あらゆる患者を受け入れ
一生涯に寄り添う地域密着型病院

誠実で思いやりのある医療で
一人ひとりの患者に奉仕する

昭和4年にセブンスデー・アドベンチスト教会が杉並区天沼に開設した『東京衛生病院』。当初は外国人患者が多い同院だったが、今では地域住民からの厚い信頼を得て、地域に密着した急性期医療を展開している。
開設以来、「こころとからだのいやしのためにキリストの心でひとりひとりに仕えます」の理念の下、愛に根差した心からの医の奉仕を使命として、誠実で思いやりのある医療・看護を実践している。
20床で出発した病床は今や186床、12診療科を数えるまでになり、無痛分娩を先駆的に導入した産科、小児を含めて多数の患者を受け入れている救急、充実した設備の健診部門、最期まで患者に寄り添う同院の姿勢を具現化した緩和ケア病棟など、地域住民のよりどころとなっている部門も多い。女性患者が多く、女性のための医療が充実しているのも特色だ。近年も診療科や施設を新設するなど、より一層の患者サービスに努めている。

病院長メッセージ

西野 俊宏病院長

西野 俊宏病院長

1988年米国ロマリンダ大学医学部卒業。米国の病院で研修後、1995年から「東京衛生病院」で勤務。2013年から病院長を務める。緩和ケア部長を兼任。専門は消化器外科、乳腺外科。病院全体に「キリストの愛に根差した医の奉仕」の理念を浸透させつつ、地域の医療ニーズに応えるため、診療科の拡充や救急医療体制の整備に力を注ぐ。

病院正面玄関に掲げられている理念。キリストの
教えが温かなケアにつながっている 

病院正面玄関に掲げられている理念。キリストの教えが温かなケアにつながっている

1階エントランスロビーは病院の顔。総合受付で
は外来や救急診療の受付、入退院の手続きなどを行っている

1階エントランスロビーは病院の顔。総合受付では外来や救急診療の受付、入退院の手続きなどを行っている

医の奉仕の理念を実践するため
「断らない医療」をめざす

キリスト教会を母体として創設された同院。「こころとからだのいやし」を実現するために、一人ひとりの患者の意思を尊重したこまやかな医療を提供しているが、最近、特に力を入れて取り組んでいるのは「断らない医療」の実践だ。地域に根差した病院として、さらなる役割を果たそうとしている。

長年にわたり、杉並区の医療を支えてきた同院。キリスト教の精神のもと、ホスピタリティーあふれる医療を行っているが、さらに高いレベルで地域住民の信頼に応えるために、今、めざしているのは「断らない医療」だ。
例えば、24時間体制で無痛分娩に対応する産科、チャプレン(病院つき牧師)と医療者が一体となって心のケアに努める緩和ケア病棟などは入院を希望する患者が多く、満床になってしまうこともあるが、「いったん他の病床に入院していただくなど、きめ細かく入退院を管理して、できるだけご希望に沿えるように努力しています」と西野俊宏病院長。そうした調整を行う専任のコーディネーターを設け、「当院で治療できる傷病なら、断らない」という方針を実践する体制を整えた。救急患者の受け入れにも注力。現在の救急搬送受け入れ率は70%と、東京都の二次救急病院では平均的だが、80%をめざし体制の整備に努めている。小児救急にも力を入れ、夜間や休日も救急診療の時間帯を設けている。
「私たちが志す『断らない医療』は、イエス・キリストが一人ひとりの患者さんを断らずにすべて診たという聖書の記述に一致します。多くの患者さんを診て病院の収入を増やすことが目的ではなく、『医の奉仕』という私たちの理念を追求するために、すべての患者さんを断らずに受け入れて最後まで寄り添い、地域の方々に安心してもらいたいという思いです」と強調する。
大きな特徴は、女性のための医療を充実させ、受診しやすい病院をめざしていることだ。平成28年に乳がんの早期発見に向けて乳腺診療部門を新設。平成29年10月には荻窪駅前に不妊治療専門の附属クリニック「めぐみクリニック」を開設した。また、「教会通りクリニック」では泌尿器科に女性医師を新たに配置。女性医師による皮膚科の診療も開始した。
「泌尿器科は女性医師に診てもらいたいという女性患者がたくさん来られています。また、当院で分娩する方の2割は不妊治療を経験されていましたので、不妊治療から出産まで一貫して診療できる体制を整えました」
同院に満ちているのは、患者一人ひとりの「こころとからだのいやし」をめざした、人間味あふれる、きめ細かなケアを行う姿勢だ。患者のために奉仕するという理念が浸透しているのは、「職員研修などで教育しているだけでなく、日々の宗教的な活動で自然に理念を想起させているからでしょう」と西野病院長は話す。毎朝の礼拝、手術前や看護師が交代する際の祈りと、それぞれの場面でキリストの愛と奉仕の理念が唱えられる。過去には受診のハードルが高いと思われた時期もあった同院だが、今では入院患者の7割は杉並区民。地域に根差した病院として住民の期待を集めている。

