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吉岡 進 院長の独自取材記事

吉岡クリニック

(松山市/市坪駅)

最終更新日:2021/10/12

吉岡進院長 吉岡クリニック main

市街地に近く、松山市のベッドタウンとして人気の場所に医院を構える「吉岡クリニック」。院長を務めるのは、内科の開業医の父の背中を見て自然と医師を志したという吉岡進先生。愛媛大学医学部の一期生として入学し、卒業後は松山市民病院や市立八幡浜総合病院などの勤務医として尿路悪性腫瘍や前立腺や膀胱がんの内視鏡手術などを手がけてきた。1993年に開業し、以来、皮膚科と泌尿器科に関する疾患を幅広く診療している。物腰がやわらかく、話しやすい人柄が町の人々からも慕われ、日々多くの患者が訪れる同院。京都出身である吉岡院長が松山市で開業するに至ったきっかけや、クリニックでの診療、今後の展望についてたっぷりと語ってもらった。

(取材日2020年7月2日)

泌尿器科と皮膚科、一人ひとりに合った丁寧な診療を

泌尿器科、皮膚科と幅広く診療されていますが、開業するまでの経緯を教えてください。

吉岡進院長 吉岡クリニック1

愛媛大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院の研修医として勤めた後、大阪府立成人病センター(現・大阪国際がんセンター)で膀胱がん、腎臓がん、前立腺がんの手術や化学療法などを行っていました。その後、松山市民病院の泌尿器科医長となり泌尿器科全般を担当。ただ、手術になると大学病院から先生が来てバックアップしてもらっていました。ところが、いつも応援に来てくださっていた教授が突然倒れてしまい、これまで2人で行ってきた前立腺や膀胱がんの内視鏡手術を1人で行うことに。不安で仕方がなかったのですが、今思えばあの時の経験が大きく成長するきっかけになったと思います。今でこそ泌尿器科と皮膚科は別の診療科に分かれていますが、私たちの頃はまだ「皮膚泌尿器科」という科目があった時代。開業するなら泌尿器科だけではなく皮膚科も診療したいと、市立八幡浜総合病院で皮膚科の研修も受け、どちらも診察できるクリニックを開業しました。

現在、クリニックにはどのような患者さんが来院されていますか?

皮膚科の患者さんは新生児から年配の方まで年齢層が広く、皮膚炎の症状が多いです。頭部から顔、胴体、手足まで、皮膚に生じた症状すべてを診ますが、アトピー性皮膚炎、乾燥肌、ニキビ、吹き出物、じんましん、帯状疱疹、夏になると水虫や水イボ、あせもが多いですね。そのほか巻き爪ややけどの治療にも対応しますし、皮膚科の健康相談も行っています。泌尿器科は、尿漏れや失禁に関する疾患、尿路結石症に関する主訴が多いです。そのほか膀胱炎、性感染症の治療、尿・前立腺・膀胱の健康相談、更年期・老年期の健康相談、泌尿器科のがんについての健康相談もお受けしていますが、皮膚科に比べると年配の方が多い傾向にあります。

特に力を入れている治療はありますか?

吉岡進院長 吉岡クリニック2

皮膚科というのは、1日あたりの患者さんが多く、数をこなそうと考えると一人あたりの診療時間が少なくなって説明がおろそかになりやすいんですね。なので、なるべくそうならないよう、原因や今後の治療法など時間をかけてお話ししています。患者さんによって診察スタイルを変えることはできませんから、泌尿器科、皮膚科、関係なく丁寧に向き合うことを心がけています。開業して27年たちますが、これといった特別な治療ではなく、来院してくださる患者さん一人ひとりの症状に合わせた診療を行うのが私の個性だと思っています。勤務医時代は、尿路悪性腫瘍や前立腺の内視鏡手術を担当していましたが、現在は皮膚科とかけ持ちしていることもあり、手術は行わず、泌尿器科、皮膚科を受診される患者さんを満遍なく診察しています。

双方が納得いくまで、コミュニケーションを大切に

先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

吉岡進院長 吉岡クリニック3

私は京都で生まれ育ち、父も内科医師として京都で開業していました。その影響で、幼い頃からいつかは自分も医師をめざすのだろうと思っていましたね。京都といっても日本海側の田舎でしたので、中学からは入寮し、京都市内の中高一貫の洛星中学・高等学校へ進みました。この6年間で自立心が芽生えたといっても過言ではないと思います。当時日本は大学の新設ブームで、愛媛、北海道、山形に新たに医学部のある大学ができることに。そこで故郷の京都からも交通の便が良いというので、愛媛大学医学部の一期生として入学しました。反骨精神もあって父とは別の泌尿器科を選択したのですが、当時の泌尿器科の教授が音楽好きで、私も音楽が好きだったという共通点があったことも大きかったかもしれません。

