山手歯科クリニック (品川区/大井町駅)
齋藤 和重 理事長の独自取材記事
大井町駅から徒歩4分、池上通り沿いのマンション1階に、世界水準の治療を追求する「山手歯科クリニック」はある。一歩院内に入ると、そこには洗練された空間が広がり、受付のコンシェルジュは笑顔で患者を迎えてくれる。その様子はまるでホテルのようだ。「モットーである“質の高い治療”に見合う雰囲気のクリニックをめざしました」と話す齋藤和重理事長は、開業以来患者のあらゆる要望と真摯に向き合い、保険診療内の治療にとどまらず一歩進んだ自由診療に注力してきた。重症の患者にも解決策を探しながら向き合う同院。齋藤理事長に同院の理念について詳しく聞いた。
世界水準の歯科治療の提供をめざして
まるでホテルのような受付ですね。驚きました。
院内にはアロマをたき、快適な空間でお迎えしています。待合室には歯科医師から受付までスタッフ全員の名前を掲げています。患者さんにみんなの名前を公表した上で治療をお受けいただきたいと考えているからです。1999年に開業してから2度の改装を経て現在のようになりました。私は、患者さんに世界水準の治療を提供したいと思っているんです。そのためにはどうしても保険外の治療が主になりますから、選んでくださる患者さんのために、それ相応の雰囲気づくりをめざしました。
開業から20年たちますが、院内の設備もリフォームされていると伺いました。
医療機器は年々進化していますから、必要に応じて当院の設備もアップデートしています。診療ユニットは現在6台ありますが、座り心地、寝心地の良さ、そして何より治療器具の操作性にこだわったドイツメーカーのものを導入しています。また、お口を照らすオペライトは歯茎の細かい部分までしっかりと見やすく、しかも手元に影ができにくいものを使用しています。これを導入したことで、正確かつ精密な治療をめざすことが可能になりました。あとは、デジタル化の時代なのでCAD/CAMシステムも導入しています。CAD/CAMシステムはかぶせ物などを自動で作製するためのシステムで、口の中をカメラで撮影して、コンピューター上で3D設計しながら人工歯を任意の形に設定します。目に見えない部分では、ちりをなくすための手術用空気清浄ユニットも活用しています。
設備の充実に力を入れられているのですね。
患者さんにはあまり知っていただく機会のないことですが、設備はどれも一流品と思えるものをそろえています。中でも歯科用CTは、私にとってどの分野の治療にも役立っている設備ですね。以前はエックス線を使って2次元の世界で見て、「こうだろう」と想像していました。それがCTを導入してからは、悪い箇所、骨の形、神経の通り道などを3次元で捉えることが図れるようになり、診断の確定につなげられるようになったんです。もう一つ、マイクロスコープも私には欠かせません。根の治療や、歯茎の移植に活用します。治療に使う道具を消毒する機械も自慢なんですよ。これは脳外科で使うものと同レベルの滅菌が期待できるシステムなんです。さらに当院では滅菌専門のスタッフも置き、感染対策の徹底を心がけています。
治療姿勢の原点は「ベストな治療法を」
モットーは「世界水準の先端治療」だと伺いました。
私は毎年、歯科医療の進んでいるといわれるアメリカやヨーロッパなどの海外に足を運び、機械に関する知識も技術も常にアップデートして治療にあたっています。先日もシンガポールで、歯周病治療に用いる新しい薬剤に関するセミナーに参加してきたんですよ。このような考えになったきっかけは、以前同じ勉強会にいた先輩に「海外に行くと考え方が変わる」と誘われたことでした。「そこまで言うなら」と出かけてみたのですが、驚きの連続でした。世界各国から歯科医師が集まる勉強会に参加した際には、日本では聞いたこともないような、研究発表がいくつもされていて世界はこんなに進んでいるのかとショックでしたね。
具体的にはどのような研究が進んでいるのですか?
例えばインプラントは、メーカーで作られてから歯科医師の手元に届くまで、新しいものでも1ヵ月以上経過してしまうのが普通です。古いものだと2~3年前の製品を患者さんの口の中に入れることになります。不衛生なわけではありませんが、インプラントというのは新品のほうが古いものに比べて、骨接触率の向上が図れるともいわれています。現在は、時間の経過したインプラントに特殊な光を当てることで新品に近い状態に戻すことを目的とした技術の研究も進められています。
齋藤先生の治療に対してのポリシーを教えてください。
最高の材料を使って、最高の仕上がりをめざす「良い治療」をしたいですよね。例えばインプラント自体は200~300種類ほどあり、中には安いコピー製品もあるのですが、そうしたものを患者さんの体の中に入れるのは納得がいきません。シェアの高いメーカー数社のうち、患者さんの骨の状態や入れる場所によって適切なものを選択しています。しかし何より優先されるべきは、患者さんの希望でしょう。当院では一人ひとりに専任のスタッフがついて、ご要望、ご予算、なりたい姿をじっくりと伺い、私たち歯科医師との間をつなぐようにしています。「歯科医師にはなかなか打ち明けられない悩みも話せる」ということもありますしね。そして患者さんがめざすイメージに近づけるために、必要に応じて自費診療を組み合わせながら、2~3パターンの提案をさせていただきます。
患者の症状に合わせて豊富な選択肢を用意したい
子どもの頃はどんなお子さんでしたか?
子ども時代はやんちゃ坊主でしたね。私はここ大井町の隣町、大森に育ったのですが、当時は子どもが遊ぶ場所がたくさんあって、学校の授業が終わると友達と集まって野球をしたり、ドッジボールをしたりしていました。あとは細かい作業が大好きで、よく自動車のプラモデルや鉄道模型を作っていましたから、手先の器用さは歯科医師という職業に生かされていると思います。
歯科医師を志したきっかけを教えてください。
幼い頃、同居していた祖母が総入れ歯で、家族で旅行しても一人だけおいしいものを食べられなかったんですね。子どもながらにかわいそうだなって。それがきっかけです、歯科に興味を持ち始めたのは。高校時代、友人の父が歯科医師で、診療室を見せてもらったことも影響しています。ずらりと並んだ道具にとても興味がわいて、将来こんな仕事ができたら楽しいだろうなと思ったんです。そうして歯学部に進み、卒業後はインプラント専門の歯科医院に勤めました。インプラントの技術にふれたのはこの時が初めてでしたね。私の時代は大学では教わらなかったんですよ。それが一気にのめり込んで、講習会など学びの機会を見つけては足を運びました。インプラントはそれまでなかったものが新たに生み出されるところが魅力ですよね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
私自身はインプラント治療に約30年のキャリアがあり、審美歯科と併せてメインで手がけています。私の他にも当院には、一般歯科、矯正歯科、歯周病治療などさまざま分野のエキスパートたちがそろっているので、患者さんの症状に合わせてチームを編成し治療にあたることも可能です。例えば矯正歯科は、ワイヤー矯正、透明のマウスピース型の装置を用いた矯正など選択肢も豊富。入れ歯で困っている方にも、ご予算に応じて複数の案をご提案しますので、どうか諦めないでください。歯が1本もなくてもインプラント治療は可能なこともありますし、他院で「治療が難しい」と判断されたような難症例にも対応したいと考えています。どなたにも何かしらの解決策があるはずです。最善を尽くしますので、ぜひ一度ご相談いただけたらと思います。