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鈴木 英夫 院長の独自取材記事

鈴木レディースクリニック

(鈴鹿市/平田町駅)

最終更新日:2023/10/05

鈴木英夫院長 鈴木レディースクリニック main

近鉄鈴鹿線の平田町駅から車で10分ほど、鈴鹿市平野町の工業地帯に位置する「鈴木レディースクリニック」。1993年の開業以降、30年にわたり地域の女性を支える鈴木英夫院長は、長年産婦人科の医師を続けるベテランドクターだ。「来てくれた方はどんな方でも受け入れたい」と語る鈴木院長は、田中正人副院長と2人体制で毎日診察を行っている。工業地帯の中にあるため、日曜日には周囲の外国人労働者も多く訪れるという。また同院では、出産という大役を果たす女性にリラックスして過ごしてほしいと、入院中のサービスにも気を配る。終始フレンドリーな姿勢で応じる鈴木院長に、同院の特徴や産婦人科の医師としての思いを語ってもらった。

(取材日2020年8月20日)

どんな人でもどんな悩みでも相談できる場所をめざす

医師をめざされたきっかけを教えてください。

鈴木英夫院長 鈴木レディースクリニック1

私が医師をめざしたのは、父親が産婦人科の医師だったからです。いつからというよりもいつの間にか産婦人科を志し、無意識に自分もそうなるものだと思っていました。私の時代は男が産婦人科の医師をめざすことに偏見を持っている方もいて、中学時代にはからかわれたこともあります。しかし「誕生」という喜びの瞬間に立ち会える産婦人科をめざすという気持ちが揺らいだことはありませんでした。生まれ故郷の東京での生活も長かったですが、三重県伊勢市育ちであり妻の実家が鈴鹿市なこともあり、縁あってこの地で開業しました。最近は交通の利便性が上がったので、隣の亀山市や津市から来てくれる方も増えましたね。出産の時に立ち会いたいという親戚がたくさんいても大丈夫なように、駐車場も広く確保しました。

外国の方も多くいらっしゃるそうですね。

周囲に工場が多くあるので、外国人労働者の方もたくさんいらっしゃいます。韓国、ブラジル、ペルー、ベトナムなどさまざまな国の方が来てくれていて、特に工場が休みになる日曜日はまるで外国にいるような感覚になるほどです。中には日本語が話せない方もいるので、わからないときはスマートフォンのアプリを活用して一生懸命コミュニケーションを取っています。できるだけ来てくれた方には当院で対応するようにしていますが、難しい場合は三重大学医学部附属病院か三重県立総合医療センターへ引き継いでいます。

高校で性教育の講師もされているそうですね。

鈴木英夫院長 鈴木レディースクリニック2

産婦人科というとハッピーなイメージを持つ方が多いと思います。しかし出産の裏では、中絶手術も行われているというのが現実です。私は失われる命が少しでも減ってほしいと考え、高校へ性教育の講師をしに行き避妊の大切さを伝えています。未成年、特にローティーンの方は、妊娠が発覚すると中絶を選択せざるを得ないことが多いと思います。失われる命が出てしまわないように、避妊のご指導にも対応しておりますので、何か悩みを抱えている方は1人で抱え込まずに相談してほしいです。また若い方だと産婦人科に入りにくいと思うかもしれませんが、気持ちを楽にして来ていただければと思います。

出産に臨む女性へ最大限のいたわりを

クリニックの強みはどんなところでしょうか?

鈴木英夫院長 鈴木レディースクリニック3

病室が1つとして同じ部屋がなく、空いていれば好きな部屋が選べるというところでしょうか。和室、洋室、和洋折衷の部屋などがあり、希望の部屋で入院できます。現在は新型コロナウイルスの影響で立ち会いもできず出産後の面会も窓越しなので少し寂しいですが、これまでは大きな部屋で親戚の方がたくさん泊まって皆さんで過ごすということもよくありました。今は小さめの部屋を利用する方が多いですが、妊婦さんとご家族の方たちが集まって赤ちゃんの誕生を大勢で喜ぶ光景が早く見たいですね。また当院では自家発電機などを導入しており、万が一災害が起きた場合でも3~4日炊き出しをして過ごすことができます。患者さんと赤ちゃん用の防災グッズも用意してあるので、何かあったときでも安心だと思います。またホームページでは、産後のサービスについても紹介もしています。

