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竹島皮フ科医院 (葛飾区/青砥駅)

竹島 真徳 院長の独自取材記事

青砥駅から徒歩約5分。「竹島皮フ科医院」は、開業20年以上を数える皮膚科専門クリニックだ。2018年5月に同院のあるメディカルビル全体が改築を終え、真新しい院内環境で再スタートした。高齢者や車いすを利用する人も通院しやすいようエレベーターが設けられ、院内はバリアフリー設計になっている。アトピー性皮膚炎、真菌症(水虫などカビによる感染症)を専門とする竹島真徳院長は、帝京大学医学部附属病院皮膚科医局在籍後、国立国際医療研究センターや埼玉県の小川赤十字病院で10年以上経験を積み1993年に開業。地域に根差した皮膚科専門の医師というぶれない指針に沿って、患者との信頼関係を大切にした診療を続けている。穏やかな口調から、その温かな人柄が伝わってくる竹島院長に話を聞いた。

医師と看護士が適切な薬の塗り方を丁寧に指導

開院して20年以上と伺っています。葛飾区とのご縁は何かあるのですか?

出身は福岡県で、幼少期は父の仕事の関係で引越しを繰り返していました。東京暮らしが一番長いのですが、青砥はこのビルの1階にある調剤薬局を経営する友人の地元というご縁で、1993年に開業しました。皮膚科専門の医師としてこの地で根差していければとの思いで診療を続け、今も昔も地域医療に貢献できる「町医者」であることをモットーにしています。患者さんは近隣の方がほとんどで、特にお年寄りとお子さんが多く、子どもの時から通ってくれている若い方もいらっしゃいます。冬の乾燥による皮膚疾患、夏の水虫や細菌性疾患など季節性の疾患のほか、お年寄りは乾燥症や加齢による諸症状、子どもは虫刺症やアトピー性皮膚炎などで来院される方が多いですね。

先生のご専門はアトピー性皮膚炎と伺いました。

大学や出張先の国立国際医療研究センターの恩師が、アトピー性皮膚炎と真菌症を専門としていたことから特に深く指導していただきました。アトピー性皮膚炎は患者さんの数が多く治療法も多岐にわたることから、「この治療がいいらしい」となると一気に話題となって、ざまざまな民間療法が後を絶ちません。「アトピービジネス」という言葉が生まれるぐらい、効果の怪しい薬や治療法が蔓延し、間違った知識や思い込みを持っている方も多くいらっしゃいます。アトピー性皮膚炎はすぐに治るものではなく、まず軽いうちに症状を鎮め、体質が変わっていくのをゆっくり待つしかないのですが、中にはお子さんの治療で「ステロイドは使いたくない」というお母さんもいらっしゃいます。薬を使って適切な処置ができないと雪だるま式にひどくなることがあり、成人になる頃には心にも影響が出ることがあるので注意が必要です。

診療スペースのベッド脇に塗り薬がたくさんありますね。

薬で処置する時は、私や看護士が薬の塗り方を指導しています。近年では、薬の塗り方は「たっぷりべったり塗りなさい」が主流になっていますが、実際に患者さんに薬を塗る先生はあまり多くないので、塗った後の感触などはご存じない方が多いのではと思います。たくさん塗った分皮膚に長く残って、効能の持続性が期待できるという医学的な根拠もありますが、べたべた塗っても感触が良くないので、ほど良いのがいいですね。薬の使い方が間違っているために、治療の成果がなかなか上がらないことも多いので、どういうタイミングでどれだけの量を塗ればいいのかはとても大切なこと。当院では疾患の病状部位に応じて薬の扱い方をしっかり説明し、調剤薬局とも密な連携を取って、どんな薬を処方する時も私が言ったことをしっかり伝えてもらっています。

