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ヤマモトデンタルクリニック高円寺 (杉並区/高円寺駅)

山本 明子 院長の独自取材記事

JR中央線・総武線の高円寺駅から徒歩5分ほどのビル2階にある「ヤマモトデンタルクリニック高円寺」。患者との対話を何よりも大切にしている山本明子院長を慕って、近隣のみならず、関東近郊などから多くの患者が足を運ぶという。診療ユニット2台というコンパクトなクリニックだが、歯科用CTやレーザーなどの機器も備えている。ビル内の別フロアには技工室もあるため、簡単な修復なら翌日に対応することもできるという。幅広く歯科診療を手がける中で、小児歯科にも注力。本格的な矯正の前段階における咬合育成のほか、恐怖感から歯科治療を拒む子どもたちにも根気強く関わり、治療できるまで誘導することに努めている。そんな山本院長に開業の経緯や診療スタンス、子どもへの接し方などについて詳しく聞いた。

なんでも話せるアットホームな雰囲気を大切にしたい

こちらに開業された理由を教えてください。

開業は2001年です。私は子どもが2人いるのですが、子育てもしたかったし、歯科医師も続けたかった。ただ当時は歯科医師同士で結婚した場合には子どもができると家庭に入って仕事を辞めてしまう大学の仲間も多かったのです。私の主人も歯科医師ですが、「歯科医師になったのだから続けるのが責務だ」と考える人で、家庭に入ってほしくないと。ですから私は妊娠中も出産後も、都内の医療法人など複数のクリニックで勤務してきましたが、やはり勤務医だと休みをもらうのも難しいですよね。そこでいろいろ考えた末、長男が小学校に入学するタイミングで開業しました。

では、もうすぐ開業から20年になるのですね。

はい。開業した当初は、業者さんから「ここは都内で最小の歯科医院だと思います」と言われたんですよ。今は別のフロアも借りて技工室やスタッフの休憩室として使っているので、少しスペースに余裕ができました。これだけ狭い見た目ですから、患者さんから「CTはどこで撮ってきたらいいですか?」「レーザーはここではできませんよね?」なんて言われることも多いですが、実はCTもレーザーも設置しているんです。「ここでできますよ」と答えると、患者さんが驚かれるほどです。技工室がありますから保険の入れ歯などは短期間でできますし、詰め物やかぶせ物なども簡単な修理なら翌日にできるのもメリットではないでしょうか。

患者さんと接する上で、どのようなことを大切にしていらっしゃいますか。

患者さんからよくお聞きするのが、「なかなかこちらの話を聞いてもらえない」「じっくり話せる雰囲気じゃない」といった不満です。そこから私が感じたのは、実は患者さんはもっともっと話したいと思っているのだということ。ですから患者さんの話をよく聞くようにしています。かかりつけの先生が別にいらして、私に本音の部分を話してくださった時、「それ、かかりつけの先生に言って良いんだよ」とお伝えすることもあります。また、お子さんを診療するとき、特に初めての歯科診療の場合は、歯科治療がトラウマにならないように心がけています。小さい頃から診療していた子が社会人になって家を出て、帰省したときに「診てもらって良いですか」と来院されるとうれしいですね。患者さんにとって本音を話しやすくて垣根が低い歯科医師だと感じてもらえる、アットホームな感じで戻って来てくれる、そんな関係を大事にしたいと思っています。

歯科治療に恐怖感を持つ子どもにも根気強く向き合う

来院される患者さんは、どのような方が多いのでしょう。

一般的な虫歯治療から入れ歯、小児歯科など歯科全般を手がけているので、患者さんの層は幅広く、0歳からご高齢の方までいらっしゃいます。割合で見ると、幼稚園児から小学生の子どもが少々多いかもしれません。最近はお子さんの口の中をしっかり見て、歯の健康についてよく勉強されているお母さんが増えている印象を受けます。ですから幼稚園くらいの早い段階で、お子さんの歯並びに関するご相談をされる方も多いですね。骨格的な問題など難症例の場合は専門の先生をご紹介しますが、小さいうちは案外簡単に歯並びを整えることをめざせるケースもあるのです。受け口と言われる反対咬合であれば3~4歳から、歯が重なり合ってデコボコしている単純な叢生なら年長さんくらいから、ご相談に応じています。

