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早期発見・治療が大切
めまいの治療

おがわ耳鼻科

(豊中市/庄内駅)

最終更新日:2021/10/12

おがわ耳鼻科 早期発見・治療が大切 めまいの治療 おがわ耳鼻科 早期発見・治療が大切 めまいの治療
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「めまいは治らない」「治りにくい」と思っている人は少なくない。原因がわかりにくく、治療法もあまり知られていない上に、何科を受診すればいいのかわからないという人もいる。その一方で、ストレスが多い現代生活の影響や、急激に進む高齢化に伴って、めまいやふらつきを訴える人は多いという。他の疾患と同様、めまいの治癒、改善のためには、早期発見・治療が欠かせない。めまいを感じたときはどうすればいいのか。日々、めまいやふらつきを訴える多くの患者の診療にあたっている「おがわ耳鼻科」の山田理副院長に、原因や治療、気をつけたいポイントなどについて話を聞いた。

(取材日2018年4月3日)

原因を明らかにして的確な治療を始めるために、できるだけ速やかに耳鼻科の診療を受けることが重要

Qめまいにはさまざまなタイプがあるそうですね。
A
おがわ耳鼻科 めまいを感じたら速やかに耳鼻科の診療を受けることが大切だ

▲めまいを感じたら速やかに耳鼻科の診療を受けることが大切だ

自分や周囲がグルグルと回っているような感じがする「回転性めまい」と、足元が安定せずフワフワ、フラフラした感じがする「浮動性めまい」に大別できます。回転性めまいは、耳鼻科で診療するめまいの中で最もよく見られるタイプです。多くの場合は、さまざまな原因により耳の中にある三半規管などに問題が生じて発症します。一方、浮動性めまいは、高齢の方によく見られるタイプで、中枢神経である脳に何らかの問題があって起こることがあると考えられています。ただし、耳や視覚の異常、加齢に伴って増える関節や筋肉の機能低下によっても起こることがあるので、高齢の患者さんの場合は原因がはっきりしないケースも少なくありません。

Q回転性めまいがある場合はどんな病気が考えられますか?
A
おがわ耳鼻科 早期の検査でめまいの原因を見つける

▲早期の検査でめまいの原因を見つける

半数以上は、起き上がったり横になったりして頭の位置を変えたときにグルグル回る「良性発作性頭位めまい(BPPV)」です。耳の中にある耳石がはがれ落ちて、三半規管の中を移動することで起こります。一方、回転性めまい全体の数%程度を占めるのが「メニエール病」です。激しい回転性めまいが繰り返し起こるのが特徴で、難聴や耳鳴りを伴います。「突発性難聴」でもメニエール病によく似た症状が見られますが、繰り返すことはありません。このほか、「前庭神経炎」は三半規管の情報を脳に伝える前庭神経が麻痺を起こしている状態で、突発的に激しい回転性めまいが起こります。メニエール病や突発性難聴と異なり難聴や耳鳴りは伴いません。

Qめまいを感じたらどうすべきですか?
A
おがわ耳鼻科 耳鼻咽喉科領域の専用CTで中耳の微細な構造も確認ができる

▲耳鼻咽喉科領域の専用CTで中耳の微細な構造も確認ができる

最初の発症から1週間もたつと、検査での異常所見が大きく変わったり、なくなったりして診断が難しくなります。発症してすぐなら所見が顕著で異常を発見しやすいので、できるだけ早く、できれば症状があるうちに、耳鼻科を受診してください。中でも、突発性難聴は発症後1週間を過ぎると治癒が難しくなるので、速やかに受診する必要があります。不調があるとまず内科を受診される方は多いと思います。しかも、ご高齢でふらつきがあるケースなどは内科から脳外科などに紹介されることも多く、日にちがかかって初期段階での検査や治療ができないことがあります。回転性のめまいの場合、まずは耳鼻科に相談されることをお勧めします。

Qめまいの診療・治療について教えてください。
A
おがわ耳鼻科 20代~90代の幅広い年齢の人がめまいの治療のために通院する

▲20代~90代の幅広い年齢の人がめまいの治療のために通院する

眼振という目の動きを診る平衡機能検査、聴力検査などを行って診断します。検査は短時間で済み、苦痛を伴うことはほぼありませんのでご安心いただきたいです。診断がついたら抗めまい薬、点滴や注射、リハビリテーションなどを組み合わせて治療します。良性発作性頭位めまいの場合は、耳石を元の場所に戻す頭位治療も行います。また、原因を特定することが難しい、慢性的なめまいの場合は漢方薬を使用することも。メニエール病は難病指定を受けている疾患で、現段階では完治は難しいのですが、良性発作性頭位性めまい、前庭神経炎は基本的に治癒します。個人差はありますが通院は週1回程度、治療期間は短くて1週間、長くて6ヵ月程度です。

Q日常生活で気をつけたほうがいいことはありますか?
A
おがわ耳鼻科 めまい疾患と甲状腺疾患を専門に診療する山田理副院長

▲めまい疾患と甲状腺疾患を専門に診療する山田理副院長

薬が原因でめまいが起こる場合があります。降圧剤、抗てんかん薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗パーキンソン病薬、睡眠薬などは、めまいを起こしやすい薬といわれています。また、市販の風邪薬などの副作用でめまいが起こることがあります。こうした薬を常用されていてめまいが起こったときは、医師や薬剤師に相談してください。一方、糖尿病、高血圧症など全身疾患がある人や、喫煙の習慣がある方は血流不良でめまいがおこりやすいので、生活習慣に注意することも大切です。何よりも症状が見られたらすぐに受診してください。全体に占める割合は多くはありませんが、脳腫瘍、耳の腫瘍などが原因でめまいが起こることもあるので放置は禁物です。

ドクターからのメッセージ

山田 理副院長

めまいの症状を自覚したら、できるだけ速やかに耳鼻科を受診することが大切です。転倒などに十分に注意しながら、可能なら症状が起こっているときに診察を受けるのが理想的です。受診が遅れると、原因が特定できなかったり、治療が長引いたりするおそれがあります。一方、かかりつけの内科から他の医療機関を紹介してもらう場合、特にふらつきがあると脳外科などへ紹介される傾向があります。こうした場合も、紹介された医療機関に加えて、耳鼻科への紹介も希望されることをお勧めします。症例が多い回転性のめまいの場合、耳に原因があるケースが多く、早期に耳鼻科の診療を受けられることが良い経過につながります。

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