小さい子どもの不正咬合にアプローチ
気づいた時に始めたい床矯正
岡田歯科医院
(大阪市淀川区/三国駅)
最終更新日:2023/12/13
- 自由診療
歯並びや噛み合わせが悪い状態を、不正咬合と呼ぶ。不正咬合は見た目だけでなく、重症な場合は生活に支障を来すことにもなりかねず、「治療の対象となります」と話すのが、阪急宝塚本線・三国駅前にある「岡田歯科医院」の岡田正博院長。ワイヤー矯正、抜歯矯正などさまざまな矯正法がある中で、小さい子どものうちから取り組める手法として「床矯正」がある。床矯正はまず顎の成長を促すことが目的。岡田院長は「歯を抜く必要のないことも、他の矯正とは違う大きなメリットです。お母さんたちの、自分の子どもの歯並びをなんとかしたいという声に応えたくて床矯正を始めました」と話す。優しいまなざしで親子を見守る岡田院長に、床矯正のメリットや診療の中身について詳しく聞いた。
(取材日2023年11月21日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q床矯正とはどのような矯正法なのでしょうか?
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A
もともとヨーロッパで始まった方法で、不正咬合に対する治療の一つです。主に子どもを中心にしていまして、お子さんの成長期を利用して歯並びを大きくし、凸凹した歯並びを整えようというのが主な目的ですね。ワイヤー矯正や抜歯矯正と違うのは、床矯正装置を使うことです。開始する時期としては6、7、8歳ぐらいが中心で、大人の歯並びが完成する高校生ぐらいまでの期間をかけて、ゆっくりと歯並びにアプローチしていきます。大人はできないか、というとそうではなく、条件さえそろえば十分に可能です。子どもの頃に矯正する機会がなかったけれど「ずっと気になっていた」と希望される方もおり、当院では最高で60代の方もいらっしゃいます。
- Q床矯正のメリットを教えてください。
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A
不正咬合でも歯を抜かずに済むことがメリットだと思います。床矯正は第一に顎の成長を考え、それを促す矯正だからです。歯を抜くと口の中が狭くなりますから、これから成長するタイミングでそうする必要はありません。また装置は自分で取り外せますから、歯磨きも通常どおり行えて虫歯になりにくい点も、ワイヤー矯正より利点でしょう。食事中や学校の授業で朗読がある時、プールや激しい運動の時は外してもらっても大丈夫です。痛みについても、装置をつけ始めてすぐの最初の2、3日間に感じるぐらいで、それを過ぎると痛みはあまりないと思います。料金も他の矯正法より比較的負担は少ないかと思います。
- Q先生は長年、床矯正に取り組んでおられますね。
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A
きっかけは患者さんの声です。歯科医院にはいろんな年齢層の患者さんが来られます。3、4歳は虫歯の相談が多く、だんだん幼稚園、小学生ぐらいになってくると歯並びのご相談が増えます。最初は知り合いの矯正歯科医院を紹介していたのですが、お母さん方がせっかく「子どもの歯並びをなんとかしたい」と言って来られるのですから、その声に「応えたい」と思うようになって床矯正を採用しました。床矯正は年齢が低くても、そのステージに合わせた床装置があり「大人になるまで待ちましょう」などと言わずに済みます。大人の歯並びが完成するまでに開始すれば、ワイヤー矯正や抜歯が必要となる可能性も少なくなると私は考えています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・検査
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子どもの場合、歯並びの成長のステージがあるため、まず年齢を確認する。その後、エックス線検査へ。現状、どれだけの歯が生えているか、生えてくるべき永久歯が正しい位置にあるかないかも合わせて確認。中には、永久歯が生えてこないと予測されるケースもあり、矯正法が変わることもあり得るという。さらに模型を作るための型採りを行う。軽度な矯正で済むのか、長くかかる重度なケースなのかは初診時でも説明してもらえる。
- 2診査・診断
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約1週間後、できあがった模型をもとに詳しい説明を受ける。前から見ただけではわからなかった問題点も、模型があるので理解しやすいだろう。どんな種類の装置を使用するのか、さらに期間と費用についても概算を出してもらえる。同院は初回の装置は均一料金制。ただ子どもは成長に応じて作り替えが必要なので、少し追加料金が発生する。矯正期間は大人の歯並びが完成するまで、と決まっているため、個人差はあるがゴールは明瞭だ。
- 3矯正開始
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約1ヵ月で床矯正装置が完成し、いよいよ矯正がスタート。同院では1日14時間の装着を推奨。矯正を開始すると「データ上は1日12時間で良いとありますが、10時間でもいいですか? 8時間はどうでしょう」と、だんだんと装着時間の短縮を求める声が患者から寄せられるため、あえて14時間を勧めているそうだ。「睡眠を8時間と想定すると、あと6時間確保すればクリアできるので、ぜひ頑張ってもらいたいですね」と院長。
- 4経過観察
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決められた時間、装着ができているか、所定の位置にきちんと装着できているか、使い方が間違っていないかなどをチェックするため、同院では2週間に1度の受診を勧めている。急に痛みが出たり装置が入らなくなったり、紛失してしまったりといったアクシデントがあれば、すぐに来院、または電話で相談してほしいそう。1、2週間でも装置を入れなければ元に戻ってしまう恐れがあり、努力が無駄になることもあるため注意したい。
- 5矯正完了・メンテナンス
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永久歯が生えそろい、歯科医師に「矯正完了」を見極めてもらってから、装置を外して終了となる。ここまでくると、歯列矯正に対するメンテナンスというのは特にはないそうだ。あとは虫歯や歯周病が発生しないよう、日頃の手入れと歯科医院での定期的なメンテナンスを続けて、歯の健康を守っていくだけ。「年数のかかる床矯正を頑張った子たちですから、日頃のメンテナンスも頑張ってもらえると信じています」と院長。
自由診療費用の目安
自由診療とは床矯正/12万円~