地域の高度急性期病院として
どんな患者も「断らない医療」を

明治43年開院という長い歴史を持つ日本医科大学付属病院。平成30年1月に新病院がグランドオープンし、新たな歴史の一歩を踏み出した。新しい時代に向けてより高度な医療の安全性を追求し、かつ効率的な診療のために設計された新病院がめざすのは、すべての患者に対する「断らない医療」だ。24時間365日体制で、地域医療機関との連携をさらに強化。救急医療、先進医療に関わる高度急性期病院として、がん・エイズ診療や災害時医療など各拠点病院の役割も担い、中核病院として地域医療に貢献。誰からも愛される病院となるよう日々診療に取り組む。大型ヘリポートを設置しており災害時医療にも対応が可能なほか、重症部門の一元化、高度救命救急センターには国内最大級の60床ものベッドを確保するなど、より高度な先進的医療が実現できる環境を整えた。同時に、ユニバーサル外来や患者支援センターの設置により迅速で丁寧な医療を提供し、カフェやラウンジ、コンビニエンスストアなどアメニティーも充実させ、訪れる人が快適に過ごせる空間を演出している。
基本理念である「つくすこころ」を大切に、あらゆる患者と家族のために、良質な医療を展開する快適な医療環境が完成した同院。伝統とともに未来へと続く病院がスタートする。

病院長メッセージ

汲田 伸一郎病院長

汲田 伸一郎病院長

1986年日本医科大学を卒業後、同大学付属病院放射線科入局。1988年から1991年まで国立循環器病研究センターに国内留学し、最新の循環器画像診断にふれる。2006年より日本医科大学放射線医学主任教授。専門は放射線診断学、臨床核医学(特に心臓核医学)、クリニカルPET。日本核医学会核医学専門医。日本心臓核医学会理事、日本医学放射線学会代議員。2017年2月、日本医科大学付属病院院長に就任。

クレジットカードが利用可能な自動支払機の導入で会計もスムーズに

クレジットカードが利用可能な自動支払機の導入で会計もスムーズに

安全性、快適性、安心感を追求し
つくすこころで良質な医療を提供

地域の中核病院として高度医療を提供している同院では、多様化するニーズに応えるため、強固な医療体制を確立することはもちろん、より安全性が高く、効率の良い医療環境の整備に尽力。安全性、安心感、快適さを追求している新病院は、今後もますます地域医療の発展に貢献する。

創立以来、「つくすこころ」で、良質な医療を提供してきた同院。その精神を基盤とし、新病院ではこれまでも特徴であった24時間365日の救急をはじめとする医療体制をより強化。地域の高度急性期病院としての役目を果たすと同時に、誰もが安心して快適に過ごせる病院づくりに努めている。「重症部門を一元化するほか、レディースフロア・ハイセキュリティーの個室病室の完備や、アメニティーの充実も図り、患者さんとご家族の満足度を高めることに力を注いでいます」と汲田伸一郎病院長。
総合病院を受診した際に感じることの多い待ち時間の長さについても、同院ではさまざまな対応がなされている。例えば、会計の待ち時間は自動支払機を導入することで混み具合を緩和。クレジットカードの利用も可能なので(上限200万円)、入院費など高額な清算の際にも現金を持ち歩く必要がなく安心だ。また、検査の説明や予約、同意書の作成についても専門のブースを設置することで外来の回転率をアップし診療の時間短縮化を進めるなど、円滑に快適に受診できる工夫が随所になされている。
手術室に関しては、胸腹部の動脈瘤に対して外科手術とカテーテル治療を同時に行えるハイブリッド手術室など22室の高機能手術室を設置。手術支援ロボットを使用する手術の対象も、さらに拡大していく予定だ。
「目標は、安全性が高く、誰もが安心感を持って適切な医療が受けられることを基盤とし、快適に受診していただける施設となることです。地域の皆さまからより一層頼りにしていただける、誰からも愛される病院をめざしています」

