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曽我 倫久人 院長の独自取材記事

津泌尿器科皮フ科診療所

(津市/津新町駅)

最終更新日:2021/10/12

曽我倫久人院長 津泌尿器科皮フ科診療所 main

津新町駅から車で北東へ約5分、津地方裁判所の東隣に位置するのが「津泌尿器科皮フ科診療所」だ。院長の曽我倫久人(そが・のりひと)先生は、義父が長年内科の医院を営んできた現在の場所で、2021年5月にリニューアル開業。院内は白を基調とし、シンプルで明るく清潔感のある雰囲気。泌尿器科と皮膚科をメインに診療している同院では、プライバシーに配慮し、待ち時間の短縮をめざせるよう内装が工夫されている。曽我院長は愛知県がんセンターで10年の勤務経験があり、部長として前立腺がん、膀胱がん、腎がんといった多くの泌尿器がんの手術を執刀してきた経験豊かな医師。「患者と距離の近い医師でありたい」と笑顔で語る曽我院長に治療方針、今後の展望など幅広く聞いた。

(取材日2021年6月3日)

もっと患者と距離の近い医師でいるために開業

医師をめざされたきっかけを教えてください。

曽我倫久人院長 津泌尿器科皮フ科診療所1

私が6歳の時に、父が外科手術を受けたのがきっかけで医師になりたいと思いました。医師になりたいと思ってからの道のりは長かったですけどね(笑)。医師になってから、父を救ってくれた外科医師とたまたま同じエリアで勤務することがあったので、一度お会いしたんです。その先生の甥っ子さんも、医師になっていたので、「私の影響で医師になったのは、あなたが2人目だ」と言って、すごく喜んでいただけました。しばらくして、残念ながらその先生は亡くなられたのですが、お礼も言えましたし、その方がきっかけで医師になったというのもお伝えできたので、今でもその先生とのことは私の中では良い思い出になっています。

内装をリフォームされたとお伺いしましたが、どのような部分にこだわったのでしょうか。

この建物は、もともと義父が内科を営んでいた医院だったので、泌尿器科と皮膚科の患者さんを診るならという点に着目してリフォームし、専門科の検査処置がスムーズに行えるように配置しました。また、尿の検査が多いので、そのエリアが患者さんの目にふれないように配慮しました。追加して、感染症対策のための換気と、プライバシーを守るためのコンパートメントを意識しました。できるだけ患者さんの居場所を分けるようにして、可能な限り密にならないようにしています。2つある診察室は、私が移動したり、患者さんに移動してもらったりして、なるべく密にならずにかつ、待ち時間を短く診察できるように活用しています。

愛知県がんセンターで、ご勤務されていたそうですね。

曽我倫久人院長 津泌尿器科皮フ科診療所2

愛知県がんセンターでは、初めの5年は医長として、後半5年は部長として計10年間勤務しました。前立腺がん、膀胱がん、腎がんの手術を数多く経験し、複数の先生から、腹腔鏡手術や小切開手術など、さまざまな技術を学ぶことができました。しかし、患者数が多くとても忙しいので、1人の患者さんと接するのに与えられた時間は本当に数分なんです。カルテや判断材料だけ見て、患者さんの顔もしっかり見られないような日々が続き、部長というポジションでは仕方ないと思いながらも、心のどこかではこのままで良いのかなと疑問を感じていました。このまま継続して勤務するか悩んだ末、もっと患者さんと距離が近い開業医の道を歩むことを決意しました。今まで培ったロボット技術や手術経験のことを考えると、後ろ髪を引かれる思いはありましたが、現在は自分ができることをして、次のステップはより大きい施設へ橋渡しする役割を担うことが重要と考えています。

悩みを解決することを優先し、患者の声に耳を傾ける

エリアや患者の特徴を教えてください。

曽我倫久人院長 津泌尿器科皮フ科診療所3

北側の河芸町や、南側の雲出を含む、津市の北から南の端までの広い範囲の方が来ていただいています。高齢化地域でもあるので、徒歩で近隣から来る方や、すぐ近くを通っている路線バスで来てくれる方もいます。男女比も半々くらいで、泌尿器科と皮膚科も同じくらいの患者さんの比率です。泌尿器科で来院された患者さんが「ついでに皮膚も診てほしい」と言われることもよくあります。また、開業してから感じたのは、周辺のオフィスで働いている方が仕事終わりに寄ってくださることです。わざわざ車を走らせなくても、朝や夕方に気軽に徒歩で寄ってもらえるというのは、当院の強みでもあると感じています。

