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千代田区

東京23区のほぼ中心に位置するまち。中央には皇居があり、その面積は区全体の約12%を占める。国会議事堂・首相官邸・最高裁判所など日本の首都機能が集中する一方、私立大学が多数立地する文教地区でもある。

目次

千代田区長インタビュー

生活に根差した施策でめざすのは
誰もが互いに認め合い共生する社会

石川 雅己
区長

1941年文京区生まれ。東京都立大学法経学部卒業後、東京都庁入庁。千代田区役所企画課長、東京都港湾局長、東京都福祉局長などを経て、2001年の千代田区長選で初当選し、現在5期目。「東京一住みやすいまち・千代田区」の実現に向け、特に子育て・教育、高齢者福祉において多様な施策を推進。

就任以来、「共生」を理念に掲げ、施策に取り組んでおられます。

当区は通勤や通学で訪れる人が多く、昼間人口が夜間人口約6万4000人の十数倍という、珍しい地域です。生活する人、働きに来る人、学びに来る人と、立場は違えど互いに認め合って地域社会をつくろうというのが、私たちの「共生」の考え方です。次代を担う子どもたちを社会全体で育てることも「共生」だと考え、当区では平成22年に「子育て施策の財源の確保に関する条例」を制定し、子育てに関する予算を増やしてきました。その結果、子どもの発達について専門職が相談に応じる「子ども発達センターさくらキッズ」の設置や、都内でも珍しい18歳までの医療費無料化など、一歩踏み込んだ施策が実現できています。また、2020年東京パラリンピックを契機に、障がいの有無にかかわらず、ともに生きていく地域社会のあるべき姿を、子どもたちの心に強く意識づけできるような施策を進めています。そのような思いで、障害者福祉にも段階的に取り組んでいます。

高齢者福祉については、どのようなお考えをお持ちですか?

現在の日本の介護保険制度では、在宅の要介護者は、介護度によって受けられるサービスが決まっています。一方、高齢者施設に入所している人は基本的に24時間ケアを受けられますから、在宅と施設との差が大きいわけです。そこで当区は、紙おむつの配達や訪問理美容サービスなど介護保険制度の枠外で独自の施策を実施。在宅の要介護者に、できるだけ施設と同レベルの介護サービスを受けられるように努めています。
また、今後より重要になるのが、認知症の高齢者などに対して、財産の管理や介護サービスの契約を本人の代理で行う成年後見制度。身体的なケアだけでなく、買い物などを含めた日常生活をどうフォローしていくかが大事で、それは行政がその方の私的な部分を支援することになります。「公」と「私」を線引きできないのが、超高齢社会における高齢者福祉の特徴だと感じています。

区民の方々、特に子育て世代へメッセージをお願いします。

「子ども発達センターさくらキッズ」では、専門家による運動・言語・心理・作業の個別指導や、社会性を養う集団指導も行う

私は社会を変えるには子育てをする人に光を当てるべきと考え、子どもに関する取り組みを積極的に行ってきました。その思いは以前から今も変わりませんし、そのことが評価され当区は若いファミリー層の流入も増えています。日々の生活の中で、子育てがうまくいかないと感じる場面もあると思いますが、決して自分を責めずに、遠慮なくご相談いただき、区のさまざまな制度を活用していただきたいと思います。

(取材日2019年2月13日)

「医師会」活動レポート

住民の身近なかかりつけ医であり、地域医療の重要な役割を担う「医師会」。今回は、千代田区の医師会会長に、力を入れている活動や取り組みについてお話しいただきました。

千代田区医師会

ビジネス街での健康サポートから
多職種で連携した在宅医療まで行う

区の中心に皇居があり、美しい自然を有している千代田区。医療面では高度急性期病院が集中し、高度医療へのアクセスの良さが特徴だ。千代田区医師会は、同じ千代田区にある神田医師会と連携しながら、さまざまな活動を行っている。
「千代田区には、大手町、丸の内、有楽町といったビジネス街や官庁街があり、当会会員も、270人のうち150人が産業医の資格を持っています。そのため、区民の方はもちろん、区外からお勤めの方の健康を支える役目も当会が担っています」と高野学美会長は語る。
また、子どもの医療費が18歳まで無料であるほか、平日準夜間小児初期救急診療、休日応急診療、予防接種や検診の無料受診など、区民が安心して医療提供を受けられる体制が整っているという。一方、区内でもニーズが高い在宅医療については、クリニックの医師をはじめ、病院の医師、訪問看護師やケアマネジャーなどの多職種がスムーズな連携を取り、患者に安心してもらうことが大切であると考えている。そのため、研修や会議などの場で顔を合わせて情報共有するように努めているそうだ。さらに、行政主導の災害時医療訓練への参加のほか、企業が集まるエリアで年に1回防災訓練を行うなど、災害時医療にも万全を期す。
「住み慣れた千代田区に、特別な思いを持っている方もたくさんいらっしゃると思います。学校医の活動や在宅医療などを通して、区民の方々にとって、近しい存在としてあり続けたいと思います」

(取材日2019年3月28日)

高野 学美
会長

(貝坂クリニック)

Profile

大学卒業後、獨協医科大学越谷病院や慶應義塾大学病院で麻酔科、ペインクリニックの診療に携わる。2006年に在宅医療専門の貝坂クリニックを開院。2018年6月より千代田区医師会会長。

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