出産される方へのサービスにもこだわられているそうですね。

まず妊娠中はSDカードかUSBメモリを持ってきていただければ、エコーで撮影した胎児の動画を持ち帰っていただけます。エコー写真もお渡ししていて、今の技術だと赤ちゃんのお顔がきれいに写ることもありますよ。患者さんの笑顔を見ると私もうれしい気持ちになりますね。入院中は患者さんにタブレット端末を貸し出していて、雑誌が読めたりインターネットが利用できたりします。またタブレット端末で撮影した写真は、あとでアルバムにしてお渡しするようにしているんです。ほかにも入院される方のために、歯ブラシやフェイスマスク、化粧水・乳液など入院中に役立つグッズもご用意しており、患者さんからも喜ばれています。あと赤ちゃんの写真と生年月日を入れた写真立ても記念にお渡ししていますよ。また、時間制で看護師が赤ちゃんを預かり、お母さんにゆっくりしてもらう産後ケアも導入しています。

両親学級などにも対応されているのでしょうか?

鈴木英夫院長 鈴木レディースクリニック4

対面での両親学級は現在新型コロナウイルスの影響で中止していて、動画共有サイトで動画を発信しています。また、助産師の外来を1対1で行い乳房のケアや妊娠中の注意事項などを説明させていただいています。院内教室として、マタニティーヨガは以前は多くの方にご利用いただいていたのですが、こちらも休止しています。マタニティー太極拳も同様ですね。コロナ禍に入る前はマタニティーフォト撮影も導入していたのですが、妊婦さんと外部の方の接触を減らすためにこれも廃止して寂しい限りです。新型コロナウイルスの流行がいつ終息するかわからないので、これらの再開については決めていませんが、妊婦さんへのいたわりの気持ちを伝えられる何かはしていけたらと思います。

一人ひとりに寄り添う、女性の一生を通じたサポーター

先生はとてもお元気な印象です。プライベートはどのように過ごされているのですか?

鈴木英夫院長 鈴木レディースクリニック5

私はもう60歳過ぎですが、患者さんと元気に接することを心がけているんです。話しにくい雰囲気をつくらないように、私自身はオープンな姿勢を保つようにしています。なので気持ちは若いですよ(笑)。声も大きいので、話をしている患者さんの隣の患者さんが返事をしてしまうこともありますね。その元気を保つために健康維持には気を配っているので、いろいろな健康器具をそろえて家で使っています。昔は散歩もよくしていたのですが、勤務時間も長いので最近は診察後は家で過ごすことが多いですね。今年はやっていないですが、夏場にベランダで日光浴するのも好きで、真っ黒に日焼けしてしまったこともあります。

スタッフはどんな方たちですか?

看護師が20人ほどいて、あとは助産師や受付がいますがベテランが多いです。中には開業してから27年間勤めてくれている人もいて、もう人生の半分くらい一緒に過ごしていますね。一番年下でも40代で、長年勤務しているスタッフばかりです。なのでスタッフ同士の仲は良く、私も開業何周年という時には贈り物ももらうこともありました。待合室の私の肖像画と、廊下にある当院の模型もスタッフからの贈り物なんです。患者に対しても親身になれる経験豊富なスタッフばかりなので、何か困ったことがあれば何でも相談してください。

最後に読者へメッセージをお願いします。

鈴木英夫院長 鈴木レディースクリニック6

一番伝えたいことは、どんな方でもどんなことでも相談してほしいということです。最近は妊娠から出産、子育てまでさまざまなことで悩んでいる女性が多いと感じています。体の不安はもちろんですが、「赤ちゃんが何で泣いているんだろう」とかそういった相談も1人で抱え込まずに話してほしいです。来てくれた方一人ひとりに寄り添い、可能な限り一緒に解決をめざしていきます。そして出産という生命の神秘と喜びをともに感じられたらと思っております。

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