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中山 昇 院長の独自取材記事

おおくま歯科医院

(横浜市都筑区/新羽駅)

最終更新日:2024/05/15

中山昇院長 おおくま歯科医院 main

横浜市営地下鉄のグリーンライン・中山駅、ブルーライン・新横浜駅よりバスに乗り、大熊町停留所降車後徒歩5分。緑豊かな住宅街の中に「おおくま歯科医院」がある。中山昇院長は、生まれも育ちも大熊町。「患者さんとの信頼関係を大切にした治療を行いたい」とあえて人通りの多い駅前などではなく、住み慣れたこの場所にクリニックを開院した。大学時代に専門に学んだのは補綴学。中でも義歯の治療に注力した。入れ歯治療では保険診療でも必ず型採りを2回行うなど細部までこだわり、経験に基づいた技術に裏づけされた治療を提供している。歯科医院としての診療方針、仕事のやりがいなどについて、中山院長に話を聞いた。

(取材日2024年4月17日)

友達のように気軽に話せる歯科医師でありたい

先生が歯科医師になろうと思ったきっかけについて、教えてください。

中山昇院長 おおくま歯科医院1

僕は子どもの頃虫歯がたくさんあって、小学校に入ってからはずっと歯科医院に通っているような状態だったんです。最初に行った歯科医院では、高齢の歯科医師の先生に診ていただいたのですが、そこで受けた治療がなかなか合わず、かぶせ物をしてもすぐに取れてしまう。そこで別の歯科医院に通うことにしたのですが、そこでの出会いが僕が歯科医師を志す大きなきっかけとなりました。そこで診ていただいた歯科医師の先生が、実に格好良かったんです。「とても上手だな」と思ったし、笑顔も爽やか。僕の中で憧れの人になってしまって、小学校2年生の時にその先生と同じ歯科医師になろうと決めました。卒業文集にも「歯医者さんになりたい」と書きましたし、進路を決める大学受験の時まで気持ちは変わらず、こうして歯科医師になったというわけです。

大熊町は、先生が生まれ育った場所だそうですね。

そうなんです。開業するにあたり、生まれ育った大好きな大熊町で仕事をしていきたいという気持ちが強くあり、今の場所を選びました。歯科医院の名前にある「おおくま」も、町の名前からとっているんですよ。都筑区というと港北ニュータウンのイメージが強いかもしれませんが、大熊町はニュータウンができる前からある古い住宅地です。そのため小さいお子さんも来院されますが、患者さんの中心は高齢の方ですね。駅から離れていますし、「通りがかりに見かけて」というような方はあまりいらっしゃいませんね。近隣にお住まいの方がメインではありますが、遠方では片道1時間半もかけて来てくださる患者さんもいるんですよ。

歯科医院としての診療方針はありますか。

中山昇院長 おおくま歯科医院2

診療方針というようなかちっとしたものではありませんが、できるだけ来やすい、ハードルの低い歯科医院となるよう心がけています。僕の治療スタイルとしてずっと続けているのは、話しやすい雰囲気づくりです。何か聞きたいことや言いたいことがあっても、歯科医師には言い出しづらいと感じる患者さんが多いのが現状です。なるべくそうしたことがないように、気さくな感じを醸し出して、友達と話すように気軽に話しかけていただけるように意識しています。

予防の大切さを伝え、日々のブラッシングも指導

歯科医院としての治療の特徴は、何かありますか。

中山昇院長 おおくま歯科医院3

当院では補綴の治療に力を入れていて、例えば義歯を作る時、必ず型採りを2回行うんです。まずは既成のトレーを使って、義歯の入る顎の型を採ります。それで外形を把握した後に、さらにもう1回、より精密で患者さん個々に合ったトレーを作るという工程を重ねます。治療の種類に限らず、患者さんに対して、こうした手順を踏んで精度にこだわった治療ができるようにしています。当院の患者さんはご高齢の方が多く、義歯や入れ歯治療をご希望いただく方が多いですね。僕は大学で補綴学、中でも義歯を専門として勉強してきました。入れ歯や義歯の技術に関しては、今でも日々技術の向上をめざして努力を続けています。

