地域完結型医療の要として
専門的かつ身近な医療の実現に尽力

多様な専門外来を有し万全の医療体制をめざす

東邦大学医学部の付属病院として、451床・25科を擁する『東邦大学医療センター 佐倉病院』は、印旛地域全体の医療を担う中核病院だ。独特なアプローチとして以前から注目を集めている高度肥満治療、千葉県がん診療連携協力病院として注力している手術・薬物療法・放射線治療を組み合わせたがんの集学的治療、エキスパートの招聘でより体制が強化された不整脈に対するカテーテルアブレーション治療といった高度医療を提供する一方で、都市部から離れた土地柄故に求められる「身近な医療」の充実にも努めている。

近年は地域医療支援病院として、「最善の医療を最適な場所で適切な時期に受けられる」地域完結型医療の確立にも注力。近隣医療機関との連携を強化するほか、大規模な自然災害に備えて佐倉市と「災害時における専門的医療を必要とする妊産婦・乳幼児の受入協定」を締結し、平常時から非常時までを見据えた体制づくりを推進。フィールドを常に「地域」に置き、地域の人々とより顔の見える関係を築いて、今まで以上に信頼の置ける病院をめざす。

医療連携・患者支援センター

地域の医療機関との緊密な連携で患者に有益な機能分化を推進

地域全体で患者を診る円滑な医療連携の実現をめざして開設された医療連携・患者支援センター。
地域の医療機関への計画訪問やかかりつけ医との連携に力を入れ、
医療・看護・介護の各機関との適切な機能分化を推進している。

強固な病病連携、病診連携により地域全体で患者を診る仕組みを構築

医療機関と紹介を受けた患者の双方が直接電話で受診予約できる利便性の高い予約システムを有する同病院。受診日の待ち時間も短く済み、喜ぶ患者も多い。医療連携・患者支援センターではこうした電話予約を受け付けるほか、患者が外来を受診した際、症例に該当する診療科が存在しなかった場合には適切な医療機関の受診を促し、最善の医療を最適な場所で、できるだけ早く受けられるようサポートしている。特に心臓血管外科では、外来受診時から医療ソーシャルワーカーが関わり、かかりつけ医との連携を推進。「地域医療支援病院として、『地域に根差した急性期病院』の使命を果たすべく、患者さんとそのかかりつけ医に信頼される病院をめざしています」と話すのは、同センター長を務める吉田友英准教授。今後は入院前の患者のマネジメントにも注力し、ワンストップでサポートする体制を強化する考えだ。

吉田友英准教授

医療連携・患者支援センター長を務める
吉田友英准教授

受診の流れ

臨床遺伝診療部門

遺伝子検査に対する不安や悩みに臨床遺伝の専門家が寄り添う

医学の進歩によって、多くの病気の原因が遺伝子の変化にあることがわかってきたことで、「病気を予防するための診断」に利用されてきた遺伝子検査を「正しい治療法・治療薬の選択」に活用する医療が注目を集めている。そのような状況の中で、「患者さんとそのご家族に検査の意味や必要性などについて十分に知ってもらうことが大切です」と話すのは、臨床遺伝の専門家でもある竹下直樹准教授。同部門では専門の訓練を積んだカウンセラーとともに竹下准教授が遺伝カウンセリングにあたり、検査に対する期待や不安に寄り添ったサポートを行っている。
「遺伝の仕組みが徐々に解明され、従来の画一的な治療ではなく、一人ひとりに合ったより効果的な治療も行えるようになってきました。遺伝に関する不安があれば、ぜひご相談ください」と竹下准教授。年々増加する生殖・周産期分野に関する相談や、遺伝性腫瘍、いわゆる家族性のがんへの不安がある人たちにとって、心強い存在だ。

医師とスタッフ一同

医師とスタッフが一丸となって患者と患者家族の不安に寄り添い、サポートしている

外科と泌尿器地科域領医域療におけるがん治療の現在

岡住 慎一教授

岡住 慎一教授

手術を行う際には、患者の体への負担を考慮して術式を提案

手術を行う際には、患者の体への負担を考慮して術式を提案

的確な診断に基づく診療の個別化と
低侵襲な治療で根治をめざす

印旛地域全体の医療を担う中核病院として、住民に身近な医療だけでなく高度かつ集学的ながん治療にも力を入れる同病院。中でも外科は、一般・消化器・呼吸器・乳腺・心臓血管の外科が一体となって、がん治療をはじめさまざまな疾患に対応している。

同病院の外科のがん治療は「診療の個別化」と「低侵襲な治療」が特徴だ。同科は泌尿器科と合わせて院内がん登録件数の6割を占めるほど症例が多く、その状態も患者ごとに異なる。そこで症状を正確に診断し、負担が少なく根治性の高い治療法の選択と無効な治療法の排除に努め、治療効果の最大化を図っている。「まずは外科で治療できる症例か否かを見極め、適応症例に対しては低侵襲な腹腔鏡手術を中心とした外科的治療を積極的に行います」と話すのは岡住慎一教授。また同科では、放射線治療や抗がん剤による化学療法にも注力。集学的治療が可能な設備を生かして可能な限り再発のリスクを減らし、患者が日常生活の質を維持できる治療に努めている。
さらに、外科と内科が同じ病棟内で連携して一貫した診療を行っている点も同病院の特徴の一つ。この独自のチーム医療は、がんのみならず炎症性腸疾患(クローン病など)の治療などでも力を発揮している。

