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くまがい眼科 (豊島区/駒込駅)

熊谷和久 院長の独自取材記事

JR山手線駒込駅から本郷通りを5分ほど歩き、霜降橋交差点を折れると、昭和情緒あふれるしもふり商店街に入る。商店街をさらに5分ほど進んだビルの2階にあるのが「くまがい眼科」だ。院長の熊谷和久先生は、豊島区の校医や園医を務めるなど地域医療に力をいれつつ、一般眼科診療のほか、東洋医学やプラセンタによる治療など新たな技術の研究と導入にも力を注いでいる。しっかりと治療するために、患者が本音で話せる雰囲気づくりを重視し、患者の気持ちに寄り添って話を聞くことに注力する。子どもが好きで気さくで明朗な人柄と、常に患者の立場に立った診療で地域のホームドクターとして親しまれる熊谷先生に、治療における信条から今後の展望まで広くお話を伺った。

西洋医学で改善しない眼瞼痙攣などの症状には東洋医学も併用

段差がなく、靴のまま診てもらえるフラットな作りは嬉しいですね。

3年前に改装したのですが、そのとき工事を担当してくれた方に勧められてこのような作りになりました。靴を脱がなくても良いというのは確かに珍しいかもしれませんね。改装して、受付と診察室の間に仕切りも設けたので患者さんのプライバシーも保てるようになりました。「改装して普通の状態になった」というべきかもしれませんが(笑)、機能的に動けるようになったのはうれしいですね。

開業にあたって駒込の地を選ばれたのは、何か理由がおありなのですか。

もともとここには前の眼科が入っていました。熊本から上京直後は東洋医学の勉強のため週のうち4日は赤坂のタニクリニックの谷美智士先生の下で中西結合医学という西洋医学と東洋医学を融合した診療を学んでいました。合間に当ビルの眼科のアルバイトをしていたんです。前の眼科の先生がお辞めになるということで、私が1992年にこちらで開業しました。

東洋医学を学ばれていたのですね。

眼科医になって3年目くらいのころ、都内の大手広告代理店に勤めていた兄ががんになり、若くして亡くなったんです。このことをきっかけに東洋医学に興味を持ち、タニクリニックで学ぶ傍ら中医学の中心である北京中医学院にも留学して研鑽を積みました。眼科領域は西洋医学でかなりの問題が解決できるため東洋医学を眼科診療にどう生かすかという点は難しい面もありますが、非常に有効な場面もあります。まぶたが痙攣を起こして目を開けにくくなる眼瞼痙攣などではかなり有効です。睡眠不足などが原因の痙攣は誰にでも起こり得る症状ですが、中には何年も痙攣が収まらず日常的に苦しんでいる方が少なくありません。抗痙攣剤という西洋医学のお薬を使っても効果がない患者さんには、漢方薬を処方することで改善を図ります。眼瞼痙攣は東洋医学では陰陽のバランスが崩れて陽が陰より増えてしまい、余った陽気が上に上がって来て首から上の症状を起こすと考えられおり、「陰」を補い上がった「陽」を下げる漢方で、20年以上も悩まされていた眼瞼痙攣の症状が半分以下になったという患者さんもいます。

「病は呼びかけ」目に見える症状だけでなく、背景にある心理的要因や生活環境から総合的に診断する

治療の際、心がけておられることをお教えください。

患者さんの肉体(病気)だけでなく、それを生み出すライフスタイルや環境、さらにはその背景にあるお気持ち(心)などを総合的に見るよう心がけています。すべての病気の背景には、一人ひとりの患者さんが持つ心理的な要因があります。今そこにある症状だけにとらわれることなく、その背景なるものは何なのかという部分に目を向けて、根本的な解決を図っていきたいと願っています。また、新たな治療法を積極的に取り入れることも大切にしています。先にお話した眼瞼痙攣には、ボトックス治療が非常に有効なので漢方薬を処方するケースは減少しています。プラセンタ治療と同様、美容領域の治療(シワとり)と認識されている方が多いと思いますが、年に3〜4回の注射で快適な環境を保つことができるため、導入後は多くの喜びの声をいただいています。

心理的な背景がある症状とは、例えばどのようなものでしょう。

わかりやすい一例としては心因性視力障害が挙げられます。私は大学時代には斜視や弱視といった子どもの視力障害を中心に診る神経眼科を専門にしていましたが、検査では異常がないのに視力が出ないような「心因性」の場合には、確実な治療法もなく対応に苦慮していました。しかし現在は目という肉体の一部分に家族的・社会的な問題が表れることがあると気づき、「見えない」という症状の裏に何があるのかを患者さんやそのご家族とともに考え、探るようにしています。じっくり話を聞いて、一人ひとりにあった対策を提示すると、治療や投薬をしなくても視力が回復する場合もあるのです。

