早期の検査・診断が回復の鍵
めまいや耳鳴り、難聴の治療
宮本耳鼻咽喉科
(神戸市須磨区/板宿駅)
最終更新日:2023/01/25


- 保険診療
さまざまなストレスにさらされる現代、めまいや耳鳴り、難聴や耳の不快感に悩まされている人は少なくない。しかし、あまりにも一般的な症状であるため、適切な治療を受けないまま過ごしている人も多い。神戸市須磨区にある「宮本耳鼻咽喉科」の宮本英明理事長は「受診せず我慢できるということは症状が軽いということかもしれません。しかし、中にはもっと早く来てくれていれば、と感じる患者さんもいらっしゃいます」と残念そうに話す。その理由は、それらの症状には突発性難聴など、早期治療を必要とする病気が隠されている場合があるからだ。そこで今回は、めまいや耳鳴り、難聴に隠された病気や検査・治療法について詳しく話を聞かせてもらった。
(取材日2022年12月7日)
目次
よくあることと放置せず、早めの受診で聴力や命、QOL(生活の質)を守ってほしい
- Qめまいや耳鳴り、難聴にはどんな病気が隠れているのですか?
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A
▲異変を感じた場合は、早めに受診してほしいと語る宮本理事長
耳が聞こえにくい、耳が詰まったような感じがする、自分の声がこもって聞こえる、耳鳴りがするといった訴えは多いものです。しかし、これらの症状は大きな耳垢が詰まっているだけでも現れます。また、ストレスや鼻詰まり、中耳炎や外耳炎などの一般的な耳の病気によって起きていることも多いです。しかし、耳の不快感だけでなくめまいを伴う場合や、症状が続く場合は、突発性難聴やメニエール病の可能性があるため注意が必要です。これらの病気は早期の治療が必要となるため、軽い症状だからと油断してはいけません。また、めまいにもいろいろな種類があります。症状を繰り返している場合には受診し、しっかりと原因を見極めることが大切です。
- Qめまいや耳鳴り、難聴を感じたら何科に行けばいいのでしょうか?
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A
▲必要に応じて、信頼できる病院やクリニックと連携を行う
もしも頭痛や吐き気を伴うめまいであれば、速やかに脳外科を受診しましょう。これは脳梗塞などの頭蓋内病変の有無を確認するためです。脳に問題があれば命に関わる場合もあります。様子を見ることも大切ですが、我慢し過ぎず、できるだけ速やかに受診してください。頭痛や吐き気はなく、めまいや耳の不快感、聞こえづらさや耳鳴りのみの場合には、耳鼻科を受診し検査等を受けると安心です。当院では耳の検査はもちろん、いろいろな姿勢で血圧の測定を行ったりもします。その結果、高血圧が発覚することも。必要があれば内科など、信頼できる病院やクリニックを紹介しますので、気軽に受診いただきたいと思います。
- Q症状を放っておくことのリスクはありますか?
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A
▲丁寧に問診し、症状に応じて治療を行う
突発性難聴やメニエール病の場合、ステロイド投与のタイミングを逃すことが一番のリスクです。放置しておいても問題なく回復することもありますが、治療のタイミングが遅れると、聴力の改善が難しくなることも。また、耳の問題ではなく脳梗塞や脳腫瘍など、脳の病気が原因であった場合は命に危険が及んでしまいます。高血圧も放置しておけば、脳出血や心筋梗塞の原因にもなります。どんな病気も早期に発見し、治療を始めることが回復への近道ですね。命を守ることもそうですが、聴力も暮らしの質を大きく左右します。快適な暮らしのためにも、後から後悔しないためにも、放置せず受診していただきたいですね。
- Qどのような検査を行うのでしょうか?
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A
▲さまざまな機器を取りそろえ、検査に力を入れている
まずは症状について詳しく問診し、耳の中を確認します。耳閉感がある場合には鼻内所見も確認します。実際に診ることはとても大切で、この時点で原因の予想がつくことも少なくありません。その後、聴力検査を行い、耳鳴りがある場合は、耳鳴りの高さや大きさを測定する機械で詳しく検査をします。めまいの場合には、加えて立位検査や血圧測定を行います。血圧は立った状態や横たわった状態など姿勢を変えて測定し、めまいの原因を探っていきます。さらに目を拡大して観察できるフレンツェル眼鏡で眼振を確認します。特に痛みを伴う検査はありませんので、ご安心ください。
- Q治療法について教えてください。
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A
▲副作用の有無や作用を確認するため、定期的な通院が必要
聴力の低下があり、突発性難聴を疑う場合には、当院では発症から14日以内であればステロイドの投与を行います。また、4日ごとに副作用の有無や作用を確認しますので、定期的な通院が必要になります。変化があまり出ない場合や点滴治療が望ましいと考えた場合には、近くの病院を紹介し、そちらで引き続き治療を受けていただくこともありますよ。すでにステロイドの投与時期を過ぎている場合には、別の方法でアプローチし回復をめざします。聴力に異常のないめまいの場合は、抗めまい薬の投与を行うこともありますね。ストレスなど、心因性の場合には心療内科と連携して抗不安薬や睡眠導入剤の内服をお勧めすることもあります。