながら患者と向き合い続ける

患者さんの年代に特徴はありますか?

亀田博院長 さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック3

もっとも多いのは40〜50代ですが、今は閉経後の方も増えています。もちろん若い方もおられますね。乳がんの手術で難しいのは、乳房の再建ではないかと考えます。乳がんは当初は切除をすればそのままでした。乳房温存術や部分切除、乳房形成術などの考えが入ってきたのは1986年頃のことです。数年前からは再建にも保険が適用されるようになりました。当院では札幌の蘇春堂形成外科の先生と共同で乳房再建エキスパンダー(組織拡張器)を取り入れた治療を行っています。このように治療のやり方も、どんどんと変わってきています。

乳房温存術や再建など、いろいろな方法があるんですね。

現在では乳房温存術は5割といったところでしょうか。乳房再建術とどちらを選ぶかというのはケースバイケースですね。基本的にがんが3センチ以内の大きさであれば温存術という考え方ですが、3センチ以上で乳房の変形が考えられるときは、説明の上、全摘出をし、再建する、という流れです。とはいえ、再建を選ばない方も一定数はいます。「人工物を入れるのに抵抗があります」という言葉も聞きます。デリケートな問題ですから、そこは患者さんの思いを尊重しています。このように医療が進歩すればするほど患者さんの選択肢も増えますから、それはとても喜ばしいことですよね。一方で私たち医師は日々勉強が大変ではありますが(笑)。

そんなに変化が激しいのですね。

亀田博院長 さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック4

ドクターの勉強会を月に1回主催しており、常に刺激を受けています。本当に20年前とは天と地ほどに違いますね。患者さんの様子を見ながらどう治療していくかを考えていくことが重要です。乳腺に限らず、外科の医師に大切なのは、この“考える力”なんです。外科の手術では内科的な知識も必要でしたし、患者さんは何歳なのか、バックグラウンドにはどんなことがあるのか、そしてもし再発した時のためには何が必要なのかという先を読む力も必要です。そういった点は、今でも気をつけていますね。

お忙しい毎日かと思いますが、先生の息抜きは何でしょうか?

子どもの頃に将棋を習っていたこともあり、テレビの対局などもよく見ています。野球の観戦も好きで、今ではアメリカに渡った日本人選手が地元球団にいた頃は、試合を見に行ったものです。将棋は一時期「プロにならないか?」と言われたこともありました。しかし話題の棋士などを見ていると、プロの厳しさを感じますね。そういった点は、医療にも通じるものがあるのではないかと感じています。最近は座ることも増えたので、積極的に歩くように心がけていますよ。

甲状腺の病気を含め、地域患者の健康を守っていく

乳がんでの入院やスタッフさんなどについてもお聞かせください。

亀田博院長 さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック5

当院では年間多数の乳がん手術に対応しています。消化器系の手術後はなかなか大変なのですが、乳がんだと手術の次の日からでもごはんを食べられるなど、比較的負担も少ないのではないかと思います。スタッフはみんな長い人ばかりですね。あっという間に、一緒に年を取ったなあ、という感覚です(笑)。みんなよく、こんなに長い間勤めてくれていると思います。ありがたいことですね。

貴院では甲状腺も診療されておられますね。

甲状腺腫瘍・腫れ、橋本病・甲状腺機能低下症、バセドウ病・甲状腺機能亢進症などの診療に対応しています。土曜日は北海道大学から甲状腺内科の先生に、といっても実は私の息子なんですが、来てもらって診療を行っています。手術は当院では行っていないのですが、診療がある日はかなり混雑します。駐車場も30台以上止められる広さを確保しているのですが、そこが満杯になるほどです。しかしそれほどに、地域の皆さんの甲状腺内科の需要は高いのだ、と感じますね。

では最後に、読者へのメッセージをお願いします。

亀田博院長 さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック6

乳がんにおいて検診は非常に大切です。ぜひ皆さん、積極的に検診を受けてください。また喫煙にも気をつけてほしいですね。喫煙者の乳がんの発症率は、非喫煙者の約4倍ともいわれています。またアルコールも同様で、多く飲む方では1.6倍、少ない方でも1.2倍ほどといわれています。特に喫煙は乳がんだけではなく全身のがん、内科的な疾患、特に血圧などにも大きく影響してきますから、喫煙をしている人はぜひご自身の生活を見直してみてください。ホームページの「院長のよもやま話」ではいろんな情報を提供していますので、それも読んでくださるとうれしいです。これからも皆さんの健康を守るお手伝いをしていきたいと考えていますので、ぜひ検診から、気軽にお越しください。

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