専門性の高い医療と温かなケアで
人々が安心できる地域づくりに貢献

昭和45年、胃腸外科病院として誕生した『藤崎病院』。藤崎滋院長の就任後は肝胆膵領域があわせて強化され、肝臓切除術、膵切除術など、高難度の手術の実績も重ねている。さらに整形外科、脳神経外科、内科の各専門の医師やスタッフがそろい、病床数も60床から119床へ。急性期・救急医療に応える体制を敷く一方、身近な症状や患者・家族の相談にも幅広く対応する姿勢を貫き、名実ともに地域密着の中核病院となった。
平成28年には、日本医療機能評価機構認定4度目の更新を実現。診療・看護・事務の機能向上に余念がない。「当院はもうすぐ開業50年を迎えます。国の方針に沿って医療も変化しますが、設備や人材の新陳代謝を図りつつ、今の体制を維持・強化したいですね」と藤崎院長。高齢化の進む江東区において、今後は地域の開業医や介護事業者とより密に連携し、入院中のケアから退院後の在宅移行まで、一貫したサポートを提供する考えだ。

外科

藤崎 滋院長

藤崎 滋院長

1987年防衛医科大学校卒業。米国ピッツバーグ大学、国立がんセンター、日本大学医学部附属板橋病院での勤務を経て、2003年から現職。日本大学医学部消化器外科臨床准教授。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医ほか。

藤崎院長をはじめ、外科の医師や看護師らによる回診が毎朝行われ、患者の少しの変化も見逃さないよう努めている

藤崎院長をはじめ、外科の医師や看護師らによる回診が毎朝行われ、患者の少しの変化も見逃さないよう努めている

マンモグラフィのほか、エコーでの検診、細胞診や生検などの精密検査が受けられる

マンモグラフィのほか、エコーでの検診、細胞診や生検などの精密検査が受けられる

消化器疾患を中心に全身を見据え
専門性を発揮する外科治療

藤崎院長率いる外科では、診療を受ける人のおよそ9割を消化器疾患の患者が占める。そんな中、同科がポリシーとするのは「個々の患者の症状に応じて、安全性やバランスを重視し、治療にあたること」。難易度の高い肝胆膵の手術や、体への負担を抑えた単孔式鏡視下手術なども得意としている。

外科では消化器を中心に、各分野専門の医師による執刀、内視鏡手術などの手技を含めたあらゆる治療を展開。それを手がけたいという志の高い医師によって構成されるグループだ。
体に優しい治療をめざし、大腸がんや早期胃がん、鼠径ヘルニアなどには、開腹手術と比べて負担の少ない腹腔鏡下手術を積極的に採用。さらに虫垂炎(盲腸)や胆囊の摘出には、1カ所の小切開で済む単孔式腹腔鏡下手術を実施し、手術痕を気にする女性に喜ばれているという。
がん治療においては、手術とともに化学療法にも力を注ぎ、抗がん剤に関する最新の知識も常にアップデート。「最先端の医療を診療ガイドラインに沿って適切に、速やかに導入することをめざしています」と藤崎院長は語る。また、通院しながらでも落ち着いて治療を受けられるよう、外来化学療法室を設置した。
もう一点、臓器別の枠組みを超えた診療体制も特筆すべきだろう。同じ医師が患者の診断・治療に一貫してあたり、大腸がんの肝転移では原発巣と転移巣のバランスを考え、同じ医師が両者の切除を実施。術後の再発予防・再発治療、疼痛コントロールを含む緩和ケアまで担う。治療方針にも一貫性があるため、安心感を覚える患者や家族は多いという。
一方、早期発見にも注力。乳腺外科では乳腺を専門とする医師がマンモグラフィ検査を手がけ、異常が見つかればそのまま超音波検査や病変の一部を採取して調べる針生検を行うなど、次のステップへ確実につなげることに努めている。
「健康診断の一環としてだけではなく、病変を見逃さないことに主眼を置いて検査をしています。ぜひご活用ください」

