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記事公開日:2022/12/26

最終更新日:2024/01/16

看護師の退職の伝え方や退職届の書き方をご紹介

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勤めている職場をスムーズに退職することは、転職活動で失敗しないための重要なポイントの一つ。「内定がもらえたけど、今の職場の退職に想定以上に時間がかかってしまって、入職を諦めるしかなさそう……」という声は少なくありません。

そこで、この記事では看護師に向けて、転職を理由とした退職の進め方について解説します。円満に退職して次の職場で気持ち良く新しいスタートを切れるように、注意したいポイントを見ていきましょう。

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1 看護師が退職を伝えるタイミングは?

そもそも退職は、いつまでに職場に伝える必要があるのでしょうか。まずは、退職を申し出なければいけない期間についてのルールを見ていきましょう。

法律では、無期雇用で働いている一般的な正職員の場合、「退職を申し出た日から14日後に退職できる」と規定されています(民法第627条第1項)。つまり、退職したい日の2週間前までに職場に伝えればOKということです。

しかし2週間では、退職日までに仕事の引き継ぎを済ませたり、クリニック側が新しくスタッフを採用したりするのが困難な場合も。そこで各職場では、引き継ぎや人員補充にかかる期間などを踏まえて、就業規則で「2ヵ月前までに申し出るように」といった退職に関するルールを定めていることが多いです。円満退職をめざす上では、自分の職場にあるかもしれない就業規則の退職ルールに沿って退職を進めていくことをお勧めします。

なお、看護主任や看護師長などの役職に就いている場合、役職に就いていない場合よりも早期に退職を申し出るようルール化されているケースも。役職者の退職は現場のマネジメント上の影響が大きく、また後任を探すのに時間がかかる可能性があるためです。

クリニックによっては就業規則がなかったり、退職に申し出る期日が定められてなかったりするケースもあります。退職の申し出の時期としては、役職者ではない場合は「1~2ヵ月前までに」、役職者の場合は「3~6ヵ月前までに」というのが一般的なので、これくらい余裕を持って退職を申し出るのが無難でしょう。

2 看護師の退職交渉の進め方

ここからは退職に向けた話の進め方を見ていきましょう。

●退職は誰に、どうやって伝えるべき?

退職を申し出る相手は、クリニックや病院によって異なります。主任や師長、マネジャーなどの「上長」がいる場合はその人に、そういった直属の上長がいない場合は院長へ伝えるのが一般的です。

ここで避けたいのは、先に同僚たちに退職すると話してしまうこと。噂が広まって、人づてで本来伝えるべき立場の人の耳に入ってしまうのは、避けなければなりません。なぜなら、このような形で退職の話を聞くのは、院長や上長にとって決して気持ちの良いものではなく、退職交渉がこじれる原因にもなりかねないからです。
また、退職は同僚の士気にも影響しやすいので、決定した後も自分から同僚たちに退職についてふれ回るのは避けるべきでしょう。この場合は「引き継ぎを進めるため、退職について自分から同僚へ伝えても良いでしょうか」と院長や上長に指示を仰いだり、退職について同僚に公表してもらえる日を確認し、それまでは自分から同僚に伝えるのは控えたりするなど、院長・上長の意向を確認しながら進めていくと良いでしょう。

退職について話題にする際は、職場の不満や悪口、ネガティブな情報を伝えるのはNGです。たとえ職場に不満があったとしても、このような言動は雰囲気を悪くしたり働き続ける人のモチベーションに悪影響を及ぼしたりするだけで、結局は一時的な鬱憤晴らしにしかならず、後悔することがほとんど。気持ち良く退職するためにも、「大人の対応」をめざしてください。

●退職日の決め方

退職日は、院長や上司との話し合いの中で決めていきます。あなたの希望時期だけでなく、業務の引き継ぎ期間、有休の消化期間、職場の繁忙期などが退職日の確定に影響します。
もし、すでに次の転職先が決まっていて入職日の調整中の場合、退職日がいつに決まるかやきもきすることもあると思われます。そのためにも、退職交渉はできるだけ早く持ちかけるのがベターです。

●引き継ぎについて

退職日が決まったら、職場に迷惑がかからないようにしっかりと引き継ぎをしましょう。後任の人としっかりとコミュニケーションを取って、必要であれば引き継ぎリストなどを作成すると良いでしょう。