産婦人科

原 澄子副院長

原 澄子副院長

慶應義塾大学医学部卒業。同大学勤務などを経て「東京衛生病院」へ。産婦人科部長を兼任。専門は無痛分娩、出生前診断、腹腔鏡手術ほか。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。学生時代にテニスとスキーで鍛えた体力で外来、分娩、手術など幅広く対応している。休日は家族団らんを大切にし、息子たちとの食事を楽しんでいる。

24時間365日無痛分娩に対応可能な分娩室。立
ち会い出産もできる。分娩予備室はすべて個室

24時間365日無痛分娩に対応可能な分娩室。立ち会い出産もできる。分娩予備室はすべて個室

ホテルのような個室はシャワールーム・トイレを
完備。家族でくつろげる空間だ。希望によって母児同室も可能

ホテルのような個室はシャワールーム・トイレを完備。家族でくつろげる空間だ。希望によって母児同室も可能

実績と信頼を誇る産科医療と
女性の生涯に寄り添う婦人科医療

昭和40年代に硬膜外麻酔による無痛分娩を導入し、24時間体制で、安心・安全なお産をめざしている同院。産科医療だけではなく、婦人科領域の良性疾患の治療を行うほか、更年期、思春期などのヘルスケアにも関わり、女性を生涯にわたってフォローする体制を築いている。

長らく地域住民に頼られてきた東京衛生病院の産科部門。特に昭和47年から取り組んでいる硬膜外麻酔による無痛分娩は、24時間365日対応可能な体制を築き、多くの実績を残している。平成29年1〜12月は、年間約1800件の出産件数のうち、約1600件が無痛分娩だった。一方、帝王切開の比率は12%と低いが、「妊娠糖尿病、妊娠高血圧などに対し、多職種のチームで食事・生活を指導して血糖・血圧・体重などの管理を徹底し、帝王切開しなくても安全に産めるように導いているからだと思います」と原澄子副院長。
もちろん、無痛分娩だけではなく自然分娩にも対応し、分娩時姿勢の工夫やマッサージなども取り入れて、できるだけ苦痛を緩和するように心がけている。また、産前産後のフォローアップにも力を入れている。産前は分娩に向けた両親学級(全4回)、産後は母乳指導を行う専門外来なども開設。中でも「ママの心のブレークタイム」と題した講座は、新米ママたちの語らいの場になっている。
また、婦人科部門も子宮筋腫などの良性疾患で実績を積み重ね、良性疾患の腹腔鏡手術は年間94例(平成29年1〜12月)、子宮鏡手術も62例(同)になった。さらに女性のヘルスケアに積極的に取り組み、更年期障害や思春期特有の疾患などの治療、漢方治療にも力を入れている。不妊治療を専門とする同院附属の「めぐみクリニック」との連携も万全だ。
「当院で出産した方が更年期になって来院されたり、ここで生まれたお子さんが大きくなって来院されたりしています。生涯にわたってお付き合いできる病院でありたいと思います」

無痛分娩の安全対策を徹底

 

自然分娩が主流の日本でも最近は無痛分娩を希望する女性が増え、同院では無痛分娩が全体の8割を超えた。特に同院は安全管理を徹底して実践。その成果を多くの学会で発表している。頻繁な血圧・酸素飽和濃度の測定、硬膜外麻酔の試験注入を怠らず、適正な麻酔の施術を心がけるほか、常に救急カートを準備し、救急処置のシミュレーション訓練を重ねて、有害事象が起きた際は迅速に呼吸・循環管理を行い、重大事故を防ぐ対策を徹底している。

