急性期病院としての責務を全うし
医療機関同士の連携にも力を注ぐ

中井 章人院長

中井 章人院長

周産期医学を専門に、20年以上にわたって多くの分娩、産科・婦人科手術を手がけてきた。専門分野における政策課題の解決にも取り組み、多方面から妊婦をサポートしている。日本産婦人科医会常務理事、東京産婦人科医会理事。臨床スポーツ医学にも造詣が深く、妊婦スポーツの専門家としてアドバイスもしている。2018年4月より現職。

開院以来40年以上にわたり、多摩地域の発展を医療で支えてきた『日本医科大学多摩永山病院』。「東京都がん診療連携拠点病院」としてがん治療に取り組むほか、重症患者に24時間対応する救命救急センターを整備、母体救命、産科救命にも力を入れるなど急性期病院として充実した機能を提供している。平成30年4月から院長に就任した中井章人先生は、同院での20年に及ぶ勤務歴の中で、多摩地域の周産期医療における課題解決に医療連携の側面から取り組み、周辺施設とのネットワーク構築に腐心してきた経験を持つ。
「周産期に限らず、この地域で医療を完結させるには、各病院ができることとできないことを明確にし、得意分野を生かして連携する必要があります。まずは当院自身の機能と役割を再確認し、連携を推進していきたいですね」と中井院長。地域全体の医療水準を保つべく、たゆまぬ努力を続けている病院だ。

がん治療

牧野 浩司先生

消化器外科/乳腺外科/一般外科部門部長
牧野 浩司先生

1988年日本医科大学卒業。専門は食道・胃外科、内視鏡外科。部長を務める消化器外科・乳腺外科・一般外科部門のモットーは「諦めない医療」。医学的根拠に基づく適切な治療をテーラーメイドで提供する。

熟練の医師たちが連携して幅広いがんの治療に取り組んでいる

熟練の医師たちが連携して幅広いがんの治療に取り組んでいる

難治がんの外科的治療を得意とし
切除困難な症例にも積極的に対応

国指定のがん診療連携拠点病院および地域がん診療病院に準ずる「東京都がん診療連携拠点病院」として、高度ながん医療や緩和ケアを提供。特に難治がんとされる肝がん、胆道がん、膵臓がんの外科治療で多くの実績を有し、南多摩地域におけるがん診療の要となっている。

同院は、東京都が「東京都がん診療連携拠点病院」に指定している8病院のうちの1つだ。
特に難治がんである肝胆膵領域のがんを専門とするエキスパートが多数在籍。病巣の切除に高度な技術を要する患者も受け入れて、先端の化学療法、放射線療法、血管塞栓療法を併用しながら切除に取り組んでいる。
消化器外科・乳腺外科・一般外科部門部長の牧野浩司先生は、「適応症例における腹腔鏡手術の割合も年々増加しています」と話す。食道がん手術では、腹臥位胸腔鏡下食道切除術と腹腔鏡下胃管作製術を組み合わせた負担の少ない手術を実施。早期がんには内視鏡的治療、進行がんには根治的化学放射線療法を基本としつつ、患者の状態に応じて柔軟な治療を行っているのが同院の特徴だ。
退院時には「東京都医療連携手帳」を交付して、治療経過や投薬状況などを地域のかかりつけ医と共有。術後5年(乳腺外科は10年)にわたって、地域ぐるみで患者を見守る体制を確立している。

周産期医療

きめ細かな観察と素早い対応で、周産期の予後改善に尽力

きめ細かな観察と素早い対応で、周産期の予後改善に尽力

この手帳が連携施設と同院をつなぐ大切なカルテになる

この手帳が連携施設と同院をつなぐ大切なカルテになる

連携システムのネットワークで
安心で快適な周産期医療をめざす

出生数に対して分娩可能施設が少ない多摩地域では、地域の医療機関が連携を強化し、共同で地域ニーズに対応する体制の構築が急務だ。同院とその連携施設では、各施設の特性を生かした連携システム「母と子のネットワーク」を構築して、安心・安全な周産期医療の提供をめざしている。

多摩地域の年間出生数は東京都全体の約3分の1を占め、出生率も東京都の平均を上回っている。少子化が進む中、非常に貴重なエリアだ。
しかし一方で、多摩地域の分娩可能施設は減少し続けている。そこで、同院と連携施設によって構築されたのが「母と子のネットワーク」だ。「ハイリスクの妊婦さんは当病院で、ローリスクの妊婦さんはお近くのクリニックや病院で健診を受けていただくことにより、各施設の特性を生かした周産期医療を提供できます」と、女性診療科・産科部門部長でもある中井院長はその目的を説明する。
「母と子のネットワーク」利用を希望する場合、まず同院を受診し、利用者として登録。登録した妊婦には、連携施設と同院を結ぶカルテとして「母と子のネットワーク健診手帳」が交付される。
「緊急時や分娩時は当院を受診していただけます。地域全体で連携して妊婦さんを見守り、より安心かつ快適なお産ができる環境をつくっていきたいですね」