低侵襲の腹腔鏡下手術

単孔式腹腔鏡下手術では、おなかの1ヵ所、へそをわずか2㎝ほど切開し、そこから器具を挿入して病巣の切除などを行う。術中・術後の体への負担を抑えられる分、高い技術を要するが、同院では特に虫垂炎や胆石症の手術において、豊富な実績を有している。一方、炎症の強いケースなど、場合に即応した術式を選択し、安全な治療を心がける。「患者さんにとってのメリットが最大になるよう、適切に判断して術式を組み立てています」と藤崎院長。

腹腔鏡下胆囊摘出術を単孔式で行う藤崎院長。巧みに手術器具を操作する

腹腔鏡下胆囊摘出術を単孔式で行う藤崎院長。巧みに手術器具を操作する

整形外科

大久保 康一先生

副院長/整形外科部長/リハビリテーション科部長
大久保 康一先生

1971年東京慈恵会医科大学卒業。同大学の関連病院を経て、1990年より「藤崎病院」に勤務。副院長、整形外科部長、リハビリテーション科部長を兼務。日本整形外科学会整形外科専門医ほか。豊富な経験と深い知識を持ち、マイクロサージャリーでの外科手術をはじめさまざまな手術・治療に精通しており、診療に高い専門性を生かしている。

救急処置は、医師と看護師が連携を取り迅速に行う

救急処置は、医師と看護師が連携を取り迅速に行う

手術は大久保副院長を中心とする熟練のチームで実施

手術は大久保副院長を中心とする熟練のチームで実施

顕微鏡下の精密な手外科手術をはじめ
専門的な治療で地域に貢献する

整形外科では、骨折・脱臼などの外傷や、加齢に伴う骨・関節・筋肉の病気を広く扱う。外来での精密検査から、手術・リハビリテーションまで対応できる充実した設備を備えている。多数の手術を実施しており、特に「手外科」領域では顕微鏡を用いたマイクロサージャリーで、手の細かな構造まで再建している。

整形外科領域の手術で豊富な実績を有する同院。その術式の中で多数を占めるのは、肩から手指にかけた上肢の手術だ。特に大久保康一副院長の専門分野である「手外科」の専門性は非常に高い。
体の中で特に精密な動きと繊細な感覚をつかさどる手の手術では、他の部位以上に高度な技術と専門知識が求められるという。「手指の微細な神経や血管を縫合したり、剝離したりするには、肉眼の20倍程度まで拡大する手術用顕微鏡が欠かせません」と大久保副院長。
同科では顕微鏡下で行うマイクロサージャリーを導入し、切断指の再接着や血行再建、組織の欠損部を補う遊離組織移植など、多彩な手術を行っている。毎週火曜日には聖マリアンナ医科大学前教授の別府諸兄先生が手外科の専門外来を担当。救急患者の受け入れも24時間行うなど、盤石な診療体制を築くよう努めている。
そのほか、高齢者に多い変形性関節症に対する人工関節置換術、関節鏡を用いた手術、スポーツ障害や骨粗しょう症の治療にも注力。また、週1回、脊椎脊髄疾患の専門家である日本鋼管病院脊椎整形外科部長の大森一生先生を招き、専門性の高い医療を提供している。
さらに小児骨折にも積極的に対応するなど、さまざまな分野でレベルの高い医療を提供すべく尽力。幅広い年代の地域住民にとってなくてはならない存在だ。
また、手術的治療のみではなく、手術をしない保存的治療や、理学療法士・作業療法士によるリハビリも取り入れ、必要に応じて近隣の病院と連携を取りながら診療している。

精密なマイクロサージャリー

手術野を肉眼の20倍程度に拡大できる顕微鏡と専用器具を使い、1㎜程度の細い血管や神経の縫合・剝離を行うマイクロサージャリー。特殊な技術と専門的な知識を習得した医師でないと容易に扱えないといわれるが、同院にはその扱いに慣れた専門家が常勤で2人(大久保副院長、荒川雄一郎先生)在籍している。この技術を必要とする患者は多く、江東区外から運ばれてくる救急患者にも24時間対応しているそうだ。