24 時間365 日体制で子どもたちを見守るNICU

 

乳腺外科

医師、看護師、検査技師、スタッフが一丸となって患者をサポート。乳腺疾患の診療予約で困った際には、専門窓口で相談できるので安心。患者をより手厚くフォローできる組織体制を整えている

医師、看護師、検査技師、スタッフが一丸となって患者をサポート。乳腺疾患の診療予約で困った際には、専門窓口で相談できるので安心。患者をより手厚くフォローできる組織体制を整えている

早期病変も見逃さないように
精度の高い乳がん検査を実施

良性から悪性まで、乳腺疾患全般を診断・治療する同院の乳腺外科。女性医師や女性検査技師が中心となっているため、気軽に安心して受診できると多数の患者が治療や検診に訪れている。同院には乳腺疾患の診療経験豊富な医師だけでなく、検査技師が多数そろっていることも特徴だ。

乳がんの早期発見・早期治療に力を注いでいる同院。充実した検査設備を有し、女性がリラックスして検診が受けられるように検査着ひとつにまで工夫するなど、施設・環境を整えている。加えて、検査技師の確かな検査技術も同院が自負するところだ。乳がんの検査では、マンモグラフィ検査と超音波検査が中心になるが、特に超音波検査で数ミリ単位の微細な腫瘍を見つけられるかは技師の技量に依存する部分が大きい。
「超音波検査に入る前に、必ず過去の超音波検査結果と、先に撮ったマンモグラフィの画像、医師の診察記録をチェックし、早期の数ミリ単位の病変も見逃さないように努力しています」と市村萌検査科長は手順を説明するとともに、経過観察中の患者では過去の病変との違いが重要になるため、「その違いを医師に的確に伝えるための表現方法にも気を使っています」と続ける。
高精度な超音波検査を同院のすべての技師が行えるよう、特に乳がん検査の技能を高めるための講習を受けるように指導。技師は各自、技術研鑽に励んでいる。また、月に2回は超音波検査技師によるカンファレンスを開き、情報共有を図っている。
「病変が小さなうちに見つけることが大事ですが、患者さんに不安を与えることにならないよう、できるだけ偽陽性の幅を絞り込んで報告するために日々勉強しています」
同院は医師とスタッフの連携をスムーズにし、1日で検査を完了。乳がん検診で異常が見つかり、その日のうちに細胞組織診まで進んだケースもあるそうだ。気軽に受診をと呼びかける。

乳腺疾患の専門予約窓口を設置

 

正面玄関横には乳腺疾患の相談専門窓口が設けられ、乳腺疾患に詳しい医師やスタッフに相談しながら、一人ひとりの患者に合った受診方法が検討できる。診察の結果、要経過観察となった場合は、1年先の診療・検査予約や、受診日のお知らせがメールで届くというサービスも。

予約電話:03-3392-1489
受付時間:月〜金8:00〜11:00(当日分)
     月〜金9:00〜14:00(翌日以降)

正面玄関横に設置された乳腺疾患専門予約相談窓口

正面玄関横に設置された乳腺疾患専門予約相談窓口

消化器内科・外科

嶋根俊和先生

 

外科部長 佐々木 啓成先生(中央)
東京医科大学卒業。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医。外科のまとめ役であるとともに、消化器領域を中心に開腹手術、腹腔鏡手術の両方を手がける。

消化器内科医長 清水 雅文先生(左)
東京医科大学卒業。消化器全般を幅広く診療。患者との対話を重視する親しみやすい医師でありながら、高度な医療を提供できるように常に研鑽を重ねている。

内視鏡室長 糸川 文英先生(右)
東京医科大学卒業。日本消化器病学会消化器病専門医。消化器全般、中でも肝臓・胆道疾患が専門で、西洋薬から漢方薬まで含めた幅広い治療、ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)検査を得意とする。

内科と外科のチームワークは抜群
救急医療や内視鏡検査で実績築く

東京都指定二次救急病院として24時間体制で急患を受け入れる一方、近隣のクリニックからの紹介患者も多い同院。消化器領域では内科と外科が緊密に連携した診療体制が、救急医療においても、がんの早期発見においても力を発揮。小所帯ながら抜群のチームワークで実績を積み重ねている。

