たなか歯科クリニック (茨木市/茨木市駅)
田中 小豊 院長の独自取材記事
地域の人々が集うショッピングモール内にオープンした「たなか歯科クリニック」は、「すべての患者に対して、優しく寄り添った治療」をモットーに、2021年に開業したクリニックだ。院長を務める田中小豊先生は、豊富な臨床経験を持つ女性歯科医師。名古屋市内の別クリニックの院長を務めた後は、東大阪市で同じく歯科医師の夫と診療を重ねてきた。「これまでの歯科医師としての経験をこの場所で還元していきたい」という言葉どおり、丁寧さと優しさを重視する田中院長の診療スタイルは、歯科嫌いの人も安心できるようなこまやかな気遣いにあふれたもの。今回は新しく明るい院内で、診療に関するこだわりや患者への思いなど、詳しく話を聞かせてもらった。
「誰でも気楽に来られるクリニック」をめざして
明るく、優しい雰囲気のクリニックですね。
ありがとうございます。当院は、ショッピングセンターの中にあるクリニックということもあり「お子さんから高齢の方まで、どなたでも気楽に来られるクリニックにしたい」とう思いが強かったので、とにかく明るい雰囲気にしようと考えました。目に優しいグリーンや元気なオレンジを挿し色にして、天井には青空が広がっています。歯科の診察台って、やっぱり緊張する方が多いです。不安な気持ちになったり、気がめいったりしがちな場所だと思うので、目につくものから元気を受け取って、リラックスして診察を受けてもらえたらと思っています。もちろん、衛生管理にも力を入れていますので、安心してご来院いただきたいです。
開業までの経緯を教えてください。
愛知学院大学歯学部を卒業し、東京医科歯科大学を経て、2015年まで名古屋市内のクリニックで勤務医をしてきました。名古屋では結婚も子育てもしながら、歯科医師として働いていましたので、本当に豊かな経験ができたと思います。その後、同じく歯科医師である夫が、実家のある大阪に戻り開業。2015年から開業までの6年間は、私も大阪に移り、夫が開業したクリニックで一緒に働きながら、多くの患者さんに関わらせていただきました。しかし、クリニックが入っていたショッピングモールが閉鎖することになってしまったんですよ。そこで、夫は梅田近隣で、私はここ茨木市で、再びそれぞれのやりたい治療に取り組めるクリニックを開業することになりました。
実際に開業してみて変化はありますか?
夫と一緒に働いていた時も、お子さんから高齢の方まで多くの方の診療をさせてもらっていました。クリニックの最終日には「別にどこも悪くないけど、最後だから」と顔を出してくださる患者さんもたくさんいらっしゃったので、クリニックを閉めるのはやっぱり寂しかったです。でも、こうして新しい縁をいただき、また新しい方々に出会えることは、やっぱりうれしいです。時々、ショッピングのついでなのか、エントランスのガラス越しにのぞいてくださる方もいらっしゃるので、そんな時は「どうぞお好きに見学なさってくださいね」とお迎えするようにしています。院内を見てもらいながらいろいろお話しするのも、すごく楽しいひと時です。
患者の願いや想いに少しでも近づきたい
患者さんと接する時、心がけていることはありますか?
まず何よりも、患者さんのペースに合わせるように心がけていますね。当院の患者さんは、お子さんやご高齢の方もいらっしゃいますし、歯科に対してトラウマを抱えている方も多くいらっしゃいます。来院する時にちょっと緊張している人も多いんですよ。だから、まずは焦らず、患者さんのペースに合わせて、ゆっくりとお話しします。わからないことがあればわかるまで、何度でもお話しします。時間が許せばとりとめのない話をしたりもします。せっかく来てくれたのだから、少しでも良い状態にして帰っていただくのが私たちの仕事。いろいろな話を通して、患者さんのことを知り、本当に悩んでいることや本当に願っていることに、少しでも近づきたいと思っています。
治療についてはいかがですか?
「保険だから」「自費だから」ということではなく、「その人にとっての良い治療」をするために、治療計画に関してよく説明・相談することをまずは大事にしています。患者さんに話を聞くと、自分の口なのにどんな治療を受けてきたのか理解しきれていない人がすごく多いです。口の中は見えない部分なので、何をされるかわからないとなれば怖くて当然です。怖ければ歯科に足が向かなくなるので、悪い所がどんどん悪くなるという悪循環も生まれがちです。そうならないためにも、なんでも相談できるような雰囲気づくりにクリニック全体で取り組んでいます。当院のスタッフは皆、明るくて笑顔がかわいい努力家ばかり。患者さんのことも安心して任せられます。
わかりやすい説明をするために、工夫していることはありますか?
診察台には大きなモニターを設置していますので、口腔内カメラの画像やエックス線画像など、患者さんにも一緒に確認してもらうようにしています。やっぱり「虫歯がありますよ」とただ言われるよりも、「ここが虫歯ですよ」と見せられたほうがわかりやすいですよね? それは小さな子であっても高齢の方であっても同じなんですよ。自分の口の中を隅々まで見ることは難しいので、カメラ映像であっても目で確認できれば「だから治療をしたほうがいいんだな」と、治療にも前向きになれる人が多いと思います。前向きな気持ちで説明を聞けば、質問も出てきやすくなりますし、お互いにとってとても良いことだと思います。
特別な場所ではなく、当たり前に患者の毎日に寄り添う
歯科医師をめざしたのはなぜですか?
子どもの頃に通っていた歯科クリニックに、当時としては珍しい女性の先生がいらっしゃったんですよ。真っ白の白衣をキリッと着こなして、颯爽とお仕事をされている姿が本当にかっこよくて「私も先生みたいになりたいな」と憧れたのがきっかけです。加えて、自分自身も歯で苦労したので「歯で困る人の助けになりたい」と思うようになったのも大きかったように思います。小学校の時には「歯科医師になりたい」と書いた作文が新聞に載って、それを見た見ず知らずの人から応援のお手紙を頂いたこともあるんですよ。歯科医師になれたことを幸せに思っています。
実際に歯科医師になって経験を積み、改めて感じることはありますか?
今思い返せば、歯科医師になったばかりの頃は、自分の考えを押しつけていた部分があったんじゃないかなと思います。もちろん「患者さんのため」という気持ちだったのですが、「良い治療」は、先進の治療であるとかそういうことではないと思うようになりました。歯科の世界も医療機器も発展しますが、一番大事なのはやっぱり患者さんの心です。まず、その心を大事にしないことには、良い治療はあり得ません。笑顔で丁寧にお話を聞き、その人に合った治療計画を立てることの大切さが、経験を積めば積むほどわかるようになったと思います。
今後の展望を聞かせてください。
せっかくショッピングモールの中にありますので、誰もが気楽に来られるクリニックになっていきたいですね。特別な場所ではなく、当たり前に患者さんの毎日にそっと寄り添うような存在になれたらなと思います。小さなお子さんの歯科デビューから、良い歯並びに成長させるためのサポート、大人の方の口腔衛生の管理や口腔機能の維持など、歯科でお手伝いできることはたくさんあります。不要な治療を勧めたり、患者さんの気持ちを無視して治療を進めるようなことはしませんので、安心していらしてください。また、当院はバリアフリー設計になっていますので、ベビーカーや車いすの利用も大歓迎です。困った時、不安な気持ちになった時、思い出してもらえたらうれしいです。スタッフみんなでお待ちしています。