医療の質のさらなる向上と
地域医療の活性化に尽力

地域のニーズに応えつつ高度な医療も幅広く提供

臨床・研究・教育の使命を果たす『東邦大学医療センター 大森病院』。近くには同病院の名前を冠した商店街があり、長年にわたって築き上げてきた地域との信頼関係の一端がうかがえる。そんな同病院の特徴は、高度な医療の豊富な実績に基づく信頼感と、1世紀近く地域に根差し、人々の健康を守ってきたことによる安心感が同居した独特の温かみ。また乳腺・内分泌外科のオープンクリニック制に代表される、各診療科と地域の開業医との緊密な連携体制も、同病院らしさの一つだ。平成24年には地域がん診療連携拠点病院に指定。悪性腫瘍に対するより高度な医療が必要な患者に複数の診療科がチーム医療で対応している。

帝国女子医学専門学校付属病院として大正14年から歴史を紡いできた同病院。その精神は今も受け継がれ、近年高まる女性の健やかさを支える医療のニーズにも応えようと心を砕いている。疾患の治療にとどまらず、患者の全身の健康や治療後の見た目までを見据えた診療に取り組み、患者の真なる想いに寄り添う医療を提供している。

地域医療支援センター

地域医療の中核を担う病院として地域完結型医療の確立をめざす

「地域連携」「病床管理」「医療社会事業」「入退院支援」の
4部門から成る地域医療支援センター。
特定機能病院として地域完結型医療の確立に尽力する同病院で、
患者一人ひとりの「最善の医療」が実現できる体制づくりを担っている。

院内における多職種、および地域のクリニックと連携して
患者を総合的に支える仕組みづくりに力を入れる

同センターは、紹介患者の受け入れや逆紹介、かかりつけ医の紹介といった役割をメインに、患者の病状や生活背景に配慮した入念な支援を行う。「病院全体で患者さんをサポートする体制こそ最大の強み」と話すのは、盛田俊介副院長。近隣のクリニックに「連携についての病院への意見」をアンケートで聞いて改善点を洗い出したり、役割分担や得意分野について話し合ったりと、患者を地域全体で支える仕組みづくりに力を入れている。また、同病院へ患者を紹介したクリニックへは、その患者の状況を常に把握できるように、定期的な情報共有も徹底。「紹介された患者さんへ提供した医療の内容やその後の容態などについて、細かく伝えるように心がけています。クリニックから指摘を頂いて初めて気がつくことも多いです」と盛田副院長。医師会とも深く連携し、地域医療における役割を全うすべく、チームワークを磨いている。

盛田俊介副院長

より良い連携のため、地域の医療機関とのコミュニケーションを大切にしていると話す盛田副院長

受診・転院の流れ

セカンドオピニオン

心に寄り添う親身な対応で患者自身が治療法を選択し決定する「開かれた医療」を提供

自分の病気に対して自ら治療方針を決定したいという人が増えている昨今、主治医以外の意見も聞いて判断の参考にするセカンドオピニオンのニーズは高まる一方だ。そのため、同病院では患者のプライバシーに配慮した特別診察室を用意し、セカンドオピニオンの相談に応じている。同病院のセカンドオピニオンは、「患者さん中心の開かれた医療をめざし、患者さんご自身による治療法の選択・決定に協力する」ことを目標に親身な対応を実践。
「開設当初は悪性疾患の相談が中心でしたが、最近は専門的な治療を要するさまざまな疾患での相談が増えています」と三上彰事務部長はセカンドオピニオンのニーズの広さを語った。
※セカンドオピニオン予約係 03-3762-4151(代) 相談時間最長60分/1診療料2万円

特別診察室

落ち着いた雰囲気の個室で相談できる特別診察室

女性の健やかさを支える医療 女性のかかりやすい婦人科・泌尿器科の疾患

森田 峰人教授

森田 峰人教授

検査結果をもとにわかりやすい診察を心がけている

検査結果をもとにわかりやすい診察を心がけている

体と心の変化に寄り添い続ける
女性たちの「生涯の主治医」

小児期から老年期へと年齢を重ねる中で、妊娠・出産や女性特有の疾患など、さまざまな変化が起こる女性の体と心。産婦人科ではそれらに対応すべく、内視鏡手術・不妊治療・臨床遺伝を専門とする部門も設け、女性の健やかな毎日を支えている。

産婦人科では、妊娠・分娩や新生児を中心とした周産期医療、子宮がんなどの悪性腫瘍に対する医療、内視鏡手術や不妊治療といった生殖内分泌医療を中心に、さまざまな症状や悩みに対応している。
中でも内視鏡による婦人科疾患の手術においては全国トップクラスの症例数を誇る。「子宮がんや子宮体がん、卵巣がんなど婦人科系の悪性腫瘍はいずれも増加傾向ですが、若年層に多いものの比較的発見が容易な子宮頸がんは検診で早期発見・治療に結び付くケースが少なくありません」と森田峰人教授。特に増加が顕著な子宮体がんも、リスク要因や自覚症状をきっかけに早期発見できれば完治が見込めるという。「初期段階であれば、低侵襲で術後の回復が早い内視鏡手術で対応できるため妊孕能を温存でき、将来的な妊娠も十分可能です」
同病院では、患者のがんの進行度や種類に応じて治療方針を組み立てることで、集学的治療を行っている。

