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女性に多い骨粗しょう症
早期発見・治療で健康寿命を延ばそう

内村整形外科内科

(鹿児島市/高見馬場駅)

最終更新日:2021/10/29

内村整形外科内科 女性に多い骨粗しょう症 早期発見・治療で健康寿命を延ばそう 内村整形外科内科 女性に多い骨粗しょう症 早期発見・治療で健康寿命を延ばそう
  • 保険診療

自覚症状がほとんどないことから、放置することで骨密度がどんどん下がり、それが原因となっていつのまにか骨折してしまうことにつながる骨粗しょう症。人生100年時代といわれ、いつまでも自立して健康に過ごしたいと多くの人が望みながら、骨折をきっかけに寝たきりになる高齢者が増えているという現実もある。閉経後の女性に多く見られる病気ともいわれるが、早期から予防や治療が始められれば、その後の症状や進行は大きく変えられるのだとか。「高齢者の骨折が生活を一変させる可能性があるということ、命に関わることを理解して、骨粗しょう症に関する知識を持ってほしい」と語る「内村整形外科内科」の内村暢幸副院長に、発症のメカニズムや予防、早期発見・治療の重要性について聞いた。

(取材日2021年9月27日)

自覚症状のない骨密度低下。少しでも早く骨の状態を知ることで、治療も予防もできることを理解して

Q骨粗しょう症とはどのような病気ですか?
A
内村整形外科内科 「女性は特に早い段階での検査を」と話す内村暢幸副院長

▲「女性は特に早い段階での検査を」と話す内村暢幸副院長

骨密度が低下することによって骨はもろくなります。自覚症状がないのに骨折の危険性が高くなった状態が骨粗しょう症です。若い人は十分な骨密度と良好な骨質が保たれていますので、外からの軽い力で骨折するようなことはまれですが、高齢になり骨密度が低下して骨の質も低下することで、つまずいて転倒するなどで脊椎や大腿骨、手関節などが骨折しやすくなります。ひどいケースでは、寝たきりの人がおむつを交換しただけで大腿骨を骨折したり、転倒していなくても、尻もちをついたり、荷物を持ち上げるといったちょっとしたことで肋骨や骨盤や脊椎が折れることもあります。高齢者はそれがきっかけで寝たきりになる可能性もあります。

Q骨粗しょう症に注意が必要な人はどのような人でしょうか?
A
内村整形外科内科 模型を使い、わかりやすく伝えることを心がけている

▲模型を使い、わかりやすく伝えることを心がけている

骨の代謝には女性ホルモンが重要な働きを担っているため、閉経後の女性は男性と比較して骨粗しょう症の発症に注意が必要です。骨密度を測定すると、70~80歳の場合、男性は10~20%、女性は50%以上の人が骨粗しょう症を発症しているといわれ、高齢になればなるほど発症の可能性が上がります。骨の強さには遺伝や体質も影響します。また、過激なダイエット経験や喫煙習慣、アルコールを多飲する人も骨が弱くなっている可能性があります。女性は閉経を、男性は50歳以上を目安に整形外科医師にご相談ください。特に女性は65歳以上、男性は70歳以上でこれまで骨密度検査をされていない場合は強く受診をお勧めします。

Q診断方法について教えてください。
A
内村整形外科内科 2種類のエックス線を当てるDEXA法による検査を導入

▲2種類のエックス線を当てるDEXA法による検査を導入

超音波が骨を伝わる速度などで評価する簡易的な検査のQUS法もありますが、スクリーニングのための検査であり、骨粗しょう症の確定診断を行うことはできません。当院では2種のエックス線を使って骨密度を測定していくDEXA法による検査機器を導入しています。着衣のまま撮影台に横になって、背骨の腰に近い部分と、太ももの足の付け根の2ヵ所で骨量を測ります。他にも骨折の有無を調べ、他の病気と区別するためにエックス線検査も行います。診療ガイドラインに基づいて、骨密度が若い人の平均値の70%以下になっていたり、椎体骨折や大腿骨の骨折がある場合は骨粗しょう症と診断されます。

Qこちらではどんな治療をしていますか?
A
内村整形外科内科 リハビリテーション室のスタッフと連携した運動療法

▲リハビリテーション室のスタッフと連携した運動療法

治療は投薬が中心です。ビスホスホネート製剤という骨を壊す細胞の動きを抑えるための薬剤が1996年に発売されてから骨粗しょう症の治療は大きく変わりましたね。また女性ホルモンが減ってくることが骨粗しょう症の原因の一つですので、骨に対する女性ホルモンの作用を代替するSERM(サーム)と呼ばれる薬もあります。どちらも現在はジェネリックも発売されておりますので、金額的にもご負担が減っています。検査の結果、脊椎や大腿骨の骨折の可能性が高いと判断される場合は、強力に骨密度を上昇させるため注射剤などを用いることもあります。不足しがちな栄養素を補うカルシウム製剤や活性型ビタミンD製剤を加えることも一般的です。

Q骨粗しょう症予防のため、日頃から注意することはありますか?
A
内村整形外科内科 バランスの良い食生活や適度な運動も予防につながる

▲バランスの良い食生活や適度な運動も予防につながる

健康な骨の形成には、幼少期からのバランスの良い食事、運動習慣が非常に重要です。骨粗しょう症を発症した場合でも、食事や適度な運動習慣は骨密度の上昇に加え、転倒の予防につながります。食事はビタミンD、ビタミンK、カルシウムの積極的な摂取を心がけてください。特に日本の高齢者はビタミンDの接種が十分ではないといわれています。またビタミンDは紫外線を浴びないと活性型に変化しないため1日1回、15~30分程度の日光浴をお勧めします。定期的な日光浴が難しい高齢者には活性型ビタミンDを薬剤として摂取することが治療として行われます。

ドクターからのメッセージ

内村 暢幸副院長

近年、平均寿命を延ばすだけではなく、日常生活が制限されることなく生活できる健康寿命をなるべく延ばしていくことが重要であるといわれています。「亡くなる直前まで歩きたい、自宅で最期まで生活したい、人に頼らないで好きな所に行きたい」。誰でもそうありたいと思っていながら、自覚症状がないことから、骨粗しょう症になっているのに治療が必要な方の20%程度しか治療を行っていないともいわれています。閉経を迎えた女性や骨粗しょう症の診断を受けたご家族がいる方は、積極的に検査を受けて、まずはご自身の骨の状態を確認していただきたいですね。骨折を防ぐことは健康で長生きするために絶対必要なことなのですから。

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