3 退職願と退職届の役割・書き方

退職時には「退職願」や「退職届」を提出しなければならないと思っている人もいるのではないでしょうか。
退職願と退職届は一見すると同じものと思われがちですが、じつは書類として明確に役割が違います。提出の必要性や提出時期も異なるため、詳しく解説します。

●退職願と退職届の違い

退職願は「退職したい」という要望を書面にまとめたものです。退職を申し出るタイミングで提出する書類ですが、一般的には口頭で退職意思を伝えることが退職願の代わりとなるので、使われないことも多いです。
退職願の提出が必要となるケースとしては、例えば退職を申し出たのに院長や上長などが取り合ってくれないとき。こういう場合は、退職を申し出た証明書として提出することで話が進展することが期待できます。また、職場の退職ルールとして「退職を申し出る際は、退職願を提出すること」などと決められている場合も、提出が必要となります。
なお、退職願はあくまで退職の要望なので、一度提出した後に撤回することも可能です。

一方、退職届は「退職する」という決定事項を職場に届け出る書類。提出したら撤回することは基本的にできません。
退職届は、「退職者の自己都合による退職であること」を証明する書類として、提出を必須としている職場が多い傾向にあります。職場との間で退職日なども決まって、退職が決定した段階で提出を指示されるのが一般的なので、その際は速やかに提出しましょう。

●退職願・退職届の書き方

退職願と退職届の記載例とともに、書く際のポイントを紹介します。

【退職願の文例】

退職願の文例

 

【退職届の文例】

退職届の文例

①退職願・退職届共通

  • 職場で指定されていない限りは、手書きでもパソコン作成でもOKです。返却されないので、手書きの場合は控えとしてコピーを取っておくと◎。
  • 職場で指定されていない限りは、縦書きと横書きのどちらでもOK。一般的には縦書きが多く、本記事でも縦書きでの書き方を紹介しています。
  • 便箋はA4かB5が一般的で、けい線はあってもなくてもどちらでも問題ありません。
  • 冒頭に「私儀(「わたくしぎ」と読む)」、「私事(「わたくしごと」「しじ」と読む)」のどちらかを記載します。これは「個人的なことですが」という意味があり、「私儀」のほうがよりフォーマルな表現なのでお勧めです。
  • 退職理由は「一身上の都合により」とぼかして書きましょう。
  • 所属部署・名前の直前に記載する日付は、作成日ではなく提出日なので注意しましょう。なお、文例では和暦を用いていますが、西暦でもOKです。
  • 所属部署と名前の後に捺印します(認印でOK)。
  • 最後に最高執行責任者(院長、理事長、代表取締役社長など)の役職と名前を宛名として記載します。敬称は「殿」「様」のどちらでも構いませんが、「殿」を用いるのが一般的。また、相手の名前が自分の名前よりも上の位置になるように書くのがマナーとされています。

②退職願の場合

  • 退職の確定前なので、「退職する」ではなく「退職したい」と要望する表現を用いましょう。
  • 記載する退職日は本人希望を書きます。ただし、退職交渉によって変更となる場合がある点は留意しておきましょう。

③退職届の場合

  • 退職が確定しているので、「退職する」という断定する表現を用いましょう。
  • 記載する退職日は、職場との擦り合わせで確定した日にちを記載します。

●退職願・退職届で使用する封筒

退職願や退職届で使用する封筒のルールやマナーについては、2つの書類で大きな違いはありません。封筒の選び方や書き方、入れ方を見ていきましょう。

【封筒の記入例】

退職願・退職届の封筒の書き方例

①退職願・退職届に使用する封筒の選び方

  • A4の便箋の場合は長形3号(縦235ミリ×横120ミリ)、B5の便箋の場合は長形4号(縦205ミリ×横90ミリ)の封筒を選ぶと◎。
  • 目上の人へ提出する重要書類のため、機密性とマナーの面から白色の二重封筒がベターです。
  • 手渡しするものなので、表面に郵便番号の欄が設けられていないものを選んでください。

②封筒の書き方

  • 表面には「退職願」もしくは「退職届」とだけ書き、宛名は不要です。
  • 裏面の左下に所属部署と名前を書きましょう。

③封筒への入れ方

  • 文面を隠すように3つに折り曲げる「巻三つ折り」がベターです。四つ折りや二つ折りはマナー上、避けたほうが良いでしょう。
  • 基本的にはのりづけ不要で、ふた(フラップ)を折り曲げるのみでOK。ただし、のりシールがついている封筒を用いる場合は、のりづけしておきましょう。
  • のりづけした場合は、閉じていることを表す「〆」を記入しましょう。

