歯科受診を避けている人へ届けたい
痛みや苦手意識に配慮した診療
かとう歯科医院
(吹田市/豊津駅)
最終更新日:2023/04/26
- 保険診療
- 自由診療
歯の治療や歯科医院が苦手で、治療やメンテナンスに踏み出せない人は大人でも少なくない。その理由を「かとう歯科医院」の加藤一生院長に尋ねると、「やはり、以前の治療で痛かったり嫌な思いをしたと話してくださる方が多いですね」。そんな加藤院長は、子どもや障がい者の歯科診療にも専門的に取り組んできた経験から、不安を和らげ痛みやストレスの少ない治療を大事にしている。初診時にはあえて処置を急がず、患者と話をする中で信頼関係を深め、治療方法や治療器具などもわかりやすく提示。また患者が苦手な処置や対応を細かく確認し、それらをなるべく避けた治療に努めている。もちろん、加藤院長の穏やかな雰囲気も患者の緊張をほぐしてくれるだろう。同院を初めて受診した時にはどのように診療が進むのか、具体的に紹介してもらった。
(取材日2023年3月10日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q歯科治療が怖いと思われやすいのはなぜでしょうか?
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A
歯科での治療経験が少ない方やお子さんが、何をされるのかよくわからないまま、いきなり敏感な口の中にいろんな器具を入れられたら、それはとっても不安になるでしょう。その状態で、突然大きな音や振動が生じたり鋭い痛みを感じたりすれば、「もう歯の治療は嫌」となるのも当然です。また、患者さんが感じるこのような不安や恐怖を歯科医師やスタッフがきちんと共感できなかったり、「必要だから」と説明よりも処置を優先してしまうと、患者さんは心ない対応をされたと強く感じて、歯科治療がますます苦手になることもあります。残念なことですが、処置そのものだけでなく、医療側の対応にトラウマを持っている方も少なくないという印象です。
- Q必要だとわかってはいても、なかなか受診に至らないという人も。
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A
歯の汚れを、セルフケアだけで完全に取り除くことは相当に難しいです。このため、歯科医院での治療やケアを受けていないと、虫歯や歯周病が知らない間に進行して、自覚症状が出た時には大がかりな治療が必要になることも。そうなると治療の痛みや苦痛が強くなりがちですし、期間も長びきがちです。だから当院では、治療を始める前に予防の重要性をじっくりとお話しします。また、治療に使う器具を見たり触ったりしてもらいますし、麻酔の使い方などを細かく相談することも。お子さんには「注射」のように怖さを感じる表現を使わないよう、保護者にお願いすることもあります。年齢を問わず、痛みや苦痛がなるべく少ない治療を行っています。
- Q自費による自由診療と、保険診療はどう違うのですか?
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A
今は、保険診療でもそれなりの治療はできるようになっています。ただ、入れ歯やかぶせ物・詰め物などで、より長持ちしたり、見た目がきれいな材料を使おうと思えば、自由診療という選択肢も視野に入ります。当院では「保険ならこんな治療が、自費ならこんなこともできますよ」と説明をして、患者さんにご希望や費用負担なども含めて検討していただき、どのような治療にするのかご自身で選んでもらいます。「いきなり自費を勧められた」と不快に感じる患者さんもいますし、逆に「自費でしたいけれど、どれぐらいかかりますか」という問い合わせもあります。情報を十分に提供し、最終的に患者さんが決めるということが大事だと考えています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1初診の受付をして、問診票を記入する
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問診票には、今困っている症状を記入する。他にも、全身の病気の有無や病歴、良い治療があれば自費診療も考えたいのか、といった項目もある。「治療についてあらかじめ伝えておきたいことはありませんか」という欄もあるので、歯科治療が苦手なことや、過去の経験、配慮してほしいことなどはここで率直に書いておこう。
- 2診察チェアには座らず問診、必要に応じて検査も
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同院では初診でいきなり診察チェアに座ることは少なく、チェアサイドに置いた丸椅子に座って問診を行う。その後にチェアに座り、口腔内を歯科医師が確認、必要があればエックス線などの検査も同日で実施するそう。子どもや障害のある患者では、治療器具を見たり、手に触れてみたり、口の中へ入れてみることも。これはTell-Show-Do法という方法で、治療のイメージをもってもらい、不安を和らげていくために行われる。
- 32回目以降の診察で治療方針を決める
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2回目の受診では、急な治療を要する症状がなければ検査結果が説明され、治療計画を立てていく。歯科医師は、医学的な情報や必要性だけでなく、患者の生活背景や希望なども踏まえながら、患者に適した治療を提案していく。費用や期間など、わからないことがあればためらわず具体的に確認した上で、納得できる治療方針を決めていくことが大切だ。
- 4詳しい事前打ち合わせをして、治療がスタート
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治療に不安や怖さがあれば、大人も遠慮することなく治療前に伝えておこう。麻酔一つでも、痛みを感じたくないからしっかり麻酔をしてほしいという患者もいれば、麻酔の注射やしびれる感じが苦手だからなるべく使わないでほしいと希望する患者もいて、同院ではそれぞれに対応する。治療中に患者が痛そうにしていたら、手を挙げていなくても声をかけたり処置を止めるなど、痛みや不快感に配慮したこまやかな対応を重視している。
- 5治療が終われば、定期的なメンテナンスへ
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同院では、治療が終了した患者には予防歯科へ移行し、定期的なメンテナンスを受けるようにアドバイス。大人であれば虫歯に加え、歯周病の評価やケアも実施する。また子どもでは自費診療で虫歯予防のフッ素塗布を行うほか、口や舌の癖の矯正や、生え替わり期を中心に歯並びへのフォローも行う。歯科衛生士によるケアやブラッシング指導にも力を入れており、症状の早期発見、早期治療の点からも予防歯科を受けるメリットは大きい。
自由診療費用の目安
自由診療とは入れ歯/14万3000円~、かぶせ物・詰め物/3万3000円~、小児のフッ素塗布/1100円~ ※自由診療の場合