どのような治療方針で、診察していらっしゃるのでしょうか。

とにかく間口を広くして気軽に来ていただき、私の専門と関係ないことでも患者さんが悩んでいることを吐き出してもらえる環境づくりをするのが当院の方針です。もちろん私が得意な泌尿器科、皮膚科の分野であれば対応しますが、対応できない検査や分野などもありますので、そういった場合は適切な大規模病院などを紹介するようにしています。「こんな治療ができます」と特化していくのではなく、患者さんが悩んでいることやご相談いただいた症状を総合的に解決することを意識しています。近くの武内病院、三重中央医療センター、三重大学医学部附属病院や、私が勤務していた愛知県がんセンターと連携し、必要であれば適切に紹介させていただきます。

患者と接する際に大切にしていることを教えてください。

曽我倫久人院長 津泌尿器科皮フ科診療所4

話しやすい環境をつくって、患者さんの話をしっかり聞くようにしています。患者さんの病気と直接関係ない話でも、家族や近所の人からこんなことを聞いたとか、関係ない話をしてもいいかなと思ってもらえるようにしています。病気は生活の一部でもあるので、病気だけ診て終わりというようにしたくないんです。医療にとって、治療介入がすべてではなく、自分が知っている知識や情報を伝えることによって、病気を良い方向に解決していくことも大切だと思います。話している間に解決する場合もありますしね。自分の症状の経過を混乱して認識している場合、どうしてこうなったかなど話を聞いて内容を整理していると、時系列が明らかになり原因がわかってきて薬を出さずに済むこともあるはずです。患者さんにお話ししていただいた中から、治療につながる大切なことを拾い上げていくようにしています。

前院長とともに、訪問診療で在宅希望の患者をサポート

医院を継承するにあたり、前院長とはどんなお話をされましたか。

曽我倫久人院長 津泌尿器科皮フ科診療所5

前院長である義父が院長だった時は在宅診療の求めが多く、この地域ではニーズが高いと話をしたことがあります。私自身も愛知県がんセンターにいた時、積極的な治療が難しくなった方に施設に入ってもらうケースが多くあったんです。そういう方たちの多くが「家に帰りたい」と思っていることも知っているので、今後それが実現できる在宅診療にも力を入れていきたいと考えています。現在は、前院長が徐々に患者さんの個人宅へ訪問し始めているところです。これまで通っていた方が通えなくなった場合や、周囲の大きな病院に入院していた方が家で治療を受けたい場合などがあれば、訪問診療でサポートできたらなと考えています。

今後の展望をお聞かせください。

患者さんの症状やその変化が、視覚的にわかるようにしていきたいと考えています。泌尿器科も皮膚科も患者さん自身では見えにくい場所に症状が出る場合、患部の状態や変化がわからないことがあります。患部を映像に映して一緒に画面を共有したり、記録として残して患者さんがご自身の変化が目に見えてわかるように機器を整備しています。また、要望に合わせて安全に配慮しながら、検査、処置の内容を増やしたいと思っています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

曽我倫久人院長 津泌尿器科皮フ科診療所6

泌尿器科は、恥ずかしくて受診しにくいイメージがあったり、特に女性にとって受診のハードルが高かったりするかと思います。しかし、当院は皮膚科も併設していますので、皮膚科で受診していただいて診察室に入ってから「実は泌尿器でも気になることがある」と相談していただいても大丈夫です。問診の段階でも、どちらの診療を希望しているか明確にしなくても診察できるように配慮していますので、お気軽にご相談いただければうれしいです。 また、私が一からホームページの文章を作ったのですが、見ていただくとたくさんの情報が載っていることがわかると思います。こだわったのが、症状やお悩みから疾患名にたどりつけるようにしたところです。病院に受診していただく前に情報があったほうが良いかと思い、そのような形式にしました。何かお困り事があれば一度見てみていただければうれしいです。

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