内科・循環器内科部門

小谷 英太郎先生

内科・循環器内科部門部長
小谷 英太郎先生

1991年日本医科大学医学部卒業。「日本医科大学多摩永山病院」の内科医局長、講師を務めた後、2018年より現職。同大学循環器内科学准教授を兼任。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医。

大学病院ならではの高度な治療が特徴

大学病院ならではの高度な治療が特徴

一次予防を含む内科疾患診療から
重症循環器疾患の治療まで幅広く対応

開院当初は内科として幅広い患者を受け入れていた内科・循環器内科部門は、現在、虚血性心疾患などの重症例を広く受け入れる「東京都CCUネットワーク」加盟施設として力を発揮。一方、地域に寄り添う一般内科診療でも存在感を増している。先進的な医療と、基幹病院としての身近な医療が共存する部門だ。

虚血性心疾患をはじめ狭心症、心不全など心疾患患者の急性期に専門的な治療を行う「東京都CCUネットワーク」の加盟施設である内科・循環器内科部門では、昼夜、休日を問わず専門の医師が常駐。救命救急センターと協力して重症例に対応しており、虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈形成術の症例は1年間で200例を超えた(平成29年1〜12月実施)。急性期後、慢性期を経て地域のクリニックに返すまで、総合的に医療を提供できるのも強みだ。外科治療を要する疾患については、日本医科大学武蔵小杉病院など関連病院との提携によってシームレスな医療を実現。
最大の特徴は、こうした大学病院ならではの機能で重症患者に先端的な医療を提供する一方、開院当初から担ってきた一般内科にも力を注いでいる点。冠動脈疾患の二次予防例に加え、長く同院に通う人の中には一次予防例も多く、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病の予防や診療にも積極的に取り組んでいる。

救命救急センター

救命救急センターの医師とスタッフたち。診療科の壁のない真のチーム医療でスピーディーな治療を提供

救命救急センターの医師とスタッフたち。診療科の壁のない真のチーム医療でスピーディーな治療を提供

職員一丸となり、質と安全性の高い医療の提供や救急応需率の向上に努めている

職員一丸となり、質と安全性の高い医療の提供や救急応需率の向上に努めている

専任の医師たちが初期診療から
手術まで行う自己完結型救急医療

地域に三次救急医療を提供する救命救急センターとして、近隣の重症患者に対応。東京消防庁の災害救急情報センターから要請があった症例と他院から依頼された重症例のほか、日中の二次救急症例も担当。院内の重症例や急変症例を引き受ける集中治療室としての役割も担う。

同センターでは、多摩市および近隣地域の重症患者を対象に救命医療を行っている。脳神経疾患や頭部外傷、多発性外傷、重症外傷に対して専属の医師たちが初期治療から手術、リハビリテーションまで一貫して行う自己完結型の施設であることが最大の特徴だ。
重いやけどや骨折などの外傷から心肺停止、くも膜下出血、急性心筋梗塞まで対象疾患は幅広い。軽度の脳卒中などは、すぐに処置できればほぼ完治するケースが多いため、初動が極めて重要となる。そこで、同センターでは処置までの時間が命運を分けるケースでは、ドクターカーを出動させて現場での治療および同病院への搬送を行う。
「ドクターカーは24時間365日、救急専門の医師・看護師・救急救命士の3人で出動できる体制を整えています」と畝本恭子救命救急センター長。一人でも多くの人が、一日でも早く社会復帰できるよう努め、ドクターカーの運転技術を磨く運転講習会も定期的に行っている。

地域医療連携

横山 正先生

医療連携室長/患者支援センター長
横山 正先生

1989年日本医科大学卒業。消化器外科・乳腺外科・外科部門講師(兼任)。専門は膵臓・胆道外科、乳腺外科。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医。八王子市出身で多摩への思いは強く、「多摩を日本一の医療連携地域に」が信条。

患者に最善の医療を提供するために
病病・病診と院内の連携の強化に努める

南多摩医療圏に住む人にとって市民病院のように身近な病院として、同院は大学病院ならではの高度医療を気軽に受けられる存在であることをめざしている。地域の各医療施設の役割と機能を活用する病病連携・病診連携の要であり、紹介を受けて来院する患者も多いことから、医療連携室では紹介元とのスムーズな情報共有の仕組みの構築に力を注いできた。同室長を務める横山正先生が掲げるモットーは、「顔が見える、質の高い連携」。2018年から患者支援センター長も兼務する横山先生は、院内でも顔の見える関係づくりに努め、院内連携の強化をめざしている。患者に最適・最善の医療を提供するには、院内における職種や診療科を超えた横のつながりが不可欠だからだ。まずは、一人ひとりが自覚を持って主体的に業務に取り組めるよう、治療計画の提案などにおいて看護師やコメディカルスタッフが主役になれる環境をつくっていく。加えて、同院で働くすべての人が互いの顔を知っている状態を理想として、人と人とのつながりを深めて信頼感・一体感を高めていく考えだ。「これまで前方支援病院に集中しがちだった院外連携についても、今後は当院で治療を終えた患者さんが地域で安心して暮らせるよう、後方支援病院に積極的に働きかけていきたいですね。近隣の方向けの公開講座なども、継続して行っていく予定です」



◆日本医科大学多摩永山病院 基本情報はこちら


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