伊塚良彦院長の独自取材記事

伊塚歯科医院

(岐阜市／岐阜駅)

最終更新日：2023/07/07

地域に根差して90年余り。岐阜市中心街の歯科医院としての長い歴史を持つ「伊塚歯科医院」。3代目院長を務める伊塚良彦先生は患者の悩みに真摯に向き合い、常にその人にとってのより良い治療ができるよう努めている。「地域の開業医にとって大切なことは治療の引き出しを多く持つこと」と伊塚院長。患者からの期待に応えるため、数多くの治療方法を学び実践してきた。医療機器や設備についても患者目線で機能性・快適性にこだわり積極的に導入。特に予防を重視しており、患者が生涯自分の歯で食事をできることを第一目標に掲げている。「仕事は明るく楽しく一生懸命」がモットーの伊塚院長に同院の診療体制、患者への思い、今後の展望など話を聞いた。

（取材日2023年6月8日）

90年以上にわたり、地域の健康を支えてきた歯科医院
赤ちゃん連れのママ・パパにも快適な受診環境を
明るく楽しく一生懸命仕事をすることが大切

90年以上にわたり、地域の健康を支えてきた歯科医院

クリニックの歴史と診療体制を教えてください。

当院は祖父の代から3代、約90年続くクリニックです。私は岐阜市内で生まれ育ち、北海道大学で学んだ後、すぐに地元に戻ってきて、先代の父とともに当院で治療にあたってきました。父が引退してからは、私が院長としてすべての患者さんを診ています。スタッフはほかに、歯科衛生士が6人と受付スタッフが1人、歯科技工士が2人いる体制です。治療チェアは5台で、患者さんのプライバシーに配慮した半個室タイプ。歯科技工士が作業する専用の部屋もあります。歯科技工士が院内にいることのメリットはとても大きいですね。例えば、義歯が壊れてしまったり、歯が折れてしまい人工歯を補う必要がある場合、当院ではその場で歯科技工士が対応できますので1日で調整可能です。また、補綴物を取りつけるときに実際に歯の色などを確認しながら作っていきますので、審美的にも質の高い治療がめざせます。

患者さんはどんな方が多くいらっしゃっていますか？

小児歯科も対応していますので、下は1歳くらいから幅広い世代が来院されます。小児の場合は、歯磨き指導、フッ素塗布に加えて、歯並びや矯正のご相談も最近、増えています。また、父の代から通い続けてくれているご高齢の方も少なくありません。患者さんの要望はさまざまですが、治療を終え、予防のために定期的に通っている方が中でも多くを占めます。周辺にお住まいの患者さんもいらっしゃいますが、遠くから通院される方のために駐車場も確保しているので、車でも通院していただけます。また、クリニック1階西の駐車場はスペースが広く確保されておりエレベーターで直接お越しいただくことも可能です。そのため身体の不自由な方、車いすやベビーカーをご利用の方、小さなお子さま連れや妊娠中の方は優先してご利用いただければと思います。ほかの駐車場は7台分もクリニック近くに備えていますので雨の日などもスムーズに来院いただけると思います。

予防歯科に注力していらっしゃるんですね。診療方針をお聞かせください。

安易な抜歯はせず、保存治療によって健康な歯をできるだけ残し、患者さんに一生自分の歯でお食事していただくことを一番の目標としています。予防歯科の考え方は、私が子どもの頃にはあまり浸透していませんでした。私は歯科医師になった後もさまざまなことを学び続けてきましたが、予防歯科もそのうちの一つ。あと、偶然にも父が「予防歯科」という言葉も考え方も確立されていない時代から、患者さんに対して、痛くなくてもたまに見せにくるように、という方針を取っていたんです。ですので、現在の当院の診療方針は、学んできたものと、当院でもともと続けていたものの延長線上にあるという感じです。

