信頼される診療体制を築き
地域の医療連携の中核を担う

船橋市の南部エリアにおいて、地域の医療ネットワークの中核を担っている『板倉病院』。昭和15年の開院以来、70年以上にわたって地域医療の発展のために尽力してきた同院は、住民たちから頼られ、親しまれる存在だ。院内もどこかアットホームな雰囲気が漂い、その中で生き生きと働くスタッフの姿が印象的。医師やスタッフたちが診療科を超えて協力体制を築き、患者を中心としたチーム医療を行っている。
院長の梶原崇弘先生は「救急」「地域医療」「予防」の3つを診療の大きな柱として掲げ、積極的に病院の革新に取り組んでいる。常勤医を増員して救急患者に対応できるようにしたほか、患者のニーズに応えるため診療科を拡充。平成29年には画像検査部門を開設し、地域クリニックとの画像共有や診断を可能とした。地域住民が安心できる医療ネットワークの構築をめざして、さらに前進を続けている。

梶原 崇弘院長

梶原 崇弘 院長

日本大学医学部卒業。専門は消化器外科。国立がん研究センター中央病院での勤務を経て、2012年板倉病院院長に就任。祖父の代から続く病院を引き継ぎ、建物をリニューアル。地域のニーズに応える病院づくりを進めている。

01診療部門の紹介

内科

疾患を的確にスクリーニングし
生活改善にチームで取り組む

急性期から慢性期、そして在宅療養までの一貫した医療を提供している板倉病院。その要となるのが内科診療だ。腎臓内科のエキスパートである医師が2人常勤し、専門性の高い診療で地域医療を支えている。

板倉病院では一般的な内科診療に加え、常勤する2人の腎臓内科専門の医師が、慢性腎臓病や腎炎など腎疾患に対する治療を行っている。尿検査で異常が認められた場合の診断や、初期の腎機能障害から末期の腎不全までの治療と、患者の症状に合わせた幅広い医療を提供しているのが特徴だ。長年、腎生検や腎炎の治療に取り組んできた梶原麻実子副院長は、「専門的な治療が必要な方と、生活習慣病の改善からアプローチするのがいい方との見極めは非常に難しく、気づかない間に腎臓が悪くなってしまうことがあるので注意が必要です」と話す。生活習慣病以外に腎臓の病気が隠れていないか、専門家の確かな目でチェックしている。
同院では、糖尿病と慢性腎臓病の患者のためのチーム医療も新しくスタートさせた。医師、看護師、管理栄養士、理学療法士、臨床検査技師が連携し、患者を手厚くサポートする。一朝一夕ではできない日常生活の改善に、多職種共働のチームとして取り組むことで、長いスパンで患者に寄り添う体制が整った。「生活習慣病や慢性疾患が多い内科の領域では合併症も多く、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった関連する病気を包括して診ることが大切です」と話す松本史郎先生。食事療法が欠かせない生活習慣病の中でも、特に糖尿病に関しては、専門の外来を開設し、診察に管理栄養士が同席して患者に食事のアドバイスを行っている。

  • 内科の医師と管理栄養士がタッグを組んで治療にあたる

    内科の医師と管理栄養士がタッグを組んで治療にあたる

  • 鎮静剤を使い、痛みに配慮しながら内視鏡検査を実施

    鎮静剤を使い、痛みに配慮しながら内視鏡検査を実施

梶原 麻実子副院長と松本 史郎先生

梶原 麻実子 副院長
(写真右)

日本大学医学部卒業後、同大学医学部附属板橋病院の内科で診療経験を積んだ腎臓の専門家。特に腎生検と腎炎の治療を得意とし、地域医療のネットワークづくりにも力を注いでいる。

松本 史郎 先生
(写真左)

日本大学医学部卒業。同大学医学部附属板橋病院勤務後、板橋区医師会病院、横浜中央病院で内科診療に携わる。専門は腎臓内科で、腎臓疾患の予防、診断、適切な治療に尽力している。

topics

健康診断・人間ドック

鎮静剤を使った内視鏡検査で
検査時の痛みを大幅に軽減

病気の早期発見・早期治療に力を入れている同院では、希望する患者に鎮静剤を使った内視鏡検査を行っている。眠っている間に検査が終わるので、痛みやつらさを感じることはほとんどないそう。心理的な負担が軽くなったことで、検診の受診率はアップ。胃がんや大腸がんなどは初期に見つけることができれば生存率が高いため検診の意義は大きい。

