聴力の回復をめざし日常生活を豊かに
選択肢の1つとなる耳の手術
河野耳鼻咽喉科Ear Surgi Clinic
(福岡市中央区/薬院駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
耳だれや耳痛に悩まされる中耳炎。これが繰り返すことによって鼓膜に穴が空き、聴力などに支障を来すことも。これを慢性中耳炎といい、完全治癒には手術治療が必要という。交通の便も良い薬院エリアにある「河野耳鼻咽喉科Ear Surgi Clinic」は、耳の手術を専門に行っているクリニック。同院で対応する手術は日帰りや1泊という期間で行うことが多く、仕事や生活への影響があまりない点も特徴だろう。「耳だれは不快なものですし、何より聴力を回復させていくことは生活を豊かにすることにもつながるでしょう。治療には一切、妥協しません」と熱く語るのは院長の河野浩万先生。手術にかかる日数や術後の痛み、手術を受ける前にやっておきたいことなど、耳の手術に関する幅広い内容を聞いた。
(取材日2021年7月10日)
目次
不快感や難聴を引き起こすこともある慢性中耳炎。手術も治療の選択肢に
- Q慢性中耳炎とはどういった疾患なのでしょうか?
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A
▲耳の手術について話す院長
中耳炎が治りきらずに長期間の炎症が続いたり、再発を繰り返すうちに鼓膜に穴が開き、その後も炎症が続き、耳だれが起きたり、聞こえが悪くなったりすることがあります。鼓膜の穴が塞がらないことによって悪循環が起きているんですね。このように鼓膜穿孔があり、耳だれや難聴という特徴があるものを慢性中耳炎といい、手術治療の対象となります。適切な処置や抗生物質の投与により、症状は一旦改善することが見込めても、繰り返すことが多いのがこの病気の厄介なところですね。そのままにしておくと、次第に聞こえが悪化して日常生活にも支障が出ます。患者さんが完全に治したいという意思があれば、手術を受けるという選択肢もあり得るのです。
- Q耳専門のクリニックとして多くの症例を診てこられたそうですね。
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A
▲耳の治療、手術の専門性が非常に高いクリニック
耳専門とはいえ、副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、アレルギー性鼻炎など幅広く診ています。耳の手術は他院からのご紹介も多く、熊本や佐賀、長崎などからはるばる来院される患者さんもおられます。大学病院に勤めていた頃との違いは、手術を私一人でやる点でしょう。何人も耳鼻咽喉科の医師がいるわけではないですし、麻酔科の医師も常駐してはいません。だからこそ必要なのが、エラーを起こさないようにする努力です。手術のやり方もそうですし、必要な機器の予備を準備しておくこともそうです。技術は大学病院時代と同等かそれ以上のものを身につけるように常に意識して努力を続けていますが、設備面への投資も怠らないようにしています。
- Q手術の期間や、費用も気になります。
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A
▲入院施設も完備されている
当院では基本的に1泊での手術を行っています。火曜と金曜が手術日で、ほとんどの場合、翌日に退院となります。患者さんご本人の状態にもよりますが、退院日翌日にはお仕事に復帰することが可能です。腹部などと違って動きのある箇所ではないため痛みもほとんどなく、例えるなら歯を一本抜いたほどの痛み、といったところでしょうか。痛み止めもお渡ししていますが、飲まずに済む方も多いようですね。手術の費用は内容によって異なりますが、耳の手術は保険が適用されますし、金額によっては高額療養費制度をご利用いただける場合もありますので、手術前にご案内を行ってから、手術に臨んでもらえるよう書類の準備などのサポートも行っています。
- Q術後はどのような流れになりますか?
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A
▲経験豊富な院長が手術を行う
傷口を皮膚欠損用創傷被覆材でカバーしてから耳の中にガーゼを詰めていますので、退院当日から洗髪も可能です。多くの施設では、退院まで数日かかることもありますが、当院では翌日の退院をめざしますので、日常生活への影響は少なくて済むでしょう。とはいえ、大事なのはその後の通院です。基本的には週に1回、合計で3~4回ほど通院していただき、ガーゼの交換や鼓膜の状態確認などを行い、経過を診ていきます。遠方の方であれば回復具合を見ながら、大丈夫だと判断すれば2週間に1回、1ヵ月に1回などと通院間隔も臨機応変に対応します。また紹介の場合は、紹介元の先生に手術内容や術後の経過を詳しく記載したお手紙を送っています。
- Q手術にあたって注意しておきたい点などはありますか?
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A
▲画面を見せながら丁寧に説明をしてくれる
耳の手術費用は高額のため、生命保険の確認などをしておくと良いかと思います。もちろん高額医療費制度と同様にこちらからもアナウンスをしますので、わからないことがあればご相談ください。また遠方といっても、東京ほどの距離がある方は、申し訳ないのですがお断りしています。というのも術後には先ほどのような間隔での通院が必要になるためです。もし手術をし、そこで手術が成功したとしても、術後のケアをしっかり行わないと中途半端になってしまいますから。お近くの方であれば、何かあってもすぐに対応していくことが可能です。患者さんの多くは、術後も通院がしやすいことをメリットに感じていただいていると感じています。