御所南しげおかデンタルオフィス (京都市中京区/丸太町駅)
重岡 修司 院長の独自取材記事
「御所南しげおかデンタルオフィス」は、京都市営地下鉄烏丸線・丸太町駅6番出口から徒歩2分の利便性に優れた場所にある。ビル2階のクリニックにはエレベーターで快適にアクセスでき、オフホワイトと木目を基調にした内装からリラックスして過ごすことができる空間となっている。「簡単には抜歯しないという気持ちで診療しています」という重岡修司院長が大切にしているのは、歯を長く残すための治療の提供。得意とする歯周病治療やマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使った精密な根管治療を目的に、遠方からも多くの患者が受診する。クリニックの診療ポリシーや、歯周病治療をはじめとするこだわりの治療について、重岡院長に語ってもらった。
大切な歯をできるだけ長持ちさせたい
先生のご経歴を教えてください。
徳島大学を卒業後、勤務医として診療にあたりながら、歯周病治療の知識と技術を充実させるために、スタディーグループに所属するなどして研鑽を積みました。その頃に研究会で恩師に出会い、一人ひとりの患者さんにとってより良い治療プラン、長持ちするための治療についての考え方を学んだのです。先生のもとで6年間貴重な経験をさせていただき、2016年に当院を開院しました。
この地域で開院した理由は?
地下鉄で各地域からスムーズにアクセスできる利便性が大きな理由です。地域のかかりつけであるとともに、自分が得意とする治療で、他院では治療が難しいと言われた方、治療を受けて希望する状態にならなかった方の力になれる歯科医院をめざしているので、遠方からも通院しやすい場所を選びました。また、御所南エリアの雰囲気が好きだったことも大きいですね。利便性の良いエリアで、オフィスが多い反面、一歩裏手に入ると静かな住宅街が広がっているこの地域ならではの環境が気に入っています。
どのような患者さんが来院されますか?
地域の方や周辺にお勤めの方、さらにセカンドオピニオンを求めて受診される患者さんも多くいらっしゃいます。受診の理由は、やはり歯周病が多く、根管治療を希望される方も一定数いらっしゃいます。歯周病が進行してしまい、抜歯しか選択肢がないと言われた方や、治療が難しいと言われて諦めていたけれど何とかならないかと相談したいという方ですね。一般的に、年齢を重ねると歯周病が進行するのは仕方ないと思われています。しかし、歯を支えている骨が溶けているような状況でも、患者さんの状況を見極めて適した治療を選択すれば、歯を残すことが望める可能性はあります。
診療の際に大切にしていることは?
10年先を見据えて、歯を長持ちさせるための診療を提供することです。勤務医時代には、治療しても短期間でまた悪くなり、再受診される患者さんをたくさん見てきました。そうした状況を避けるために、当院では来院の理由となった症状にきちんと対応するとともに、その方が抱えている問題やリスクについても説明するように心がけています。どのレベルまでの治療を望んでいらっしゃるかについても、しっかりヒアリングします。全体的な治療を希望される場合は、お口の中の写真撮影などの資料を収集して治療計画を立て、患者さんと相談を重ねながら対応していくのが当院の診療スタイルです。また、治療計画などは口頭で説明するだけでなく、必ず書面にまとめて持ち帰っていただきます。
重度の歯周病にもしっかりと対応する
歯周病の治療に力を入れている理由を教えてください。
歯周病は歯を失う大きな原因だからです。大学時代から歯周病の診療に興味があり、歯を失ってしまいそうな患者さんに先進的な治療を提供することで、救うことが見込める歯が多くなってきたことも歯周病治療に取り組む気持ちを後押ししてくれます。歯を支える骨がなくなってしまっているような場合、以前は抜歯しか選択肢がありませんでした。しかし、現在ではそうしたケースに対して、治療法をきちんと選択することで、歯を失うリスクを抑えることにつなげられるからです。
歯周病は全身の健康とも関わっていると聞きました。
歯周病は細菌による感染症で、生活習慣病など多くの病気に関わっていることが明らかになっていますね。また、歯周病菌の種類についても次第に明らかになり、患者さんの健康状態とも密接な関わりがあると考えられています。例えば、若い方で歯周病が進行している場合、単に日頃のお手入れが不足しているだけではなく、お口の中の菌のバランスが悪く、いわゆる悪玉菌の歯周病菌が多いことや、その方の全身の免疫機能の低下が関係している可能性もあるのです。このため当院では、歯周ポケット内細菌検査を行って歯周病菌の種類や菌のバランスの特定につなげた上で、悪玉菌を減らすよう導き、バランスを取り戻すために歯の表面や歯と歯ぐきの間の歯周ポケットの清掃、ブラッシング指導といった歯周病の基本治療を行います。歯科衛生士は全員がしっかりとした知識と経験をもとに患者さんの診療にあたっています。
そうした治療で改善が見られない場合はどうするのですか?
