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井上 憲一 院長の独自取材記事

井上歯科医院

(福岡市博多区/南福岡駅)

最終更新日:2022/02/14

井上憲一院長 井上歯科医院 main

南福岡駅から徒歩1分の場所に位置する「井上歯科医院」は、この地で75年もの間、地域に根差した診療を行ってきた。3代目となる井上憲一院長は一般歯科をはじめ、歯周病、予防歯科、小児歯科、そして歯科口腔外科での経験を生かした親知らずの抜歯からインプラント治療まで幅広く対応。患者の声をしっかりとすくい上げ、一人ひとりに合った歯科医療の提供をめざしている。患者の想いはそれぞれ、ゆえに必ずしも積極的な治療を行うのがすべてではないと考えている井上院長。「一人ひとり生活スタイルや年齢、口腔環境、価値観も違うため、治療をしないのも選択肢の一つだと考えます」と話す。そこに至った背景や診療スタイル、患者と接する上で心がけていることなどについて、じっくりと語ってもらった。

(取材日2021年12月11日)

3代にわたり診療を続ける地域に根差したクリニック

先生の歯科医師になったきっかけは何でしょうか。

井上憲一院長 井上歯科医院1

1946年に祖父が開院し、その後父が継承、私は現3代目の院長になります。生まれた時からずっとここで生活していたため、歯科医師を志したのは、気がついたら自然にというのが正直なところですね。それだけ当たり前のように歯科が身近にあって憧れもあったんだと思います。そして福岡歯科大学へ進学し、先輩後輩にも恵まれました。卒業後は父と知り合いだった先生の歯科医院で2年間勤務することになり、そこで一般歯科の経験を積ませていただきました。よりダイレクトに困っている人の役に立てることはないかと考え始める中で、ちょうど青年海外協力隊への興味がきっかけで口腔外科へ入局を決意しました。さっそく口腔外科で勤務している知人に相談し、川崎医科大学附属病院の口腔外科へ入局しました。

口腔外科に入局したその後について教えてください。

まず口腔外科の施設は、多種多様で、その中でも悪性腫瘍に携わる施設では、症状も多岐にわたるためより多くのことを学べる環境ではないかと思い川崎医科大学附属病院の口腔外科へ入局しました。激務だとは聞いていたものの想像以上でしたね。救急科外来などで口の中の外傷や疾患においては、口腔外科の担当になるので静脈注射や点滴、さらに手術前のコンサルテーション、悪性腫瘍の手術や耳鼻科領域消化器外科、脳神経外科とのやりとりまで、驚きとプレッシャーの連続でした。そんな日々が1年くらい過ぎた頃に実家の事情により一般歯科で勤務しつつ、九州大学第二口腔外科の臨床登録医として研鑽を積んできました。

先生のご経験が強く今の診療に反映しているんですね。

井上憲一院長 井上歯科医院2

そうですね、口腔外科での経験は確実に今の自分につながっていますし、何よりも素晴らしい教授に出会えたことが私の財産です。10時間以上の手術が終わって出てくると、自ら握ってくれたおむすびでいたわってくれるような方でした。自分の凝り固まった教授に対するイメージを覆してくれるほどの人格者だったので、そのご縁に感謝しています。こちらに戻って25年以上たちますが、今でも勤務医時代で学んだことを大切にして診療を行っています。例えば、患者さんとともに口腔内の環境をどのようにしていくのか、話し合ってご説明させていただいております。治療はあくまでも手段なので患者さんが目標を決めた上で診療しているところが特徴です。

患者の約半数がメンテナンスで来院。予防にも注力

どのような主訴で来院される方が多いのでしょう。

井上憲一院長 井上歯科医院3

患者さんの半数以上がメンテナンスの方々です。というのが、治療後にメンテナンスの重要性を必ずお伝えしているんですね。それを患者さんが理解してくださっているからこそだと実感しています。ブリッジや入れ歯などにも対応していますが、それはあくまでも最終的な手段であって、しないに越したことはありません。予防の重要性を多くの方に伝え、実行していただくのが一番ですからね。親知らずの抜歯など外科処置が必要な場合も、私ができる範囲であれば対応しています。ですが、大きな設備が必要だと判断した場合は、九州大学病院や九州中央病院の口腔外科などに紹介状を書いています。