内科と外科の垣根がなく、文字どおり「消化器内科・外科」が一体となって緊密な連携の下で診療していることが、同院の大きな特徴だ。その背景となっているのは、消化器外科の佐々木啓成先生、消化器内科の清水雅文先生、糸川文英先生の3人が同じ大学の運動部出身という人間的なつながり。診療においてもそのチームワークは抜群で、内科と外科の相談がスムーズだ。「一人ひとりの患者さんに適した治療に努める姿勢と、小回りが利いてお待たせしないことで患者さんからも喜ばれています」と清水先生。
内科に緊急手術が必要な患者が来ても、直ちに外科手術に移れるため、救急患者の受け入れにも大きな力となっている。外科は限られたマンパワーながら手術症例は年々増加。患者の病状、体力、本人や家族の希望などを踏まえ、開腹手術、腹腔鏡手術の双方に臨機応変に対応する。佐々木先生は「入院中も患者さんとの対話を重ね、心身両面から回復を支えるように心がけています」と語る。
一方内科は、胃の不快感、下痢、便秘など身近な症状から、消化器のがん、炎症性疾患など重篤な疾患まで診療。「患者さんの思いを聞き、どんな疾患も垣根なく診ていきたいですね」と、にこやかな笑顔で清水先生が方針を示し、「できる限り原因を究明して完治をめざす一方、漢方なども併用して症状を緩和する医療も行います。よろず相談所のような役割ですから、何でもお気軽に相談してください」と糸川先生もほほ笑む。
3人のチームワークとホスピタリティーは、地域の患者から厚い信頼を寄せられている。

内視鏡検査室が3室体制に

 

内視鏡検査室を3室に増設。2016年度から杉並区の胃がん検診に内視鏡検査が加わったこともあり、検査実績も増加しつつある。糸川文英先生は膵臓がんや胆道がんの検査で多用されるERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)という特殊な検査も得意分野だ。また、内視鏡検査では、患者の苦痛を最小限に抑えるために、ほぼ全例で鎮静剤の使用を推奨。こうした点にも「こころとからだのいやし」を重んじる同院の理念が息づいている。

多くの人が快適に精密な検査ができるよう配慮されている内視鏡検査室

多くの人が快適に精密な検査ができるよう配慮されている内視鏡検査室

健診部門

伊藤 真夏先生

健康増進部医長
伊藤 真夏先生

1993年山形大学医学部卒業。2000年東京医科歯科大学大学院修了。都内病院や保健所などで勤務した後、2008年から「東京衛生病院」で勤務。公衆衛生の知識を生かし、現在、健診部門にて人間ドックなどを専門に担当。受診者の健康増進を図るため日々努力している。日本内科学会総合内科専門医、医学博士。

新鋭のマンモグラフィ装置で乳腺の検査を実施

新鋭のマンモグラフィ装置で乳腺の検査を実施

乳がんは日々のセルフチェックが大切。しこりがどのようなものかを乳がん模型で体験し、セルフチェックの練習ができる

乳がんは日々のセルフチェックが大切。しこりがどのようなものかを乳がん模型で体験し、セルフチェックの練習ができる

病気を早く見つけて治療につなぐ
女性に優しい、充実の健診施設

予防医療に力を入れる同院では、併設の健診施設で、人間ドック、特定健診、乳がん・子宮がん検診などさまざまな健診が受けられる。特にレディースコースなど女性向けのプログラムを充実させ、女性スタッフが対応している。健診後の精密検査や治療、保健指導もしっかりと行う仕組みが整っている。

昭和50年に健診事業をスタートさせた同院。平成21年に完成した健診施設では、快適な環境の下で多種多様な健診が行われている。女性の受診者が6割以上を占め、乳がん、子宮がん、骨粗しょう症の検診を中心とした「レディースコース」を多く実施。健康増進部の伊藤真夏医長は「健診部門の役割は病気を早く見つけるとともに、各診療科との懸け橋となって的確な治療につなげることです」と語る。
健診後に精密検査や治療の必要が生じた場合は、院内の各診療科や附属クリニックに紹介するだけでなく、健診データを電子カルテで共有するなど、質の高い治療を行うための仕組みを築いている。同時に「忙しい女性が健診にアクセスしやすい環境づくり」に配慮。年2回行う日曜日の乳がん検診「マンモグラフィー・サンデー」に続き、平成29年11月からは月1回、夕方の18時から受けられる「マンモグラフィー・イブニング」も開始した。平日は毎日、乳がん・子宮がん検診を行っているが、それらの検診はすべて女性のスタッフが担当。検査着やアメニティにも女性ならではの心配りが行き届いており、同院に女性受診者が集まる要因となっている。
また、保健指導にも力を注ぐ。人間ドック終了後に看護師、保健師、医師が個別に面談。検査結果に従って食事や運動、減量などの指導を行っている。人間ドック受診者のほぼ全員に保健指導を行うことで、健康への意識向上につなげるねらいだ。
「女性は、自分の健康を後回しにしがちです。ぜひ、健康診断を受けて、ご自分の健康も大切にしてください」

