花粉症、アレルギー性鼻炎の体質を
舌下免疫療法で根本的に改善
本田耳鼻咽喉科医院
(春日市/博多南駅)
最終更新日:2022/06/15


- 保険診療
国民病ともいえるスギ花粉症や、ダニなどによるアレルギー性鼻炎で年中くしゃみや鼻水が止まらず、長年悩んでいる人は少なくないだろう。点鼻薬や飲み薬では期待する効果が得られず、春が近づく度、げんなりしている人もいるはず。そんな人へ、「本田耳鼻咽喉科医院」の本田晴久院長が勧めるのは、症状の原因となるアレルゲン物質を少しずつ体内に吸収させる舌下免疫療法。「舌下免疫療法を始めて1年目から症状が緩和していくことも見込めます。治療を継続して笑顔になっていただければ」と院長。アレルギーを専門とする教授のもとで診療に携わった経験を生かし、「患者さんのこれからをより良くしていくために、舌下免疫療法を提供しています。まずは、この治療について知ってもらいたいですね」と話す院長に、舌下免疫療法の特徴を解説してもらった。
(取材日2022年2月19日)
目次
ダニによるアレルギー性鼻炎やスギ花粉症は、舌下免疫療法で根本的な体質改善をめざす
- Q舌下免疫療法とはどのような治療法でしょうか。
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A
▲治療を始める前に、しっかりと説明を行う
くしゃみ、鼻水、鼻詰まりといったアレルギー症状の原因となる、アレルゲン物質を少量ずつ体内に取り入れ、体に慣らしていくことで症状改善をめざす治療法です。具体的には、ラムネのような錠剤を服用するのですが、皮下注射を伴う皮下免疫療法と違い、痛みへの心配がほぼなく、服用も自宅でできるので、負担の少ない治療といえます。また症状を完全に抑えきれないまでも症状の緩和が期待でき、薬の使用量の軽減や生活の質の向上が見込める治療法のため、当院でも取り入れています。ただし、この治療法はダニによるアレルギー性鼻炎もしくはスギ花粉症と診断された方が対象です。すべてのアレルゲンに対してはまだありません。
- Q治療の流れについて教えてください。
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A
▲国民病ともいわれるほど多くの人がアレルギー性鼻炎に悩んでいる
まずは診察を受けていただき、治療を希望されるかどうかの確認をします。というのも、舌下免疫療法は治療期間が3年から5年ほどと長期に及ぶため、治療の詳細をすべてご説明し、それでも受けてみたいと思われる方だけに実施していく必要があるからです。治療自体は、錠剤を毎日舌の裏で1分ほど保持し、飲み込むという至ってシンプルなものなので、5歳から70歳くらいまで幅広い方が受けられます。初回は院内で1時間ほど検査や説明、錠剤の投与を行い、特に問題がなければ2日目からご自宅で行っていただくのが一般的ですね。その後は月に1度受診していただき、経過を観察します。
- Q舌下免疫療法はどのような方にお勧めですか?
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A
▲ラムネのような錠剤なので子どもでも服用しやすい
例えば、人生100年時代といわれる今、「もし長年の悩みを改善していけるなら、3年から5年ほどの治療期間は長くない」と考える方や、飲み薬、点鼻薬で対処しきれない症状のある方には特にお勧めします。アレルギー性鼻炎の治療法は舌下免疫療法以外の薬物療法、手術もありますが、薬を飲むと眠気など強い副作用が出る、薬以外の治療を希望するが手術には抵抗がある、レーザー療法や薬物療法を行っても症状が軽減しなかったという方にもお勧めできるでしょう。また、近年、全国的に舌下免疫療法を扱うクリニックが増えてきていることや、自宅で錠剤を服用するという治療のシンプルさから、引っ越しや転勤が多い方も継続しやすいと思います。
- Q舌下免疫療法は、どのような効果が期待できますか?
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A
▲症状を一時的に治すのではなく、根本からの改善を期待できる
飲み薬などと違い服用してすぐに効果が期待できるものではありません。個人差が大きいので、その点も事前にきちんと説明しています。重要なのは、症状の有無に関わらず毎日、服用を継続すること。抗アレルギー薬はあくまで症状に対する薬ですが、それに対し、舌下免疫療法は症状の根本的な改善が期待できます。根気強く続けなければならない方法ではありますが、例えば20年、30年と鼻炎に悩まされ続けてきたとして、3年から5年ほどで改善が見込める方法があるなら、試してみたいと考える方も少なくないのではないでしょうか。
- Q治療を受ける際に注意すべきことを教えてください。
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A
▲継続して治療を行うことが大切
残念なことですが、重い気管支喘息や悪性腫瘍、免疫系疾患があると対象とはなりません。アレルゲン物質を使った治療でアレルギー症状が出た経験のある方も要注意。この治療では微量のアレルゲンを少しずつ取り入れるため、重篤な副作用こそ報告されておらず非常に低い確率ですが、アナフィラキシーショックが生じる場合があります。また、すべての方に成果が表れるものではなく、治療終了後に症状再発の可能性も。当院では注意事項を説明の上で適応を開始し、定期的な採血で改善傾向にあるかを確認しています。笑顔で来院し治療を継続されているので、もっと多くの患者さんにこの治療を知ってほしいと思っています。