4 引き止めへの心構えと応じ方

退職の意思を伝えると、「理由」や「次の職場が決まっているのか」を聞かれやすいです。そして、慰留されることも少なくありません。

すでに次の職場が決まっている場合は、相手先もあるため引き止めは難しいと判断してもらえることが多いでしょう。一方、これから本格的に転職活動を行う段階での退職交渉の場合、転職先の目途が立っていないため、引き止められると辞めることへの意思が揺らぎやすいものです。
例えば転職を決意した理由が「給料に関する不満」だったとき、「次の査定で給料アップさせるから続けてくれないか」など、退職要因の解決策を提示してくれることも考えられます。その場合、「退職せず、このまま頑張っていこうか」と思うこともあるでしょう。

ここで大切なのは、提示された解決案で退職要因が本当に解消されるのなら、退職を撤回して今の職場で引き続き頑張るという決断は必ずしも間違いではないということ。
しかし、一時的な気持ちの揺れ動きで退職を撤回しても、後々また転職したくなるのが容易に想像できるのであれば、退職の決意を貫くほうが長い目で見ると自分にも職場にも良い結論といえるかもしれません。
いずれにしても引き止めにあった際にも冷静に判断できるように、「なぜ退職したいのか」「転職で何を実現させたいのか」など、あらかじめ考えをまとめておくことをお勧めします。

なお、引き止めをされたくないからと、退職理由で明らかなうそをつくのはお勧めしません。事実ではないのに「家族の転勤のため」「家族の介護のため」といった理由を挙げるのは、うそだとわかったときに信頼を大きく損ねるのはもちろん、仮にわからなくても後ろめたさを感じ続けることに。これでは転職先で自信を持って働くのも難しくなってしまうのでマイナスにしかなりません。

とはいえ、退職を決意した大きな要因が交渉相手である上長や院長への不満だった場合など、そのまま伝えるのは退職交渉に支障を来すことも実際にあります。こういう場合に、本音を伏せて「新しい環境でスキルアップを図りたいため」といった建て前を用いるのは間違いではありません。
うそと建て前の違いは少々わかりづらいですが、うそが事実ではないことを事実として伝えるものであるのに対して、「建て前」は相手を尊重し節度を保つためにあえて本音を伏せるというコミュニケーションの手段です。本音を伝えるのが難しいと思う場合は、うそで乗りきろうとするのではなく、建て前を用いて相手を納得させることを心がけてください。

5 退職時に職場へ返却するもの/職場から返却・発行してもらえるもの

最後に、退職者が職場へ返却するものと、職場から返却・発行してもらえるものを確認しておきましょう。職場によって違いはありますが、以下の内容が一般的です。

●職場へ返却するもの

健康保険証
貸与物
 (制服、靴、携帯電話など)
身分証明書
 (名刺、社員証、IDカードなど)

●職場から返却・発行してもらえるもの

年金手帳
 (勤務先に預けている場合に返却される)
雇用保険被保険者証
 (勤務先に預けている場合に返却される)
雇用保険被保険者離職票
 (本人の希望があれば退職後に発行・送付される)
給与所得の源泉徴収票
 (退職後に発行・送付される)
健康保険被保険者資格喪失確認通知書
 (退職後に発行・送付される)

◇    ◇    ◇

以上、上手な退職の進め方・円満退職のコツについて紹介しました。
転職先にスムーズに移るため、転職活動に本腰を入れるためにも、現職の退職を順調に進めることも重要な転職活動の一つ。この記事を参考に、新しいステージへの一歩を踏み出していきましょう。

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こちらの記事の執筆者
石川 由紀子

ライター

立命館大学卒業後、広告業界を経て独立。イベント企画やラジオ出演などを通じて各業界との交流も深い。東京・名古屋・関西圏を中心に現在は経営者やアーティストへのキャリアアドバイザーを務めながら、ライターとして活躍。得意な業界は医療・教育と日本文化。また自宅サロンではIKEBANA Lessonを開催、インターナショナルスクールに通う1児の母でもある。

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