嚥下困難の治療

食事の際に喉がつかえる感じがする嚥下困難。その症状を抱える人の多くは、検査で異常が見られないのが現状だが、下部食道括約筋弛緩不全を有する食道アカラシアなど食道運動異常症が疑われるケースも。良性疾患だが、QOL(生活の質)を低下させるため、同院では正確な診断を心がけている。治療については、薬物治療やバルーン拡張術、外科的筋層切開術を実施。新たに内視鏡的筋層切開術(POEM)も開始し、より個々に合った治療が選択可能になった。

先進の内視鏡検査機器や高解像度食道内圧測定器などを導入し、正確な診断をめざしている

先進の内視鏡検査機器や高解像度食道内圧測定器などを導入し、正確な診断をめざしている

新病院紹介

地上12階地下3階の本館。屋上にはヘリポートも完備されている

地上12階地下3階の本館。屋上にはヘリポートも完備されている

広々とした造りの院内は癒やしの空間であり、災害時には救援活動の拠点となる

広々とした造りの院内は癒やしの空間であり、災害時には救援活動の拠点となる

利便性と快適さを徹底して追求
多様なニーズに応える充実の施設

新鋭の医療環境を整え高度医療を提供することはもちろん、ユニバーサルデザインを取り入れ、より快適で利便性に優れた施設となった同院。地上12階地下3階の病院本館は広々とした設計で、災害時には救援活動の拠点として活用。アメニティーも充実し、憩いと安らぎを与えている。

高度救命救急センター

あらゆる傷病の三次救急、多数の合併症を抱えた高齢者の救急対応も得意だ

あらゆる傷病の三次救急、多数の合併症を抱えた高齢者の救急対応も得意だ

60床という大規模病床
あらゆる三次救急に対応

集中治療系病床を合計して60床(CCM40床、CCU12床、HCU8床)確保した高度救命救急センターでは、重症部門を一元化。他部門の集中治療系病床とフロアを分け個室を設けることで感染症の患者にも柔軟に対応。リスクを最小限に抑え、すべての三次救急に対応する。除染設備、ヘリポートも完備し、大規模災害への備えも整えた。地域医療機関の救急要請には多発外傷、多臓器不全の「高度救命救急センターホットライン」のほか、ECMO治療に関してホットラインを設定し24時間体制で受け入れている。

ユニバーサル外来

利便性を追求した画期的なシステムで断らない医療を実践

利便性を追求した画期的なシステムで断らない医療を実践

患者のニーズに応じて
診療体制を自由に変更

ユニバーサル外来とは、診療ブースを診療科ごとに固定して開設する従来の外来フロアとは違って、1つの広いフロアを数ブロックに分け、複数の診療科で共有する方法だ。この画期的なシステムは新病院構想のポイントの一つで、このシステムを生かすことで、診療科の外来ブースの広さなどを調整することが可能だ。例えば、感染症が流行する時期には内科の受け入れを増やすなど、患者のニーズを素早く取り入れ、フレキシブルに対応できる。患者の思いや要望に応える診療を展開している。

病 室

シックで落ち着いた内装の特別室。上質なベッドでゆったりと療養できる

シックで落ち着いた内装の特別室。上質なベッドでゆったりと療養できる

ゆとりのある病室で
落ち着いた療養生活を

療養生活を快適に過ごせるように、1床あたりの空間を広く確保。4人用の部屋にもプライベートスペースがあり、ベッドとベッドの間には天井まである収納を設置。間仕切りとしても機能していて、プライバシーも守られている。さらに11階、12階にはコンシェルジュつきのハイセキュリティーな特別室を完備。まるでホテルの一室のようなラグジュアリーな部屋で入院中もリラックスして過ごせそうだ。少しでも不安や心配が和らぎ、安心してくつろげるようにという患者への思いが詰まった空間だ。

アメニティー

食事をしたりお茶を飲んだり、空いた時間を有効活用できる

食事をしたりお茶を飲んだり、空いた時間を有効活用できる

患者と家族のことを考え
アメニティーも充実

患者と家族にとって快適で利用しやすい病院をめざし、新病院ではアメニティーの充実にも力を入れている。院内にはレストラン、カフェ、コンビニエンスストアを併設。各ショップ前には離れていても自分の診察の順番がわかるようにモニターが設置されるので、採血の後、診療の順番が回ってくる前に食事をするなど空き時間を有効活用できる。自然光が差し込むテーブルを挟み、温かいお茶を飲みながら見舞いに訪れた家族と入院患者が談笑する姿も見られ、癒やしのスペースとなっている。

