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岡原 和弘 院長の独自取材記事

岡原クリニック

(堺市西区/津久野駅)

最終更新日:2024/04/18

岡原和弘院長 岡原クリニック main

津久野駅から北へ徒歩3分ほどの場所にある「岡原クリニック」は、2000年に岡原和弘院長が地域のかかりつけ医をめざして開業した。7台分の専用駐車場が用意され、車での通院も可能な同院には、開業以来幅広い年齢層の患者がさまざまな症状を抱えて受診している。岡原院長は長きにわたる外科医としての経験と開業のために学んだ広い知識を生かして、患者のさまざまなニーズに応えている。また、早くから在宅医療に取り組むとともに、医師会の活動にも熱心に参加。医療と介護の連携を進めるなど、社会の高齢化対策にも力を入れている。クリニックのポリシーや地域医療の在り方などについて、岡原院長に話を聞いた。

(取材日2023日9月13日)

人の役に立てる仕事を選び、医療の道へ

医師を志した理由を教えてください。

岡原和弘院長 岡原クリニック1

大学で学んだことがそのまま仕事に生かせる職業だと考えて医師を志しました。理系だったので建築デザインなどほかの方向も考えましたが、人と接して患者さんの役に立てる医師のほうが、自分に合っていると考えたのです。外科を選んだのは、手術をして「治療している」という実感を得られる診療科だと思ったからです。

卒業後はどのような経験を積んでこられたのですか?

入局した大学病院では、一般外科として、腹部、消化管、甲状腺、乳腺など、幅広い部位を診ました。その後は大阪の基幹病院の外科に勤務して、消化管の診療や手術を中心に臨床経験を積みました。さらに、もう少し規模の小さな病院にも勤務しました。その病院では本当にさまざまな症例経験を積むことができ、日本外科学会外科専門医の資格を取得しました。その後は大学病院でおよそ3年間、血管の研究に従事しました。外科は手術を行うので止血がとても重要という考えから、その大学病院には止血の研究室があったので、血管内皮細胞や血小板などについて研究して学位を得ました。上司がアメリカの研究所の所長に就任されるというので、お誘いを受けて留学も経験しましたね。

どのようなクリニックをめざして開業されたのですか?

岡原和弘院長 岡原クリニック2

地域医療を担うために開業したので、なんでも相談できる地域のかかりつけ医になることをめざしました。当院に来ていただければ、適切な一次診療を行い、必要な診療を提供し、場合によっては専門の病院へつなげていくという役割を果たせるようなクリニックですね。そのためには地域の患者さんの幅広いニーズに応える必要があるので、外科以外についての勉強も必要でした。ずっと病院の外科にいたので、それまでお子さんを診た経験がほとんどなく、急病センターの小児科の当番を小児科の先生と一緒に担当し、お子さんの診療について勉強しました。おかげで今はお子さんを泣かせることなく注射をするのが得意になりました。また、内科的な疾患も診ていくために、内科の臨床についても学びました。現在は、本当に幅広い年代の方がさまざまな症例で来院されます。僕はもともと外科医師ですが、最近はそれを知らない患者さんもたくさんおられるほどです(笑)。

休日の過ごし方について教えてください。

実は料理が趣味なんです。プロに教えてもらったので、自宅で寿司を握ることもあります。この前はケーキも作りました。チーズケーキからはじまり、今ではいちごのショートケーキも作れるようになったんです。友人を呼んで料理を振る舞うこともあるんですが、おおむね好評でしたね。これからもいろいろな料理に挑戦していきたいです。

さまざまなニーズに適切に対応する

2023年に改装された際、こだわったのはどのようなところでしょうか?