ご高齢の患者さんに対して、歯を長持ちさせるために意識してお伝えしていることはありますか。

健康に長生きするためには、「噛む」ことがとても大切です。噛むと脳に刺激が伝わりますし、咀嚼は非常に大事な行為なんです。健康な歯でしっかり噛めるように、まずお伝えしているのは、痛くなる前に歯科医院に来てほしいということ。予防を怠り、虫歯になったり歯が抜けたりしてから治療をするよりも、しっかりと予防をしたほうがトータルで考えたらお金もかかりません。予防の大切さを理解いただくのは簡単ではないのですが、悪くなる前にケアをするようお伝えしています。併せて、ご自身の歯が残っている方には、しっかりと歯磨きができるよう、具体的な磨き方などもお伝えしています。「磨いている」と「磨けている」は異なるものです。「磨けている」状態にするためには、磨き方も必要に応じてアドバイスすることが必要ですね。

具体的には、どのような磨き方をお勧めしているのですか?

中山昇院長 おおくま歯科医院4

一つは、歯ブラシに水をつけすぎないことです。水をたくさん含むと、歯磨き粉がすぐに泡立ち、口の中が泡でいっぱいになります。すると、たくさんの泡と歯磨き粉の爽快感で、十分に磨けていなくても、磨けたと思い込んでしまうんです。もう一つは、硬い歯ブラシで力いっぱいこすらないこと。「歯磨き」という言葉から、皆さん靴磨きのように一生懸命歯をこすってしまいがちですが、今現在、歯垢除去に特に有用とされている磨き方はスクラビング法ともいわれています。スクラビングというのは振動ですね。ごしごしするよりも、細かく揺らしたほうが汚れがよく落ちるとされているんです。また歯の硬さには個人差があり、やわらかい歯の方だと、あまりに硬い歯ブラシで毎日こすりすぎると歯が摩耗してしまう懸念もあります。こうしたあまり世間で知られていないけれど、有用な情報をこれからもお伝えしていきたいですね。

設計図のない歯科治療に、経験に基づいた技術で挑む

お人柄についてもお聞かせください。休日はどのように過ごされていますか。

中山昇院長 おおくま歯科医院5

特にこれといった趣味はなく、以前は運動をよくしていたんですが、最近はまったくしなくなってしまいました。現在、木曜日と日曜日が休診日なのですが、その日は歯科医師の仲間と書籍作りの仕事をしています。2024年は保険点数が改正される年なので、それに関する歯科医療の書籍を出版するんです。たまの息抜きといったら、食べることが好きなので、おいしいものを食べることくらいでしょうか。休みがない毎日で、仕事ばかりしていますね。

仕事をしていてやりがいや喜びを感じられる瞬間は、どのような時ですか。

自分が納得できる治療ができた時ですね。歯科治療には設計図がありません。フリーハンドで自分が思い描くとおりに歯を削ることができたり、調整が不要な入れ歯を作ることができたりしたら、自分の中でいい仕事ができたという満足感でうれしくなるでしょうね。また患者さんの笑顔が見られると、やっぱり喜ばしいですね。毎回同じことをしていたら、慣れが出てきてしまうと思うのですが、口の中や歯の形はお一人お一人皆さん違っています。それぞれに合った削り方、入れ歯の形、治療方法が必要になるので、いつもやりがいがありますね。

最後に、地域の方、患者さんにメッセージをお願いいたします。

中山昇院長 おおくま歯科医院6

歯科治療をする上では、当然技術も大事ですけれど、まずは患者さんとの信頼関係が大切だと考えています。やはり人と人とのお付き合いですから、信頼関係がないとより良い治療はできません。私がこの生まれ育った地元で開業している理由の一つもそこにあります。駅前など多くの人が通る場所ではありませんが、その分、当院を信頼してくださる患者さんが通ってくださいます。これからも自分の技術を磨いて、患者さんに信頼していただける治療をご提供していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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