ヘリポート

大型ヘリポートが新設され重症者の直接搬送が可能になった

大型ヘリポートが新設され重症者の直接搬送が可能になった

屋上にヘリポートを新設
より積極的に災害医療に関わる

首都直下型地震をはじめ今後起こり得る大規模災害に備え、屋上にヘリポートを設置。これによって遠方からの負傷者・重症者の直接搬送が可能になった。2011年の東日本大震災では、DMAT(災害派遣医療チーム)を中心に急性期医療活動を展開してきた同院。今後も日本医科大学の建学の精神である「済生救民」に従い東京都災害拠点病院としての使命を果たすために、高度救命救急センターを先頭に災害時医療に積極的に関わっていく。

内視鏡室

高性能な機器のそろった内視鏡室

高性能な機器のそろった内視鏡室

内視鏡診断・検査全般を統括
適切な医療の実践に努める

高精度の内視鏡システムを導入している内視鏡室では、検査・治療室6室、透視検査室3室、消化管機能検査室1室の計10室を完備。同院の消化管、膵臓・胆管、気管支などに対する内視鏡診断・治療全般を統括している。消化器内科、消化器外科、呼吸器内科がそれぞれの専門性を生かした質の高い内視鏡診療を実施。放射線科、がん診療部門、救急・総合診療部門、病理部などとの連携で、患者に最適な医療の提供をめざしている。

透析室

増床された透析室。専門の資格を持つスタッフが新しい治療にも取り組む

増床された透析室。専門の資格を持つスタッフが新しい治療にも取り組む

新棟移転で治療の幅も拡大
より安全で効果的な治療をめざす

新棟移転に伴い、8床から15床に拡充された透析室。血液透析はもちろん、これまではスペースの問題で対応が困難だった急性血液浄化療法にも、先端機器を駆使して対応する。透析室では室長をはじめ複数の腎臓内科の医師が担当。看護師については、日本看護協会透析看護認定看護師1人を含む専任看護師が4、5人で看護にあたっている。開設以来四半世紀以上が経過する歴史ある部門で、安全性が高く効果的な治療を心がける。

消化器がん治療

吉田 寛先生

副院長/消化器外科部長
吉田 寛先生

1986年日本医科大学卒業。1992年同大学大学院修了。同大学多摩永山病院消化器外科・乳腺外科・一般外科部長、病院長を経て、2018年に同大学付属病院副院長、消化器外科教授に就任。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医。

経験豊富な消化器外科のスタッフ。十分なマンパワーで高度医療に取り組む

経験豊富な消化器外科のスタッフ。十分なマンパワーで高度医療に取り組む

合併症のあるハイリスク患者にも
他科との連携で自信のある医療を

近年、ますますニーズの高まっている消化器がんの分野。同院の消化器外科は経験豊富な専門の医師が数多く所属。十分なマンパワーを強みに、安全性の高い低侵襲手術に注力する。合併症があり難しい症例の患者に対しても、他科との連携で対応。「断らない医療」を体現している。

合併症のある人や高齢の人など難しい症例の患者も受け入れることをモットーとしている消化器外科。「他院で断られた人が全国から来てくれるような、そういう外科医師でありたい」と話す吉田寛消化器外科部長がスムーズな診療のために大切にしているのが、他科とのコミュニケーションだ。例えば、心臓が悪い大腸がん患者の場合、循環器内科での検査後、手術ができるか、安全な手術のための方策(作戦)を一緒に検討し、術後トラブルゼロをめざして治療を進める。手術は、腹腔鏡を使うなど低侵襲の方法を患者に合わせた形で実施。手術を2回、3回に分けて行うこともある。
「術前術後の管理は徹底します。それができるのは十分な人員と経験があるから。少しでもリスクがあると断られがちな今の時代こそ、われわれの出番です」
地域医療機関との連携も盛んで、常に迅速で丁寧な対応を心がける同科。
「開業の先生が紹介したくなる病院=患者さんが行きたくなる病院をめざしています。患者さんには、自分の家族だったらという考えを基本に接し、自らが迅速に丁寧に動くことで若い医師の良きお手本となることも意識しています」
今後は、今以上に低侵襲治療を追求したいと語る吉田部長。手術後、薬の治療をいかに効率的に組み合わせていくかが重要視される中、がん細胞がどれだけ身体に回っているかを調べ、残っているがんに対してオーダーメイドの治療を展開していく。
「これはチャレンジではなく自信を持って行っていること。的確な手術適応を判断し、高齢者にも合併症のある方にも積極的に治療をしていきたいです」