青木 九里講師

青木 九里講師

さまざまな検査機器と医師の技術を生かして疾患を適切に診断

さまざまな検査機器と医師の技術を生かして疾患を適切に診断

生活の質に直結する泌尿器科疾患
患者の状態に応じて適切な医療を提供

泌尿器科疾患は女性の生活の質を大きく左右するが、「泌尿器科は男性が受診する所」という先入観や、診察に対する恥ずかしさから受診をためらう女性は少なくない。同病院の泌尿器科では女性医師が在籍するなど、性別に関係なく受診しやすい環境を整えている。

女性に多い泌尿器科疾患は、尿失禁や膀胱炎、骨盤臓器脱、過活動膀胱などである。骨盤臓器脱は重症になると手術が必要だが、年齢や体力により手術が適応でない場合、臓器の下垂を抑え、脱出した部位を膣内に押しとどめる用具(クッション)などで治療していく。
また、急性膀胱炎は、多くの女性が一生に1度はかかるといわれる病気。「洗浄便座の使い方や排尿・排便後の拭き方を指導するだけで、繰り返し膀胱炎になっていた方が罹患しづらくなったり、症状が改善されたりします」と青木九里講師。
神経因性膀胱は脊髄損傷・脳梗塞などで膀胱への神経伝達路が障害されて起こる。膀胱内圧を感知するウロダイナミック検査で、膀胱・尿道の動きを調べることも可能だ。また頻尿・多尿の場合は排尿日誌をつけてもらい、おおよその診断をする。その上で患者の日常状況に合わせた治療を提案するなど、こまやかな対応を心がけている。

女性の健やかさを支える医療 美しさにも配慮する皮膚科・乳腺外科

関東 裕美教授

関東 裕美教授

患者ごとの特性をホワイトボードで管理。必要なアレルゲンを準備して効率的にパッチテストを実施している

患者ごとの特性をホワイトボードで管理。必要なアレルゲンを準備して効率的にパッチテストを実施している

疾患だけでなく患者の背景にも目を向け
心まで診る診療で患者と接する

人目につく皮膚の疾患は、患者の精神的な負担も大きい。そのため皮膚科では、疾患だけを診るのではなく、患者の背景などまで踏まえた上で原因を追究し、繰り返すことがないように対応を徹底。また、美しく年を重ねるためのアドバイスなども行っている。

肌荒れやニキビなどに悩んで受診する人が多い皮膚科。肌荒れの原因の多くは「洗顔のやり過ぎ」にもあると指摘するのは関東裕美教授だ。正しい洗顔方法を指導するだけで症状が改善するケースは多いという。「メイクを落とした後、しっかり洗顔しようと心がけるのは良いことですが、必要以上に洗い過ぎてはいけません。大切なのは、ご自身の皮膚の状態と年齢を踏まえた方法で洗顔することです」
このとき、アレルギー性のかぶれが疑われる場合はパッチテストも実施。患者の安心のためにさまざまな手を尽くしている。「ほかの内科疾患との兼ね合いはもちろん、患者さんの生活環境や背景まで察してあげられるように、診療に取り組んでいます」と関東教授。例えばアトピー性皮膚炎の診療では、小児期のアトピー素因まで考慮して改善を図っている。単に皮膚だけでなく全身を、そして安心という心の健康まで見据えて診療に取り組んでいるのが同科の特徴だ。

齊藤 芙美教授

齊藤 芙美助教

チームワークを生かして患者の心身を支える

チームワークを生かして患者の心身を支える

患者の希望を第一に術式を決定
見た目の美しさも重視する乳がん治療

乳腺・内分泌外科では、乳がんや良性乳腺疾患などの「乳腺」領域および、甲状腺がんやバセドウ病などの「内分泌」領域の病気全般の外科的治療を行っている。中でも同科が力を入れているのが、乳がんの手術と乳房全摘時の乳房再建だ。

乳がん治療がメインの同科では、がんのある部分だけを切除する乳房温存手術や、乳房全摘出となる胸筋温存乳房切除手術後の乳房再建を積極的に実施。ただ、乳房温存手術が適応でも全摘出を希望する人もいれば、全摘出後の乳房再建を希望しない人もいるなど、患者の希望はさまざまだ。齊藤芙美助教は「医師が最適だと思う治療を押し付けるのではなく、患者さんの希望を第一に治療方針を決定します」と語る。
同科の乳房再建には、人工物であるシリコンを使う術式と、自分の体の組織を移植する術式がある。人工物を使う術式は感染の可能性があるほか、1年を目安に入れ替える必要があるが、入院期間が短く済んで早期の社会復帰が見込める。一方、自己組織を移植する術式は、感染の可能性は低いが、傷が残って入院期間も長くなり、同科ではそれぞれのメリット・デメリットをしっかり説明し、患者の理解を十分に得てから治療を開始している。