治療だけがすべてではないとお考えですが、詳しくお聞かせいただけますか。

病院に勤務していた時、口腔がんの患者さんに手術を前提として、抗がん剤も含む治療スケジュールの説明を担当したのですが、その方は「そんなことまでして生きたくない」と治療をしない選択をされたんです。ご高齢の方でしたが、当時の私は治療するのが当たり前で、がんの治療をしないことがまったく理解できませんでした。説得できなかった自分の責任だと思い、キャリアのある先生に再度説明してもらったんですね。しかし、患者さんの選択は変わりませんでした。その時に、治療をしない選択もあるということを学びました。治療だけがすべてでないと。今までは自分の考えを押しつけてしまっていたのかもしれない、ということに気づいたんですね。その経験から、今でも患者さんには治療をしない選択も含めてご提案しています。

診療体制についても教えてください。

井上憲一院長 井上歯科医院4

父は現在、数人の昔から担当している患者さんのみ対応しており、私がメインで診察に行っています。患者さんの中には父を慕って来られる方もいらっしゃいますので、患者さんからのご希望があった際は父が担当することもありますね。長くやっていますので高齢になられた患者さんも多く、診療は一般歯科をはじめ、歯周病、予防だけでなく、インプラントにも対応しています。あと小学校の学校歯科医もしているので、お子さんの受診など患者層は幅広いですね。建物に関しては16年前に建て替えました。この辺りもずいぶんと景色が変わり、今はマンションも多くなりファミリー層も増えましたね。特に土曜日はお仕事がお休みの方が多く来院されます。ご家族で定期的なメンテナンスに来られる方もいらっしゃいますよ。

年齢、生活スタイルなどによっては治療しない選択肢も

各治療のメリットとデメリットについてもしっかりとお伝えされているそうですね。

井上憲一院長 井上歯科医院5

ええ。患者さんによって生活スタイルもそれぞれです。特に高齢の方になると、インプラントが必ずしも適切な治療であるとは限らないと思います。噛めることに重点を置けば入れ歯がその方にとってはベストな場合もありますし、口腔内を清潔に保つのみにとどめ、治療はしないという選択肢だってあります。ただ、そういった選択をしなくても済むように、予防への意識を高めてほしいという想いは歯科医師として当然ありますよね。だからこそ、定期的なメンテナンスの必要性をお伝えしますし、それが伝わっていると思うとうれしいです。口腔がんにしても早期発見が重要で、定期的なメンテナンスはそのきっかけにもつながります。口内炎がいつもより治りが遅いなと感じる場合は、メンテナンスを待たずに早めに受診していただきたいです。

日々多くの患者さんに対応されていますが、大切にされていることは何ですか。

治療だけでなく予防で来られる患者さんも非常に多いですね。特に歯石取りや口腔内の些細なことで不安を感じて来院される患者さんもいらっしゃいますので、歯を大切にするために早め早めの予防と早期改善に取り組んでいます。もちろん治療が怖い患者さんもいらっしゃいますが、独断で治療を勧めたりすることは決してありません。患者さんと寄り添って治療することが一番のモットーなので不安に感じていることやご希望を率直に言っていただければと思っています。当院は、気軽に来れるかかりつけの歯科として些細なことでも耳を傾けるように努めております。

では、最後に読者へメッセージをお願いします。

井上憲一院長 井上歯科医院6

歯科医師であれば、エックス線の画像を見ただけでどのような治療が施されたか、ある程度わかるものです。私が担当させていただいた患者さんが転勤などの予期せぬ移動によって、どこの歯科クリニックに行かれても、胸を張って診てもらえるような治療ができていると自負しています。近年、歯科医療は常にアップデートしていて時代に取り残されないよう、常に新しい技術や知識を学び続ける姿勢を大切にしています。なので勉強会にも積極的に参加してきました。当院は予防に注力していることから歯科衛生士も5人在籍しています。ときにはお待たせしてしまうこともありますが、今後の課題として改善に努め、これからも地域の皆さんに寄り添った診療に取り組んでいきたいと思っています。何か気になることやご不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。

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インプラント治療/33万円~

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