スタッフが患者を笑顔で出迎える健診部門の受付

スタッフが患者を笑顔で出迎える健診部門の受付

外科

がん手術から終末期の緩和ケアまで
疾患に応じてこまやかに対応

二次救急病院として連携先の三次救急病院をフォローしながら、介護老人福祉施設や在宅医療へと患者をつなぐ同院。消化器のがん手術に対応し、術後は病棟でしっかりケア。抗がん剤治療や緩和ケアにも注力している。

がん診療に力を入れている同院。検診による早期発見から、手術、術後の抗がん剤治療、終末期の緩和ケアまで幅広く対応し、患者の症状に合わせた治療法を提供している。小回りが利く診療体制で、各科の連携をスムーズに行っていることが特徴だ。その中で外科が扱っているのは、胃、食道、大腸、肝臓、胆のう、膵臓など、ニーズが多い消化器のがん手術。鏡視下の肺切除手術も行っており、手術前後の患者や家族の不安に寄り添うために医師を増員した。「丁寧に患者さんの話を聞きながら、しっかり説明する時間を取っています」と中島洋介先生。
また、外科ではがんの手術だけでなく、虫垂炎や胆のう炎などの炎症性の疾患や外傷、ヘルニア、痔など外科治療にも対応。胆石、胆のう炎に対しては、患者の負担を軽くする腹腔鏡下の手術を取り入れている。「外科というと手術のイメージが強いかもしれませんが、初期の段階でいきなり手術をすることはありません。腹痛や下血、下痢などでお困りのことがあれば、まずはお気軽に外来でご相談を」と森山宣先生。

森山 宣先生と中島 洋介先生

森山 宣 先生
(写真右)

福島県立医科大学卒業後、東京女子医科大学消化器外科入局。同大学消化器病センター、至誠会第二病院、谷津保健病院で診療経験を積み、2014年から板倉病院に在籍。日本外科学会外科専門医。

中島 洋介 先生
(写真左)

広島大学医学部卒業後、日本大学医学部附属板橋病院入局。2017年から板倉病院に在籍。消化器が専門だが、外科全般に対応。

救急診療部

24時間体制で救急患者を受け入れ
処置後ケアの徹底で再発を防ぐ

平成26年に開設された救急診療部。救急医療の専門家を配置することで、それまで断らざるを得なかった救急隊からの要請にも応えられるようになり、受け入れ件数は一気に増加。地域の中で果たす役割はますます大きくなっている。

救急車で運ばれる患者のほとんどは、二次救急病院で対応できることが多い。同院に救急搬送されるケースで多いのが、高齢者の転倒による骨折や肺炎、尿路感染症、脱水症、熱中症、胃腸炎、脳梗塞や心筋梗塞などの症状だ。同院では緊急処置をした後にスムーズに入院に移行できる体制を整え、手厚いサポートを行っている。
長年、救急診療に携わってきた古川力丸先生のモットーは「再び同じ状態で患者が運ばれて来ることがないようにすること」。そのためにしっかりと患者と向き合う時間を設けて、一歩踏み込んだ医療を提供する。「脱水症や低栄養状態で運ばれてきた患者さんは、そうなってしまった原因をお聞きして改善しなければ、また同じことが起こってしまいます。今後の医療には、一人暮らしの高齢者であればご家族の方と相談をしたり、ソーシャルワーカーに関わってもらったりと、地域ネットワークを使った仕組みづくりが欠かせません」と古川先生。さらなる高齢者の搬送件数増加を見据えて、地域連携の強化に努めている。

  • 古川先生の著書。医師向けに救急診療のノウハウがまとめられている

    古川先生の著書。医師向けに救急診療のノウハウがまとめられている

古川 力丸

古川 力丸 先生

日本大学医学部卒業。同大学医学部附属板橋病院救命救急センターに11年勤務し、若手の育成にも注力。医師や看護師向けの講演会やセミナーで、年間3000人ほどを集める救急医療のスペシャリスト。

整形外科リウマチ科

専門の医師によるリウマチ治療で
地域のニーズに応じた医療を提供

日本リウマチ学会リウマチ専門医が3人在籍し、リウマチ治療を得意とする整形外科・リウマチ科。薬物治療と外科手術、2つの領域からのアプローチで患者の苦痛を和らげており、痛みに対する相談窓口も開設している。