赤ちゃん連れのママ・パパにも快適な受診環境を

一般歯科のほかにも幅広い診療に対応されていますね。日々心がけていることはありますか？

予防歯科、矯正、ホワイトニング、インプラント治療のほか親知らずの抜歯など外科的な治療にも対応しています。地域の開業医として大切なことは、さまざまなニーズにお応えすること。そのためには、私自身に多くの引き出しがないと対応できませんので、できるだけ多くの治療方法を提示できるよう常に学び続けています。もちろん、複雑な矯正治療など、より高い専門性が求められる場合は他のクリニックを紹介することもありますが、できるだけ当院で治療が完結できるよう、準備を怠らないようにしています。また、患者さん自身が納得し、前向きに治療に臨めることを重視しています。現状と今後考えられる症状、治療方法の選択肢を説明する際には検査画像や口腔内写真を用いて丁寧に伝えることも心がけています。

セラミックを用いた治療やホワイトニングなどにも対応されているんですね。

詰め物を作る際、以前は粘土状の印象材を患部に詰めて歯型を採っていましたが、数年前にCAD／CAM冠システムを導入してからは歯型の採取は不要になりました。嘔吐反射がある方にとっては負担軽減になりますし、治療時間の短縮にもつながっています。セラミックの白い詰め物ですので見た目も自然な仕上がりが期待できます。また、ホワイトニングではホーム・ホワイトニングの薬剤を使用しているのが当院の特徴です。院内用のものと比べると濃度が低く、変化が穏やかな分、知覚過敏などの症状が出にくいメリットがあります。現在、当院では40代から70代の方がホワイトニングの施術を受けていらっしゃいます。

設備がとても充実していますね。

院内はバリアフリーで土足のまま入っていただけますので、靴を脱ぐ煩わしさもなく、ベビーカーや車いすを利用されている方にも快適にお過ごしいただけるでしょう。待合室のキッズスペースでは、親御さんの診察時にスタッフがお子さんをお預かりすることもできます。多目的トイレにはおむつ替え用ベッドを設置していますので、赤ちゃん連れの方も安心してお過ごしいただけると思います。化粧室は女性専用も完備。治療前の歯磨きや、治療後のお化粧直しもゆっくりとしていただけます。また、当院の診療台チェアは、座っていただくとわかりますが本当にふかふかで快適な座り心地です。空気清浄機についても性能にこだわったものを取り入れ、感染症対策にも気を配っています。常に患者さん目線で「この設備があれば快適に過ごしていただける」と確信を持ったものをそろえています。

明るく楽しく一生懸命仕事をすることが大切

スタッフさんの笑顔も印象的です。

いつもスタッフには「仕事は楽しくやろう」と伝えています。やはり、楽しく仕事しないと、仕事の質にも影響しますし、歯科医院全体の雰囲気がまったく変わってきます。それは、良くも悪くも必ず患者さんに伝わると思いますので、診療時は明るく、楽しく、一生懸命仕事をするようにしています。今いるスタッフさんは、本当によく頑張ってくれていますし、何よりスタッフ同士の仲が良いですね。日々の診療では、午前と午後それぞれ診療開始前にはミーティングをして連絡事項を共有していますし、チームワークもとても良いと思います。スタッフから私に対してクリニックのことで率直な意見をもらうこともあります（笑）。クリニック運営においてスタッフにとって働きやすい職場であることも大切なこと。結婚や育児が理由で一時的に職場を離れても、再び戻ってこられるよう制度も整えました。現在3人のスタッフが育児休業中です。

訪問歯科診療にも対応されていますね。始めたきっかけは何だったのでしょう？

通院できなくなったら歯科治療が受けられないなんて、あまりにも悲しいですよね。どんな人でも自分の歯でおいしく食事したいと思っています。健康な人も健康でない人も、自分の足で通える人も通えなくなってしまった人も、人はみんなお口にトラブルが生じたら歯科治療が必要なんです。私が訪問歯科診療を続ける理由は、患者さんのお口の健康を守りたいという「使命感」でしょうか。訪問歯科診療は、昼休みなど当院が閉まっている時間帯での対応に限られますが、これからも私の体が続く限り、できるだけ対応していこうと思っています。

これからの伊塚歯科医院について、先生の思いや展望を教えてください。

私が目標とする歯科医師は、やはり父。父は患者さんとの会話を大切にしていましたし、性格も明るく、PTA会長を務めたこともある社交的な人なんですね。父から私へと受け継がれたバトンを今度は歯科医師をめざす息子へ良いかたちでわたすことできればと思っています。当院は間もなく開業100年を迎えます。これからも患者さんの人生に寄り添い続ける存在でありたいですね。