低侵襲治療

低侵襲治療にこだわり、肝臓はもちろん膵臓の腹腔鏡手術の症例数が豊かな同科では、日頃のスキルアップのためのトレーニングだけでなく、しっかりとした指導のもと、若い医師の育成にも力を入れている。「リスクの高い患者さんが多いにもかかわらずトラブルが少ないのも当科の特徴ですが、それは何かあってもきちんと対処できるから」と吉田部長。万が一のトラブルにも冷静な判断力で、臨機応変に対応できるのが大きな強みだ。

「誰かのトラブルは全員で助ける」の気持ちで、チーム一丸となり治療に臨む

「誰かのトラブルは全員で助ける」の気持ちで、チーム一丸となり治療に臨む

前立腺がん治療(手術)

近藤 幸尋先生

副院長/泌尿器科部長
近藤 幸尋先生

1985年日本医科大学卒業。米国ピッツバーグ大学留学を経て、2009年から日本医科大学泌尿器科学教室教授、同大学大学院泌尿器科部長を務める。専門は泌尿器悪性腫瘍。日本泌尿器科学会理事、日本泌尿器科内視鏡学会理事。

ロボット支援手術は入院期間も短く、出血も抑えられるため輸血の必要性が減少

ロボット支援手術は入院期間も短く、出血も抑えられるため輸血の必要性が減少

ロボット支援手術を主体として
難しい症例も積極的に治療を行う

手術、放射線治療、化学療法を3つの柱とする前立腺がんの治療において、同院で行う手術は現在、ロボット支援手術を主体とする。実施するのは一般的なロボット支援手術の適応となるローステージの症例だけではなく、より進行している症例には拡大手術で対応している。

前立腺のロボット支援手術は通常、術野を広く確保するために頭低位で行うため、眼圧が高い緑内障や脳動脈瘤のある人は適応外となる。しかし、同院では頭低位にせず手術を行う後腹膜アプローチによって、これらの合併症がある患者にも対応。また、転移のある場合でも手術や放射線治療による予後の改善が見込めることから、その準備として大きく広がってしまったがんにも手術を実施。手術で治る可能性があれば、積極的に治療を行っている。
「ロボット支援手術を主体としていく中、これまで適応外だった方へも手術をするのがわれわれの今の方向性です」
多様な治療の選択の中でも手術は患者への負担は大きいが、余命が長いほど、回復したときの状況が長く続く。
「患者さんの年齢、病気の進行具合、治療への要望、そして、どれだけ余命があるのかによってテーラーメイドの治療を行うことが重要です。最適な治療は何かということを患者さんの人生設計とともに考えています」

前立腺がん治療(放射線治療)

前林 勝也先生

放射線治療科部長
前林 勝也先生

1993年群馬大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科修了。2016年4月より現職。日本医科大学放射線医学教室臨床准教授。日本医学放射線学会放射線科専門医。医学博士。専門分野は放射線治療。

高度変調放射線治療に使用する直線加速器。病巣の位置を精密に把握し照射

高度変調放射線治療に使用する直線加速器。病巣の位置を精密に把握し照射

先端機器によるデータを駆使した
副作用の少ない高精度放射線治療

体に負担が少なく、高いQOL(生活の質)を保ちながら治療ができる放射線治療は、機器の進化とともに目覚ましい進歩を遂げている。同院では、先端機器を導入し、高精度放射線治療を積極的に取り入れ、特殊治療である粒子線治療以外のすべての治療に対応。症例数も増え続けている。

