肛門周囲膿瘍とは、肛門の周囲にできる感染症の一種で、肛門内部の粘膜の裏側に、うみがたまった状態のこと。膿が排出される際、肛門の周りや直腸の方へトンネル状の細い空間ができてしまった場合を痔ろうという。肛門内部にある肛門腺と呼ばれる部分が傷つき、そこに細菌が入り込んで化膿することが原因。
肛門周囲膿瘍/痔ろうの症状、治療内容から初診に適した診断科目まで適切な病院・クリニック、医者の選択のために必要な知識をピックアップしました。肛門周囲膿瘍/痔ろうについて正しく理解しましょう。
肛門周囲膿瘍/痔ろうこうもんしゅういのうよう/じろう)
■肛門周囲膿瘍/痔ろうとは
■症状
肛門周囲膿瘍は、腫れ・痛み・発熱が突然押し寄せてくる。皮膚に赤みがあったり、たまっていた膿が破けて出てきたりすることも。ただし状態が安定している痔ろうの場合には、痔ろうそのものによる直接的な症状はあまりない。
■診断内容
肛門部分を診て、赤みや膿、しこり、トンネル状の穴などの有無を確認し、指診(直腸診)で肛門の内部の様子を調べる。ほかに肛門鏡検査、肛門超音波(エコー)検査、造影CT検査などを行うことも。また、痔ろうの正確な位置や状態が触診でもわからない場合、MRIなどの画像診断を活用する。
■治療内容
切開して膿の出口を作った上で膿を排出させ、抗菌薬と痛み止めを内服する。経過を見て、繰り返し膿が出るようであれば手術を行う。手術には、括約筋ごと大きく切除する開放術、トンネルをくりぬく括約筋温存術、膿の通り道の中にゴムまたは糸などを通し、輪にして縛ることで切除する痔ろう結紮(けっさつ)療法(シートン法)など複数の方法がある。
■予防方法、治療後の注意
下痢は痔ろうの症状を悪化させるため、アルコールや暴飲・暴食はなるべく避けること。
■初診に適した診療科目