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平山 寿 院長の独自取材記事

田奈クリニック

(横浜市青葉区/田奈駅)

最終更新日:2023/07/05

平山寿院長 田奈クリニック main

東急田園都市線の田奈駅から歩くと、閑静な住宅街の中に「田奈クリニック」の看板が目に入る。広々とした待合室には花が飾られ、訪れた患者の心を和ませてくれる。開業以来、専門性の高い脳神経外科診療や内科診療で多くの患者をサポートしている院長の平山寿先生。くも膜下出血や心筋梗塞など、命に関わる臨床経験を数多く積み、疾患の治療に全力で取り組む姿勢は、一人でも多くの患者を救いたい、健康な生活を送るためのサポートがしたいという真剣な思いがひしひしと伝わってくる。どのような取り組みで患者の疾患と向き合っているのか、疾患の予防のために日々必要なことなど、具体的な診療について話を聞いた。

(取材日2023年5月30日)

培った経験をもとに、地域医療に貢献したい

まずは先生のこれまでのご経歴を聞かせてください。

平山寿院長 田奈クリニック1

北里大学医学部卒業後は、同大学の医局に在籍していました。お世話になっていた教授の「脳神経外科医師として人の頭を診る以上、全身を診られなければいけない」という考えに感銘を受け、救急科、外科、麻酔科、神経内科を一通り経験してから脳神経外科に進むというプロセスを踏みました。その後、教授の勧めで大学院に入り、医局員としていろいろな病院に出向し、臨床にも携わりました。ハードな日々でしたが、出向先の病院では経営面でもいろいろ教えていただき、この経験は今でもたいへん役に立っています。しかし、ある日体調を崩して手術をすることが難しくなりました。非常に悩みましたが、「病気になった患者さんを手術で救う道ではなく、患者さんを病気にさせない道で貢献しよう」と考え、開業を決意しました。

先生のご専門について教えてください。

脳神経外科領域の中でも、脳卒中の治療を専門に行ってきましたが、特に血管内治療の分野を勉強していました。血管内治療とは、くも膜下出血などの疾患を、頭を開くことなくカテーテルで治療する方法です。カテーテル治療と開頭手術では術後の経過がまったく違うのです。開頭手術の場合は最低でも回復まで1ヵ月程度かかりますが、カテーテルは1週間で退院する患者さんもいます。私が勉強していた当時は開頭手術が主流でカテーテル治療はまだあまり広まっていませんでしたが、新しいジャンルでしたのでぜひチャレンジしたいと考えて取り組みました。大学の医局で経験した救急科、外科、麻酔科、神経内科のほか、開業前には他院で内科や整形外科の経験も積みました。その経験を生かし、現在は脳神経外科疾患をはじめとして、風邪や頭痛からリハビリテーションまで幅広く対応しています。

開業時から日曜も診療しているそうですね。

平山寿院長 田奈クリニック2

大学病院にいた頃、外来の患者さんで、仕事が忙しくて日曜しか休みがなく、でも日曜は病院の休診日で受診できないという方が多くいらっしゃいました。せっかく手術をしたのに、その後受診ができず、悪化してしまったという患者さんもいて、日曜に診療をしてくれるととても助かるんだよねという患者さんが多かったのです。また、開業前に勤務していた総合病院でも「平日に仕事を休んで病院に来るのは大変。夕方は診療が終わっているし、土曜や日曜に診療をしてくれると助かる」という患者さんの声が多くありました。患者さんを自分の家族同様に診療しろと教授に言われて学んできたので、それならこちらが土日も普通に診療を行えば、少しでも患者さんを悪くしないで済むのではないのかと思ったのです。

患者の生活を見直し、悪化を防ぐアドバイスをする

頭痛や認知症・物忘れなど、特定の疾患や症状を専門に診る外来診療枠も設けているんですね。

平山寿院長 田奈クリニック3

頭痛は軽く見られることも多いですが、脳卒中などの命に関わる重篤な病気が潜んでいる危険性もあります。私は、脳神経外科の医師としての専門的な視点から、頭痛の原因追求と治療を実践しています。また、認知症では、本人が病気を自覚しておらず、ご家族が「どうやって本人を受診させればいいの?」と悩んでいるケースも多く、患者さんには「頭の健康診断に行こう」と伝えるようアドバイスしています。認知症はご家族のケアも大事ですので、ご家族と相談しながら適した治療法や介護法を考えます。どの病気もそうですが、特に認知症は悪化する前に早く受診してほしいので、ご家族が「認知症かも?」と思ったら、早期に相談していただきたいですね。