人気の高い女性向け健診

 

同院で今人気を集めているのが女性に向けた健診「レディースコース」だ。乳がん検診、子宮がん検診、骨粗しょう症検査を年代別に組み合わせたセットコースや単独コースなどから選択できる。優しい女性スタッフが、笑顔で患者を迎えている。

予約電話:03-3392-8079
受付時間:月〜木10:00〜16:00
      金 10:00〜14:00

健診部門の医師と看護師、スタッフ。女性が多く気配
りが行き届いている

健診部門の医師と看護師、スタッフ。女性が多く気配りが行き届いている

小児科

保田典子先生

小児科の保田典子先生。自身の子育て経験も踏まえたフォローが好評

ポップでカラフルな壁の絵は病院の理念に賛同した童話作家によるもの

ポップでカラフルな壁の絵は病院の理念に賛同した童話作家によるもの

附属クリニックとの連携による
迅速な対応と子育て支援が強み

4人の常勤医師が全員子育て経験者という心強いスタッフ構成の小児科。小児二次救急医療機関として救急や入院に対応するほか、同院附属クリニックとも連携して幅広く子どもの成長を支え、保護者をサポート。アレルギーや低身長、心臓病など専門性の高い診療にも力を入れている。

同院の小児科の大きな特徴は、子どもの治療だけでなく、妊娠期間を含めた育児中の両親のサポートに力を注いでいる点。乳幼児健診や予防接種での成長発達フォローはもちろんのこと、育児指導や母親同士の交流の場を設けているほか、月に数回、臨床心理士による心理相談も実施しており、産科の患者が多い同院ならではの取り組みだ。
現在、自身も子育て中の保田典子先生は、「喘息・肺炎・川崎病・低身長など、附属のクリニックで診察し、入院が必要となった場合でも、病院側でスムーズに対応できます」と話す。病院本体では、超音波やCTなどによる各種精密検査にも対応。アレルギーや低身長、心臓病などの専門性を生かした診療にも力を入れており、さまざまな角度から子育ての不安を受け止め、フォローする体制が整えられている。
「子育ては一人ではなく、皆で助け合って行うもの。困ったことがあれば、どんなことでもご相談ください」

小児歯科

左:歯科部長の坂口三奈子先生 右:小児歯科担当の西野賢愛先生

左:歯科部長の坂口三奈子先生 右:小児歯科担当の西野賢愛先生

明るい診察室で、幼児から高齢者までの口腔内のケアを重視し診療にあたる

明るい診察室で、幼児から高齢者までの口腔内のケアを重視し診療にあたる

健康な永久歯を育てるため
歯科を身近に感じられる工夫を

「予防歯科」に重点を置く小児歯科では、小児科や産科とも連携して幼少期のうちから健康な歯をつくる活動に力を入れている。乳歯の段階で食生活指導や染め出しによるブラッシング指導を実施。虫歯の治療ではできるだけ痛みや恐怖心を除く工夫により、歯科に通う習慣づけを行っている。

一般歯科から、インプラント治療、矯正歯科まで対応する同院の歯科。中でも注力するのが小児歯科だ。
「小児科や産科と連携しながら、妊娠中の口腔ケアやお子さんの歯の磨き方、生活習慣指導なども行い、健康な歯を守れるように心がけています」と話すのは小児歯科担当の西野賢愛先生。
予防歯科に重点を置いており、「幼いうちから歯科を身近に感じてもらいたい」と、診療中に笑顔で話しかけたり、音楽をかけたりといった工夫をしている。また、唾液による細菌感染を防ぐラバーダムや、子どもが落ち着いて治療を受けられるよう、恐怖心を軽減させるために笑気ガスを使用することも。
「子どもの歯を守るためには、こうした積み重ねに加え、親御さんの協力が不可欠です。まずは歯科を育児の一環と捉えて、定期的に通う習慣を身につけていただきたいですね」と坂口三奈子歯科部長。子どもの歯のことなら何でも相談できる頼れる存在だ。