マイクロサージャリーで高度な手の外科手術を行うオペチーム

マイクロサージャリーで高度な手の外科手術を行うオペチーム

内科

萱嶋 信介先生

内科部長 萱嶋 信介先生

1987年防衛医科大学校卒業。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院を経て、2000年より「藤崎病院」に勤務。日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本血液学会血液専門医ほか。高い専門性を発揮し、年齢を問わず多くの患者を日々診療する。

より安全な診療を実現するために、綿密なミーティングが毎朝必ず行われている

より安全な診療を実現するために、綿密なミーティングが毎朝必ず行われている

内視鏡室専属スタッフたち。検査の痛みを最小限にし、わずかな病変も見逃さないよう心がけている

内視鏡室専属スタッフたち。検査の痛みを最小限にし、わずかな病変も見逃さないよう心がけている

消化器内視鏡による検査・治療と
糖尿病、血液疾患が得意分野

内科では、消化器疾患・糖尿病・血液疾患を中心に幅広く対応している。特に消化器疾患に対する内視鏡検査・治療を得意とし、より患者の体に優しい検査や治療技術について研鑽を続けている。また、その他の治療においても「患者本位の迅速・正確な診断治療」というモットーのもと、日々治療にあたっている。

同科のスタンスについて、萱嶋(かやしま)信介部長は「消化器全般、特に高い技術を要する胆道系・膵管系の診断と治療について、積極的に臨床研究を行っています」と話す。これは、江東区においても、開腹手術に耐えられないような高齢で体力の衰えた患者が増えていることが関係する。内視鏡で消化管の中から行う検査や治療など、より体の負担が少ない低侵襲な方法を模索し、実践することに余念がない。
具体的な治療項目として、食道・胃・大腸の悪性腫瘍切除や、食道・胆道・膵管腫瘍による狭窄へのステント留置、食道静脈瘤・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・大腸潰瘍性病変からの出血に対する止血、総胆管結石の除去などを積極的に内視鏡を用いて行っている。
患者数が多い糖尿病に対しては、発症してからの治療はもちろんのこと、発症そのものを予防することも重要視している。外来・入院で適切な食事療法・運動療法を指導。さらに白血病や悪性リンパ腫など血液のがんについての診断にも力を入れている。骨髄移植に代表される治療法の進歩により、がんの中では治癒率が高いといわれる疾患だが、発症率が低いこともあり、専門的に診断できる医療機関は少ないという。同院では骨髄移植こそ行っていないが、迅速な診断を心がけ、必要な場合は適切な医療機関を紹介している。
一方、地域では在宅で療養する高齢患者が増えている。「在宅の高齢患者さんの病状が急に悪化したときは、緊急入院も数多く受け入れています」と萱嶋部長。さまざまな視点で患者の健康をサポートしていく。

総胆管結石除去

胆管に結石ができてしまうことで、黄疸が出現したり、重症感染症を引き起こしたりすることのある総胆管結石。場合によっては致命的な経過をたどるケースもあるという。一般的に、消化器内視鏡を用いた治療や、外科的手術によって治療されることが多い。同院の内科では、患者にとって侵襲のより少ない内視鏡的治療を実践。日本消化器病学会消化器病専門医・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医の萱嶋部長を中心にしたチームで治療にあたっている。

患者の体への負担を考え、より低侵襲な消化器内視鏡治療を実践している

患者の体への負担を考え、より低侵襲な消化器内視鏡治療を実践している

脳神経外科

石井 康博先生

脳神経外科部長
石井 康博先生

2002年愛媛大学卒業。「藤崎病院」に勤務する傍ら、東京大学大学院で脳疾患の研究に取り組み、2013年修了。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。脳血管障害と頭部外傷の治療を得意とする。認知症治療の手術やてんかん治療にも積極的に取り組む。

高い技術と豊富な経験に基づくチーム手術が行われている

高い技術と豊富な経験に基づくチーム手術が行われている

脳卒中をはじめ幅広い傷病にチーム医療で対応

脳卒中をはじめ幅広い傷病にチーム医療で対応

常勤医師3人の充実した診療体制
軽症から重症まで幅広く対応

脳神経外科が少ない江東区において、藤崎病院の役割は大きい。同院の脳神経外科では救急・外来ともに充実の受け入れ体制で、小さなケガから命に関わる傷病まで対応。脳卒中部門では、治療が遅くなるほど症状の改善は難しくなるため、迅速な診断と、安全かつ専門的な治療に努めている。