診察において大切にしていることはどんなことでしょうか。

まず、どんなことでも話しやすい雰囲気づくりに努め、圧迫感や緊張感を与えないよう心がけています。患者さんの意見を尊重し、医療者として誰も排除することなくすべての患者さんを公平に受け入れるというスタンスです。診療に来られる患者さんは、不安、緊張などいろいろな感情を抱えて来院されるでしょうが、気持ちを楽にいらしてください。予防法や生活習慣の話もします。皮膚科なら、洗浄力が強いものはなるべく使わないほうが良いとか、直接肌に触れる素材や洗浄グッズの話など、生活に役立つアドバイスも行っています。

丁寧な説明とコミュニケーションに心を砕いておられるとか。

吉岡進院長 吉岡クリニック4

知識や技術面の能力があっても、患者さんが不安に思っていることを何にも聞けないまま帰ってしまうということがあってはならないと考えています。患者さんとのコミュニケーションには重きを置き、話しやすい雰囲気はもちろん、症状の原因、薬の説明も丁寧に行っています。院内処方を行っているのも当院の特徴の一つなのですが、泌尿器科であれば、尿検査をして病名が判明したら、その場で服薬を促すこともありますし、皮膚科であれば「この状態なら患部にポンポンと置いて塗布してください」とか、「この症状なら全体に薄く塗ると効果的ですよ」など、塗り方を詳細に説明します。そうすると、患者さんも納得してくれているなという手応えを感じます。ありがたいことに、毎日多くの患者さんが来てくださるので、お待たせする時間も長くなってしまうのですが、不思議とどなたからも不満が出ないのは信頼関係が築けているからかもしれません。

いつも身近にある、親しみやすいクリニックをめざして

健康相談にも対応されていますが、どんな症状がある時に相談に来たらいいのでしょう。

吉岡進院長 吉岡クリニック5

泌尿器科といえば、恥ずかしいなという感覚をお持ちの方もいらっしゃいます。失禁関係は特に病気ではありませんし、仕方がないと捉えがちですが、我慢せずに相談してくださることをお勧めします。そのほか尿意があるのに排尿できなくなったとか、頻尿になった気がするなど、悩みや不安がある方は気軽に来院してほしいです。皮膚科になりますと、目に見える分、自己判断のもと手持ちの薬や市販薬を買って治療しようとするケースがあります。似たような症状でも原因はそれぞれで、間違った薬を塗ってしまうことがかえって裏目に出てしまい、診断や治療の妨げになることも考えられます。自分で思い込まずに早めに医療機関を受診しましょう。

休日の過ごし方やリフレッシュ法などお聞かせください。

中学・高校の時、フォーク全盛期で寮生活の時にフォークギターを弾き始めたのがきっかけでクラシックギター、大学時代にビオラに出会いました。大学からずっと在籍している地元の交響楽団でビオラ演奏、オペラ公演を自主運営しているグループではバイオリン演奏をしています。現在は外出自粛もあって個人練習になってしまいましたが、それまでは週1回集まって練習していました。頭を真っ白にして音楽に浸っていると、ヒーリング効果もあり、精神が安定します。もう一つは、コンピューターのプログラミングです。スケジュール関係は自作のカレンダーで管理しています。今年と来年のスケジュールが同時に表示され、毎年決まったイベントは年々更新できるようカスタマイズするのが好きです。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

吉岡進院長 吉岡クリニック6

息子は、縁あって私の故郷・京都で内科の勤務医をしていますが、今後こちらで後を継いでくれるかどうかは未定です(笑)。まずは自分自身が健康で、いつまでもこの古川という地域で患者さん一人ひとりに向き合っていきたいです。私がめざすのは、患者さんから見て親しみやすいクリニック。長いお付き合いになると、受付を済ませ、いったん自宅に帰って用事を済ませてから戻ってくるという患者さんもいらっしゃいます。希望があれば、訪問診療も行っていますし、地域に根差した町のかかりつけ医でありたいです。

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