鈴木 啓悦教授

鈴木 啓悦教授

多くの専門の医師が在籍する同科は、チームワークも抜群

多くの専門の医師が在籍する同科は、チームワークも抜群

前立腺がんの診療実績は県内トップクラス
泌尿器科領域における地域の「最後の砦」

腎がん、腎盂尿管がん、膀胱がん、前立腺がんといった悪性腫瘍から尿路結石症、前立腺肥大症をはじめとする排尿障害まで幅広く診療する泌尿器科。多数の日本泌尿器科学会泌尿器科専門医が在籍し、地域の「最後の砦」として、ハイレベルな治療を提供している。

泌尿器科におけるがん治療の方針は、ガイドラインに基づく標準的かつ低侵襲な治療、患者のがんの状況に応じた個別化治療、QOL(生活の質)の維持の3点に集約される。例えば前立腺がんに対する治療では、腹腔鏡を用いた根治的前立腺全摘除術などに注力しており、前立腺がんの診療実績は県内トップクラス。腎がん、尿路上皮がんなどにも積極的に腹腔鏡手術を行う。また泌尿器科の専門医が多数在籍し、各専門領域において高度な医療を提供しているのも強みの一つだ。
前立腺がん治療に対する国際カンファレンスに日本代表として出席し、国内外問わず活躍する同科の鈴木啓悦教授は、「3Dの腹腔鏡手術システムの導入で、従来よりさらに安全かつ正確な手術が可能になりました」と話す。佐倉市を中心とした周辺地域では泌尿器科を専門とする開業医が少ない中、同科では定期的な医師の派遣や地域へのPSA検査受診の啓発などバックアップにも積極的だ。

認知症とうつについての検査と治療

榊原 隆次教授

榊原 隆次教授

患者が理解しやすいよう、可視化したデータを用いて説明する

患者が理解しやすいよう、可視化したデータを用いて説明する

物忘れなど認知症の初期症状に対応
患者を支える家族の精神的ケアにも注力

神経系(脳、脊髄、末梢神経、神経筋接合部、筋肉)の疾患を幅広く診ている神経内科は近年、ニーズの高まりを受けて認知症医療を強化。物忘れなどの初期症状の対応に注力し、周辺症状を診る同病院のメンタルヘルスクリニックと連携して診療にあたっている。

今や65歳以上の10~13人に1人が認知症だといわれ、大学病院をはじめとする医療機関に早急な対策が求められている中、千葉県は今後10年間に全国2位のスピードで高齢化が進むと想定されており、行政や医療・介護関係者が協力して認知症患者を支援するシステムを確立することが急務だという。その中で、同病院は千葉県から地域の認知症医療を支える基幹的な病院に指定されており、患者とその家族が住み慣れた地域で安心して暮らすために必要な医療を提供している。
その具体的な取り組みの一つが、平成22年に開設した物忘れ専門の外来だ。同科を率いる榊原隆次教授は、「かかりつけ医からの紹介を受けて、専門的な診療を行っています」と話す。また患者家族に対しては、高次脳機能障害の患者を支える家族のための会「さくらの会」を設置。同科の臨床心理士がコーディネーターを務め、情報共有と家族の精神的なケアにあたっている。

桂川 修一教授

桂川 修一教授

リアルにオフィスを再現した部屋を使用することも

リアルにオフィスを再現した部屋を使用することも

せん妄、徘徊といった認知症の周辺症状と
壮年期のうつに対するアプローチに強み

心の悩みや病気を抱える患者を専門的かつ全人的な診療で支えるメンタルヘルスクリニック(精神科)。職場復帰支援プログラムを中心としたリハビリテーション活動など勤労者医療に軸足を置きながら、生涯にわたって患者を支える総合的精神医療をめざしている。

メンタルヘルスクリニックでは精神科と神経内科の医師が連携して外来診療を行う。認知症の初期症状を診る神経内科に対して周辺症状(せん妄や徘徊など)の診療を担当し、同科と連携して認知症治療に取り組んでいるのが特徴だ。
メンタルヘルスクリニック独自としては「うつ」に対する診療に注力。平成19年から「産業精神保健・職場復帰支援施設」(デイケア施設)において職場復帰支援プログラムを開始するなど、働き盛り世代へのアプローチに取り組んできた。「デイケアでは、施設の仮想オフィスを使ったトレーニングなどを行います」と桂川修一教授。同病院でプログラムを終えた患者のおよそ70%がスムーズに職場へ復帰するが、再発して復職が困難な人、退職してしまう人には就労支援も視野に入れた診療を行う。「円滑に職場へ復帰できるようにするのはもちろん、再発のリスクを抑えて元気に働き続けられるようにもサポートします」