「病は気から」。大切にしたいのは患者との信頼関係

先生が医師になられた理由、皮膚科を選ばれたきっかけを教えてください。

父が勤務医でしたので、「医者の子は医者」という当時の風潮に流されたということですかね。ですが、医師は人の役に立てますし、治療からいい結果につながれば患者さんにも感謝していただけ、とてもやりがいを感じられる仕事だと思います。もちろん、どの仕事にもやりがいはあると思いますが、この仕事を選んで本当に良かったなと思いますね。父親は耳鼻科医師なので、耳鼻科の医局に入るつもりでしたが、当時、同級生が入る予定だった皮膚科の医局によく遊びに行き、そこで出会った先生から「耳鼻科はきついぞ」など、いろいろ吹き込まれまして(笑)。熱心に皮膚科に誘っていただいたことから、耳鼻科に不義理をして皮膚科に入りました。その先生をはじめ良い先生に巡り合うことができ、学術的なことはもちろん、人間的にもたくさんのことを教えていただきました。

診療で大事にされていることは何でしょう?

「病は気から」といいますが、診療においても「この先生嫌だな」と思ったら治るものも治らないと思うんですね。他院で処方されたものと同じ薬でも「ここに来て良かった」と喜んでもらえると、本当にうれしくなります。じんましんや湿疹などストレス性のものも多い疾患では、「塗ってすぐに変化が出た」と言ってくれる患者さんもいらっしゃいます。基本的なことですが、患者さんが訴えていることを理解することと、思いやりをもって接することが大切だと思いますね。お子さんの診察でも「湿疹がひどいですね」と言えば、その「ひどい」という言葉に自分が責められているように感じてしまうお母さんもいらっしゃいますから、言葉遣いにも気をつけて、ソフトな対応を心がけています。

長年地域医療に携わる中で、変化を感じることはありますか?

赤ちゃんだった患者さんが成人になり、働き盛りだった人が高齢者になるのを見ていていると感慨深いものがあります。医療保険のシステムや医療技術にも時代とともに大きな変化があります。また、インターネットが普及したことで病気のことも薬のこともよく調べていらっしゃる患者さんが増えましたね。アトピー性皮膚炎でいえば、近年、クリニックで使える注射剤が出てきました。まだ新しい治療法ですし高価な薬なので、まずは様子を見て必要があれば導入していきたいと思っています。

皮膚科専門医師として長く地域医療に携わっていきたい

皮膚疾患は主にどんな原因で起こるのでしょう?

すべての病気に言えることですが、ストレスは一つの大きな要因です。特に大人のアトピー性皮膚炎やじんましんは疲れやストレス、不規則な生活、寝不足などからくることがほとんどです。とはいえ、皮膚科には「皮膚は内臓の鏡」という言葉もあり、まれに肝臓や内臓の疲れが原因の方もいらっしゃいます。診療の際、疑いのある場合や患者さんが不安に思っている場合は、肝機能やアレルギーなどの検査を行い不安を取り除くことに努めています。ストレスが原因の場合、根本的に改善するには体の調子を整える、気分転換をする、生活習慣を変えるといったことが必要ですが、急に変えるのは実質無理なことがほとんどなので、個々人の事情や症状に合わせ、抗アレルギー剤や痒み止めを使う対症療法で症状を鎮めながら改善をめざしていきます。

今後の展望をお聞かせください。

開院当初から行っている往診は、今後も続けていきたいですね。床ずれやおむつかぶれなどのほか特殊な疾患もあり「専門の先生に診てもらいたい」というご依頼は数多くありますので、往診は体力が続くかぎり行っていきたいです。また、以前は階段しかなかったので、特にご高齢の方にはご不便をおかけしていましたが、2018年の5月にビル全体の改築が終了し、エレベーターを設置していただくことができました。スタッフにも恵まれ、患者さんに対する接遇をしっかり身につけていただいています。ここを改築している時「閉院したのかと心配した」と言ってくださる患者さんもいらっしゃいました。そういう患者さんの思いに応えるためにも、これまでどおりの診療を長く続けていきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

皮膚科の疾患は慢性アトピーをはじめ治療に時間のかかる病気が多いので、信頼のおけるクリニックや医療機関を探して、1つのところで根気よく治療を続けることを大切にしてください。どんどん進歩する技術に対し、昔ながらの「何でも相談できるお医者さん」といった医師と患者さんの信頼関係が薄れてしまっているようにも感じますが、これからも患者さんとの信頼関係を大切にした診療を続けていきたいと思います。

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