歯周ポケットの深さは歯周病の状態を判断する指標となっていて、2〜3mmが健康な状態です。歯周病の基本治療を行っても、歯周ポケットが深い、出血や膿が見られるといった場合は、麻酔をした上で歯周ポケットの奥の清掃や歯周ポケット内の殺菌に役立つ自由診療のレーザーを使った治療を行い、再度、お口の中の菌の検査を行って評価します。ただし、歯周病菌には活動期と静止期があり、一時的に活動の鎮静化につなげられたように見えても安心できません。たまたま静止期にあたっていた可能性もあるので、定期検診の間隔をかなり短めに設定して継続的にチェックすることも有用です。
先生はかなり進行したケースにも対応していますね。
歯周ポケットの深さが5mm程度までで、膿や出血が見られないならコントロールが望めます。しかし、歯周病菌は嫌気性で空気を嫌うため、ポケットの深さが6mm以上になると、歯周ポケットが歯周病菌に適した環境になって、歯止めが利かなくなります。場合によっては、数年という短期間で歯を支える骨にまでダメージが及んでしまうことも考えられます。こうした場合は、頑張ってより短い間隔でレーザー照射による治療を継続するのか、歯周外科処置と呼ばれる歯周組織の再生治療を行うのか、患者さんと相談しながら治療を進めます。
豊富な画像・映像で患者の理解を促す
マイクロスコープを使った治療にも力を入れられていますね。
歯科の治療は見えない部分を手探りで治療する作業が多かったので、可視化のための道具としてマイクロスコープを活用しています。主に根管治療で使用していますが、歯周病の治療では歯の根っこ近くについた歯石の発見などにも役立ちます。患者さんがこれまで受けてこられた歯科治療で傷つけられてしまった部分を修復していくことも見込め、とても優れた医療器具だと思います。写真や動画の撮影、録画もできるので、お口の中や治療の様子を患者さんにわかりやすい映像で確認していただけるのもメリットですね。また、画像や動画はセミナーや勉強会に欠かせない大切な素材ともなっています。
歯科医師を対象としたセミナーも開催されていると伺いました。
マイクロスコープを使ったことがない、持っているけどうまく使いこなせていないという歯科医師に対して、実技を伴うセミナーを開催しています。私自身も日々トレーニングを重ね、より良い技術を習得するように心がけています。
地域の方や読者へのメッセージをお願いします。
患者さんのご要望にしっかりとお応えできるよう、新しい治療法や設備機材を積極的に取り入れ、治療の選択肢を充実させるとともに、私を含めて全スタッフが知識、技術の研鑽に努めています。治療法ごとのメリット、デメリットはもちろん、治療期間や費用、保証制度などについてもしっかり理解していただいてから、治療を選んでいただけるよう徹底していますので、不安なく治療に臨んでいただけるのではないでしょうか。当院に来られる患者さんには、治療を諦めかけている方も多く、そういう患者さんの悩みを前向きに解決するお手伝いができればと思っています。歯を残すことが歯科医院の仕事だと考え、簡単には抜歯しないという思いを持ち、歯科医師やスタッフが患者さんと同じゴールをめざして治療を進めています。