QOLに影響を及ぼす運動器・感覚器疾患

中川 晃一教授

中川 晃一教授

機器が充実しているリハビリ室。患者の状態に合わせたきめ細かな治療を心がけている

機器が充実しているリハビリ室。患者の状態に合わせたきめ細かな治療を心がけている

運動器低侵襲治療部門を開設し
症例に応じたテーラーメイド治療を提供

一般外傷から関節疾患、脊椎疾患、リウマチ、スポーツ外傷まで幅広い疾患を診る整形外科。平成24年には独自に「運動器低侵襲治療部門」を開設し、患者の体の機能を損なうことなく、QOLの維持につながる治療法をテーラーメイドで提案している。

整形外科が診る運動器疾患の患者は関節痛や肩凝り、腰痛、手足のしびれなどさまざまな症状を訴えて来院する。同科では、診断から治療方針決定まできめ細かく行い、一人ひとりに最も適した、極力負担の少ない治療法を追求している。「まずは手術をせずに治療することが大前提。保存療法で症状の改善が期待できる場合はその指導から開始します」と中川晃一教授。救急外傷など早期に手術が必要な症例を除いては、まず薬物療法、生活指導、装具療法、理学療法といった選択肢を組み合わせて治療を行う。症状が改善せず手術に踏み切る場合は、自己組織の温存を重視した低侵襲な手術を行うよう心がけている。
特に、膝関節の関節鏡視下手術や人工関節手術の実績は県内でトップクラスである。こうしたきめ細かな治療を行うためには、地域のクリニックとの連携が不可欠であり、病診連携強化と地域全体で患者を診る仕組みづくりの推進にも意欲的だ。

鈴木 光也教授

鈴木 光也教授

最善の治療を選択するため、徹底的な検査を重視する

最善の治療を選択するため、徹底的な検査を重視する

生活に大きく関わる聴覚・嗅覚の障害患者の
悩みのレベルに応じた治療を提供

聴覚・嗅覚・味覚・平衡覚をつかさどる感覚器と、発語・嚥下などに関わる運動器を診る耳鼻咽喉科。カバーする器官は広範にわたり、いずれも日常生活で大切な部分だ。同科はそんなQOLに直結する器官の治療を通じて、患者の生活を改善することをめざしている。

手術が必要な耳・鼻の疾患や頭頸部がんを対象とした専門的な外科診療と並行して、運動器・感覚器疾患の改善にも注力している同病院の耳鼻咽喉科。耳鼻咽喉科が診る感覚器は、聴覚・嗅覚・味覚・平衡覚に関わり、発語や呼吸、嚥下などに関わる運動器と併せて患者の生活に大きな影響を及ぼし得る。例えば聴覚や嗅覚に異常があると、音やにおいで危険を察知することができない。平衡覚の異常もめまいによる転倒につながる恐れがあり、嚥下機能に支障があれば誤嚥を起こす危険性が高まる。
故に、QOLを担う重要な役どころだと自負する鈴木光也教授は、患者の悩みの深さに応じたアドバイスを心がけている。症状があっても生活に支障がない患者もいれば、症状が軽くても大きな負担を感じている患者もいる。「患者さんの苦痛を取り除くことを第一に、ライフスタイルに合わせた治療を提供するよう意識して、日々の診療に取り組んでいます」と鈴木教授は語る。

病院長メッセージ

長尾 建樹病院長

長尾 建樹病院長

1980年、東邦大学医学部卒業。2015年7月から現職。専門は機能的脳神経外科で、特にパーキンソン病に伴う震えや不随意運動、痛みに対する治療を得意とする。両親とも医師の家に生まれ、父亡き後も医師として働く母の背中を見て育った。「医師の仕事を務める母に反発したこともありましたが、やりがいのある道に導いてくれたことに今は感謝しています」と語る。

地域の健やかな暮らしを支える
高度で質の高い医療を提供

2016年に地域医療支援病院の承認を受け、印旛郡市の地域医療においてより存在感を増す同病院。長尾建樹病院長は、「人々の健やかな暮らしを支える医療機関は、地方創生に必要不可欠なインフラです」として、さらなる診療体制の充実に尽力している。

最善の医療を最適な場所で適切な時期に受けられる
医療の仕組みづくりに尽力する

高度医療を提供する大学病院としての顔と、地域のために身近な医療を提供する病院の顔という2つの顔を持つ同病院。2016年には地域のクリニックとの連携や救急医療体制などが評価され、地域医療支援病院の指定を受けた。長尾病院長は、「今ある機能を維持しつつ、さらに医療の安全性と質を高め、地域医療に貢献することが当院の役割です。これからも、あらゆる病気に対応できる身近な病院として地域のお役に立てるようまい進していきたいと思っています」と語る。
「高度急性期を診る病院として、もっと存在感を発揮していきたいですね」と長尾病院長。今後は、患者が最善の医療を最適な場所で適切な時期に受けられるよう、地域で治療を完結できる医療体制の確立に寄与していく考えだ。


◆東邦大学医療センター 佐倉病院 基本情報はこちら


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