放射線治療科では、前立腺がんの治療法として、放射線を出す小さな線源を前立腺内に挿入し、内部から放射線を照射する小線源治療のほか、外部から放射線を当てる強度変調放射線治療を積極的に実施。高精度の治療計画装置による事前検査を重ね、綿密なデータから前立腺の前後にある直腸や膀胱を避けた適切な位置に照射。照射回数が36〜38回必要なため通院は増えるが、1回の線量を下げることで副作用が分散され、合併症のある人にも可能な治療法だ。
「通院回数は多いですが、副作用が少なく効果の高い治療だというご理解のもとで優先的に行っています。通院が難しい方には別の方法を提案するなど、患者さんに寄り添った治療をめざしています」
将来的には、さらに高精度な計算により副作用とのバランスを考え、1回の線量を増やし通院回数を減らしていきたいと前林勝也放射線治療科部長。
「前立腺がんの治療は選択肢が多いので、患者さんの本当の希望を上手に見極め、引き出すことを心がけています」

ハイブリッド治療

新田 隆先生

心臓血管外科部長
新田 隆先生

1981年日本医科大学卒業後、同大学第二外科・胸部外科入局。1988年同大学大学院医学研究科修了。米国ワシントン大学を経て、2008年日本医科大学外科学教授。2014年から同大学大学院心臓血管外科学分野主任教授を務める。

各科と協力し患者に優しい治療をめざす

各科と協力し患者に優しい治療をめざす

完全血行再建にこだわる心拍動下冠動脈バイパス術

完全血行再建にこだわる心拍動下冠動脈バイパス術

内科と外科の得意分野を活かした
低侵襲かつ患者に優しい医療を展開

救急部門の一元化をはじめ、効率の良いシステムで質の高い医療を追求する同院。中でも注目されるのが、外科的治療と内科的カテーテル治療を組み合わせた「ハイブリッド治療」だ。専用の手術室も完備し、外科、内科の医師がそれぞれの得意分野を活かして、低侵襲な高度医療を提供する。

心臓血管外科におけるハイブリッド治療は、主に動脈瘤、心臓不整脈、弁膜症の治療で適用され、循環器内科や放射線科の医師との協力でさまざまな組み合わせの治療を行っている。
例えば、以前は胸部や腹部を大きく切開する必要があった動脈瘤の治療だが、現在は放射線科の協力のもと、ステントグラフトという人工血管をカテーテルで血管内に挿入するため、大きな傷を残すことがない。放射線科の医師が動脈内にステントグラフトを挿入。その際に閉塞される血管に新しい道を作り、血液が流れるようにするデブランチングが心臓血管外科の役目だ。「ハイブリッド治療は入院期間が短く、合併症も少ない。高齢の患者さんが多い中、患者さんに優しく、かつ負担の少ない医療が提供できます」と新田隆心臓血管外科部長。
また、伝統的に不整脈の治療に取り組んできた同科では、早くから不整脈に対するハイブリッド治療を導入。これまで、外科手術で完治できても、カテーテルのみでは完治が難しかった不整脈の治療だが、ハイブリッド治療によって低侵襲でありながら完全に治る可能性が。カテーテル治療で再発を繰り返している人にとって「最後の砦」のような存在となっている。
「心臓や血管の病気は生命に直結するため、常に患者さんが自分の家族だったらどうするかを考えて診療しています。都内には高度な医療を行う病院が多くありますが、得意分野は施設によってさまざまです。当院では、いろいろな専門性をそろえ安全性の高い安心できる医療を心がけていますので、何かありましたら頼りにしていただければと思います」

ハイブリッド手術室

新病院のグランドオープンとともに稼働したハイブリッド手術室には、内科的カテーテル手術と外科的手術を同室で行うための先進機器がそろっている。この手術室の完備により、これまで以上に低侵襲で高度な医療の提供が実現。この手術室で行われるハイブリッド治療は、従来の治療法よりも傷が小さく、患者への負担が少ないため高齢の患者にも行うことができる。内科と外科のそれぞれの強みを活かしたチーム医療が日々展開されている。