リウマチは、全国に70万人以上の患者がいるともいわれ、特に30代から60代の女性に多く見られる病気である。関節に炎症が起こるため激しい痛みを伴い、日常生活に支障を来す。「リウマチの患者さんは痛みを抱えておられるので、近くの病院で必要な治療を受けられることが大切なのです」と鈴木伸之副院長。同院にはリウマチを専門とする医師が複数常勤しており、薬物治療を中心に、必要に応じて外科的な治療も行っている。肘、肩、股関節、膝、足の人工関節手術をはじめ、腱断裂に対する再建術や指の変形に対する形成術など、治療の選択肢は幅広い。リウマチ治療を受けに来院する患者は年間400人を超える。
通院できなくなった患者に対しては、在宅診療を担当する医師と連携しながら、病気の経過や症状を診ていくなど切れ目なくケアを実施している。「当院にはいつでも患者さんのことを相談でき、安心して任せられる医師がそろっています。診療科を問わず綿密な連携が可能です」

  • 豊富な治療経験を持つ医師たちが力を集約。左から田中秀和先生、鈴木伸之副院長、家永敏樹先生、桃山現先生

    豊富な治療経験を持つ医師たちが力を集約。左から田中秀和先生、鈴木伸之副院長、家永敏樹先生、桃山現先生

鈴木 伸之副院長

鈴木 伸之 副院長

山梨医科大学卒業後、日本医科大学リウマチ科入局。東京都立墨東病院、東京都立広尾病院でリウマチ診療の研鑽を積み現職へ。

脳神経外科

オリジナルの問診票で迅速に診断
検査・治療をすぐにスタートさせる

脳神経外科の疾患にはくも膜下出血、脳梗塞、脳腫瘍など重篤なものがあり、迅速な診断が必要になる。同院では問診票に工夫を凝らし、診断までの時間を短縮させた。認知症や物忘れのための相談の外来にも力を入れている。

脳神経外科を専門とする唐澤秀治先生は、「診断で一番大切なのは迅速であること」だという。頭痛やめまいの段階で重篤な疾患を見つけることができれば、予後にも格段の差が出る。スムーズに診断するために導入しているのが、オリジナルで作成した問診票だ。チェックを入れるだけで疾患の可能性をある程度絞り込めるようになっている。「軽い症状の中に重大な病気が隠れている可能性があります。それを早く診断して、適切な治療に結びつけることが大事。手術や集中治療が必要な患者さんは、連携している船橋市立医療センターなどの三次救急病院に責任を持ってお送りします」
平成28年4月からは認知症の診断や相談のための外来も開設した。認知症は判別が難しく、専門の医師でなければ診断がつかないことがある。外来ではクリニックからの患者を受け入れて診断し、必要があれば同院で治療もできる体制を整えた。開設直後から反響が大きく、家族やケアマネジャーからの依頼や、若年性アルツハイマー病を心配する若い世代の受診も増えている。

  • 従来より圧迫感が少なく検査中の騒音が低減したMRIを導入。認知症診断でも力を発揮する

    従来より圧迫感が少なく検査中の騒音が低減したMRIを導入。認知症診断でも力を発揮する

唐澤 秀治先生

唐澤 秀治 先生

東京医科歯科大学卒業。脳神経外科を専門とし、船橋市立医療センターなどを経て現職。2016年から認知症のための相談窓口を開設、診断にあたる。

乳腺外科

女性のニーズにきめ細かく対応
検診での早期発見に力を注ぐ

これまで外科の一部として診療を行っていた乳腺外科が、単科として外来を開設。より女性が受診しやすい環境を整えたことで、外来患者だけでなく検診の受診件数もぐんと増えた。同院ではマンモグラフィと超音波検査で診断を行い、手術が必要な患者には連携している病院を紹介。術前の抗がん剤治療や術後のフォローなどで、患者をこまやかにサポートする。木曜日の外来を担当する山室みのり先生は、丁寧な診察に尽力。土曜日の外来は、長年、乳腺外科診療に携わる中野茂治先生が担当する。

