相模原まなべ歯科 (相模原市中央区/相模原駅)
眞部 慶 院長の独自取材記事
相模原市中央区、すすきの町の静かな住宅街の一角に「相模原まなべ歯科」はある。道路沿いに間口を広くとった敷地内には、駐車場を5台分確保。スロープと引き戸を採用したエントランスはバリアフリー設計となっている。エントランスの先に広がる空間は、温かみのあるインテリアに心和む待合室。スタイリッシュなソファーの裏にはちょっとしたキッズスペースも用意されている。診療後に迎えてくれたのは、誠実な笑顔が印象的な院長の眞部慶先生。「理想としてきた『街の歯医者さん』をこの場所で実現させたい」と意欲を見せる眞部先生に、同院のコンセプトやこだわりなど、詳しく話を聞いた。
信頼される「街の歯医者さん」をめざして新規オープン
新規オープンおめでとうございます。なぜこの場所での開業に至ったのですか?
ありがとうございます。もともと「街の歯医者さん」として地域の方に長く信頼していただける歯科医師をめざしており、いずれはこのような住宅街での開業をと志向してきましたね。私は東京都国分寺市の出身なのですが、以前の勤務場所が八王子で、実際八王子に住んでみてとても住みやすく、温かい人も多くて好きな街だと思いました。また、大学院の通学路が16号線沿いだったためこの辺りをずっと使っていました。「将来開業するならこんな雰囲気の街がいい」と自然に思うようになり、1年半ほど前から開業に向けての土地探しを始めた際に運良くこの場所に巡り合い、駐車場を敷地内に確保できる広さや、ほど良く交通量のある道路沿いである立地なども望む条件に合致しており、ご縁を感じてこの場所での開業を決めました。
インテリアや設備面でこだわった点があれば教えていただけますか?
診療室はプライバシーを確保しつつ、圧迫感を感じることのないよう半個室とし、手術などに使う完全個室と合わせて3室とカウンセリングルームがあります。ゆくゆくはユニットを増設して診療体制を強化できるように設計しました。また院内感染防止のため、設計段階から動線分離を意識しました。待合室はクリーンな診療室とは少し雰囲気を変えて、ご自宅のリビングルームに近いようなくつろげる空間に。バリアフリーアクセスやキッズスペースの確保など、多様な患者さんの通いやすさを考えてこのような形にしました。設備面では歯科用CT、マイクロスコープ、レーザー治療器など、診療に必要と思われるものはすべてそろえました。スウェーデンスタイルの歯周病予防に重要なエアフロー器具も備えています。
歯科医院運営で力を入れていらっしゃることはありますか?
やはり院内の感染対策、特に器具の滅菌には当たり前のことながら力を入れています。基本的にディスポーザブルにできるものはすべて対応し、これも当たり前のことですが使い回しをしない体制をとっています。妻が歯科衛生士としてかなりこの分野に力を入れており、医療現場における滅菌業務について専門的に勉強してきました。一般的に滅菌が難しいツールを使い捨てにできる代替品を探して採用するなどしています。
エアフローを用いた歯周病予防に対応
どのような患者さんが多くいらしていますか?
開院当初は自分と同世代くらい、20代後半から30代のパパママ世代がお子さんを連れていらっしゃるケースが多かったのですが、ちょっとずつ層が広がり、今では0歳から80代、90代の方まで幅広い患者さんをお迎えしています。ご家族や近隣でご紹介いただく形で広がっているという感じでしょうか。同世代の患者さんとは今後一緒に年を重ねていけることをうれしく思いますし、前職ではご高齢の患者さんを診る機会が多かったので、そういった経験を生かせるという意味でもやりがいを感じています。以前勤務していた歯科医院では30年間通い続けているという方もいらして、そうした患者さんと先生の信頼関係に憧れを抱きました。お互いに関係を築き人となりを理解することで、患者さんにとっては相談しやすくなりますし、さらに踏み込んだ治療も可能となります。近隣には人柄的にも温かい人が多く、骨を埋める覚悟で日々楽しみながら診療しています。
予防歯科にも力を入れていらっしゃるとか?
日本の歯科治療のほとんどは再治療ともいわれるほどで、虫歯や歯周病の予防と再発防止は大きな課題です。治療を受けたら、その後は「悪くさせない」ケアを継続することが重要なのです。歯周病予防ではもちろん歯石を除去するスケーリングやルートプレーニングも行いますが、これらの処置では痛みが発生することもあるほか、歯の表面を傷つけてますます汚れがつきやすい状態にしてしまうこともあります。そこで、当院ではスイス製のエアフロー器具を導入し、予防を重視するスウェーデンスタイルのケアを実践しています。微粒子パウダーを吹きつけて歯の汚れを落としていくエアフローでは、ほとんど痛みや傷を発生させることはありません。2〜3ヵ月に一度の処置で、お口の中の菌を少ない状態に保つことがめざせるようになります。
予防では歯科衛生士さんの存在も重要ですね。
はい。そうした意味で妻が歯科衛生士であるのは大きな意味を持っています。歯科医師と歯科衛生士では同じ患者さんのお口の中を見ていても異なる視線を持っていることがあり、私では気づかなかった点に気づきを得ることも多くあります。また、歯科医師と歯科衛生士が同じ方針を持って向き合うということは、歯科医院にとってとても大切なことです。予防歯科ではおっしゃるとおり歯科衛生士に頼る部分が大きく、チームの育成やコミュニケーションの部分でも頼れる存在があるのは心強いですね。
生きる活力としての「食」を支える歯科医師として
院長が歯科医師をめざされたきっかけは?
高校2年生の時に祖父が病気で食事を取れなくなり、そのまま痩せて亡くなる姿を目にしました。その時「食は生きる活力である」ということを改めて強く認識し、皆さんの「食」を支える手助けになれればと歯科医師を志しました。大学では摂食・嚥下障害の機能回復に取り組む口腔リハビリテーションを学び、この分野を専門とすることも考えましたが、「街の歯医者さん」には他分野の臨床も必要だとの思いから八王子市で保険診療から自費診療まで幅広く対応している歯科医院で勤務医となり、そこで義歯や補綴治療、インプラント治療まで学ぶことができました。しかし自身がめざす“歯科医療のために必要なこと”をさらに学びたいと考え、勤務医をしながら神奈川歯科大学大学院に進学し、診療と研究どちらも経験を積みました。
大学院ではどのような研究をされていたのですか?
唾液を採取して病変の情報を得る病理学的な研究に従事していました。口腔粘膜の病気である線維腫が悪性化しているかどうかをいかに判別するかなど、マーカーを使って悪い病変を確定診断に導きます。唾液は大きな可能性を秘めており、将来的には唾液だけで全身のさまざまな病気を見つけることができるようになる可能性も。現在の診療に直接結びつく研究ではないかもしれませんが、歯科医療の将来を考えるととても希望のある研究です。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
経験に勝るものはないとは思いますが、それにおごることなく、常に新しい技術や知識を取り入れて、最新の医療を患者さんに提供できる歯科医師でありたいと思っています。さらに予防歯科に注力して、いずれは歯科医師の出番がなくなるというのが理想ですね。また、口腔リハビリテーション分野での知見を生かして、現在もご高齢の方を中心とした往診で嚥下の状態チェックや指導を行っています。今後はニーズに合わせてこの分野も拡大し、いずれは往診部もつくれたらと考えています。皆さんに「ここに来て良かった」「まなべ歯科があって良かった」と思っていただける歯科医院となるよう、体制を整えて精一杯力を尽くします。お口のことで気がかりなことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。