女性の健やかさを支える医療 全身疾患をさまざまな角度からアプローチ

南木 敏宏教授

南木 敏宏教授

毎週カンファレンスを実施し、チーム一丸で患者とその家族を支える

毎週カンファレンスを実施し、チーム一丸で患者とその家族を支える

経験と技術に基づく適切な診断で
質の高い日常生活の実現をサポート

関節リウマチや全身性エリテマトーデスといったリウマチ性疾患は、症状が似通っていて病気の特定が困難なことがあり、「専門家の目」が欠かせない。膠原病部門には数多くの経験豊富なリウマチの専門家が在籍し、精度の高い診断・治療を心がけている。

リウマチ性疾患と総称される関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性硬化症(強皮症)、血管炎症候群などを対象とする膠原病部門。これらの疾患は似たような症状を示すことが多いため、まずは的確な診断で病気を特定し、一人ひとりに合った治療へ早期に結び付ける必要がある。そのため同部門では、リウマチに精通した医師によるチーム医療で、一人ひとりに最も適した治療薬を処方できるよう努めている。
また、全身疾患であるリウマチ性疾患の治療では、他科の協力も欠かせない。南木敏宏教授は「他科や地域のクリニックとの連携は重要です。当部門は整形外科の担当医と同じ診療室で診療を行っているため、手術など整形外科的治療が必要な場合もスムーズに連携できます」と同部門の強みを語る。完治が難しい病気だと知って落ち込む患者には、服薬や通院で症状をコントロールすれば日常生活の質を維持できると、心理面のサポートにも心を砕く。

田中 耕一郎准教授

田中 耕一郎准教授

幅広い年代の患者が相談に訪れる

幅広い年代の患者が相談に訪れる

東洋医学・西洋医学双方の視点から
患者の「心と身体」を総合的に診る

患者の疾患や症状を全身から多角的に診断し、東洋医学的な診断をもとに漢方薬を処方するほか、鍼灸治療なども併せて診療を行う東洋医学部門。東洋医学と西洋医学双方の視点から、患者の「心と身体」を総合的に診断・治療している。

東洋医学部門が対象とするのは、月経不順や月経前症候群といった若年層にも多い疾患や更年期障害、乳がんの治療後に起きやすいホットフラッシュ、ニキビができやすい体質といった悩みまでさまざまだ。そうしたライフステージごとに異なる女性特有の悩みやつらさに、同部門は鍼灸や漢方を用いた東洋医学的治療と西洋医学的な視点を融合させて診療にあたっている。
「当部門は、いわば標準治療との懸け橋。どの診療科を受診すべきかわからない人や、西洋医学的な検査では問題がなく、つらさの原因がわからない人にも広く門戸を開いています」と、診療責任者の田中耕一郎准教授。女性患者がより受診しやすいよう、女性のための漢方相談や鍼灸治療の外来も開設し、日常の体調不良から治療の相談まで広く対応。頭痛・めまい、動悸・循環器疾患など症状別の専門外来も多く設け、大学病院として難治性疾患の診断・治療にあたる一方、日常的な心身の不調にもこまやかに対応している。

病院長メッセージ

小原 明病院長

小原 明病院長

1979年東邦大学医学部卒業。2012年7月から現職。輸血部副部長、小児科学講座教授を兼任する。日本小児科学会認定小児科専門医、日本血液学会認定血液専門医。日本小児科学会代議員など、院内外を問わず多くの信頼を集める。「父が小児科の医師だった影響で医師の道に。医師を続ける中で、患者さんやご家族との深いつながりを感じます」

基幹病院としての役割も果たす
地域に根差した大学病院

患者の8割が近隣の医療圏からの来院だという同病院。特定機能病院として高度医療の提供に努めつつ、地域のニーズに即した身近な医療の実践にも力を尽くしてきた。また地域のクリニックや病院と緊密に連携して病診連携・病病連携を推進するなど、地域完結型医療の中心としても存在感を発揮している。

退院後の生活を見据えた医療と
高度急性期医療のさらなる充実を図る

特定機能病院、地域がん診療連携拠点病院、東京都災害拠点病院など、多彩な顔を持つ同病院。近年は五大がんの治療をはじめ、外科系のさまざまな高度急性期医療に力を入れている。一方で近隣患者にも広く門戸を開き、内科系の疾患については地域の医療機関と連携して積極的に患者を紹介し合うなど、地域完結型医療の活性化に貢献。救急医療では、城南地区の三次救急を中心に二次・一次救急の患者にも可能な限り対応している。また「対応範囲を広げながらも医療の質を一定レベル以上に保つため、積極的に外部評価を受け入れています」と小原明病院長。
直近では、臨床検査部をはじめ5つの部門が日本適合性認定協会から国際規格であるISO15189の認定を受けた。今後は院内外の連携をさらに強化し、退院後までを見据えたトータル医療に取り組んでいく。



◆東邦大学医療センター大森病院 基本情報はこちら


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