内面を意識した治療を続ける中で、印象的だった患者さんはおられますか。

急に視力が落ちたので再検査に来たという10歳くらいの女の子がいました。付き添いはおばあちゃんで、「学校の視力検査で引っかかった」というんですね。どんなに眼鏡の度数を変えてみても、視力は0.3程度しか出ない。数年前までは視力が非常に良かったということなので、弱視の可能性はありません。話を聞くと、あまり元気がなくて口数も少ないのに、お母さんの話が出たときだけ過剰に反応します。どうやらお母さんは仕事が忙しくて、子どもの通院も実母であるおばあちゃんに任せていたり、小さな妹さんにかかりっきりで本人との時間を十分に取れていなかったようでした。そこで、お母さんにしばらくは早く帰って来てもらうこと、寝るときには手を繋いであげること、小さいころのアルバムを見せて自分も小さいときは妹と同じように愛されていたんだと認識させること、の3つをしばらく続けてもらうよう、おばあちゃん経由でお願いしたんです。結果、2週間後には視力が0.9まで上がり、短期間にかなりの回復が見られました。

先生は子ども好きだそうですね。

そうですね。近くの保育園の園医として眼科健診をしていますが、私の仕事の中でこちらが一番癒される仕事かもしれません。子どもは小さくても、たとえば0〜5歳でも、物事がわかっているんです。眼を触られるのは本能的に怖くて避けたがるものですが、「今から眼を診るけど、○○ちゃんのためにやることだからね。痛くないよ。あかんべーってするだけだからね」などと伝えると、ほとんど怖がらずにじっとしてくれるんです。

患者が世間話をしに来てくれるような、温もりあるクリニックを育てていく

来院される患者層や主訴についてお聞かせください。

最も多い患者層は、ご老人ですね。メヤニや涙、かゆみなどが多く見られますが、緑内障と加齢黄斑変性が増えている印象です。どちらも私が眼科医になったころに比べて確実に増加しており、今では失明原因の第1位と第4位を占めるようになりました。また、豊島区の校医・園医を担っていて小さなお子さんと接する機会も多いのですが、子どものアレルギーは非常に増加しています。結膜炎はアレルギー、ばい菌、ウイルスが三大原因と考えられますが、時代背景なのか、今はアレルギー性のものがほとんどです。

定期的に出されている「くまがい眼科通信」が患者さんに好評と伺いました。

数年前まで、患者さんは口コミで増えるものと考えてほとんど宣伝をしていなかったんです。でも、次第に「ホームページもないの?」と言われるようになって(笑)。無機質なホームページは嫌だったので、開業以来お付き合いのある患者さんにとっても、新しい患者さんにとっても、健康で元気な生活の一助となればという思いで「知って得するお話」を書き始めました。眼科のことはもちろん、サプリメントや更年期障害についてなど内容は多岐に渡ります。「くまがい眼科通信」はそれらのお話を見開きの冊子にまとめたもので、治療の際の説明に利用したり、患者さんにお送りしたりしています。知らず知らずに専門的になりがちな内容をイラストを担当してくれている知人のアドバイスを参考に、できるだけ患者さん目線で書くようにしています。診療でもそうです。眼科の「専門家」というスタンスを前面に出して知識だけでアドバイスするのではなく、「専門家である前に一人の人間」というスタンスから入り、「目のことは詳しいからぜひ相談にのりますよ」という気持ちで患者さんに接することが大事なんだと思います。

今後について、どのような展望をお持ちでしょうか。

もう60歳になったので、眼科医として働けるのはあと10年くらいではないかなと思っています。この10年の間に、悔いのない医師人生を歩みたいと願っています。医師という仕事は、自分の内面を磨くことのできるとてもいい仕事だと思っています。個人として新しい知識や新しい医療を求めて学び続けるのはもちろんですが、医院としては、患者さんと世間話しながら過ごせるような場所「そこに行けば心身が癒される」場、できれば「オアシスのような場」にしていきたいと思います。そのためにも、必要ならゆっくりお話をお伺いするということを大事にしたいですね。混んでいたとしても、「この患者さん、今私が話を聞かないと心閉じてしまって、また迷ってしまう」と思えば、他の患者さんをお待たせするのは大変申し訳ないのですが、患者さんのお話をお伺いすることを大事にします。相談したいことがあればいつでも言っていいというサインを常に出しておく必要があると思うのです。患者さんが本当のことを言えないと、正しい治療もできないですから。

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