緩和ケア内科

左:緩和ケア内科の尾阪咲弥花先生 右:緩和ケア医長の福田陽子先生

左:緩和ケア内科の尾阪咲弥花先生 右:緩和ケア医長の福田陽子先生

緩和ケア病棟内のチャペル。入院患者のために結婚式を執り行うことも

緩和ケア病棟内のチャペル。入院患者のために結婚式を執り行うことも

ぬくもりの療養空間と奉仕の心で
その人らしい最期の日々を支える

ホスピスと呼ばれる緩和ケア施設は、旅の巡礼者を泊め、看護もした欧州の教会に由来する。教会を母体とする同院も日本で先駆的に緩和ケアに取り組んできた。患者の心の葛藤にも向き合い、医療者とチャプレン(病院つき牧師)が最期まで充実した日々を送れるようにサポートしている。

穏やかな空気に包まれた緩和ケア病棟。緑豊かな中庭や温かなラウンジ、ゆっくりくつろげる家族室、そして心静かに祈りをささげるチャペルなど多彩な設備がそろう。
「患者さん一人ひとりに医療者が誠心誠意仕えるという理念に基づき、その人らしさを大切に過ごしていただけるよう、全人的なケアを行っています」と緩和ケア医長の福田陽子先生。
医師、看護師を中心とした医療スタッフが患者と家族の話を丁寧に聞き、心身の苦しみを緩和して勇気づけるほか、「チャプレン」と呼ばれる牧師が常駐して穏やかな最期を迎えられるよう心のケアを行うのも、同院ならではだ。「病室では小型犬や猫とのペット同伴が可能で、趣味を楽しむこともできます」と尾阪咲弥花先生。最期まで充実した日々を過ごしてもらおうと、スタッフは患者と家族にそっと寄り添い、希望をかなえるために懸命に努力する。そんなぬくもりにあふれたケアを日々実践している。

 

教会通りクリニック

ガラス張りの院内は明るく、エントランスの緑が印象

ガラス張りの院内は明るく、エントランスの緑が印象的

小児科と同じフロアにある眼科では、検査方法が特殊な小児の眼科診療も受けられる

小児科と同じフロアにある眼科では、検査方法が特殊な小児の眼科診療も受けられる

外来患者を受け入れる窓口
病院附属の教会通りクリニック

東京衛生病院の外来機能を担うのが附属施設、「教会通りクリニック」だ。入院と外来の動線を別にしたことで人の流れがスムーズになり、受診効率が向上。病院との連携も密で迅速に対応できる体制が整っている。同クリニックにない診療科の疾患や重篤な場合には、大学病院などに紹介するので安心だ。

東京衛生病院に隣接する教会通りクリニックは、病院の外来部門として平成17年に開院。ガラス張りのモダンな建物に内科、外科、整形外科、小児科、婦人科、眼科、泌尿器科、緩和ケア内科、皮膚科と幅広い診療科がそろう。
患者数は月間1万人前後。複数の診療科が集まるクリニックモールのような利便性と、精密検査や入院が必要なときに病院側での対応が可能なスピード感を併せ持っている。また、地域に密着するクリニックとして、近隣の医療機関との協力体制も重要視している。重篤なケースの場合は、医療連携を組む周辺地域の大学病院へ早急に紹介。同クリニックで対応していない耳鼻咽喉科や脳神経外科に関しては近隣クリニックの協力を得るなど、橋渡し的な役割を担っている。
同クリニックは、いわば病院本体の窓口のような存在。そのため、全スタッフの医療技術や接遇の向上、さらに幅広い層の患者が「通いたくなる」快適な雰囲気づくりに努めている。

 