岡原和弘院長 岡原クリニック3

患者さんが快適に過ごせることを第一に考えました。デザイナーさんと相談して、明るくやわらかい雰囲気の院内にしました。外装も少し変え、タイル張りだった部分の壁を石にしました。大きく変わったのはやはり待合室ですね。以前は壁に貼り紙をして情報発信していたところを、大きなモニターを設置し、そこで情報発信するようにしました。今はもう貼り紙はしていません。診察室と処置室はあまり変えていませんが、感染症対策として、発熱している患者さんを隔離するためのスペースは確保しました。

患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。

症状を緩和したい、検査を受けたいなど、患者さんによって診療に求めていることやその優先順位は異なります。そのため、患者さんの話をしっかりと聞いてその思いをくみ取り、適切かつ迅速に対応できるように努めています。検査機器を充実させているのも、対応できることはできるだけ当院で行える環境を整えるためです。来て良かったと思われるような診療を提供したいですね。改装して待合室がきれいになった分、診療にも満足して帰っていただけるよう、努力しています。患者さんがご高齢になっても頼りにされるかかりつけ医になりたいですね。

現在力を入れている治療はありますか?

岡原和弘院長 岡原クリニック4

今注力しているのは禁煙治療ですね。患者さんの数自体はそこまで多くないですが、禁煙したいけれどやめられない人は多いです。受診の理由として「喫煙環境が少なくなったから」「煙草の値段が上がっているから」というのが増えています。また、基幹病院の中には、喫煙者に禁煙させてから手術を行うところが増えつつあります。喫煙者は非喫煙者と比べると、どうしても術後の合併症が多くなってしまうんですよね。当院では基幹病院から依頼を受けて、患者さんの禁煙をお手伝いすることもあります。

スタッフさんについてはいかがでしょう。

受付はいわばクリニックの「顔」なので、受付で患者さんが嫌な思いをされることがないように、開院当初から徹底しています。受診待ちの患者さんは、時間がかかるとイライラされてしまうこともありますが、現在ではスタッフみんなが理解していい雰囲気を保っていると感じています。看護師については、当院は「小さな総合病院」といっていいほど診療内容が幅広いので大変ですが、ベテランの信頼できるスタッフがいてくれるので助かっています。みんな患者さんに丁寧な対応を心がけてくれていますし、初めてのことでもすぐに吸収してくれるので心強いです。

在宅診療は「やるべきこと」と考える

早くから在宅診療を実践していらっしゃいますね。

岡原和弘院長 岡原クリニック5

かかりつけ医として診療していると、在宅診療は外来の延長です。通院されていた方が通うのが難しくなった場合、できる限り在宅診療というかたちで対応するようにしています。多くの場合、訪問看護ステーションと連携して、入院と近い環境を提供できるように努めています。かかりつけ医として、患者さんは最後まで大切にしたいんです。また、病院から依頼を受けてがん患者さんの緩和ケアを引き受けることもあります。近年は注射用のポンプが進化したおかげで、入院時に近いこまやかなケアが可能になっています。外来診療と両立させるのは大変ですが、僕の診療理念からすると在宅診療はやらなければならないことと考えています。

地域の高齢化を考慮して、医療と介護の連携促進に貢献されてきたとか。

はい。かかりつけ医は患者さんと1対1の関係だけでなく、地域の医療も守っていく使命があると考えています。地域包括ケアを機能させるためには、在宅医療や訪問看護ステーションとの連携に加えて、ケアマネジャーとの連携も大切です。このため、地域の医師とケアマネジャーの顔が見える関係、話ができる関係づくりを促進するための会の座長を務めたこともあります。当時はまだ「地域包括ケア」という言葉も知られていなかったのですが、高齢化が進行していく中で医療と介護の連携が不可欠と考えての取り組みでした。ケアマネジャーが医師に尋ねたいことはたくさんあるけれど、会って聞くには医師との時間調整が難しいという現状があったので、ファックスを使った連絡票を作成しました。社会に必要な医療ニーズに応えていくのが、かかりつけ医の役割だと思っています。

読者にアドバイスやメッセージをお願いします。

岡原和弘院長 岡原クリニック6

若い方は病気になることが少なく、ご自身も健康だと思っておられますが、この先も健康に過ごすためには検診を受けていただくことが大切です。受診は特別なことではありません。定期的な受診や、ちょっとしたことでも受診する習慣があれば、大きな病気を見逃すことなく医療を受けてもらうことができます。そのためには、頼りになるかかりつけ医を見つけてください。医師と何でも話せる・聞ける関係性が築ければ、あなたの心強い存在になると思います。

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