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上田 厚夫 院長の独自取材記事

うえだ医院

(大阪市中央区/本町駅)

最終更新日:2021/10/12

上田厚夫院長 うえだ医院 main

大阪市中央区本町。大阪メトロ御堂筋線本町駅を降りてすぐの東芝大阪ビルの4階に「うえだ医院」はある。大阪を代表するビジネス街の中心で、あまりの立地の良さに「こんな所にクリニックがあるの?」と、戸惑うかもしれない。場所柄、8割以上が近隣に勤める会社員という内科クリニックだ。「じっくり話を聞き、その人に合った適切な処方を探っていきたい」と語るのは院長の上田厚夫先生。パソコンのキーボードを打ちながら患者の問診をする医師も多い中、上田院長は患者の目を見て話を聞きたいとの思いから、書記役のスタッフを配置し、自身はきちんと正面から患者と向き合う。上田院長にクリニックの方針やビジネス街で開業する内科医師の心得など、さまざまな面で話を聞いた。

(取材日2018年10月10日)

向き合うのはパソコンではなく、患者の顔

まずは、開業された経緯をお聞かせください。

上田厚夫院長 うえだ医院1

以前、この同じ場所で別の先生が内科クリニックを開業されていたんです。私はそこで臨時の医師として10年ほど通わせていただいておりました。その後、縁があって引き継がせていただきました。私としても開業医の道を模索していた時期であり、長く勤めた愛着のある場所でもあったことから、同じ場所で継承開業させていただきました。引き継いだ年に内装なども一新し、再スタート。来ていただいた方が落ち着いて過ごしてもらえるようにしました。昔から患者さんのほとんどが会社員だったんですが、引き継いだ後は、女性の患者さんの割合が増えていますね。

継承開業後に変えられたのは、どういったところでしょうか?

もともとは消化器内科として、内視鏡検査をメインにしたクリニックだったのですが、引き継いだ後は内科クリニックとして総合的に患者さんと向き合っていく方針をとっています。中でも気をつけているのは、話をじっくりと聞くこと。私自身、大きな病院に勤務していた時代には、どうしても一人の方に多くの時間を割くことができず、もどかしい思いをしたことがありました。でも、家族の背景やお仕事の内容で対処の仕方は少しずつ変わってきます。例えば多忙な飲食業の方ですと、1日に2回の薬を飲むことができないかもしれない。そういう場合は、1日1回の服用で済む薬に変えてみるなど個別の配慮をしています。特にこの地域はIT関連、サービス業など、さまざまな職種の方がおられますので、そんな個々人に合わせた処方をするのが、ビジネス街で開業している私の役目だと思っています。

話を聞くために具体的に配慮されていることはありますか?

上田厚夫院長 うえだ医院2

当院でも多くのクリニックと同じように近年は電子カルテを採用していますが、パソコンを打ちながら患者さんの話を聞くことは絶対にしないよう心がけています。どうしても、キーボードを打ちながらですと体が斜めになり、患者さんの顔を見ながら話を聞くことができなくなってしまいます。ですから、必ず書記役のスタッフに横についてもらい、私自身は患者さんの方をしっかりと向き、話を聞くようにしています。

朝に受け、そのまま出社できる内視鏡検査

診療する際、気をつけておられることはどんなことでしょうか?

上田厚夫院長 うえだ医院3

問診の際に私がどんどん質問してしまうと、しばしば誘導尋問のようになってしまい、間違いのもとになってしまいます。また、腹痛などの症状は疾患によるものではなく、ストレスなど心因性の場合もあり、問診では患者さんの容態を自然なかたちで聞き出すように心がけています。問診や検査に基づいて早期に原因を突き止め、それが私の守備範囲を越える専門的な処置が必要なものであれば、抱え込まずに早め早めに適切な医師を紹介します。窓口的な役割として、最終的に患者さんができるだけ早く快方に向かう道筋を示してあげることは、ビジネス街で開業するクリニックの務めだと思っています。

こちらのクリニックで受けられる内視鏡検査について教えてください。

内視鏡検査はほぼ毎日、診療前の時間に行っています。希望があれば午前の診療後に行うこともあります。当院では予約さえしていただければ、その日のうちに検査をし、結果をお伝えすることができます。胃カメラも鼻から入れるタイプの内視鏡検査機器を使用していますので、体への負担も少なめなんです。多くの方が朝に受診・検査をされて、そのまま仕事に行かれています。異常がある場合はもちろんですが、異常がなければないで安心できますので、胃痛、胸焼けなど最近胃の調子がよくないなと思われる方はぜひご相談ください。

内視鏡検査ではどのような点に気をつけておられるのですか?

上田厚夫院長 うえだ医院4

もともと内視鏡検査専門の医師として勤めておりましたので、検査の技術面ではそれなりに自信を持っています。当院では新しい機械を導入していますので、カラー画像で胃がん、食道がんだけでなく喉頭がんも発見が可能です。ただし、怖いのは自信や過信により病気の兆候を見落としてしまうこと。クリニックでの検査はこれが最終検査なので、ここで見落としてしまうと、後に大きな病気につながりかねません。おかげさまで開業して10年、深刻な失敗や見落としはありませんが、これからも病気の見落としがないように、細心の注意を心がけていくつもりです。

各種検査に対応し、予防医療にも尽力

漢方薬の処方もされていると伺いました。いつから始められたのでしょうか?

上田厚夫院長 うえだ医院5

漢方薬は開業後、しばらくたってから導入しました。前から興味があったので診療後や休みの日などに少しずつ勉強し、知識を取り入れました。普通の西洋薬で治る病気もありますが、中にはそれだけでは治らないものもあるんですよね。例えば、女性に多いホルモンバランスの乱れや冷え性の方に処方するそのものズバリの西洋薬はないんです。「おなかが痛い」と訴えられる患者さんの中には体の冷えが原因で症状が出ている場合もあるので、そういった方には漢方薬を処方するようにしています。他にも、心因的な病や女性の更年期障害などに漢方薬が合うことも多々あります。両方をうまく組み合わせることで、より患者さんのためになる治療ができるようにと考えています。

検診で来院される方も多いそうですね。

近年、予防医学の進歩は目覚ましく、検査によってさまざまな病気が早期発見できるようになりました。これまで医学的根拠に基づいたがんの予防は、ほとんど確立されていなかったのですが、これからは血液検査や遺伝子を調べることで、複数のがんリスクがわかる時代になると思われます。「検診こそ最大の予防策」と言えるかもしれませんね。ですが、病気を心配するレベルは人によって違うため、私は基本的には検診を押しつけることはしていません。ただそれでも体調に異変を感じ、いつもと違うと感じた時は、様子を見ようではなく、早めに医療機関を受診してもらえたらと思います。当院でも、経鼻内視鏡検査、腹部超音波検査、心電図検査、尿検査、血液検査など、さまざまな検査に対応しているので、気になる症状がありましたら気軽に相談してください。

近隣にお勤めの方にメッセージがあれば、お願いします。

上田厚夫院長 うえだ医院6

この辺りにお勤めの方はお忙しい方が多いので、ついつい病院に来ることを後回しにされがちです。そういう人たちには「仕事するには体が資本。体の調子が悪いと仕事もできなくなりますよ」とお伝えしています。以前、ものすごくバリバリと働く方が、心不全の症状で来院されたので病院を紹介し、しばらく休養してもらいました。初めは仕事を休むことを嫌がっておられたのですが、後に「自分の健康を見直すいい機会になりました」と、喜びの声をいただきました。仕事も健康な体があってこそ。長く、働くためにも気軽にクリニックの門を叩くことをお勧めいたします。

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