予約制で外来診療と船橋市の乳がん検診を行っている

予約制で外来診療と船橋市の乳がん検診を行っている

皮膚科

明るく丁寧な診療スタイルで
患者が話しやすい雰囲気をつくる

じっくり患者と話をしながら診察する皮膚科の大久保佳子先生。患者の話を聞くうちに、かぶれやじんましんの原因が何なのか、わかることがあるという。時には毎日使う洗剤や歯磨き粉が原因になっている場合や、それまで大丈夫だったもので反応が出ることも。だからこそ問診の時間が大切になるそう。同院では、ほくろや粉瘤、陥入爪の手術などにも対応するほか、入院患者の褥瘡もケア。糖尿病性壊疽で足を切断するような場合は、整形外科の医師とともに処置にあたる。「些細な症状でも来てもらえるような皮膚科をめざしています」

大久保 佳子先生

大久保 佳子 先生

愛媛大学医学部卒業後、同大学附属病院、東京都立墨東病院などを経て現職。外来の診療・手術の他、入院では褥瘡にも対応している。

婦人科

他科との連携で的確に病気を診断
思春期から更年期まで幅広く対応

日本は他の先進国に比べて婦人科検診の受診率がかなり低いという。そうした背景を憂慮し、「検診を病気の予防・早期発見につなげたい」と語るのが、2015年に開設された婦人科で検診・外来診療を受け持つ安(あん)学先生だ。同科の強みは他科と連携を取りながら診療できること。例えば、卵巣や骨盤の炎症か虫垂炎なのか区別が難しい下腹部の痛みも、外科との連携ではっきり診断をつけることができる。内科で不調を訴えていた患者がホルモン検査によって更年期の症状だとわかるケースも多いそう。「まずは外来に相談に来てください」

安 学先生

安 学 先生

日本大学医学部卒業後、社会保険横浜中央病院、川口市立医療センターで経験を積み、2015年から現職。患者への丁寧な説明を心がけている。

神経内科

週1回の相談窓口を開設し
高齢者に多い神経系の疾患を診断

物忘れ、めまい、頭痛、手足のしびれ、筋肉のけいれんなど、神経内科に関わる症状は多岐にわたるが、疾患に気づきにくいものも多い。また精神疾患などと間違いやすく、正確な診断が難しいため、特に高齢者に増えている認知症やパーキンソン病、手が震える本態性振戦などは専門の医師による診断が欠かせない。豊富な診療実績を持つ髙橋宏和先生は、MRIでの画像診断と問診から疾患を見極め、適切な治療へとつなげている。「困ったときに頼れる診療科として気軽に受診してもらえればうれしいです」

髙橋 宏和先生

髙橋 宏和 先生

千葉大学卒業後、同大学医学部附属病院、成田赤十字病院、松戸神経内科などで診療。不定愁訴が診断のヒントとなることもあるため、患者の話を丁寧に聞いている。

02訪問診療

地域の在宅ネットワークの中心となり
患者と家族の心に温かく寄り添う

同院が訪問診療を始めたのは1999年のこと。「地域に密着した病院」という理念のもと、船橋エリア内での連携に力を注いできた。在宅医療に関わる医師、ケアマネジャー、看護師、薬剤師などで研究会を開き、全国に先駆けて多職種連携のモデルケースを構築。久野慎一先生は、「在宅ケアには医療を超えた、人としての付き合いが求められています」と話す。「コミュニケーションと心のケアは欠かせません。患者さんの生活にも立ち入るのが在宅医療ですから、思いやりの心を持って接することが何より大切だと考えています」。長年、救急の医師として地域に貢献してきた経験を在宅医療の現場でも発揮。緊急時には24時間対応し、必要に応じて臨時往診や入院の手配なども行う。認知症を専門とする赤川和弘先生は、老々介護をしている世帯や独居の認知症患者を訪問し、症状を診ながらしっかり生活ができるようにサポート。行政とも協力しながら、地域の中で患者を見守る体制づくりを行っている。

  • 訪問診療の足となる往診車。患者の自宅だけでなく介護施設も回る

    訪問診療の足となる往診車。患者の自宅だけでなく介護施設も回る

久野 慎一先生と赤川 和弘先生

久野 慎一 先生
(写真右)

日本大学医学部卒業後、駿河台日大病院外科入局。認知症サポート医。総合診療を得意とし、常に患者の生活背景に配慮することを心がけて診療している。

赤川 和弘 先生
(写真左)

滋賀医科大学卒業後、千葉大学医学部附属病院精神科入局。精神保健指定医。患者と家族の心の健康に対してサポートしている。


◆板倉病院 基本情報はこちら


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