施設紹介

在宅ケア部門

在宅ケア部門

病院に隣接する在宅ケア部門では、訪問看護・訪問介護ステーションおよびケアマネジャーが常駐する居宅介護支援事業所の各サービスを提供。在宅で療養する高齢者をサポートするほか、同院の緩和ケア内科と連携し、在宅で過ごすがん患者のターミナルケアに積極的に取り組んでいることも大きな特徴だ。最期まで患者に寄り添って奉仕するという病院の理念に沿って、こまやかなケアが提供され、利用者の厚い信頼に結びついている。

三育学院大学看護学部

三育学院大学看護学部

同院の隣には、系列校である三育学院大学看護学部の東京校舎がある。1928年に同院の看護学校として設立され、同じ理念に基づいた看護師教育を行っている。本校キャンパスは千葉県にあるが、東京校舎では3年次、4年次の学生が学び、同院で病院実習を行う。海外の系列大学との交流も盛んで、看護学生は世界レベルの看護技術と全人的看護ケアの精神を学ぶことができる。そして多くの卒業生が、同院で大いに存在感を発揮している。

 

病院に隣接する天沼教会。礼拝には地域の人や入院患者が集まり、心豊かな時間を過ごしている

病院に隣接する天沼教会。礼拝には地域の人や入院患者が集まり、心豊かな時間を過ごしている

病院エントランスホールにあるギフトショップ。日用品や体に優しい食品がそろい地域の人も利用する

病院エントランスホールにあるギフトショップ。日用品や体に優しい食品がそろい地域の人も利用する

看護体制

めざすのは「キリストに倣う看護」と語る平野美理香看護部長

めざすのは「キリストに倣う看護」と語る平野美理香看護部長

より良い看護を実践するために、看護の振り返りを行うリフレクション

より良い看護を実践するために、看護の振り返りを行うリフレクション

「キリストに倣う看護」をめざし
心を込めた安全で質の高いケアに努める

昭和4年の開院以来、長い歴史を歩んできた看護部。職員の半数以上を占める看護師は、患者を身近なところで支える役割を担う。それだけに、看護師の成長と看護の質向上をめざす取り組みに力を入れる。優しく患者に寄り添う姿勢と確かな技術の提供を大切に、安心できる看護を心がけている。

看護部では、「キリストに倣う看護」をモットーに掲げて、安全で質の高い看護の提供をめざすとともに、患者の立場や気持ちを考えた全人的ケアを実践している。
「患者さん自身が大切にされていると感じられるよう、優しく配慮のある看護を心がけています」と語るのは、副院長を兼任する平野美理香看護部長。
院内の至る所にホスピタリティーが根付く同院だが、中でも看護部は患者を身近に支える存在だけに、近年は接遇教育に注力。身だしなみから表情まで細かくチェックし、温かい対応につなげているという。
また、看護師自身がやりがいを持って働くことが、看護の向上に結びつくとして、人材育成にも努めている。リフレクションと呼ばれる看護の振り返りや、インターネットでの教育を取り入れているのもその一環。同院の理念を深く理解した看護師たちが、医療の第一線で活躍している。

卵乳菜食

卵乳菜食

生活習慣病の予防と改善に効果的な
肉・魚を使わないベジタリアン食

入院患者の食事で、「卵乳菜食」というスタイルを提供している同院。植物性食品を中心とした食事に卵と乳製品を加えたもので、無理なく取り入れられ、栄養的にも優れているのがメリット。大豆や小麦からできた植物性ミート製品も活用しているため、普段、肉や魚を食べている人でも満足できるボリュームなのだそう。卵乳菜食は最近の研究で、生活習慣病の予防と改善に効果があるとされているが、特に患者が多い産科では、母乳の分泌促進や便秘の予防・改善にも役立っているそうだ。

健康講座

健康講座

予防視点の充実したプログラムで
地域住民の健康をサポート

創立以来、予防医療に注力してきた同院では、8つの健康法則(栄養、運動、水、日光、節制、呼吸、休息、信頼)を取り入れた「NEWSTART健康相談」を実施。生活習慣の改善や健康的なライフスタイルを学ぶことができる。「子育て世代向けの出産・育児関連の講座、認知症予防講座や減量講座など、世代別のプログラムが充実しています」と健康教育科長の仲本桂子さん。患者や地域の人々の健康増進に向けたイベントなども開催し、地域との交わりも大切にしているのが特徴だ。



◆東京衛生病院 基本情報はこちら


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