診療では栄養指導も行っているとお聞きしました。

もともと脳卒中をずっと診てきた中で、基礎疾患に高血圧症や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を持っている人が多く、これらの疾患は運動と食事管理が基本となります。例えば、アメリカでは血圧基準が厳しくなっていますが、それを薬だけで下げることをめざすのではなく、リハビリテーションや管理栄養士が積極的に介入して、患者さんの生活を根本から見直していくのが現在のやり方です。患者参加型医療といい、患者さん自身が疾患と真摯に向き合い、自ら積極的に治療に参加し、われわれ医師はあくまでもアドバイスをする立場です。中でも食事はすべての疾患の基本となっていて、ご本人が気づかないうちにカロリーを摂取しすぎていたり、塩分を取りすぎていたりするので、これらを改善するために、当院では管理栄養士に患者さんの食事指導をお願いしています。

具体的にどのような方が対象となるのでしょうか。

平山寿院長 田奈クリニック4

血圧や血糖値などのコントロールが難しい方に、こちらから勧めています。ある程度ご自身で管理できている方には、私のほうから話すことは行っていません。ただ、院内に栄養指導のポスターを貼っているので、参加したいと思った方は申し出ていただければと思います。指導は予約制で、1ヵ月に1回です。予約日の3日前から3食の食事記録を取ってもらい、管理栄養士から指導が入ります。指導時間は30分で保険も適用されます。

医療の力で、健康をサポートしていきたい

こちらで取り入れていらっしゃるリハビリテーションについて教えてください。

平山寿院長 田奈クリニック5

当院のリハビリテーションは、作業療法士や理学療法士が行うリハビリテーションではなく、特殊な機械を使って筋肉の緊張を取ることを図る方法で、開業時から導入しています。キセノン光線治療というのですが、大学にいた先輩の奥さんがペインコントロール部門の初代部長で、その方から教えていただきました。キセノン光線治療とは、近赤外線を当てる光線照射療法で、皮膚下約7cmまで光線が入り、広範囲に血管を拡張して血流の改善を促すことで、首や肩、腰、膝などの関節の痛みの緩和や、深部にある筋肉の炎症を抑える効果が期待できます。当てている時間は約10分で、保険診療で受けられますから、高いお金を出してマッサージに行っている方などにお勧めしたいですね。

先生が脳神経外科に進もうと思った理由をお聞かせください。

学生時代の臨床学講座の臨床実習中に、救命救急在籍時にお世話になった助教授から、「救命救急で活躍するにはスペシャリティーがなければ駄目だ。まずは専門性を身につけてからでないと通用しないぞ」と言われたことが大きな理由でした。中でも救命救急では、心筋梗塞や脳卒中の重篤な患者さんが多数運ばれてきますので、一人でも多くの優秀な循環器内科・脳神経外科の医師が必要とされていると感じ、自分の専門にしようと決めました。

先生の診療のポリシーについてお教えください。

平山寿院長 田奈クリニック6

クリニックに来るということは、それなりに患者さんはつらいはずなので、そのつらさを少しでも軽くして差し上げることを第一に考えます。患者さんのことを本当に思うからこそ、時には厳しく接することもあります。例えば、脳卒中の患者さんは一度症状が落ち着いても、再発の危険性があります。それを予防するために、血圧やコレステロール値の目標数値をやや高く設定することがあります。ただし、厳しいばかりではなく、順調にコントロールできている場合は、その頑張りに対し、ねぎらうことも忘れません。クリニックに足を運ぶ患者さんは困っているわけですから、そんな時にできる限りのサポートをするのは当然だと思います。今後も一人でも多くの患者さんの健康をサポートしていきたいと思っています。

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