先進機器がそろうハイブリッド手術室

先進機器がそろうハイブリッド手術室

産婦人科

竹下 俊行先生

女性診療・産科部門長
竹下 俊行先生

1981年日本医科大学卒業後、同大学産婦人科学教室に入室。1989〜1991年米国国立衛生研究所(NIH)に留学。2003年日本医科大学産婦人科学教室主任教授に就任、現職兼任。専門は不育症、産婦人科内視鏡手術学など。

陣痛、分娩、回復を同じ部屋で行うことができるLDR。和室やシャワールームもあるプライベート空間

陣痛、分娩、回復を同じ部屋で行うことができるLDR。和室やシャワールームもあるプライベート空間

新病棟内の清潔感ある産科個室

新病棟内の清潔感ある産科個室

ハイリスクなお産に専門的ケアを
チーム医療で体と心をサポート

普通のお産はもちろん、不妊症、不育症の治療から妊娠、出産までの一連の診療を担い、どんな人も安心してお産ができるように万全の体制づくりを推進している産科。医師、助産師、看護師のチーム医療で、妊娠、出産についての不安要素を取り除くため、心と体をサポートしている。

不育症や不妊症の既往を持つ患者が多い同科。特に不育症の人が妊娠すると、妊娠初期の不安が大きいだけではなく、不育症の原因によっては赤ちゃんがある程度大きくなっても不安が続くこともある。同科ではそのような身体的、精神的な不安を専門的にケア。特に心理的なサポートに力を入れて取り組んでおり、誰もが安心して出産を迎えられるように、医師をはじめ看護師や助産師などスタッフ全員が親身になって患者に接している。スタッフがとても親切に話を聞いてくれると患者からも好評だ。
「不育症などの治療の過程を経て妊娠、出産に至ったときにいつも思うのは、医師になって良かったということ。産婦人科医師で良かったと思う瞬間ですね」と竹下俊行女性診療・産科部門長。
万が一トラブルが起こった際、迅速に対応できるのも大きな強みだ。高度救命救急センター、集中治療室、SCUなどケアユニットが整った総合病院のメリットを生かし、ハイリスクなお産も数多く受け入れている。お産につきものの出血が多い場合、放射線科とともに集学的治療を実施するなど治療の幅も広い。
「産科はチーム医療が大切。当院は他科との連携も密で、本当の意味でのチーム医療が実現され、とても心強いです」
また新病院開設に伴い、NICU(新生児集中治療室)が備わったことで、今後は小児科と協力し周産期の妊婦と新生児のトータルケアを行っていく。
「病院も新しくなり、医療的なケアを十分に行える体制が整いました。多くの方に配慮した環境ですので、当院でお産をする際は、安心して臨んでいただけると思います」

NICU

新病院オープンを機に女性診療・産科部門の病棟に満を持して開設されたNICU。特に不妊症や不育症の治療を経て妊娠した人の場合、出産にそれなりのリスクを抱えていることが多いが、NICUが開設されたことで、ハイリスクなお産であっても今まで以上に安全に配慮された出産環境の整った。今後はさらに分娩数や取り扱うお産の幅が広がることが期待されており、小児科との連携で、母体だけではなく新生児も守る医療体制の確立をめざす。

産科、小児科が協力しあい、小さな命を守る

産科、小児科が協力しあい、小さな命を守る

救急・総合診療部門

川井 真先生,安武 正弘先生

救急・総合診療部門長
川井 真先生

副院長/総合診療科部門部長
安武 正弘先生

【左:川井真先生】1982年日本医科大学卒業。日本救急医学会救急科専門医、日本整形外科学会整形外科専門医、日本熱傷学会熱傷専門医。

【右:安武正弘先生】1984年日本医科大学卒業。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医、日本老年医学会老年病専門医。

中央処置室。トリアージによってここで待機する患者も

中央処置室。トリアージによってここで待機する患者も

広々とした待合室。さまざまな理由で訪れる患者でいっぱいだ

広々とした待合室。さまざまな理由で訪れる患者でいっぱいだ

各科のスペシャリストが集結し
精密な診断でベストな治療へ導く

新病院グランドオープンに伴い、総合診療部門から救急・総合診療部門に改名した同部門。これまでも救急患者を含めた総合診療を行ってきたが、今後はより一層、高度救命救急センターで対応する三次救急以外の一次救急・二次救急も重視し、迅速で適切な診療を提供していく。