お子さんの歯並びについてご相談された場合に、具体的にどういったことをするのですか。

生え替わりの時期、「乳歯が抜ける前に永久歯が少しずれた位置に生えてきてしまった」といったお悩みはよく聞きます。ある程度の本数の歯が生え替わるまで様子を見るケースが多いんですが、実は中には様子を見ていては手遅れになってしまうケースもあるんです。ですから歯並びが気になる場合は、早めに取りかかること。そうすれば本格的な矯正までしなくてもきれいにすることをめざせますし、たとえ矯正治療が必要になったとしても短期間で済むことが多いのです。そのため必要に応じて、比較的早い段階で咬合育成という予防的なアプローチを始めます。例えば、夜寝ている時間だけマウスピース型装置をつけるとか。あとはお子さんの姿勢や呼吸法など、歯並びに悪影響を与えるような生活習慣の改善指導も行っています。

力を入れている治療や、得意な分野はありますか。

特に専門分野があるわけではないのですが、あえて言うなら子どもの治療でしょうか。最初に勤めていた法人で、治療拒否児のようなお子さんを診療する先生についていたのです。入り口で泣き出してしまったり、ユニットに座ることもできなかったりするお子さんなどを、たくさん診てきました。それは非常に良い経験だったと思います。さらに自分も子どもを産んで育てて子どもと接しているうちに、その子の性格に合った治療があると感じるようになりました。例えば、お母さんよりちょっと厳しい感じで接したほうが良い子と、ずっと甘えさせて褒めれば治療ができる子など、お子さんによってさまざまです。ですから治療をいやがる子には、とにかく何度も何度も根気強く通っていただいて、私と、この空間に慣れてもらうことから始めます。また会話の中から、お子さんの性格やお母さんとの関係性などもくみ取りつつ、その子に合った方法を導き出すようにしています。

困ったときに思い出す、頼れる存在でありたい

先生はなぜ、歯科医師を志したのでしょうか。

私は島根県の出身なのですが、実家は祖父の代から歯科医院だったんです。父がそこを継いだので、歯科医師が小さい頃から一番身近な職業でした。歯のことで困ったら地域の皆さんが頼る場所というような、地域に根差した歯科医院だったので、祖父も父も本当に忙しそうに働いていたのを覚えています。そういった環境で育ったこともあり、弟を含めた私たち3人きょうだいも、今では皆歯科医師です。父も高齢になったので実家の歯科医院は閉院しましたが、車で比較的近いエリアに弟が開業し、患者さんは皆さんそちらに引き継ぐことができたので安心しています。

プライベートな時間は、どのようにお過ごしですか。

休日には主人とゴルフに出かけるのが、一番のリフレッシュになっています。体を動かすことが大好きなんですが、一日中どこにも出かけずにDVDで映画を見ていたりすることもあります。とはいえ家庭の主婦ですから、家の中でやることは常に山積み。本当は読書も好きなのでじっくり読みたいんですが、なかなか集中して読めるような時間が取れないので、おあずけになっています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

ここで20年近く診療を続けてきて、ありがたいことに長く通ってくださっている患者さんが大勢いらっしゃいます。最近では「今度実家の父が来たいって言っているんですけど」という方や、4~5歳の頃からずっと通っていたお子さんが成人して、「子どもを連れて来ても良いですか?」と言われたり、実際にお子さん連れで来られたりするケースも増えてきました。必ずしも近隣にお住まいなわけではないのに、ご家族のかかりつけとして頼りにしてくださる方がたくさんいらして、本当にうれしい限りです。これからも困ったことがあればなんでも相談に応じますのでどうぞお気軽にご相談ください。

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