同院の脳神経外科は常勤の医師が3人となり、午前に加えて午後の外来診療も開始した。3人とも脳神経外科専門の病院である中村記念病院で研鑽を積み、チームとして同院へ赴任した経歴を持つスペシャリストたちだ。
同科では、脳卒中をはじめ、頭部外傷、頭痛、てんかんなど脳疾患全般を幅広く診療し、救急にも積極的に対応している。地域の住民にとっては心強い存在だろう。
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など、特に早急な対応が求められる脳卒中については、2人の専門の医師を中心にした医療チームで一分一秒でも早く診断・治療を行うべく、専門の脳卒中部門を新設。くも膜下出血や重症頭部外傷における開頭手術件数は増加し、成果を上げているそうだ。脳梗塞に対しては、薬剤による血栓溶解療法に加えて、カテーテル(脳血管内治療)による血栓回収療法も開始した。
江東区はてんかんを診療する医療機関も少ないという。そんな中同院は地域の二次診療拠点として、「てんかん診療ネットワーク」に参加。週3日は脳外科の医師が夜勤を務め、夜間救急への対応力も高まった。「救急車をもっと多く受け入れるようにしていきたい」と石井康博部長は意気込みを語る。
「頭痛やめまいなどの軽い症状で、どこの病院に相談すればよいかわからないという方も、遠慮なく当科外来を受診してください。また、脳卒中治療はここ数年で目まぐるしく変化しており、知識・治療方法を更新していく必要があります。江東区の拠点病院として高いレベルの医療を提供するよう努めていきます」

新しい治療法を積極的に導入

高齢化を背景に増え続ける脳梗塞は、脳の血管が詰まって脳の組織が壊死してしまうという病気だ。発症超急性期にはt-PA治療(血栓溶解療法)が実施されるが、同科では、それでは治療困難と判断される重症脳梗塞を治療する際の新療法が導入された。脳の血管に細いカテーテルを入れ、血栓をからめ取る「血栓回収療法」だ。救命率の向上や重症化防止に役立つとされるこの治療方法を取り入れたことで、今後はより多くの地域住民の命を救える見込みだ。

脳卒中をはじめ、さまざまな傷病に対し専門的な治療を行う

脳卒中をはじめ、さまざまな傷病に対し専門的な治療を行う

地域医療連携室

左から社会福祉士の赤松優美相談員、池田信子総師長、藤枝智穂師長、高野健係長。地域包括ケアシステム確立に向けて、医師、看護師、診療技術部職員、事務職員、専門職員が一丸となり、患者とその家族を支える取り組みを推進している

左から社会福祉士の赤松優美相談員、池田信子総師長、藤枝智穂師長、高野健係長。地域包括ケアシステム確立に向けて、医師、看護師、診療技術部職員、事務職員、専門職員が一丸となり、患者とその家族を支える取り組みを推進している

職種を超えたチームで患者・家族を支える
地域とのふれあいを大切に、選ばれる病院へ

患者や家族が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域医療連携室では多職種による切れ目ないサポートを行っている。例えば入退院や病棟生活に伴う悩みには、身近な存在である看護師が寄り添い、経済的・家庭的問題が背景にある場合は社会福祉士にバトンをつなぐ。そして各種制度の手続き支援や、関係者との連絡・調整、医療福祉相談を通じて不安解消へと導く。一方、他の医療機関や警察署・消防署など公的機関との「顔の見える連携」も推進。開業医を招いて行う症例検討会のほか、救急隊員との勉強会では専門的医療が24時間受け入れ体制にあることを周知し、患者が必要な医療を迅速に受けられるよう環境を整えている。今後は生活に役立つ医療をテーマに、医師、診療放射線技師、薬剤師など専門職による公開講座を増やす予定。地域との絆をさらに深め、「選ばれる病院」をめざす。



◆藤崎病院 基本情報はこちら


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