救急患者を含めた初診の患者で何科を受診すれば良いかわからない人を中心に、総合的に対応する同部門では、外傷系は救急診療部門の医師が、内因性疾患は総合診療部門の医師が担当。必要に応じて複数の専門分野の医師による混成チームで対応する。患者が症状に応じて必要な診療科を訪れるのではなく、医師がまず全身を診察し必要な診療科と連携。内科・外科系の医師以外に、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科などの医師も夜間救急診療にあたっているため、24時間365日どんな傷病にも専門的医療が提供できることが大きな特徴だ。
中には、これまでの検査で診断がつかず、原因不明とされた症例が含まれることもあるため、8割は外来で、2割は入院で時間をかけて原因を探る。また、多数の疾患を合併する患者を総合的にマネジメントする役目も担っている。
「全身的・全人的視野で患者さんと向き合い、ニーズを聞き逃さないことをモットーに丁寧かつ迅速な診療を心がけています」と安武正弘総合診療科部門部長。
さらに特徴的なのが、救急のトリアージを総合診療で行っていることだ。トリアージナースと医師が協力して適切に救急度を判断し、ベストな医療へと導く。患者の訴えを正確に捉え、各科の医師へ伝えていくトリアージナースはいわば同部門のゲートキーパーだ。
「重視するのは一座建立(いちざこんりゅう)のおもてなし精神。初期対応にあたるトリアージナースが重症度、緊急度だけではなく、患者さんの背景やニーズも細かく把握して医師に伝えるなど、満足度の高い医療のために工夫を重ねています」と川井真救急・総合診療部門長。

トリアージナース

緊急の患者だけではなく、一般の患者が本当に望んでいることと重症度を見極めていく、コンシェルジュのような役割のトリアージナース。一般の診療では来院した順に診察することが多いが、ここでは看護師の判断で重症度が高い患者を優先できるシステムを確立。頭痛が治らないと来院した患者が実はくも膜下出血だったということもあり、その素早い適切な判断が、質の高い診療に貢献していて、医師も絶大な信頼を寄せている。

トリアージ専用の診察室。ここでの判断がその後の結果につながる

トリアージ専用の診察室。ここでの判断がその後の結果につながる

患者支援部門

「ご相談の多くは病気にまつわる不安な気持ちに関することですね。相談内容がもれることはありません。気軽にご相談ください」と看護師の深田陽子さん。親身になって相談に乗り、患者と家族の不安を和らげている

「ご相談の多くは病気にまつわる不安な気持ちに関することですね。相談内容がもれることはありません。気軽にご相談ください」と看護師の深田陽子さん。親身になって相談に乗り、患者と家族の不安を和らげている

多職種が入院前から退院後までをサポート
患者と家族に寄り添いあらゆる不安を解消する

患者の各種相談窓口と地域の医療機関との連携窓口を一元化した「患者支援センター」。自宅に帰りたいという患者の願いを叶えたい看護師の思いからスタートした同センターでは、退院後の患者に転院先や在宅医療・介護の施設を紹介し円滑な移行を支援する「療養支援部門」、入院に伴う患者や家族の不安や心配を解消するための面談を行う「入院調整部門」、紹介患者や紹介元医療機関との情報連携を担当する「医療連携部門」、全診療科の入退院予定を一元管理する「ベッドコントロール部門」の4部門に別れて、患者に寄り添った支援をしている。また、地域診療拠点病院としてセンター内に「がん相談支援センター」を開設し、看護師や医療ソーシャルワーカーが患者や家族のさまざまな相談に応じている。受診前の人や他院の患者にも開かれており、電話での相談も可能。インターネットなどに氾濫する情報の整理や、医師の説明をわかりやすく伝えるなど、不安に陥った患者を勇気づけるほか、家族に患者への接し方のアドバイスも行っている。


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